暖房を使っているとしばらくして止まり、リモコンに150やE4が点滅している。
燃料は入っているし、火はついていたはずなのに止まってしまう。
このパターンで表示されるのが、過熱側の安全装置が働いたことを知らせる一群のコードです。
熱が足りないのではなく、作った熱の行き場がなくなっている状態を示しています。
この記事では、150・160・E4・E22が示している状態、まず確認したい暖房配管のバルブ、機器が冷えるのを待つ解除手順、そして待っても復帰しない場合の考え方までを解説します。
4つのコードが示しているもの
いずれも過熱に関する安全装置の作動、または熱に反応する部品の断線による運転停止です。
機種によって表示が分かれますが、確認する方向は共通しています。
| 表示 | 内容 | メーカーが挙げる確認事項 |
|---|---|---|
| 150 | 過熱防止装置の回路遮断、または熱交温度ヒューズの断線による運転停止 | 機器の温度が下がるのを待って解除操作 |
| 160 | 過熱防止装置の回路遮断による運転停止 | 同上 |
| E4 | 過熱防止装置の回路遮断、または熱交温度ヒューズの断線による運転停止 | 同上 |
| E22 | 過熱防止装置の回路遮断による運転停止 | 暖房配管のバルブが閉まっていないか確認する |
E22に「暖房配管のバルブ」が明記されている点が、このグループを読み解く手がかりになります。
過熱は、燃焼が強すぎて起きるというより、温水が循環せずに熱がこもることで起きるケースが多いためです。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではE4の割り当てが機種によって変わります。
お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
過熱防止装置と温度ヒューズは別物
同じ150やE4でも、内訳によって復帰のしやすさが変わります。
ここを取り違えると、いつまで待っても解除できない理由が分からなくなります。
| 内訳 | 性質 | 復帰 |
|---|---|---|
| 過熱防止装置の回路遮断 | 温度が下がれば元に戻る仕組み | 機器が冷えてから解除操作で復帰することがある |
| 熱交温度ヒューズの断線 | 一定温度を超えると溶断し、元に戻らない部品 | 部品交換が必要。待っても解除できない |
温度ヒューズは、機器が危険な温度に達したときに回路を切って燃焼を止めるための部品です。
一度切れると再びつながることはないため、いくら冷やしても、何度解除操作をしても復帰しません。
待っても戻らない場合は、この可能性を考えて点検を依頼する段階になります。
まず確認するのは暖房配管のバルブ
家庭で確認できる範囲で最も可能性が高いのが、暖房側の弁の状態です。
| 確認する場所 | よくある状況 |
|---|---|
| ヘッダーや分岐部のバルブ | 掃除や修繕、部屋の使用停止にあわせて閉めたままになっている |
| 放熱器(パネルヒーター)側のバルブ | 使わない部屋をすべて締め切っている |
| 床暖房の回路のバルブ | 施工時やリフォーム後に開け忘れている |
温水の通り道がふさがれていると、熱交換器で温められた水が行き場を失い、局所的に温度が上がります。
その結果として過熱側の装置が働き、運転を止めるという流れです。
特に使わない部屋の放熱器をすべて閉め切ったあとから症状が出るようになった場合は、循環経路の確保を疑う価値があります。
どのバルブを開けてよいか判断がつかないときは、閉めた覚えのあるものを元に戻すところから始めてください。
不凍液と循環の状態も関係する
循環そのものが不足していれば、バルブが開いていても同じ状態になります。
- 不凍液の水位が下がっている(260・430・EL・P7などの表示につながります)
- 循環ポンプの回転が落ちている(640として表示されることがあります)
- 配管内に空気がたまっている
不凍液の水位低下は補充で対応できますが、短期間で繰り返す場合は暖房配管からの漏れが疑われます。
過熱の表示と水位低下の表示が交互に出るようであれば、循環系にまとめて原因があると考えられます。
なお、水温サーミスタが高温を検知して停止するE25でも、同じく暖房配管のバルブが確認事項として挙げられています。
解除(リセット)の手順
- 暖房配管のバルブが閉まっていないかを確認する
- 機器の温度が下がるのを待つ
- リモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う(機種によっては熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す方法が指定されています)
待ち時間は、外気温や運転していた時間、機器の設置場所によって変わります。
熱がこもった直後に操作しても同じ表示に戻るため、機器の表面が触れて熱くない程度まで下がってから操作するのが目安です。
何度も続けて解除操作を繰り返しても、温度が下がっていなければ結果は変わりません。
機器から異音や焦げたにおいがする、配管や機器のまわりが濡れている、蒸気のようなものが出ているといった場合は、解除操作を行わず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
待っても復帰しないときの考え方
十分に冷えてから操作しても表示が消えない場合、次のいずれかが考えられます。
| 可能性 | 内容 |
|---|---|
| 熱交温度ヒューズの断線 | 部品交換が必要。所有者の操作では復帰しません |
| 過熱防止装置そのものの不良 | 温度が下がっても回路が復帰しない |
| 温度を検知する部品の不良 | 実際の温度と検知値がずれている |
| 循環不良が解消されていない | バルブ以外の原因が残っている |
いずれも点検の領域です。
このとき伝えたいのは、いつから、どのコードが、どんな運転状況で出たかという情報です。
「使わない部屋のバルブを閉めた直後から」「不凍液を補充したあとから」といった心当たりがあれば、あわせて伝えると原因の特定が早くなります。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 閉まっていたバルブを開け、冷えてから解除して正常運転 | 様子を見て使用可 |
| 冷えるのを待っても解除できない | 温度ヒューズの断線を含めて点検を依頼 |
| 解除しても短時間でまた過熱で停止する | 循環系の点検を依頼 |
| 不凍液の水位低下や循環ポンプの表示も出ている | まとめて点検を依頼 |
| 機器のまわりが濡れている、異音や焦げたにおいがある | 運転を止めて速やかに連絡 |
過熱は、機器の内部に負荷がかかっている状態です。
解除操作を繰り返して無理に運転させると、他の部品にも影響が及ぶ可能性があります。
再発する段階で点検を依頼するほうが、修理の範囲を小さく抑えられます。
点検までの間の暖房について
過熱側の表示が出ている機器は、原因を確認するまで運転を控えるのが基本です。
暖房シーズン中は訪問までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
古い機器を引っ張り出して使う場合は、状態の確認も必要です。
判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも過熱防止装置の作動を示す表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
再発を防ぐために
- 使わない部屋の放熱器を全部閉め切らず、循環できる回路を残す
- 掃除や修繕でバルブを閉めたら、作業後に開けたかを確認する
- 不凍液の水位をシーズン前に確認し、必要なら補充する
- 過熱の表示が出た時期と状況を控えておく
バルブの開け忘れは、その場では気づきにくく、数日後に暖房を使い始めてから症状として出ます。
閉めたバルブを記録しておくだけで、原因の切り分けが大きく楽になります。
よくある質問
Q1. どのくらい冷えるのを待てばよいですか。
待ち時間は外気温、運転していた時間、設置場所によって変わるため、一律の目安を示すことはできません。
機器の表面が触れて熱くない程度まで下がってから操作するのが現実的な判断です。
熱がこもったまま操作しても同じ表示に戻るだけなので、続けて何度も試す意味はありません。
十分に冷えてから操作しても復帰しない場合は、温度ヒューズの断線を含めて点検を依頼してください。
Q2. 150とE4は同じ意味ですか。
どちらも過熱防止装置の回路遮断、または熱交温度ヒューズの断線による運転停止を示しています。
表示形式が違うのは、機種やリモコンの世代の違いによるものです。
一方で160とE22は過熱防止装置の回路遮断のみが内容として挙げられており、E22では暖房配管のバルブが確認事項として明記されています。
どの表示が出ていたかは、点検を依頼するときに伝えておくと切り分けの手がかりになります。
Q3. 使わない部屋の放熱器は閉めてはいけないのでしょうか。
一部を閉めること自体は珍しくありませんが、すべてを閉め切ると温水の通り道がなくなります。
機器や配管の構成によって、どこまで閉めてよいかは変わります。
過熱の表示が出るようになった時期と、バルブを閉めた時期が重なっているようであれば、まず元に戻して様子を見てください。
どの回路を残すべきか分からない場合は、施工した業者に確認するのが確実です。
Q4. 温度ヒューズは自分で交換できますか。
機器内部の部品であり、交換には分解と適合部品の選定が必要になるため、所有者の作業範囲を超えます。
また、温度ヒューズが切れたということは、機器が想定を超える温度に達したという結果でもあります。
部品を交換するだけでなく、なぜその温度まで上がったのかを確認しなければ、同じことが起こります。
交換と原因の確認をあわせて依頼してください。
Q5. 過熱で止まる機器は、交換を考えたほうがよいですか。
原因がバルブの閉め忘れや不凍液の不足であれば、機器そのものの寿命とは関係ありません。
一方で、設置から10年前後が経過し、循環ポンプや温度を検知する部品の劣化が背景にある場合は、他の不具合も同時期に出やすくなります。
点検の結果を踏まえ、必要な部品交換の費用と機器交換の費用を比較して判断するのが現実的です。
費用は機種や設置条件、地域によって変わるため、見積もりで確認してください。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される150・160・E4・E22は、過熱側の安全装置が働いたことによる停止です。
熱が作られすぎたというより、温水が循環せずに熱の行き場がなくなっている状態を疑うのが基本になります。
まず確認したいのは暖房配管のバルブで、閉めたままの回路がないかを見直してください。
解除は機器が十分に冷えてから行い、それでも復帰しない場合は熱交温度ヒューズの断線など、部品交換が必要な状態が考えられます。
解除操作を繰り返して運転させ続けることは避け、再発する段階で点検を依頼するのが機器にとっても安全です。

