リモコンに370やE13、E14が表示されている。
暖房が止まってしまった場合もあれば、表示は出ているのに運転自体は続いている場合もあります。
この違いに戸惑うかもしれませんが、同じ給気温サーミスタに関わる表示でも、機種によって運転停止になるものと警告にとどまるものがあるためです。
この記事では、3つのコードの違い、給気温サーミスタが担っている役割、E13とE14が自動で復帰する仕組み、外気温サーミスタの301との違い、そして点検を依頼する目安までを解説します。
3つのコードの違い
| 表示 | 内容 | 区分 | 復帰の方法 |
|---|---|---|---|
| 370 | 給気温サーミスタの断線またはショートによる運転停止 | 運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」。リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ |
| E13 | 給気温サーミスタのショートによる警告表示 | 警告表示 | 値が正常値になると自動復帰 |
| E14 | 給気温サーミスタの断線による警告表示 | 警告表示 | 値が正常値になると自動復帰 |
370は断線とショートをまとめて扱い、運転を止めます。
一方のE13・E14は原因を分けて表示し、運転を止めずに知らせる形です。
解除操作が必要かどうかも変わるため、まず自分の表示がどちらなのかを確認してください。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
給気温サーミスタが見ているもの
給気温サーミスタは、燃焼に使う空気の温度を測る部品です。
取り込む空気の温度は季節や設置環境によって変わり、温度が違えば同じ体積でも含まれる酸素の量が変わります。
そのため機器は、給気の温度を把握したうえで燃焼の条件を調整しています。
この値が読めなくなると、条件に合った制御ができなくなるおそれがあります。
機種によって運転を止める設計と、警告にとどめる設計に分かれているのは、その機種の制御がこの値にどこまで依存しているかの違いと考えると理解しやすくなります。
E13・E14は自動で消えることがある
E13とE14は警告表示で、給気温サーミスタの値が正常な範囲に戻れば自動的に復帰します。
運転スイッチを操作する必要はありません。
自然に消えるケースとして考えられるのは次のような状況です。
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 一時的な結露や水分の影響 | 乾いて正常値に戻る |
| 接続部の接触が一時的に不安定だった | 振動や温度変化で復帰する |
| 極端な温度環境 | 条件が緩和されると正常範囲に戻る |
ただし、自動復帰したからといって原因が消えたとは限りません。
出たり消えたりを繰り返す場合は、配線の劣化や部品の不良が進行している可能性があります。
メーカーの案内でも、復帰しない場合や再発する場合は点検・修理を依頼するよう示されています。
ショート(E13)と断線(E14)の違い
| 表示 | 状態 | 起こりやすい背景 |
|---|---|---|
| E13 | ショート(回路の短絡) | 被覆の損傷、水分の侵入、部品内部の劣化 |
| E14 | 断線(回路の切断) | 配線の劣化、接続部の外れ、内部の断裂 |
どちらも機器から見れば「ありえない値を受け取っている」状態です。
E13とE14でコードが分かれているのは、点検の際に確認する方向が異なるためと考えられます。
所有者が症状から見分ける必要はありませんが、どちらが表示されたかを控えておくと点検がスムーズです。
370が出た場合の解除手順
- 機器の周囲に濡れや焦げたにおいがないことを確認する
- 電源プラグの差し込み状態を確認する
- リモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う
操作は2回程度までにとどめてください。
部品が断線・短絡している状態では、繰り返しても表示は消えません。
機器のまわりが濡れている、焦げたにおいがする、配線が露出しているといった場合は、解除操作を行わず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
外気温サーミスタ(301)との違い
似た内容の表示に301があります。
| 表示 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 370・E13・E14 | 給気温サーミスタ | 燃焼に使う空気の温度を測る部品 |
| 301 | 外気温(凍結防止)サーミスタ | 外気温を測り、凍結防止の制御に使う部品 |
| E9(DBF-2900) | 外気温(凍結防止)サーミスタ | 対象機種では301と同じ内容を指す |
どちらも空気の温度に関わる部品ですが、役割が異なります。
給気温サーミスタは燃焼の制御、外気温サーミスタは凍結防止の制御に関わるものです。
また301も、正常値に戻れば自動復帰する警告表示として整理されています。
表示された番号を取り違えないよう、リモコンの数字を正確に確認してください。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| E13・E14が一度出て、自動で消えたきり再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| E13・E14が出たり消えたりを繰り返す | 点検を依頼 |
| E13・E14が消えないまま続いている | 点検を依頼 |
| 370が解除操作で復帰し、その後再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| 370が解除操作を2回試しても消えない | 部品交換を含めて点検を依頼 |
| 工事や部品交換の直後から出るようになった | 施工業者に相談 |
| 濡れている、焦げたにおいがする | 運転を止めて速やかに連絡 |
警告表示のE13・E14は運転できてしまうため、後回しにされがちです。
ただし燃焼の制御に関わる値が読めていない状態で使い続けることは、望ましいとはいえません。
繰り返し出るようであれば、シーズン中でも早めに相談しておくほうが安心です。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にもサーミスタに関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
交換の考え方
サーミスタの交換には、機器の分解と適合部品の選定が必要です。
温度によって抵抗値が変わる特性を利用した部品のため、見た目が似ていても特性の異なるものでは正しく制御できません。
所有者が市販品で対応できる部分ではないと考えてください。
設置から10年前後が経過している場合は、配線や他のセンサーも同じ環境で使われてきています。
一箇所を直しても、別の箇所が同じ時期に不具合を起こすことは珍しくありません。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、修理と機器交換の両方を見積もったうえで比較するのが現実的です。
点検までの間の暖房について
370で停止している場合、その機器は運転できません。
暖房シーズン中は訪問や部品の手配までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
よくある質問
Q1. E13が出ましたが、暖房は普通に使えています。放っておいてよいですか。
E13は警告表示のため、運転を続けられる場合があります。
給気温サーミスタの値が正常な範囲に戻れば、自動的に表示は消えます。
ただし、燃焼の制御に使う値が読めていない状態であることに変わりはありません。
一度きりで再発しないのであれば経過観察の範囲ですが、繰り返す場合は点検を依頼してください。
Q2. 370は自分で解除できますか。
370はリモコンの運転スイッチの入切で解除する手順が案内されています。
接触不良など一時的な要因であれば、これで復帰することがあります。
一方、部品が断線・短絡している状態では、何度操作しても表示は消えません。
2回程度試して変わらないようであれば、部品交換が必要な段階と考えて点検を依頼してください。
Q3. E13とE14はどちらが重い異常ですか。
どちらも給気温サーミスタに関する警告表示で、区分としては同じです。
E13はショート、E14は断線を示しており、部品や配線の状態が異なるだけです。
点検で確認される方向は変わりますが、所有者側の対応に違いはありません。
どちらが表示されたかを控えておき、点検時に伝えてください。
Q4. 給気温サーミスタは自分で交換できますか。
機器内部の部品であり、分解と適合部品の選定が必要になるため、所有者の作業範囲を超えます。
サーミスタは機種ごとに特性が決められており、異なる部品では正しい制御ができません。
また、断線の原因が部品ではなく配線や接続部にある場合もあります。
原因の確認とあわせて依頼してください。
Q5. 301との違いが分かりません。
370・E13・E14は燃焼に使う空気の温度を測る給気温サーミスタ、301は外気温を測って凍結防止の制御に使う外気温サーミスタに関する表示です。
どちらも空気の温度に関わりますが、役割も設置される場所も異なります。
なお、DBF-2900ではE9が外気温サーミスタの異常を指すなど、機種によってコードの割り当てが変わる場合もあります。
本体の銘板で型番を確認したうえで、表示された番号を正確に伝えてください。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される370・E13・E14は、いずれも給気温サーミスタに関わる表示です。
370は断線とショートをまとめて扱う運転停止、E13とE14は原因を分けて知らせる警告表示という違いがあります。
E13・E14は値が正常に戻れば自動で復帰するため、解除操作を探す必要はありません。
ただし自動復帰は原因が消えたことを意味せず、出たり消えたりを繰り返す場合は配線や部品の劣化が進んでいる可能性があります。
370が2回の解除操作で復帰しない場合や、警告表示が繰り返される場合は、点検を依頼するのが確実です。

