暖房が止まり、リモコンに310やF8といった表示が出ている。
これらは、ヘッダーボックスを接続した構成の機器でのみ表示されるコードです。
対象となるのはHDB-401・402・403・404・803・804を接続した設置で、番号はそれぞれA〜D回路に対応しています。
つまり、どの番号が出たかによって、どの回路に問題があるかを絞り込めるという特徴があります。
この記事では、番号と回路の対応、暖まらない部屋から原因を推測する考え方、320が機種によって別の意味になる点、そしてF8が工事直後に出やすい理由までを解説します。
番号と回路の対応
| 表示 | 内容 | 解除の方法 |
|---|---|---|
| 310 | ヘッダーボックスA回路用サーミスタの断線またはショートによる運転停止 | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」 |
| 320 | ヘッダーボックスB回路用サーミスタの断線またはショートによる運転停止 | 同上 |
| 330 | ヘッダーボックスC回路用サーミスタの断線またはショートによる運転停止 | 同上 |
| 340 | ヘッダーボックスD回路用サーミスタの断線またはショートによる運転停止 | 同上 |
| F8 | ヘッダーボックスと熱源機の誤接続、または設定不良による運転停止 | 解除方法は示されておらず、点検・修理を依頼 |
いずれも対象はHDB-401・402・403・404・803・804を接続した構成です。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
ヘッダーボックスとは何か
温水暖房で複数の部屋に放熱器や床暖房を設置する場合、熱源機で作った温水を各回路へ分配する必要があります。
その分配を担うのがヘッダーボックスです。
熱源機とは別に設置された箱状の機器から、複数の配管が分かれているようであれば、この構成に該当する可能性があります。
内部では回路ごとに温度が管理されており、A〜Dという回路ごとに専用のサーミスタ(温度を測る部品)が備わっているという構造です。
310・320・330・340は、そのどれが異常を検知されたかを示しています。
暖まらない部屋から原因を絞る
このグループの実用的な点は、番号から回路を特定できることです。
- 310が出た → A回路のサーミスタ
- 320が出た → B回路のサーミスタ
- 330が出た → C回路のサーミスタ
- 340が出た → D回路のサーミスタ
どの回路がどの部屋につながっているかは、設置時の施工内容によって決まります。
図面や施工時の書類が残っていれば、そこに記載があることもあります。
書類が見当たらない場合でも、暖まらない部屋がどこかを控えておくと、点検時の切り分けが早く進みます。
表示された番号と、実際に効きが悪い部屋の情報を組み合わせることで、技術者は対象の回路を特定しやすくなります。
320は機種構成によって意味が変わる
注意したいのが320です。
| 構成 | 320の内容 |
|---|---|
| ヘッダーボックス(HDB-401など)を接続した構成 | ヘッダーボックスB回路用サーミスタの断線またはショート |
| 一般の機種 | 温水サーミスタの断線またはショート |
同じ320でも、熱源機側の温水サーミスタを指す場合とヘッダーボックス側を指す場合があります。
確認される部位が変わるため、まず本体の銘板で型番と構成を確認することが判断の出発点です。
熱源機側の温水サーミスタについては、別の記事で解説しています。
サーミスタ系(310・320・330・340)の解除手順
- 機器の周囲に濡れや焦げたにおいがないことを確認する
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 数秒おいて再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う
操作は2回程度までにとどめてください。
サーミスタが断線・短絡している状態では、繰り返しても表示は消えません。
復帰しない場合や再発する場合は、点検・修理を依頼するよう案内されています。
機器のまわりが濡れている、焦げたにおいがする、配線が露出しているといった場合は、解除操作を行わず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
F8は性質が異なる
F8には、他の4つと違って解除方法が示されていません。
内容も、部品の断線ではなくヘッダーボックスと熱源機の誤接続、または設定不良です。
つまり、経年による故障というより、接続や設定が正しくない状態を示しています。
運転スイッチを操作しても状況は変わらないため、点検・修理の依頼が前提になります。
F8が出やすい場面
| 場面 | 内容 |
|---|---|
| 設置工事の直後 | 熱源機とヘッダーボックスの接続や設定が完了していない |
| 機器の入れ替え直後 | 新しい熱源機とヘッダーボックスの組み合わせが合っていない |
| 基板交換や修理の直後 | 作業中に接続や設定が変わった |
| ヘッダーボックスを増設・変更した後 | 構成に対する設定が更新されていない |
共通しているのは、何らかの作業のあとに表示されるケースが多いという点です。
長年問題なく使えていた機器が、工事や修理の翌日から動かなくなったという状況であれば、この可能性を考える価値があります。
部品が壊れているとは限らず、接続や設定を直すことで解決する場合もあります。
この場合は、その作業を行った業者に連絡するのが筋道として自然です。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 310・320・330・340が解除操作で復帰し、その後再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| 解除操作を2回試しても消えない | 部品交換を含めて点検を依頼 |
| 復帰と再発を繰り返す | 接続部の状態を含めて点検を依頼 |
| F8が表示された | 解除できないため点検を依頼 |
| F8が工事や修理の直後から出ている | 作業を行った業者に連絡 |
| 特定の部屋だけ暖まらない状態が続いている | その部屋の情報を伝えて点検を依頼 |
| 濡れている、焦げたにおいがする | 運転を止めて速やかに連絡 |
依頼するときに伝えたいこと
ヘッダーボックスを備えた構成は、一般的な設置よりも確認する範囲が広くなります。
次の情報を整理しておくと、訪問時の診断が早く進みます。
- 表示されたコード(310・320・330・340・F8のどれか)
- 熱源機とヘッダーボックスの型番
- 暖まらない部屋、効きが悪い部屋
- 他の部屋は正常に暖まっているか
- 直前に工事や修理、部品交換を行っていないか
ヘッダーボックスを接続している構成であること自体を、最初に伝えるのが確実です。
一般の機種として案内されると、確認する部位がずれてしまう可能性があります。
修理と費用の考え方
| 原因 | 対応 |
|---|---|
| サーミスタの断線・短絡 | 該当回路のサーミスタ交換 |
| 配線や接続部の不良 | 接続の直し、配線の補修 |
| 誤接続 | 接続のやり直し |
| 設定不良 | 設定の直し |
サーミスタの交換であれば部品代は限られますが、接続のやり直しや設定の直しが必要な場合は作業の内容によって変わります。
設定や接続の問題であれば、部品交換なしで解決する可能性もあります。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、作業前に見積もりで確認してください。
点検までの間の暖房について
これらの表示が出ている間、その機器は運転できません。
暖房シーズン中は訪問や部品の手配までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
よくある質問
Q1. 自宅にヘッダーボックスがあるか分かりません。
熱源機とは別に箱状の機器が設置され、そこから複数の配管が分かれているようであれば該当する可能性があります。
型番はHDB-401・402・403・404・803・804といった表記で、機器の銘板に記載されています。
複数の部屋に放熱器や床暖房を設置している住宅で使われることが多い構成です。
判断がつかない場合は、機器の写真を用意して相談すると確認が早く進みます。
Q2. A回路やB回路は、どの部屋のことですか。
どの回路がどの部屋につながっているかは、設置時の施工内容によって決まります。
機器側で一律に定まっているものではないため、記事や取扱説明書で特定することはできません。
施工時の図面や書類が残っていれば、そこに記載されていることがあります。
書類がない場合は、暖まらない部屋を控えておけば点検時の手がかりになります。
Q3. 320が表示されましたが、温水サーミスタの異常だという情報も見かけます。
320は機種構成によって内容が変わるコードです。
ヘッダーボックスを接続した構成ではB回路用サーミスタ、一般の機種では熱源機の温水サーミスタを指します。
確認される部位が異なるため、まず本体の銘板で型番と構成を確認してください。
点検を依頼する際も、ヘッダーボックスの有無を伝えることが大切です。
Q4. F8は自分で直せますか。
F8は誤接続または設定不良を示す表示で、解除方法も案内されていません。
接続のやり直しや設定の変更には機器の分解が必要で、所有者が行う前提の作業ではありません。
誤った設定にすれば、機器が正しく制御できず別の不具合を招くおそれがあります。
自己判断で操作せず、施工業者やメーカーに依頼してください。
Q5. 1つの回路だけ止まっている場合、他の部屋は使えますか。
表示が出ている状態では機器が運転を停止するため、他の回路も含めて暖房を使えないのが基本です。
どの回路に原因があっても、熱源機側で運転を止める仕組みになっています。
そのため「他の部屋だけ使う」という運用は想定されていません。
点検までの間に室温を確保する必要があれば、別の暖房手段を検討してください。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される310・320・330・340・F8は、ヘッダーボックスを接続した構成でのみ出るコードです。
310から340までは、それぞれA・B・C・D回路のサーミスタの断線またはショートを示しており、番号から対象の回路を絞り込めます。
320だけは、ヘッダーボックスのない機種では熱源機の温水サーミスタを指すため、型番と構成の確認が欠かせません。
F8は部品の故障ではなく誤接続や設定不良を示す表示で、解除方法も案内されておらず、工事や修理の直後に出やすい傾向があります。
点検を依頼するときは、ヘッダーボックスを接続している構成であることと、暖まらない部屋の情報をあわせて伝えてください。

