地震のあとに暖房が止まり、リモコンに100やE23、P3が表示されている。
このコードは機器の故障ではなく、運転中の揺れを検知して、安全装置が燃焼を止めた状態を示しています。
表示が出たこと自体は、仕組みが正しく働いた結果です。
ただし、解除する前に確認しておきたいことがあります。
この記事では、3つのコードの違い、感震器が果たす役割、解除の前に見ておきたい項目、P3にだけ付いている条件、そして揺れていないのに表示された場合の考え方までを解説します。
3つのコードが示しているもの
| 表示 | 内容 | 解除の方法 |
|---|---|---|
| 100 | 運転中の地震検知(感震器作動)による運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」。リモコンのない機種は温水ルームヒータ側の運転スイッチ |
| E23 | 運転中の地震検知(感震器作動)による運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」 |
| P3 | 運転中の地震検知(感震器作動)による運転停止 | 機器本体が水平状態であることを確認し、リモコンの運転スイッチを「切」→「入」 |
いずれも共通の確認事項として、機器周囲の可燃物、機器の損傷、油漏れ・液漏れなどの異常がないことを確認するよう案内されています。
P3にはこれに加えて、機器本体が水平であることの確認が示されています。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
感震器は何をしているか
感震器は、一定以上の揺れを検知したときに燃焼を止めるための装置です。
地震のときに火を使い続ければ、転倒した物への引火や、こぼれた燃料による火災につながるおそれがあります。
それを避けるため、揺れを感じた時点で運転を打ち切る仕組みになっています。
つまり、この表示は異常の通知ではなく、安全側に働いた結果の報告です。
機器が壊れたわけではないため、確認を済ませたうえで解除すれば通常どおり使用できることがほとんどです。
解除の前に確認したいこと
急いで暖房を戻したくなる場面ですが、確認を先に済ませてください。
総務省消防庁のリーフレットでも、地震直後に石油機器からの油漏れの有無を確認すること、機器の使用を再開するときは破損がないことと近くに燃えやすいものがないことを確認することが示されています。
| 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 機器のまわり | 倒れた物、落ちた洗濯物やカーテンが近づいていないか |
| 機器本体 | へこみ、ずれ、転倒、外装の破損がないか |
| 機器の下や周囲 | 油や液体がにじんでいないか |
| 油タンク・送油配管 | 倒れていないか、接続部が外れていないか |
| 給排気筒・排気管 | 外れやずれがないか |
| 設置状態(P3の場合) | 機器本体が水平を保っているか |
油のにおいがする、床に油だまりがある、機器が傾いている、給排気筒が外れているといった場合は、解除操作を行わず、送油バルブを閉じたうえで販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
燃料が漏れている状態での再点火は、火災につながるおそれがあります。
📎 出典:総務省消防庁 地震火災を防ぐポイント
解除(リセット)の手順
- 上記の確認を済ませる
- P3の場合は、機器本体が水平であることを確認する
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 数秒おいて再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う
- 運転を再開したあと、しばらくは煙やにおいに注意を払う
最後の項目も大切です。
確認時には気づかなかった損傷が、運転してから症状として現れることがあります。
再開後しばらくは、機器のそばを離れずに様子を見ておくほうが安心です。
P3にだけ水平確認が付いている理由
P3の案内には、機器本体が水平状態であることを確認するという条件があります。
石油機器は、燃料が正しく供給されることを前提に設計されています。
本体が傾けば、燃料の流れ方や燃焼の状態が想定と変わる可能性があります。
地震では、機器そのものが動いたり、設置している土台が沈んだりすることがあります。
見た目で明らかに傾いている場合はもちろん、「前より少しずれている気がする」という程度でも、運転を再開する前に確認する価値があります。
自分で位置を直そうとすると配管に無理がかかることがあるため、動かさずに相談してください。
揺れていないのに表示された場合
地震の記憶がないのに100やE23、P3が出ることもあります。
感震器は揺れに反応する装置のため、次のような場面でも作動する可能性があります。
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 機器への衝撃 | 人や物がぶつかった、除雪作業中に接触した |
| 近くでの作業 | 建物の工事や解体、重機の作業による振動 |
| 屋根からの落雪 | 機器の近くに大量の雪が落ちた |
| 設置状態の変化 | 土台の沈下や傾き |
| 感震器の不具合 | 部品側の要因 |
心当たりがまったくなく、繰り返し表示される場合は、設置状態や部品側の要因が考えられます。
その場合は解除を繰り返さず、点検を依頼してください。
余震があるときの考え方
大きな地震のあとは、余震が続くことがあります。
そのたびに感震器が作動して停止することも考えられます。
- 確認を済ませた機器であれば、解除して使用すること自体は可能
- ただし、就寝時や外出時の運転は慎重に判断する
- 余震のたびに止まるのは、安全装置が働いている正常な動作
- 頻繁に止まるからといって、解除だけを繰り返さない
寒さのなかで暖房を止める判断は難しいものですが、確認を省いた再開だけは避けてください。
状況によっては、暖房器具を併用しながら点検を待つという選択もあります。
停電をともなった場合
地震では停電が発生することもあります。
復電したあとに、地震検知とは別の表示が出ることがあります。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 100・E23・P3 | 運転中の地震検知(感震器作動) |
| E92・Err | 通電開始(停電後の再通電)時の制御基板不良の検出 |
| 000・H6 | 停電の発生(故障履歴の呼び出し時のみ表示) |
複数の表示が前後して出た場合は、それぞれを控えておくと点検時の手がかりになります。
また、停電中は機器のスイッチを切り、避難する際はブレーカーを落とすことが火災予防として案内されています。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 確認を済ませて解除し、正常に運転している | 様子を見ながら使用可 |
| 油のにおいや油だまりがある | 送油バルブを閉じて連絡 |
| 機器が傾いている、ずれている | 動かさずに連絡 |
| 給排気筒が外れている | 運転を再開せず連絡 |
| 解除しても復帰しない | 点検を依頼 |
| 揺れの心当たりがないのに繰り返し出る | 点検を依頼 |
| 運転再開後に煙やにおいがある | 運転を止めて連絡 |
地震のあとは修理の依頼が集中し、訪問までに時間がかかることがあります。
その間に暖房を使えない場合、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
ファンヒーターなど古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも感震器を備えた機種があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
日頃からできる備え
- 機器のまわりに可燃物を置かない、整理整頓しておく
- 油タンクや配管の固定状態を確認しておく
- 給排気筒の支持金具に緩みがないか見ておく
- 地震のあとに確認する項目を、家族で共有しておく
暖房機器の周辺を整理しておくことは、地震火災を防ぐ対策としても挙げられています。
シーズン前の点検にあわせて、周囲の状態も見直しておくと安心です。
よくある質問
Q1. 地震で止まったのは故障ですか。
故障ではありません。
感震器が一定以上の揺れを検知し、安全のために燃焼を止めた状態です。
機器周囲の可燃物、機器の損傷、油漏れ・液漏れがないことを確認したうえで運転スイッチを入れ直せば、通常どおり使用できることがほとんどです。
ただし、解除しても復帰しない場合は、揺れによって別の不具合が生じている可能性があります。
Q2. すぐに解除して暖房を使ってもよいですか。
確認を先に済ませてください。
特に油漏れがある状態での再点火は、火災につながるおそれがあります。
機器のまわりに倒れた物がないか、機器に破損がないか、床に油や液体がにじんでいないかを見たうえで解除してください。
運転を再開したあとも、しばらくは煙やにおいに注意を払っておくと安心です。
Q3. P3だけ水平の確認が必要なのはなぜですか。
P3の案内には、機器本体が水平状態であることを確認したうえで解除するよう示されています。
石油機器は燃料が正しく供給されることを前提に設計されているため、本体が傾くと燃焼の状態が想定と変わる可能性があります。
地震で機器が動いたり、土台がずれたりすることもあります。
自分で位置を直そうとすると配管に無理がかかることがあるため、傾きに気づいたら動かさずに相談してください。
Q4. 地震がなかったのに表示されました。
感震器は揺れに反応する装置のため、機器への衝撃や近くでの工事の振動、屋根からの落雪などでも作動することがあります。
除雪作業中に接触した、機器の近くで作業していたといった心当たりがないか振り返ってみてください。
まったく心当たりがなく繰り返し表示される場合は、設置状態や感震器そのものの要因が考えられます。
解除を繰り返さず、点検を依頼してください。
Q5. 余震が続いています。暖房は使わないほうがよいですか。
確認を済ませた機器であれば、解除して使用すること自体は可能です。
余震のたびに止まるのは安全装置が正しく働いている動作であり、機器の異常ではありません。
ただし、就寝時や外出時に運転を続けるかどうかは慎重に判断してください。
また、止まるたびに確認を省いて解除を繰り返すことは避け、そのつど周囲と機器の状態を見るようにしてください。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される100・E23・P3は、運転中の揺れを感震器が検知して燃焼を止めた状態です。
故障ではなく安全装置が働いた結果であり、確認を済ませて解除すれば通常どおり使用できることがほとんどです。
解除の前には、機器周囲の可燃物、機器の損傷、油漏れ・液漏れの有無を確認してください。
P3では、これに加えて機器本体が水平であることの確認が求められています。
揺れの心当たりがないのに繰り返し表示される場合は、設置状態や部品側の要因が考えられるため、点検を依頼するのが確実です。

