部屋の温水ルームヒータが動かず、その表示部にA5やC5が出ている。
熱源機のリモコンには何も出ていないため、どちらの不具合なのか判断しにくい場面です。
このコードは、室内機と熱源機の間で行われているシリアル通信に異常が検知されたことによる運転停止を示しています。
どちらか一方の故障とは限らず、両者をつなぐ配線側に原因があることもあります。
この記事では、A5とC5の違い、表示が室内機側に出る理由、通信が途切れる要因、解除の手順、そして点検を依頼する目安までを解説します。
A5・C5が示しているもの
| 表示 | 内容 | 表示される場所 | 解除の方法 |
|---|---|---|---|
| A5 | 室内機と熱源機の間のシリアル通信異常(ショート検知)による運転停止 | 温水ルームヒータの表示部 | 温水ルームヒータの運転スイッチを「切」→「入」 |
| C5 | 室内機と熱源機の間のシリアル通信異常(断線検知)による運転停止 | 温水ルームヒータの表示部 | 同上 |
メーカーの案内では、復帰しない場合や再発する場合に点検・修理を依頼するよう示されています。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
表示が出る場所に注目する
このコードで押さえておきたいのが、A5・C5は温水ルームヒータの表示部に出るという点です。
熱源機のリモコンではありません。
温水暖房は、屋外や別室に設置された熱源機で温めた不凍液を、部屋に置かれた温水ルームヒータへ送る仕組みです。
両者は配管だけでなく、信号をやり取りする配線でもつながっています。
室内機は「熱源機に運転を要求する」「今の状態を受け取る」といったやり取りを行っており、それが成立しなくなった状態がA5・C5です。
そのため、次のような状況が起こります。
- 部屋の温水ルームヒータは表示を出して止まっている
- 熱源機のリモコンには何も表示されていない
- 熱源機そのものは異常なく見える
「どちらが壊れたのか分からない」と感じるのは、この構成によるものです。
問い合わせる際は、どちらの機器のどこに表示が出ているかを伝えると状況が伝わりやすくなります。
A5とC5の違い
| 表示 | 検知内容 | 状態のイメージ |
|---|---|---|
| A5 | ショート検知 | 信号線が短絡している |
| C5 | 断線検知 | 信号線がつながっていない |
同じ通信異常でも、検知された状態が反対方向です。
点検で確認される方向も変わるため、どちらが表示されたかは控えておいてください。
所有者が症状から見分ける必要はありませんが、伝えるだけで診断の助けになります。
通信が途切れる要因
室内機と熱源機をつなぐ配線は、屋外や壁の内部、床下を通ることがあります。
リモコンと基板をつなぐ配線に比べて距離が長く、環境の影響も受けやすい部分です。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 配線の断線・損傷 | 経年劣化、外力による損傷 |
| コネクタの緩み・接触不良 | 接続部が確実でない |
| 端子部の腐食 | 湿気や結露の影響を受けた |
| 動物によるかじり | 床下や屋外の配線が損傷した |
| 家具や物による圧迫 | 室内側の配線が押しつぶされた |
| 施工時の不具合 | 接続が確実でない、規定外の配線が使われている |
| 落雷や停電 | 電源側の乱れが制御に影響した |
| 室内機または熱源機の基板の不具合 | 送受信そのものが成立していない |
模様替えで家具を動かしたあと、配線の位置が変わって症状が出るというケースも考えられます。
心当たりがあれば、点検を依頼するときに伝えてください。
解除(リセット)の手順
- 温水ルームヒータの周囲に焦げたにおいや配線の損傷がないことを確認する
- 温水ルームヒータの運転スイッチを「切」にする
- 数秒おいて再び「入」にする
- 表示が消え、正常に運転できるかを確認する
このコードでは、熱源機のリモコンではなく温水ルームヒータ側で操作する点に注意してください。
操作は2回程度までにとどめ、復帰しない場合は点検に切り替えます。
配線の被覆が破れている、焦げたにおいがする、動物にかじられた跡があるといった場合は、運転を再開せず、そのまま販売店やメーカー窓口へ連絡してください。
他の通信系の表示との違い
| 表示 | 通信の区間 | 表示される場所 | 解除の方法 |
|---|---|---|---|
| A5・C5 | 室内機と熱源機の間 | 温水ルームヒータの表示部 | 温水ルームヒータの運転スイッチ |
| 740・760・E90 | リモコンと制御基板の間 | 熱源機のリモコン | 電源コンセントの抜き差し |
| E8 | リモコンまたはヘッダーボックスと制御基板の間 | 熱源機のリモコン | 電源コンセントの抜き差し |
区間も表示場所も解除方法も異なります。
解除方法を取り違えると「操作しても直らない」という誤解につながるため、表示が出ている機器を確認してから操作してください。
室内機が複数ある場合
温水ルームヒータを複数の部屋に設置している構成もあります。
その場合、どの部屋の室内機に表示が出ているかが手がかりになります。
- 1台だけに表示が出ている → その室内機、またはそこまでの配線に原因がある可能性
- 複数の室内機に表示が出ている → 熱源機側や共通する配線に原因がある可能性
ただし、機器の構成や配線の方式によって考え方は変わります。
どの部屋の機器が止まっているか、他の部屋は動いているかを整理しておくと、点検時の切り分けが早く進みます。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 運転スイッチを入れ直して復帰し、その後再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| 入れ直しても表示が消えない | 点検を依頼 |
| 数日のうちに繰り返し出る | 点検を依頼 |
| 模様替えや工事のあとから出るようになった | 状況を伝えて点検を依頼 |
| 落雷や停電のあとから出るようになった | 状況を伝えて点検を依頼 |
| 複数の室内機で同時に出ている | 熱源機側を含めて点検を依頼 |
| 配線の損傷が見える、焦げたにおいがある | 運転を止めて速やかに連絡 |
修理の内容と費用の考え方
原因によって、対応の範囲は大きく変わります。
| 原因 | 対応 |
|---|---|
| コネクタの緩み・接触不良 | 接続の直し |
| 配線の断線・損傷 | 配線の補修または引き直し |
| 室内機側の基板の不具合 | 室内機の部品交換 |
| 熱源機側の基板の不具合 | 基板の交換 |
配線が壁の内部や床下を通っている場合、引き直しには手間がかかることがあります。
一方で、接続部の直しだけで済むこともあり、点検してみないと費用の見当がつきにくい表示です。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、作業前に見積もりで確認してください。
点検までの間の暖房について
A5・C5が出ている室内機は運転できません。
他の部屋の室内機が動いている場合は、その部屋を中心に過ごすという方法もあります。
すべて止まっている場合、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
使用する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
よくある質問
Q1. 熱源機のリモコンには何も表示されていません。故障はどちらですか。
A5・C5は温水ルームヒータの表示部に出る仕様のため、熱源機のリモコンに表示がなくても異常が起きていないとは限りません。
このコードは室内機と熱源機の間の通信に関するもので、室内機側、熱源機側、配線のいずれにも原因があり得ます。
所有者が切り分けることは難しいため、どちらの機器のどこに表示が出ているかを伝えて点検を依頼してください。
他の部屋の室内機が動いているかどうかも、有力な手がかりになります。
Q2. A5とC5はどちらが重い異常ですか。
どちらも室内機と熱源機の間のシリアル通信異常による運転停止で、区分としては同じです。
A5はショート検知、C5は断線検知という違いがあり、検知された状態が反対方向にあたります。
点検で確認される方向は変わりますが、所有者側の対応に違いはありません。
表示された記号を控えておき、点検時に伝えてください。
Q3. 熱源機の電源コンセントを抜けば直りますか。
A5・C5では、温水ルームヒータの運転スイッチによる解除が案内されています。
電源コンセントの抜き差しが指定されているのは、740・760・E8といった別のコードです。
表示ごとに解除方法は決められているため、まずは表示が出ている機器側で操作してください。
それでも復帰しない場合は、点検を依頼する段階です。
Q4. 模様替えのあとから出るようになりました。
室内機まわりの配線が家具に押しつぶされたり、引っ張られたりした可能性があります。
配線は見えない位置を通っていることもあり、気づかないうちに負荷がかかっていることもあります。
自分で家具を戻して改善する場合もありますが、配線に損傷があると再発します。
いつから出るようになったか、その前に何をしたかを伝えると原因の特定が早くなります。
Q5. 配線は自分で直せますか。
避けてください。
室内機と熱源機をつなぐ配線は、規定の種類や接続方法が決められています。
規定外の配線を使ったり接続が確実でなかったりすると通信が成立せず、別の不具合を招くおそれがあります。
また、壁の内部や床下を通る部分の作業は、所有者の対応範囲を超えます。
まとめ
長府の暖房ボイラーで表示されるA5・C5は、室内機と熱源機の間のシリアル通信異常による運転停止です。
A5がショート検知、C5が断線検知を示し、いずれも温水ルームヒータの表示部に出るという点が特徴になります。
熱源機のリモコンに表示がなくても、どちらか一方が正常とは限らず、両者をつなぐ配線に原因があることもあります。
解除は温水ルームヒータの運転スイッチで行い、2回程度試して復帰しなければ点検に切り替えてください。
どの部屋の機器に表示が出ているか、他の部屋は動いているかを整理しておくと、点検での切り分けが早く進みます。

