暖房が止まり、リモコンに140やAHが表示されている。
「温度ヒューズの断線」と説明されると、部品が切れてしまったのだから修理しかないと感じる場面です。
ただし実際には、解除操作で運転を再開できる場合と、部品を交換しない限り戻らない場合があります。
この記事では、140・AHが示している状態、温度ヒューズという部品の役割、解除できる場合とできない場合の違い、電源まわりが関係することがある点、そして再発するときに疑う場所までを解説します。
140・AHはバーナー温度ヒューズの断線
この2つのコードは、いずれもバーナー温度ヒューズの断線による運転停止を示しています。
| 表示 | 内容 | 解除の方法 |
|---|---|---|
| 140 | バーナー温度ヒューズ断線による運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」。リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ |
| AH | 同上 | 同上(機種によっては熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す方法も案内されています) |
どちらも復帰しない場合、または再発する場合は点検・修理を依頼するよう案内されています。
なお、同じ長府製でも石油給湯器では140の内容が熱交換器側の異常高温として整理されており、暖房ボイラーのバーナー側とは対象が異なります。
お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
温度ヒューズはどんな部品か
温度ヒューズは、一定の温度を超えると内部が溶けて回路を切る部品です。
電流の大きさで切れる一般的なヒューズとは違い、周囲の温度そのものに反応して働くという点が特徴になります。
バーナーまわりに取り付けられているのは、燃焼部が想定を超える温度になったときに、確実に燃焼を止めるためです。
制御基板やセンサーが正常に働かなかった場合の最後の砦にあたる部品といえます。
そのため、この表示が出たということは、機器が「通常では起こらない温度状態を検知した」あるいは「その回路が正常につながっていない」と判断したことを意味します。
解除できる場合とできない場合
140・AHで戸惑いやすいのが、解除操作で戻るケースと戻らないケースの両方があることです。
| 状況 | 考えられること |
|---|---|
| 解除操作で復帰し、その後も正常に運転する | 温度ヒューズ自体は溶断しておらず、一時的な要因で回路が遮断された可能性 |
| 解除しても表示が消えない | 温度ヒューズが実際に溶断している可能性。部品交換が必要 |
| 解除できるが、短期間で再発する | 回路の接触不良、または高温になる原因が残っている |
温度ヒューズは一度溶断すると元に戻らない部品です。
つまり、解除操作で復帰したのであれば、溶断以外の要因で表示されたと考えるのが自然ということになります。
逆に何度操作しても消えない場合は、待っても状況は変わりません。
その段階で操作をやめ、点検を依頼するほうが確実です。
機器から焦げたにおいがする、煙が出ている、機器の外装が変色しているといった場合は、解除操作を行わず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
電源まわりが関係することもある
見落とされやすいのが電源側の条件です。
長府は石油給湯器の140について、電源電圧が不安定な場合や電圧降下、電源コンセントの緩みなどでも140の警報になることがあると案内しています。
製品カテゴリは異なりますが、温度ヒューズの回路が正常に読めていない状態でも同様の表示になり得るという考え方は参考になります。
家庭で確認できるのは次の範囲です。
- 電源プラグがコンセントにしっかり差し込まれているか
- 延長コードやタコ足配線を経由していないか
- 同じ回路で消費電力の大きい機器を同時に使っていないか
- 停電や瞬間的な電圧低下があった直後ではないか
プラグの緩みは、除雪や物の出し入れで機器のまわりを動いたときに起こりがちです。
差し直したうえで解除操作を行い、正常に戻るかを確認してみてください。
解除(リセット)の手順
- 機器の周囲に焦げたにおいや煙、変色がないことを確認する
- 電源プラグの差し込み状態を確認する
- リモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う(機種によっては熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す方法が指定されています)
操作は2回程度までにとどめてください。
繰り返しても消えない表示は、繰り返すことで消えるものではありません。
再発するときに疑うこと
一度は解除できても、また同じ表示が出る場合は、バーナーまわりが高温になる条件が残っていると考えられます。
| 疑う場所 | 内容 |
|---|---|
| 燃焼状態 | すすの堆積や不安定な燃焼で、局所的に温度が上がっている |
| 給排気経路 | 排気が抜けにくく、熱がこもっている |
| 送風機 | 風量が落ち、燃焼部の冷却が不足している |
| 配線・接続部 | 温度ヒューズの回路に接触不良がある |
| 灯油の質 | 変質した灯油で燃え方が不安定になっている |
灯油の状態は家庭でも確認できる要素です。
シーズンをまたいだ灯油は着火性が落ち、燃焼が不安定になりやすいため、判断の目安は灯油の使用期限はどれくらい?去年の灯油は使えるのか判断基準を解説にまとめています。
一方、燃焼室や送風機の状態は分解をともなうため、点検の領域です。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| プラグを差し直して解除し、その後再発しない | 様子を見て使用可 |
| 解除操作を2回試しても表示が消えない | 部品交換を含めて点検を依頼 |
| 解除できるが、数日のうちに再発する | 高温になる原因を含めて点検を依頼 |
| 過熱側の表示(150・160・E4・E22)も出ている | まとめて点検を依頼 |
| 焦げたにおい、煙、外装の変色がある | 運転を止めて速やかに連絡 |
温度ヒューズは、機器を守る最後の段階で働く部品です。
その部品が反応したということ自体が、通常とは異なる状態を示しています。
解除できたからといって、原因が消えたわけではないという点は意識しておいてください。
部品交換になった場合の考え方
温度ヒューズの交換は、機器内部の分解と適合部品の選定が必要になるため、所有者が行う作業ではありません。
また、交換だけで済ませると、同じ条件でまた切れることになります。
技術者が確認するのは、部品そのものに加えて、なぜその温度に達したのかという背景です。
すすの堆積、給排気の状態、送風機の能力といった点が同時に見られます。
設置から10年前後が経過している場合は、他の部品の劣化も進んでいることが多くなります。
その場合は部品交換の費用と機器交換の費用を比較して検討する時期といえます。
費用は機種や設置条件、地域によって変わるため、作業前に見積もりで確認してください。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも温度ヒューズに関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
よくある質問
Q1. 温度ヒューズが切れたのに、なぜ解除できることがあるのですか。
温度ヒューズが実際に溶断していれば、解除操作では復帰しません。
それでも解除できるケースがあるのは、溶断ではなく回路が一時的に正常に読めていなかった、あるいは接続部の状態が影響していたと考えられるためです。
電源電圧の不安定さやコンセントの緩みが背景にあることもあります。
逆に、何度操作しても消えない場合は溶断している可能性が高く、部品交換が必要になります。
Q2. 温度ヒューズは自分で交換できますか。
機器内部の部品であり、分解と適合部品の選定が必要になるため、所有者の作業範囲を超えます。
市販の温度ヒューズには定格温度の種類があり、異なるものを付けると安全装置として機能しません。
また、切れた原因を確認せずに交換すると、同じ条件で再び切れることになります。
交換と原因の確認をあわせて依頼してください。
Q3. 140が出たあと、すぐにまた使っても大丈夫ですか。
解除操作で復帰し、その後正常に運転しているのであれば、様子を見ながら使用して差し支えない場合が多いです。
ただし、焦げたにおいや煙をともなっていた場合は別です。
その状態では解除せず、運転を止めたまま連絡してください。
また、数日のうちに再発するようであれば、高温になる原因が残っていると考えて点検を依頼する段階です。
Q4. 140とAHは違うエラーですか。
内容は同じで、どちらもバーナー温度ヒューズの断線による運転停止を示しています。
表示形式が異なるのは、機種やリモコンの世代の違いによるものです。
ただし解除方法には差があり、AHではリモコンのない機種向けに、温水ルームヒータ側の運転スイッチや熱源機本体の電源コンセントを5秒以上抜いて差し直す方法も案内されています。
自分の機種の手順を取扱説明書で確認してください。
Q5. 過熱防止装置の作動(150・E4)とは何が違うのですか。
150やE4は、過熱防止装置の回路遮断または熱交温度ヒューズの断線による停止で、熱交換器側の温度が対象になります。
一方の140・AHは、バーナー側の温度ヒューズが対象です。
どちらも熱に関する安全装置ですが、見ている場所が違うため、点検で確認される部位も変わります。
両方の表示が出ている場合は、燃焼と循環の両面に原因がある可能性があるため、あわせて伝えてください。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される140・AHは、バーナー温度ヒューズの断線による運転停止です。
温度ヒューズは一定の温度を超えると回路を切る部品で、実際に溶断していれば解除操作では復帰しません。
逆に解除できた場合は、電源プラグの緩みなど溶断以外の要因が関係していた可能性があります。
まずは焦げたにおいや煙がないことを確認し、プラグの差し込みを見直したうえで、解除操作は2回程度にとどめてください。
消えない場合や短期間で再発する場合は、部品交換と原因の確認をあわせて依頼するのが確実です。

