停電が復旧したのに暖房が動かず、リモコンにE92やErrが表示されている。
寒い時期にこの状況が重なると、原因を確かめる余裕もないまま焦ってしまいます。
このグループは、制御基板の作動不良、または通電開始時に基板の不良を検出したことによる運転停止です。
特にE92とErrは、停電後の再通電がきっかけで表示されることが説明に明記されています。
この記事では、3つのコードの違い、停電後に出やすい理由、電源を入れ直す手順、記憶回路異常との違い、そして点検を依頼する目安までを解説します。
3つのコードの違い
| 表示 | 内容 | 解除の方法 |
|---|---|---|
| E6 | 制御基板作動不良による運転停止 | 熱源機本体の電源コンセントを5秒以上「切」にしたあと、再度「入」にする |
| E92 | 通電開始(停電後の再通電)時の制御基板不良の検出による運転停止 | 電源コンセントを差し直す |
| Err | 通電開始(停電後の再通電)時の制御基板不良の検出による運転停止 | 電源コンセントを差し直す |
E6は場面を限定せず、E92とErrは通電が始まった時点で検出された不良である点が明記されています。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
停電のあとに出やすい理由
E92とErrの説明には「停電後の再通電」という条件が添えられています。
機器は電源が入った直後に自己確認を行っており、その段階で基板が正常に立ち上がらなかった場合に表示される仕組みと考えられます。
きっかけになりやすいのは次のような状況です。
| 状況 | 内容 |
|---|---|
| 停電と復電 | 通電が不安定なまま立ち上がることがある |
| 瞬時停電 | 気づかないほど短い停電でも影響することがある |
| 落雷 | 瞬間的な電圧の変動が電子部品に影響することがある |
| ブレーカーの落下と復帰 | 予期しない断電と再通電が起きる |
| 除雪や作業中のプラグ抜け | 通電が一時的に途切れる |
「昨夜、雷が鳴っていた」「停電があった」という心当たりは、そのまま原因の手がかりになります。
点検を依頼する際は、いつ停電があり、そのあとに表示されたのかを伝えてください。
停電のあとにまず確認すること
暖房が動かない原因が、機器ではなく電源側にあることもあります。
表示が出ている場合でも、次の点は確認しておく価値があります。
- 分電盤のブレーカーが落ちていないか(漏電ブレーカーを含む)
- 熱源機の電源プラグが抜けかけていないか
- 同じ部屋の他の家電が正常に使えるか
- 屋外の配線やコンセントに損傷がないか
ブレーカーが落ちている場合、まず上げてから機器の状態を確認します。
上げてもすぐに落ちるようであれば、電気側に問題がある可能性があるため、機器の操作を続けず相談してください。
焦げたにおいがする、配線が損傷している、ブレーカーを上げてもすぐ落ちるといった場合は、電源操作を繰り返さず、そのまま販売店やメーカー窓口、または電気工事業者へ連絡してください。
電源を入れ直す手順
- 機器の周囲に油のにおいや焦げたにおいがないことを確認する
- 熱源機本体の電源コンセントを抜く
- 5秒以上そのままにする
- コンセントを差し直す
- リモコンの表示が正常に戻ったことを確認してから運転する
5秒以上という時間は、内部に残った電気が抜けきるまでの目安です。
立ち上がりが不安定だっただけであれば、これで復帰することがあります。
操作は2回程度までにとどめてください。
繰り返しても、基板の状態が変わることはありません。
記憶回路異常(730・L1など)との違い
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| E6・E92・Err | 制御基板の作動不良、通電開始時に検出された基板不良 |
| 730・731・L1 | 制御基板の記憶回路異常 |
| 732・L2 | サブ基板の記憶回路異常 |
| 733・L3 | 制御基板およびサブ基板の記憶回路異常 |
どちらも基板に関わる表示ですが、記憶回路異常は保持している情報の読み書きに関するもの、E6・E92・Errは基板の作動そのものに関するものという整理です。
解除方法はいずれも電源コンセントの抜き差しで共通しています。
どの表示が出ていたかを控えておくと、点検で確認される範囲が絞られます。
復帰しない場合に考えられること
電源を入れ直しても表示が消えない、あるいはすぐに再発する場合は、基板そのものに不具合があると考えられます。
| 状況 | 考えられること |
|---|---|
| 入れ直して復帰し、その後も正常 | 立ち上がりが一時的に不安定だった可能性 |
| 入れ直しても消えない | 基板側の不具合。交換が必要 |
| 復帰するが繰り返し出る | 基板の劣化、または電源環境の影響 |
| 停電のたびに出る | 通電時の立ち上がりに問題が残っている |
停電のたびに同じ表示が出るという場合は、基板の状態が不安定になっている可能性があります。
そのまま使い続けると、次の停電で復帰しなくなることも考えられます。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 電源を入れ直して復帰し、その後再発しない | 経過を見ながら使用可 |
| ブレーカーが落ちていただけだった | 上げて正常に運転すれば使用可 |
| 入れ直しても表示が消えない | 点検を依頼 |
| 停電のたびに表示される | 点検を依頼 |
| 落雷のあとから出るようになった | 状況を伝えて点検を依頼 |
| 他の基板・通信系の表示も出ている | まとめて点検を依頼 |
| ブレーカーを上げてもすぐ落ちる | 電気側の問題として相談 |
| 焦げたにおい、配線の損傷がある | 運転を止めて速やかに連絡 |
なお、同じ長府グループのサンポットブランドの石油暖房機にも基板に関する表示があり、表示体系はサンポット(現:長府)ストーブ エラーコード一覧|表示の意味と使用可否の判断基準で解説しています。
基板交換の考え方
制御基板は機器の中枢にあたる部品で、交換は分解と適合部品の選定をともないます。
所有者が対応できる範囲ではありません。
判断の材料としては次の点が挙げられます。
- 交換に必要な部品が現在も供給されているか
- 同時期に他の部品も交換が必要と判断されているか
- 修理費用の合計が、機器交換の費用にどの程度近づくか
- 今後どのくらいの期間、その機器を使う想定か
基板は機器のなかでも部品代が大きくなりやすい部分です。
設置から10年前後が経過している場合は、基板交換の費用と機器交換の費用を比較したうえで判断するのが現実的です。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、見積もりで確認してください。
停電に備えておきたいこと
寒冷地では、停電そのものよりも暖房が使えない状態が続くことが問題になります。
- 停電時に暖房が止まることを前提に、代替の手段を考えておく
- 石油ストーブなど電源を使わない暖房器具の状態を確認しておく
- 配管の凍結が心配な地域では、長時間の停電時の対応を確認しておく
- 復電後に機器が正常に立ち上がったかを確認する習慣をつける
復電したあと、暖房を使うつもりがなくても一度リモコンの表示を確認しておくと、異常に早く気づけます。
真冬の夜に気づくより、日中のうちに把握しておくほうが対応の選択肢が広がります。
代替の暖房器具を用意する場合は、換気を欠かさないこと、可燃物を近づけないことなど、その器具の注意事項に従ってください。
古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
よくある質問
Q1. 停電のあとに表示されました。故障したということですか。
通電が不安定なまま立ち上がったことで一時的に検出された可能性もあります。
電源コンセントを5秒以上抜いて差し直し、正常に立ち上がるかを確認してください。
それで復帰して以降も問題がなければ、経過を見ながら使用して差し支えない場合が多いです。
一方、停電のたびに同じ表示が出る、入れ直しても消えないという場合は基板側の不具合が疑われます。
Q2. E6とE92・Errは何が違うのですか。
E6は制御基板の作動不良を示す表示で、場面を限定していません。
E92とErrは、通電開始時、つまり停電後の再通電のタイミングで基板の不良を検出したという表示です。
解除方法はいずれも電源コンセントの抜き差しで共通しています。
どの表示が出ていたかを控えておくと、点検の際に状況が伝わりやすくなります。
Q3. ブレーカーを上げても暖房が動きません。
ブレーカーが落ちていた場合、上げただけで復帰することもありますが、表示が残っているようなら電源コンセントの抜き差しを試してください。
それでも動かない場合は、機器側に原因が残っていると考えられます。
なお、上げてもすぐにブレーカーが落ちる場合は、電気側の問題である可能性があります。
その状態で操作を繰り返さず、電気工事業者や販売店に相談してください。
Q4. 落雷が原因の場合、保険は使えますか。
落雷による設備の故障は、火災保険の内容によって補償の対象となる場合があります。
ただし、契約している保険の種類や特約によって扱いは異なるため、加入している保険会社に確認してください。
手続きの際には、点検の結果や修理の見積書が必要になることがあります。
まずは点検を依頼し、原因と必要な修理の内容を書面で受け取っておくと進めやすくなります。
Q5. 雷が鳴りそうなときは、電源を抜いておいたほうがよいですか。
雷による影響を避ける方法のひとつではありますが、暖房シーズン中は室温の確保も考える必要があります。
また、寒冷地では機器の凍結防止の制御が働かなくなる点にも注意が必要です。
長期間家を空ける場合や、機器の取り扱いに関する指示がある場合は、取扱説明書の記載に従ってください。
判断に迷う場合は、設置状況を把握している販売店に相談するのが確実です。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示されるE6・E92・Errは、制御基板の作動不良、または通電開始時に検出された基板不良による運転停止です。
E92とErrは停電後の再通電がきっかけと明記されており、落雷や瞬時停電のあとに表示されることがあります。
まずはブレーカーやプラグの状態を確認し、そのうえで電源コンセントを5秒以上抜いて差し直してみてください。
立ち上がりが一時的に不安定だっただけであれば復帰しますが、停電のたびに出る、入れ直しても消えないという場合は基板の不具合が疑われます。
寒冷地では停電時に暖房が止まることを前提に、復電後の表示確認と代替手段の用意をしておくと安心です。

