暖房が止まり、リモコンにE24やE25、E61といった表示が出ている。
どれも水温サーミスタに関わるコードですが、内容はショート・高温検知・断線に分かれており、家庭でできる対処も変わります。
特にE25だけは、メーカーが暖房配管のバルブという具体的な確認事項を挙げている点が他と異なります。
この記事では、3つのコードの内訳、E25にだけバルブの確認が付いている理由、温度が下がるのを待つ必要がある点、E61が点検依頼とされている理由、そして温水サーミスタ(320・E5)との違いまでを解説します。
3つのコードの内訳
| 表示 | 内容 | 確認事項 | 解除の方法 |
|---|---|---|---|
| E24 | 水温サーミスタのショートによる運転停止 | なし | 不凍液の温度が下がるのを待って、リモコンの運転スイッチを「切」→「入」 |
| E25 | 水温サーミスタの高温検知による運転停止 | 暖房配管のバルブが閉まっていないか確認する | 同上 |
| E61 | 水温サーミスタの断線による運転停止 | なし | 同上。点検・修理を依頼するよう案内されています |
E24とE61は部品側の異常、E25は実際に温度が高くなった状態を示しています。
同じ部品に関する表示でも、「部品が壊れている」のか「部品は正常で温度が本当に高い」のかで意味が変わります。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
E25だけに確認事項が付いている理由
E25は水温サーミスタが高温を検知したという表示です。
部品が壊れているのではなく、実際に不凍液の温度が上がりすぎた状態を意味します。
温度が上がる原因として最も多いのが、温水が循環していないことです。
熱を運び出す先がなければ、熱源機まわりの液だけが加熱され続けます。
そのためメーカーは、暖房配管のバルブが閉まっていないかという確認事項を挙げているわけです。
確認したいのは次の場所です。
| 確認する場所 | よくある状況 |
|---|---|
| ヘッダーや分岐部のバルブ | 掃除や修繕のあと、閉めたままになっている |
| 放熱器(パネルヒーター)側のバルブ | 使わない部屋をすべて締め切っている |
| 床暖房の回路のバルブ | 施工やリフォーム後に開け忘れている |
使わない部屋の放熱器をすべて閉め切ったあとから表示が出るようになった場合は、循環できる回路が足りていない可能性があります。
閉めた覚えのあるバルブを元に戻すところから確認してみてください。
E24・E61は部品側の異常
E24はショート、E61は断線を示しており、いずれも水温サーミスタそのものが正常に機能していない状態です。
| 状態 | 内容 |
|---|---|
| ショート(E24) | 回路が短絡し、検知値が一方へ振れている |
| 断線(E61) | 回路がつながっておらず、値を読み取れない |
このグループは、バルブを開けても解決しません。
温度の問題ではなく、温度を測る部品の問題だからです。
実際、E61についてはメーカーの案内でも点検・修理を依頼するよう示されています。
解除操作を何度も繰り返すより、早い段階で依頼に切り替えるほうが現実的です。
なぜ「不凍液の温度が下がるのを待つ」のか
3つとも、解除の前提として不凍液の温度が下がるのを待つよう案内されています。
高温を検知して停止したE25はもちろん、部品側の異常であるE24・E61でも同じ手順です。
停止した直後は、循環していない液が熱を持ったままになっていることがあります。
その状態で運転を再開すれば、条件が変わらないまま同じ表示に戻る可能性が高くなります。
待ち時間は外気温や運転していた時間によって変わるため、一律の目安は示せません。
機器や配管に触れて熱くない状態まで下がってから操作するのが現実的な判断です。
機器や配管のまわりが濡れている、蒸気のようなものが出ている、異音や焦げたにおいがするといった場合は、解除操作を行わず、運転を止めたまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
解除(リセット)の手順
- E25の場合は、暖房配管のバルブが閉まっていないかを確認する
- 不凍液の温度が下がるのを待つ
- リモコンの運転スイッチを「切」にし、再び「入」にする
- リモコンのない機種は、温水ルームヒータ側の運転スイッチで同じ操作を行う
操作は2回程度までにとどめてください。
部品が断線・短絡している状態では、繰り返しても表示は消えません。
温水サーミスタ(320・E5)との違い
長府の表示体系では、水温サーミスタと温水サーミスタに別々のコードが割り当てられています。
| 表示 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| E24・E25・E61 | 水温サーミスタ | ショート・高温検知・断線 |
| 320・E5 | 温水サーミスタ | 断線またはショート |
| P0 | 温水サーミスタ | 循環異常による高温検知 |
| 150・160・E4・E22 | 過熱防止装置、熱交温度ヒューズ | 独立した安全装置の作動 |
呼び名が似ているため混同しやすいところですが、機器から見れば別の部品です。
点検を依頼するときは、表示されたコードをそのまま伝えるのが最も確実で、部品名を推測して伝える必要はありません。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| E25で、閉まっていたバルブを開けて解除し、その後正常運転 | 様子を見て使用可 |
| E25が、バルブに問題がないのに繰り返し出る | 循環系を含めて点検を依頼 |
| E24・E61が表示された | 部品側の異常として点検を依頼 |
| 解除操作を2回試しても消えない | 点検を依頼 |
| 復帰と再発を繰り返す | 接続部の状態を含めて点検を依頼 |
| 過熱側の表示や不凍液の水位低下も出ている | 循環系としてまとめて点検を依頼 |
| 濡れている、異音、焦げたにおいがある | 運転を止めて速やかに連絡 |
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にもサーミスタに関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
交換の考え方
サーミスタの交換には、機器の分解と適合部品の選定が必要になります。
温度によって抵抗値が変わる特性を利用した部品のため、見た目が似ていても特性の異なるものでは正しく制御できません。
所有者が市販品で対応できる部分ではないと考えてください。
設置から10年前後が経過している場合は、配線や他のセンサーも同じ環境で使われてきています。
一箇所を直しても、別の箇所が同じ時期に不具合を起こすことは珍しくありません。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、修理と機器交換の両方を見積もったうえで比較するのが現実的です。
点検までの間の暖房について
これらの表示が出ている間、その機器は運転できません。
暖房シーズン中は訪問や部品の手配までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
再発を防ぐために
E25については、日常の使い方で発生を減らせる部分があります。
- 使わない部屋の放熱器を全部閉め切らず、循環できる回路を残す
- 掃除や修繕でバルブを閉めたら、作業後に開けたかを確認する
- 不凍液の水位をシーズン前に確認し、不足させない
- 表示が出た日と、直前に行った操作を控えておく
一方、E24・E61は部品の劣化や配線の状態によるもので、使い方で防ぐことは困難です。
シーズン前の試運転で早めに気づけるようにしておくことが、現実的な備えになります。
よくある質問
Q1. E24・E25・E61は同じ原因ですか。
同じ水温サーミスタに関わる表示ですが、内容は異なります。
E24はショート、E61は断線という部品側の異常で、E25は部品が正常に働いたうえで高温を検知した状態です。
そのためE25にだけ、暖房配管のバルブという確認事項が示されています。
どの表示が出ていたかによって対処が変わるため、コードを正確に控えておいてください。
Q2. E25でバルブを確認しましたが、閉まっていませんでした。
バルブ以外にも、循環が不足する要因はあります。
不凍液の量が減っている、配管内に空気が入っている、循環ポンプが十分に回っていないといった状況です。
不凍液の水位低下は260・430・EL・P7や420、ポンプの異常は640として別に表示されることもあります。
他の表示が出ていないかを確認したうえで、点検を依頼してください。
Q3. E61は解除できないのですか。
案内上は不凍液の温度が下がるのを待って運転スイッチを入れ直す手順が示されていますが、あわせて点検・修理の依頼も示されています。
断線している状態では、機器は温度を読み取れないため、操作しても表示が消えないのが通常です。
2回程度試して変わらないようであれば、部品交換が必要な段階と考えてください。
繰り返し操作しても部品の状態は変わりません。
Q4. どのくらい待てば温度が下がりますか。
外気温、運転していた時間、設置場所によって変わるため、一律の目安を示すことはできません。
機器や配管に触れて熱くない状態まで下がっていれば、操作してよい段階です。
熱が残ったまま操作すると同じ表示に戻ることがあるため、時間をおいてから1回試すほうが確実です。
それでも復帰しない場合は、温度ではなく部品側に原因があると考えられます。
Q5. 水温サーミスタと温水サーミスタは何が違うのですか。
長府の表示体系では、それぞれ別のコードが割り当てられた別の部品として扱われています。
水温サーミスタに関わるのがE24・E25・E61、温水サーミスタに関わるのが320・E5です。
名称が似ているため混同しやすいものの、点検で確認される部位は異なります。
依頼する際は部品名を推測せず、表示されたコードをそのまま伝えるのが確実です。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示されるE24・E25・E61は、いずれも水温サーミスタに関わる運転停止です。
E24はショート、E61は断線という部品側の異常で、E25だけは部品が正常に働いたうえで高温を検知した状態を示しています。
そのためE25には暖房配管のバルブという確認事項が示されており、閉め切った回路がないかを見直すことが最初の対処になります。
E24とE61はバルブを開けても解決せず、実質的には部品交換が前提です。
いずれの場合も不凍液の温度が下がってから操作し、2回試して復帰しなければ点検に切り替えてください。

