エアコンのリモコンのボタンを押しても、ピッという受信音が鳴らず、まったく反応しない。
暑さや寒さが厳しい時期にこの状態になると、いきなり故障を疑って気が重くなるものです。
ただ、リモコンが効かない原因は「リモコン側」と「エアコン本体側」のどちらかに大きく分かれ、特別な工具がなくても順を追って切り分けられます。
電池の消耗や液漏れ、フタの浮きといった、数分で解決する要因が占める割合も決して小さくありません。
この記事では、電池交換から赤外線の確認、本体の応急運転を使った切り分けまでを順番に整理し、どこまで自分で対応できるのか、どの時点でメーカーや販売店に相談すべきかまでを解説します。
リモコンが効かない原因は「電池・赤外線・本体の応急運転」の順で切り分けられる
結論からお伝えします。
リモコンが効かないときは、①電池を新品に交換する → ②リモコンから赤外線が出ているか確認する → ③本体の応急運転が動くか確認する、この3つを上から順に試すだけで、原因がリモコン側か本体側かをかなりの精度で絞り込めます。
この順番には理由があります。
①は最も発生頻度が高く、費用もほとんどかからない要因です。
②はリモコンが「信号を出せているか」という、リモコン単体の生死判定にあたります。
③はリモコンをまったく介さずにエアコン本体だけを動かす操作なので、本体が正常かどうかを独立して確認できます。
逆に、この順番を飛ばして最初に「本体の故障かもしれない」と考えてしまうと、実際には電池切れだったというケースでも修理を呼んでしまいます。
ダイキンの公式FAQでも、リモコン操作でエアコンが反応しない場合は「リモコン」か「エアコン本体」のどちらかに不具合がある可能性があるとして、リモコンの確認と本体の確認を分けて案内しています。
3ステップの結果と、そこから推定できる原因の関係を先に整理しておきます。
| 確認の結果 | 考えられる原因 | 次にとる行動 |
|---|---|---|
| 電池交換で直った | 電池の消耗・液漏れ・接触不良 | 対応完了。交換時期をメモしておく |
| 赤外線が出ていない | リモコン本体の故障(送信部・基板) | リモコンの買い替えを検討する |
| 赤外線は出ているが本体が無反応 | 本体の受光部・電源・干渉 | 本体のリセットと設置環境の確認へ |
| 応急運転で正常に動く | リモコン側または受光部の問題 | リモコン買い替え・受光部まわりの確認 |
| 応急運転でも動かない | 本体側の故障・電源系トラブル | メーカーまたは販売店へ点検依頼 |
以降の章で、それぞれの手順を具体的に見ていきます。
電池は新品のアルカリ乾電池に2本同時交換する(交換目安は約1年)
最初に確認するのは電池です。
ダイキンは、リモコンの電池交換の目安を約1年としたうえで、使用状況によってはそれより早く交換時期が来る場合があるとしています。
「去年入れ替えたばかりだから大丈夫」という感覚は、意外とあてになりません。
電池交換で押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 必ずアルカリ乾電池を使う(マンガン乾電池は電圧の落ち方が早く、メーカーが指定していない場合が多い)
- 2本とも同時に、すべて新品へ交換する(片方だけ替える・新旧を混ぜるのは避ける)
- +と-の向きが逆になっていないか、入れ直して確認する
- 電池ボックス内に液漏れや白い粉、サビが見られる場合は、乾いた布や綿棒で取り除いてから新しい電池を入れる
- 長期間使わないシーズンは電池を抜いておく(液漏れ・サビの予防になる)
見落とされがちなのが、電池ボックス内部の接点です。
液漏れが起きた電池をそのまま長期間入れていると、金属のバネ部分が腐食して接触不良を起こします。
見た目には電池が入っているのに電圧が伝わらず、液晶が薄く表示されたり、押しても反応がまばらになったりします。
サビが厚く固着していて綿棒では落ちない状態であれば、その時点でリモコンの買い替えを検討したほうが早く解決します。
もうひとつ、判断材料になる症状があります。
エアコンの近くまで寄れば反応するのに、離れると反応しないという場合、電池の電圧が下がって送信距離が短くなっている可能性があります。
この状態は「まだ使える」と思って放置されやすいのですが、実質的には交換時期を迎えたサインと考えたほうがよいでしょう。
常備しておくと困らないアルカリ乾電池
エアコンのリモコンは、暑さや寒さのピーク時に限って電池が切れます。
その日のうちに買いに行けないと室温をコントロールできず、体調にも関わります。
単3形・単4形のアルカリ乾電池をまとめ買いして備えておくと、こうした場面で慌てずに済みます。
電池を替えても直らないときは、電池を抜いて約1分放置しリモコンをリセットする
新品の電池に交換しても改善しない場合、次はリモコンのリセットです。
リモコン内部のマイコンが一時的に誤作動を起こし、ボタン入力を受け付けなくなっている状態は、リセットで復帰することがあります。
ダイキンが案内しているリセット手順は次のとおりです。
- リモコンから電池をすべて抜く
- 電池を抜いたまま約1分間放置する。または、リモコンのいずれかのボタンを15秒以上長押しする
- 新しいアルカリ乾電池を入れ直し、動作を確認する
ここでの注意点は、電池を抜いた瞬間にリセットされるわけではないという点です。
内部に残った電荷が抜けるまで少し時間がかかるため、抜いてすぐ入れ直すと同じ状態が続きます。
時計を確認しながら、1分はきちんと待ってください。
また、時刻設定のあるリモコンは、電池を抜くと時刻がリセットされます。
タイマー予約やおやすみ運転を使っている場合は、電池交換後に時刻を設定し直さないと、意図しない時間に運転が始まったり止まったりします。
設定方法は機種ごとに異なるため、取扱説明書を手元に用意しておくとスムーズです。
スマホのインカメラで送信部を撮影すると、赤外線が出ているか判別できる
電池交換とリセットで直らない場合、次に確かめるのは「リモコンが信号そのものを出せているか」です。
エアコンのリモコンは赤外線で信号を送っており、人の目には見えませんが、カメラを通すと光として確認できます。
手順は次のとおりです。
- スマートフォンやデジタルカメラを撮影モードにする
- カメラのレンズを、リモコン先端の送信部(黒い小窓)に向ける
- リモコンのいずれかのボタンを押す
- 画面上で送信部がオレンジ・白・紫などに光れば、信号は出ている
ここで重要なのが、どのカメラを使うかです。
ダイキンは、アウトカメラ(背面側)だけでなく、インカメラ(液晶側・自分撮り用)でも確認するよう案内しています。
近年のスマートフォンは、写真の画質を上げるためにアウトカメラ側へ赤外線カットフィルターを入れている機種が多く、そちらでは赤外線が写らないことがあるためです。
それでも光が確認できないときは、判定を急がないでください。
そのスマートフォン自体が赤外線を写せない可能性があるからです。
テレビなど、正常に動いている別のリモコンを同じカメラで撮影し、そちらが光って見えるかを先に確かめます。
テレビのリモコンは光って見えるのにエアコンのリモコンは光らない、という結果であれば、エアコンのリモコン側の不具合と判断できます。
なお、一部のボタンだけ光って他のボタンでは光らない場合もあります。
これはリモコン全体の故障ではなく、特定のボタンの接点摩耗や、ボタンが押し込まれたまま戻らなくなっている状態が疑われます。
この点は後述します。
本体の応急運転で動けばリモコン側、動かなければ本体側の不具合
リモコンの確認が済んだら、今度はリモコンをまったく使わずにエアコン本体だけを動かしてみます。
多くのメーカーのルームエアコンには、リモコンが使えないときのために本体側の運転スイッチが備わっています。
応急運転で問題なく風が出て、冷房や暖房として機能するなら、エアコン本体の基本的な運転機能は生きていると判断できます。
この場合、原因はリモコン側か、本体の受光部まわりに絞られます。
パナソニックも、リモコンで操作してもエアコンが反応しないときの手順として、まず応急運転で本体が動くかを確認するよう案内しています。
メーカーごとの応急運転の位置と動き方
応急運転のスイッチ名や位置、動作内容はメーカーによって異なります。
代表的な3社を整理すると次のようになります。
| メーカー | スイッチの呼称・位置 | 押したときの動作 |
|---|---|---|
| パナソニック | 前面パネルを開けた内側の「応急運転ボタン」 | 設定温度25℃の自動運転。温度・風量・風向は調整できない。もう一度押すと停止 |
| 三菱電機(霧ヶ峰) | 室内機の「応急運転スイッチ」 | 押すごとに応急冷房→応急暖房→停止の順に切り替わる。最初の30分は温度調節が働かず風量「強」で運転 |
| ダイキン | 本体の[運転/停止]ボタン | 通常運転として起動するかを確認する。位置は機種により異なる |
パナソニックの応急運転は、運転モードを自分で選べません。
室内・室外の温度や湿度に応じて、冷房・除湿・暖房のいずれかをエアコンが自動で選びます。
そのため「冷房で試したいのに暖房になった」というケースもあり得ますが、これは故障ではなく仕様です。
三菱電機は、リモコンが使えないときに室内機の応急運転スイッチで運転できるとしたうえで、押すごとに応急冷房・応急暖房・停止が切り替わると案内しています。
最初の30分間は温度調節が働かず風量が「強」に固定されるため、「やたら風が強い」と感じても異常ではありません。
応急運転を試すときは、安全面にも気を配ってください。
エアコンは高い位置に設置されているため、脚立や踏み台での作業になります。
パナソニックも高所作業になる点を注意喚起しており、不安定な椅子や台には乗らず、周囲の安全を確保したうえで行ってください。
転倒によるけがは、エアコンの不具合よりはるかに重大な結果につながります。
応急運転で問題なく動いたなら、リモコンや設定など本体以外の要因が疑われます。
冷えない・暖まらないといった症状を伴う場合の切り分けについては、ダイキンのエアコンが冷えない原因|自分でできる確認と業者依頼の目安で応急運転を使った判定方法をより詳しく解説しています。
液晶は表示されるのに反応しないときはフタの浮き・ボタン固着・信号設定を疑う
リモコンの液晶はきちんと点いていて、ボタンを押すと表示も変わる。
それなのにエアコンがまったく反応しない——このパターンは、電池切れとは別の原因が隠れています。
フタが浮いている・フタ裏の突起が折れている
フタ付きのリモコンでは、フタの状態が操作可否に直結します。
ダイキンによれば、フタが正しく閉まっていない状態でフタ側のボタンを操作すると「使えません」と表示され、操作を受け付けません。
カチッと音がするまで閉め直すのが基本です。
また、フタの裏面には突起があり、この突起がリモコン本体側のくぼみを押すことで「フタが閉まっている」と認識されます。
経年でこの突起が折れてしまうと、フタを閉めても閉まったと認識されず、同じく「使えません」と表示されます。
この場合は部品単位での修理が難しく、リモコンの買い替えが現実的な選択になります。
突起は無事でも、くぼみの中にホコリが詰まって突起が奥まで入らないことがあります。
つまようじなど先の細いものでくぼみのホコリをかき出してから、何度か押してみてください。
特定のボタンが押し込まれたまま戻っていない
経年劣化でボタンが押し込まれた状態のまま固着すると、そのボタンが押されっぱなしと判断され、他のボタンの入力を受け付けなくなります。
見た目では気づきにくいので、すべてのボタンを指でなぞり、沈み込んだままのものがないかを確認してください。
沈んでいるボタンがあれば、爪の先などで引き出します。
ジュースやコーヒーをこぼした、洗濯物と一緒に濡らしてしまった、といった経緯がある場合は、内部の基板が糖分や水分でショートしていることもあります。
この状態は乾かしても復帰しないことが多く、買い替えを前提に考えたほうがよいでしょう。
同じ部屋にエアコンが2台あるなら信号設定(A/B)を確認する
同じ部屋や隣接する部屋にエアコンを2台設置している場合、混信を防ぐためにリモコンとエアコン本体の信号コードをA/Bで切り替えられる機種があります。
何らかのきっかけでこの設定がずれると、リモコンからは信号が出ているのに、そのエアコンは自分あての信号ではないと判断して反応しません。
設定の変更方法は機種によって異なるため、取扱説明書で「信号設定」「リモコン信号」といった項目を確認してください。
引っ越しや模様替えでエアコンとリモコンの組み合わせが入れ替わったときにも、同じことが起こります。
2台とも同じメーカーの同型機だと、リモコンを取り違えても見た目では気づきません。
本体が無反応なら、コンセント・専用ブレーカーと約1分の電源リセットを確認する
応急運転を押しても本体がまったく動かない場合は、リモコンではなく電源系のトラブルが疑われます。
確認する順番は次のとおりです。
- エアコン専用のブレーカーが落ちていないかを確認する
- エアコンのコンセントプラグが抜けかかっていないかを確認する
- エアコンを停止させた状態で電源プラグを抜く(届かない場合は専用ブレーカーをOFFにする)
- 約1分間そのまま放置してから、電源を入れ直して運転するかを確認する
電源リセットで約1分待つのは、内部の制御基板の状態を確実に初期化するためです。
抜いてすぐ差し直すと、基板に電荷が残ったままでリセットが完了しません。
ここで、必ず守っていただきたい安全上の注意があります。
エアコン専用のブレーカーが勝手に落ちていた場合、または落ちた原因が分からない場合は、ブレーカーをOFFのままにして点検・原因調査を依頼してください。
原因を確かめずにONに戻すと、発煙・発火につながる可能性があります。
同様に、電源プラグやコンセント周辺が熱を持っている、焦げくさい、変色しているといった状態のときも、通電を再開せず使用を中止してください。
ブレーカーが落ちる背景には、内部部品の短絡や漏電といった、通電し続けると危険な故障が含まれます。
「もう一度上げたら動いた」という状態は解決ではなく、たまたま動いているだけの可能性がある点に注意が必要です。
なお、本体のランプが点滅している場合は、エアコン自身が異常を検知して停止しているサインです。
この状態ではリモコン操作を受け付けないこともあります。
点滅の意味とエラーコードの読み出し方については、ダイキンエアコンの電源ランプ点滅とは?意味とエラーコード確認・対処法、パナソニック機であればパナソニックエアコンのタイマー点滅とは?意味と診断コードの確認方法で解説しています。
照明や他のリモコンの赤外線が干渉して、受信できていないこともある
リモコンからは赤外線が出ていて、本体も応急運転で動く。
それでもリモコン操作だけ通らない場合、赤外線が本体の受光部まで届いていない可能性があります。
ダイキンは、照明器具や他のリモコン信号が干渉する場合があるとして、次の2点を確認するよう案内しています。
- 部屋の照明を消した状態で、リモコン操作に反応するかを確認する
- 他の家電のリモコンを部屋の外に出した状態で、エアコンのリモコンが反応するかを確認する
赤外線は光の一種なので、可視光と同じように「遮られる」「かき消される」性質があります。
干渉や遮蔽の原因として、次のようなものが挙げられます。
| 要因 | 起きること | 確認のしかた |
|---|---|---|
| インバーター式の照明・一部のLED照明 | 照明が出すノイズが赤外線信号にかぶり、受信できなくなる | 照明を消して操作してみる |
| 他のリモコンのボタンが押されたまま | 常時信号が出続け、エアコンの信号が埋もれる | 他のリモコンを部屋の外に出す |
| 受光部がカーテン・家具・観葉植物で隠れている | 信号が物理的に届かない | 本体前面の受光部まわりを空ける |
| 受光部にホコリや油煙が付着している | 受信感度が落ち、近くでしか反応しない | 乾いた柔らかい布で軽く拭く |
| 直射日光が受光部に当たっている | 強い光にまぎれて信号を検出できない | カーテンで遮って操作してみる |
見落とされがちなのが、受光部の汚れです。
キッチンと同じ空間にあるエアコンは油煙を吸うため、受光部の透明カバーがうっすら曇っていることがあります。
この状態でも至近距離なら反応するので、「離れると効かない」=電池切れと思い込みがちですが、電池を替えても直らない場合はこちらを疑ってください。
また、リモコンは本体の受光部に向けて操作するのが基本です。
壁や天井に向けて反射させても届くことはありますが、電池が弱っているときは反射経由では届かなくなります。
切り分けの段階では、本体から数メートル以内で、受光部にまっすぐ向けて操作してください。
故障ではないのに「効かない」と感じやすい3つのケース
修理を検討する前に、そもそも不具合ではない可能性も確認しておきたいところです。
リモコンは正常に信号を送れていて、エアコンもきちんと受信しているのに、期待した動きにならないために「効かない」と感じてしまうパターンがあります。
停止直後に運転しても、約3分間は室外機が動かない
エアコンを止めた直後に運転を入れ直すと、室内機のランプは点いているのに送風だけで、いつまでも冷えない・暖まらないという状態になることがあります。
これは圧縮機(コンプレッサー)を保護するための待機時間で、多くの機種で数分程度は再始動しない仕組みになっています。
リモコンの信号は届いており、エアコンも運転指令を受け付けています。
停止から入れ直すときは、数分待ってから判断するのが正しい確認のしかたです。
この待機中に「壊れた」と判断してブレーカーを落としたり、リセットを繰り返したりすると、切り分けがかえって難しくなります。
運転モードと設定温度の関係で、送風しか出ていない
暖房運転にしていても、設定温度が現在の室温より低ければ、エアコンは「もう暖める必要はない」と判断して送風に近い状態になります。
冷房でも同じで、設定温度が室温を上回っていれば本格的には冷えません。
リモコンの表示と実際の運転が食い違っているように見えて、実は指示どおりに動いているケースです。
切り分けの目的で試すときは、冷房なら設定温度を最も低く、暖房なら最も高くして、10分ほど様子を見るのが確実です。
また、リモコンを本体に向けずに操作したり、うっかりボタンに触れたりして、リモコンの表示と本体の運転モードがずれてしまうこともあります。
この場合はいったん停止し、本体に向けて運転モードから設定し直してください。
特定の機能が動作中で、ボタン操作が制限されている
機種によっては、ある機能の実行中に別の操作を受け付けず、リモコンに「使えません」と表示されることがあります。
たとえばパワフル運転中に風量を変更しようとした場合や、フィルターの自動掃除運転中に別の運転を指示した場合などです。
これは故障ではなく、機能同士の整合をとるための仕様上の制限です。
動作中の機能が終わるのを待つか、いったんその機能を解除してから操作し直してください。
表示が「使えません」なのか、そもそも無反応なのかで原因はまったく異なるため、液晶に何が出ているかは必ず確認しておきたいポイントです。
症状別に見る、リモコン側か本体側かの判定早見表
ここまでの内容を、症状から逆引きできる形で整理します。
自分の状況に近い行を探して、次にとるべき行動を確認してください。
| 症状 | 可能性が高い原因 | とるべき行動 |
|---|---|---|
| 液晶が薄い・何も表示されない | 電池切れ、電池ボックスの接触不良 | 新品のアルカリ乾電池に2本同時交換 |
| 近づけば効くが離れると効かない | 電池の電圧低下、受光部の汚れ・遮蔽 | 電池交換と受光部まわりの清掃・整理 |
| 液晶は正常だが受信音が鳴らない | リモコン送信部の故障、信号設定のずれ | カメラで赤外線を確認、取説で信号設定を確認 |
| 「使えません」と表示される | フタの浮き、フタ裏の突起の折れ、機能制限中 | フタを閉め直す。突起が折れていれば買い替え |
| 一部のボタンだけ効かない | ボタンの固着・接点の摩耗 | 沈んだボタンを引き出す。改善しなければ買い替え |
| 応急運転は動くがリモコンは無反応 | リモコン故障または受光部・干渉 | 照明を消す、他リモコンを外す、買い替え検討 |
| 応急運転でも動かない | 本体側の故障、電源系トラブル | ブレーカー・コンセント確認後、点検依頼 |
| 本体のランプが点滅している | エアコンが異常を検知して停止 | エラーコードを読み出して内容を確認 |
この表で「買い替え検討」または「点検依頼」に行き着いた場合の考え方を、次章以降で説明します。
リモコン故障が確定したら、純正品と汎用リモコンのどちらを選ぶか
赤外線が出ていない、フタ裏の突起が折れている、液漏れで内部が腐食している。
こうした状態であれば、リモコン単体の買い替えが最短の解決策です。
選択肢は大きく分けて、メーカー純正の交換用リモコンと、複数機種に対応する汎用リモコンの2つです。
| 比較項目 | 純正リモコン | 汎用リモコン |
|---|---|---|
| 対応する機能 | 元のリモコンとほぼ同じ機能を使える | 運転・停止、温度、風量など基本操作が中心 |
| 設定の手間 | そのまま使えることが多い | メーカーコードの設定作業が必要な場合がある |
| 入手性 | 部品保有期間を過ぎると入手できないことがある | 古い機種でも対応品が見つかりやすい |
| 価格の傾向 | 汎用品より高めになりやすい | 純正より抑えられることが多い |
| 注意点 | 機種・品番の適合確認が必須 | 省エネ機能や自動お掃除の操作に非対応の場合がある |
どちらを選ぶ場合も、先に確認しておくべきなのが型番です。
リモコンの型番はリモコン裏面や電池ボックス内に記載されていることが多く、そこが読めない場合はエアコン本体の品番や保証書から調べます。
リモコンの型番とエアコン本体の品番、両方を控えてから購入するのが失敗しないコツです。
注意したいのは、汎用リモコンの「対応」という表記の範囲です。
運転・停止と温度設定はできても、内部クリーンやフィルター自動掃除、人感センサーの切り替えといった機能までは操作できないことがあります。
また、エアコン本体側が現在どの設定になっているかを汎用リモコンの液晶が正しく反映しない場合もあり、表示と実際の動作がずれることがあります。
普段からタイマーや細かい風向調整を使っている方は、可能であれば純正品を優先したほうが満足度は高くなります。
買い替えるときのチェックポイント
- エアコン本体の品番(室内機の前面パネルを開けた内側や側面に記載)を控える
- 元のリモコンの型番を控える(裏面・電池ボックス内)
- 対応年式に制限がある汎用品もあるため、製造年を確認する
- 自動お掃除機能付きの機種は、その操作に対応しているかを確認する
なお、新しいリモコンで操作してもエアコンが反応しない場合は、エアコン本体側にも不具合がある可能性があります。
リモコン購入前に、前章までの応急運転による切り分けを済ませておくことをおすすめします。
応急運転でも動かない、エラー表示が繰り返し出るならメーカー修理を検討する
自力での対応に見切りをつける基準を、はっきりさせておきます。
次のいずれかに当てはまる場合は、自分で解決できる範囲を超えていると考えてください。
- 電池交換・リモコンリセット・電源リセットをすべて試しても改善しない
- 応急運転を押しても本体がまったく反応しない
- 電源リセット後にいったん直っても、同じ症状が短期間で再発する
- 本体のランプが点滅し、エラーコードが繰り返し表示される
- エアコン専用ブレーカーが原因不明のまま落ちる
- プラグやコンセント周辺が熱い、焦げくさい、変色している
特に最後の2つは、電気的な異常のサインです。
この状態で通電を続けたり、ブレーカーを上げ直して使い続けたりするのは避けてください。
使用を中止し、メーカーのサポート窓口または購入した販売店に点検を依頼するのが安全です。
エラーコードが表示されている場合は、そのコードを控えてから連絡すると話が早く進みます。
コードによっては、フィルターの目詰まりや室外機まわりの障害物といった、自分で解消できる要因が原因になっていることもあります。
パナソニック機のコードの読み方と意味は、パナソニックエアコンのエラーコード一覧|F・Hから始まる全コードを解説にまとめています。
修理費用と買い替えの分かれ目
修理費用は、故障箇所・機種・出張の有無によって大きく変わります。
受光部やリモコン基板のような部品交換で済むケースと、制御基板そのものの交換が必要なケースでは、金額の桁が変わることもあります。
そのため、ここで具体的な金額を示すことはできません。
実際の費用は、症状と品番を伝えたうえでメーカーや販売店に見積もりを取って確認してください。
判断の材料になるのが、購入からの年数と保証の有無です。
メーカーの保証期間内であれば、まず保証の適用可否を確認するのが先決です。
保証が切れている場合、補修用性能部品の保有期間を過ぎていると、修理そのものを受けられないことがあります。
修理見積もりが買い替え費用の半分を超えるようなら、買い替えも含めて比較検討するというのが、判断しやすい目安のひとつです。
ただしこれはあくまで一般的な考え方であり、使用年数が浅いのに高額な見積もりが出た場合などは、他の要因も含めて検討する必要があります。
エアコンのリモコンが効かないときのよくある質問
Q1. 電池を替えたのに液晶が薄いままです。故障でしょうか?
電池を新品のアルカリ乾電池に交換しても液晶が薄い場合、電池ボックス内の接点が液漏れやサビで腐食し、電圧が正しく伝わっていない可能性があります。
乾いた布や綿棒でサビや粉を取り除き、再度電池を入れ直してみてください。
それでも改善しない場合はリモコン内部の不具合が疑われるため、買い替えを検討することになります。
なお、一部の機種では液晶の濃淡を設定で変更できるものがあり、その設定が薄い側になっているだけというケースもあります。
取扱説明書で表示設定の項目を確認してみてください。
Q2. スマホのカメラで赤外線が見えませんでした。リモコンの故障で確定ですか?
確定とは言えません。
スマートフォンのアウトカメラには赤外線カットフィルターが入っていることが多く、赤外線が写らない機種があります。
まずインカメラ(自分撮り用)でも試してください。
そのうえで、テレビなど正常に動いている別のリモコンを同じカメラで撮影し、そちらは光って見えるかを確認します。
他のリモコンは光るのにエアコンのリモコンだけ光らない、という結果であれば、リモコン側の不具合と判断してよいでしょう。
Q3. 応急運転はずっと使い続けても大丈夫ですか?
応急運転は、リモコンが使えないときの一時的な運転手段として用意された機能です。
設定温度や風量を調整できない、運転モードを選べないといった制約があり、快適性も電気代の面でも通常運転より不利になりやすい方式です。
たとえばパナソニックの応急運転は設定温度25℃の自動運転となり、温度・風量・風向は調整できません。
数日をしのぐ手段としては有効ですが、常用は想定されていません。
リモコンの買い替えか修理で、通常運転に戻せる状態にすることをおすすめします。
Q4. スマホアプリで操作できる機種なら、リモコンが壊れても問題ありませんか?
無線LAN対応機種で専用アプリが使える場合、リモコンが故障してもアプリから運転や温度設定を行えます。
当面の代替手段としては十分に機能します。
ただし、アプリでの操作は家庭内のWi-Fiルーターとメーカー側のサーバーを経由するため、停電や通信障害の際には使えません。
また、機種によってはアプリの初期設定にリモコン操作が必要な場合があります。
アプリ運用を前提にするとしても、リモコンは復旧させておいたほうが安心です。
Q5. リモコンを紛失してしまいました。まず何をすればよいですか?
まずは本体の応急運転スイッチで運転できるかを確認し、当面の室温を確保してください。
そのうえで、エアコン本体の品番を控えて交換用リモコンを手配します。
品番は室内機の前面パネルを開けた内側や側面、または保証書に記載されています。
メーカーによっては公式のオンラインショップで交換用リモコンを購入できます。
無線LAN対応機種であれば、専用アプリを設定して当面の操作手段にすることも可能です。
まとめ|リモコンが効かないときは順番に切り分ければ原因は絞り込める
エアコンのリモコンが効かないとき、いきなり故障を疑う必要はありません。
電池交換、リモコンのリセット、赤外線の確認、本体の応急運転という順番で試していけば、原因がリモコン側にあるのか本体側にあるのかは、道具を使わずに切り分けられます。
要点を整理します。
- 電池は新品のアルカリ乾電池に2本同時交換し、交換目安は約1年と考える
- 改善しなければ電池を抜いて約1分放置し、リモコンをリセットする
- スマホのインカメラで送信部を撮影し、赤外線が出ているかを確認する
- 本体の応急運転が動けばリモコン側、動かなければ本体側の不具合が疑われる
- 照明の消灯・他リモコンの排除・受光部の清掃で直るケースも少なくない
- ブレーカーが原因不明で落ちる、焦げくさいといった症状があれば通電せず点検を依頼する
そのうえで、応急運転でも動かない、エラー表示が繰り返し出るという段階に来たら、無理に使い続けず、メーカーや販売店へ点検を依頼してください。
早めに相談したほうが、結果的に費用も時間も抑えられます。

