MENU

長府 暖房ボイラーのエラー301・E9とは?|外気温サーミスタと凍結防止

長府の暖房ボイラーのエラー301・E9と、外気温サーミスタ・凍結防止を示す文字のみのサムネイル。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

リモコンに301が表示されているが、暖房そのものは使えている。
警告表示だと分かると、そのまま様子を見ようと考えたくなる場面です。
ただしこのコードは、運転できる状態であっても、メーカーが点検・修理の依頼を案内しているという点で他の警告表示と異なります。
理由は、この部品が凍結防止の制御に関わっているためです。
この記事では、301・E9が示している状態、外気温サーミスタが担う役割、放置した場合に考えられるリスク、E9が機種によって別の内容を指す点までを解説します。

目次

301・E9が示しているもの

スクロールできます
表示対象内容復帰の方法
301外気温(凍結防止)サーミスタ断線またはショートによる警告表示値が正常値に戻ると自動復帰。あわせて点検・修理を依頼
E9(DBF-2900が対象)外気温(凍結防止)サーミスタ同上同上

いずれも運転を止める表示ではなく、警告として知らせるものです。
値が正常な範囲に戻れば自動的に消えるため、解除操作を探す必要はありません。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。

📎 出典:長府製作所 製品エラーコード

警告表示なのに点検を勧めている理由

長府の案内では、多くのコードに「復帰しない、または再発する場合は点検・修理を依頼してください」という条件が添えられています。
一方で301・E9には、条件を付けずに点検・修理を依頼するよう記載されています。

これは、この部品が果たしている役割によるものと考えられます。
外気温サーミスタは暖房の効き具合を左右する部品ではなく、機器や配管を守る側の制御に使われています。
値が読めなくても暖房そのものは動くため、不具合に気づきにくいという性質があります。
使用に支障がないからこそ、表示が出た段階で対応しておく必要があるという整理です。

外気温(凍結防止)サーミスタの役割

この部品は屋外の気温を測り、その値をもとに凍結を防ぐ制御を働かせるために使われます。
寒冷地の温水暖房では、気温が下がったときに配管内が凍らないようにする仕組みが備わっています。

外気温が読めない状態では、次のような懸念が生じます。

状況考えられること
実際より高い値として読んでいる冷え込んでも凍結防止の制御が働かない
実際より低い値として読んでいる必要のない場面で制御が働き、電力や燃料を余分に使う
値がまったく読めない制御の判断材料がない状態になる

このうち最も避けたいのは、冷え込んだ夜に凍結防止が働かないまま朝を迎えることです。
配管が凍結すると、解けたあとに漏れが見つかるという二次的な被害につながることがあります。

凍結が起きたあとに何が起こるか

凍結そのものは、その場では症状として現れないことがあります。
問題は解けたあとです。

  • 凍結で膨張した部分が破損し、解けた際に不凍液が漏れ出す
  • 循環水が不足し、260・430・EL・P7や420といった表示につながる
  • 循環水がない状態を検知して、空焚防止装置が働く(E81)
  • 床や壁への漏水被害が発生する

春先に暖房を再開したところ表示が出た、という経緯で発覚することも少なくありません。
301やE9を放置したまま冬を越すことは、この流れの入口に立っている状態といえます。

E9は機種によって意味が変わる

E9というコードは、対象機種によって内容が異なります。

スクロールできます
対象機種E9の内容復帰
DBF-2900外気温(凍結防止)サーミスタの断線またはショートによる警告表示正常値に戻れば自動復帰。点検・修理を依頼
DB-641・642(Y)、DBF-643〜645(Y)・670(Y)気化器ヒータが許容通電時間内に規定温度へ到達しない運転停止機器の温度が下がるのを待って運転スイッチを入れ直す

同じE9でも、警告として運転を続けられる場合と、運転が止まる場合に分かれます。
まず本体の銘板で型番を確認することが、判断を誤らないための出発点です。
型番は写真に撮っておくと、点検を依頼するときにもそのまま使えます。

給気温サーミスタ(370・E13・E14)との違い

空気の温度に関わる部品は複数あり、役割が異なります。

表示対象役割
301・E9(DBF-2900)外気温(凍結防止)サーミスタ外気温を測り、凍結防止の制御に使う
370・E13・E14給気温サーミスタ燃焼に使う空気の温度を測り、燃焼制御に使う

どちらも自動復帰する警告表示を含みますが、読めなくなったときの影響が違います。
給気温は燃焼の質に関わり、外気温は凍結防止に関わるという整理です。
表示された番号を取り違えないよう、リモコンの数字を正確に確認してください。

家庭で確認できること

部品の状態は分解しなければ分かりませんが、次の点は確認できます。

  • 表示が出たり消えたりを繰り返していないか
  • 直前に工事や部品交換を行っていないか
  • 機器のまわりが濡れていないか
  • 屋外側の配線に、目に見える損傷や動物によるかじり跡がないか

屋外に設置された部品や配線は、風雨や気温差にさらされ続けます。
経年で被覆が傷むことがあるため、設置から年数が経った機器では起こりやすい不具合といえます。

配線が露出している、焦げたにおいがする、機器のまわりが濡れているといった場合は、そのまま運転を続けず、販売店やメーカー窓口へ連絡してください。

冬を越す前に備えておきたいこと

点検までに時間がかかる場合、凍結を防ぐ備えを並行して考えておくと安心です。

  • 不凍液の水位と濃度を確認しておく(水だけを足し続けていないか)
  • 長期間家を空ける予定があれば、事前に相談しておく
  • 配管の保温材が外れたり傷んだりしていないか見ておく
  • 強い冷え込みが予想される日は、暖房を完全に止めない運用を検討する

いずれも根本的な解決ではありませんが、凍結防止の制御が期待できない状態では、こうした備えが実質的な代わりになります。
特に寒冷地では、点検を待つ間の対策として意識しておく価値があります。

業者に依頼する判断基準

状況判断
301・E9が表示された運転できていても点検を依頼
表示が自動で消えたが、また出た部品や配線の劣化として点検を依頼
暖房シーズンの前に表示された冬本番までに点検を済ませる
工事や部品交換の直後から出るようになった施工業者に相談
不凍液の水位低下の表示も出ている凍結や漏れを含めてまとめて点検を依頼
配線の損傷や濡れが見える運転を止めて速やかに連絡

なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にもサーミスタに関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。

交換の考え方

サーミスタの交換には、機器の分解と適合部品の選定が必要です。
温度によって抵抗値が変わる特性を利用した部品のため、見た目が似ていても特性の異なるものでは正しく制御できません。
また、断線の原因が部品ではなく配線や接続部にある場合もあります。

設置から10年前後が経過している場合は、屋外側の配線全体が同じ環境で使われてきています。
一箇所を直しても、別の箇所が同じ時期に不具合を起こすことは珍しくありません。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、見積もりで確認してください。
点検までの間に暖房が使えなくなった場合に備えて、石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?で手持ちの機器の状態を確認しておくのもひとつの方法です。

よくある質問

Q1. 暖房は問題なく使えています。急いで点検が必要ですか。

301・E9は運転を止める表示ではありませんが、メーカーの案内では条件を付けずに点検・修理を依頼するよう示されています。
これは、この部品が凍結防止の制御に関わっているためと考えられます。
暖房の効きに影響しないぶん、不具合に気づきにくいという性質があります。
特に冬本番を迎える前であれば、早めに点検を受けておくほうが安心です。

Q2. 表示が自動で消えました。直ったということですか。

301・E9は、値が正常な範囲に戻れば自動的に復帰します。
ただし、消えたことは原因が解消したことを意味しません。
接続部の状態が一時的に変わって値を読めるようになっただけ、というケースもあります。
出たり消えたりを繰り返す場合は、劣化が進んでいる可能性があるため点検を依頼してください。

Q3. 凍結防止が働かないと、どうなりますか。

冷え込んだときに配管内が凍る可能性が高まります。
凍結した時点では症状が出ないこともありますが、解けたあとに破損箇所から不凍液が漏れることがあります。
その結果、循環水の不足による表示や、空焚防止装置の作動につながることもあります。
床や壁への漏水被害に発展する場合もあるため、寒冷地では特に注意が必要です。

Q4. E9が出ましたが、気化器の異常だという情報も見かけます。

E9は機種によって内容が変わるコードです。
DBF-2900では外気温(凍結防止)サーミスタの警告表示ですが、DB-641・642(Y)やDBF-643〜645(Y)・670(Y)では気化器ヒータに関する運転停止を指します。
前者は自動復帰する警告、後者は解除操作が必要な停止という違いがあります。
本体の銘板で型番を確認し、どちらに該当するかを見極めてください。

Q5. 外気温サーミスタは自分で交換できますか。

機器内部や屋外配線に関わる部品であり、分解と適合部品の選定が必要になるため、所有者の作業範囲を超えます。
市販の汎用品を取り付けても、温度と抵抗の特性が合わなければ正しい制御はできません。
また、原因が部品ではなく配線や接続部にあることもあります。
原因の確認とあわせて依頼するのが確実です。

まとめ

長府の暖房ボイラーに表示される301と、DBF-2900におけるE9は、外気温(凍結防止)サーミスタの断線またはショートによる警告表示です。
値が正常に戻れば自動的に復帰するため、解除操作を探す必要はありません。
ただしメーカーの案内では条件を付けずに点検・修理の依頼が示されており、これは凍結防止の制御に関わる部品であることが理由と考えられます。
暖房の効きには影響しないぶん放置されやすい表示ですが、冷え込んだ夜に凍結防止が働かない状態は避けたいところです。
E9は機種によって気化器ヒータの停止を指す場合もあるため、まず本体の銘板で型番を確認してください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次