ダイキンのエアコンに「H5」と表示され、どう対応すればよいか分からず困っていませんか。
サーミスタという言葉が出てくるため、小さな部品の交換で済むのだろうかと考える方も多いコードです。
結論からお伝えすると、H5は圧縮機の過負荷サーミスタに不具合が生じたことを検知した状態を示しています。
このサーミスタは、他の温度センサーとは役割が少し違います。
運転を組み立てるために温度を測るのではなく、圧縮機が危険な状態になっていないかを監視するために備えられた部品です。
この記事では、H5が示している状態と過負荷サーミスタの役割、見張り役が働かないと停止する理由、E5やF8との関係、そして点検を依頼すべき判断の線引きまでを整理します。
H5は過負荷サーミスタの不具合を示す
ダイキンのルームエアコンにおけるH5は、室外機まわりに関するH系のエラーコードです。
公式の案内では、圧縮機の過負荷サーミスタの不具合により停止した状態として説明されています。
対処として案内されているのは、運転を停止して電源プラグを抜き、1分ほど待ってから再度電源を入れるという操作です。
それでも改善しない場合は、圧縮機やサーミスタの部品交換が想定される作業になります。
測るための部品と、見張るための部品
エアコンには複数のサーミスタが備わっていますが、役割は一様ではありません。
| 用途 | 目的 | 該当する例 |
|---|---|---|
| 制御のための測定 | 運転の内容を決めるための情報を集める | 外気温、室内の吸込空気温度、熱交換器の温度 |
| 保護のための監視 | 危険な状態になっていないかを見張る | 圧縮機の過負荷サーミスタ |
過負荷サーミスタは後者にあたります。
圧縮機が想定を超えた負荷や温度になっていないかを常に見張り、危険域に近づけば停止させる役割を担っています。
つまり、この部品自体が保護装置の一部だということです。
見張り役が働かないと運転できない理由
保護のための部品に不具合があると、機器は運転を続けられません。
理由は単純で、監視できない状態で動かすことが危険だからです。
仮にそのまま運転したとすると、圧縮機が異常に高温になっても気づけないことになります。
気づけなければ止めることもできず、部品の損傷が進むまで運転が続いてしまいます。
そのためH5は、実際に圧縮機が高温になっているかどうかにかかわらず、監視できない状態そのものを異常として扱う仕組みになっています。
「まだ壊れていないのだから使わせてほしい」という考え方が通らないのは、この性質によるものです。
想定される交換部品に圧縮機が含まれる意味
H5で注目したいのが、公式に示されている想定作業です。
外気温を測るH9では室外機基板とサーミスタが挙げられているのに対し、H5では圧縮機とサーミスタが挙げられています。
| コード | 想定される交換部品 |
|---|---|
| H9(外気温サーミスタ) | 室外機基板、サーミスタ |
| H5(過負荷サーミスタ) | 圧縮機、サーミスタ |
過負荷サーミスタは圧縮機の状態を監視する部品なので、圧縮機に近い位置に取り付けられています。
そのため、取り付け位置や状態によっては、作業の範囲が広がることも想定されます。
同じ「サーミスタの不具合」という説明であっても、H9のように部品交換だけで収まるとは限らない点は押さえておいてください。
実際にどの範囲の作業になるかは、点検で確認してもらう必要があります。
E5やF8との関係を確認しておく
H5は監視する側の不具合ですが、監視される側にも関連するコードがあります。
| コード | 示している内容 | H5との関係 |
|---|---|---|
| H5 | 過負荷サーミスタの不具合 | 監視する部品の側 |
| E5 | 圧縮機の温度が高くなりすぎた | 監視された結果の側 |
| F8 | 圧縮機の内部温度の上昇 | 監視された結果の側 |
| F3 | 圧縮機の吐出管温度の上昇 | 監視された結果の側 |
ここで思い返しておきたいのが、H5が出る前の経過です。
以前からE5やF8、F3といったコードが繰り返し出ていた場合、圧縮機に負担がかかる状態が続いていたことになります。
高温の状態を繰り返すことが、必ずサーミスタの不具合につながるとは言い切れません。
ただし、点検を依頼する際に過去にどんなコードが出ていたかを伝えられると、機器全体の状態を判断する材料になります。
なお、室内の温度が設定温度に達したときに室外機が止まるのは正常な動作です。
運転ランプが点滅しているかどうかが見分けの基準になります。
確認の手順はダイキンエアコンの電源ランプ点滅とは?意味とエラーコード確認・対処法で解説しています。
不具合が起きる背景
過負荷サーミスタに不具合が生じる要因は、他のサーミスタと共通する部分があります。
- 長年の使用による素子の劣化
- 配線やコネクタの接触不良、振動による緩み
- 湿気や結露による接点の腐食
- 配線の被覆の傷みによる断線
- 値を受け取る基板側の不具合
室外機は屋外にあり、運転中は振動をともないます。
圧縮機の近くは温度変化も大きいため、部品にとっては厳しい環境です。
草木が近い場所や地面に近い設置では、小動物が内部に入り込んで配線を傷めることもあります。
周囲を片付けておくことは、直接H5を防ぐ行為ではありませんが、条件を悪くしない工夫にはなります。
自分で試せることと避けたい操作
H5が表示されたとき、利用者側でできることは次のとおりです。
- リモコンで運転を停止し、表示されているエラーコードを控える
- 電源プラグを抜く、またはエアコン専用のブレーカーを切る
- 1分ほど待ってから電源を入れ、運転を再開する
- 室外機の周囲に雑草や落ち葉、積雪がないか確認する
- 過去に出ていたエラーコードを思い出し、記録する
一方で、次の作業は避けてください。
- 室外機のパネルを外してサーミスタや圧縮機に触れる
- コネクタを差し直す、配線を引っ張る
- 保護が働かないまま運転を続けようとする
- 室外機に水をかけて洗う
- エラーが消えるまで電源の抜き差しを繰り返す
運転直後の圧縮機は高温になっています。
また、過負荷サーミスタは保護装置の一部なので、その不具合を抱えたまま運転を続けることは避けるべきです。
⚠️ 室外機から焦げたようなにおい、煙、通常と明らかに違う異音がする場合は、ただちに運転を停止し、可能であればエアコン専用のブレーカーを切ってください。
状況が確認できるまで、運転を再開しないでください。
点検を依頼すべき判断の線引き
H5は、電源リセットで復旧しなければ点検が前提になるコードです。
次のいずれかに当てはまる場合は、販売店またはメーカーへ連絡してください。
- 電源を入れ直してもH5の表示が消えない
- 復旧しても、日をおかずに再発する
- 過去にE5やF8、F3といったコードが繰り返し出ていた
- 冷房も暖房も効きが落ちている
- 運転中に止まることが増えている
依頼する際は、次の情報を控えておくと診断が早く進みます。
- 室内機・室外機の型番(品番)と設置年
- H5が出始めた時期
- 過去に出たことのあるエラーコード
- 電源リセット後にどうなったか
- 室外機の設置場所と周囲の状態
過去のエラーコードは、意外に重要な情報です。
圧縮機に負担がかかる状態が続いていたのかどうかで、点検で確認する範囲が変わることがあります。
なお、電源を切るとエラーの表示は消えてしまうため、リセットする前にコードを控えておくことをおすすめします。
エラーコードの確認手順はリモコンのタイプによって異なります。
賃貸住宅で、エアコンが備え付けの設備として設置されている場合は、自分で業者を手配する前に管理会社や大家さんへ連絡してください。
借主に過失のない不具合の修繕は、貸主の負担とされるのが一般的です。
修理と買い替えの判断材料
H5の修理は、原因がサーミスタや配線にとどまるのか、圧縮機まわりに及ぶのかで規模が変わります。
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 原因の切り分け | サーミスタ・配線か、圧縮機まわりか |
| 過去のエラー履歴 | 圧縮機に負担がかかる状態が続いていたか |
| 使用年数 | おおむね8〜10年を超えていると、修理費と買い替え費用を比較したいラインです |
| 部品の供給状況 | 製造終了から年数が経つと、部品が入手できないことがあります |
サーミスタと配線の交換で収まるのであれば、規模は小さくて済みます。
一方、圧縮機まわりの作業になると冷媒の回収をともなうため工程が増えます。
実際の費用は機種・症状・地域・施工条件によって変動するため、点検の結果と見積もりを受け取ったうえで判断してください。
効き方が落ちているという症状もあわせて出ている場合は、ダイキンのエアコンが冷えない原因|自分でできる確認と業者依頼の目安で原因を順に切り分けられます。
H5と間違えやすいエラーコードの違い
サーミスタに関わるコードは複数あり、測っている場所と用途が異なります。
| コード | 対象 | H5との違い |
|---|---|---|
| H5 | 圧縮機の過負荷サーミスタ | 保護のための監視が用途 |
| H9 | 外気温を測るサーミスタ | 制御のための測定が用途 |
| C9 | 室内機の吸込空気温度 | 室内側の空気の温度 |
| C4 | 室内熱交換器の温度 | 室内機の冷媒側 |
| J3・J6など | 室外機の配管や熱交換器の温度 | 室外機の冷媒側 |
同じサーミスタの不具合でも、H5だけは保護装置としての役割を持つという点が大きな違いです。
他のサーミスタは運転の内容を決めるための情報源ですが、H5が対象とする部品は圧縮機を守るために存在しています。
表示されたコードがH5で合っているか確信が持てない場合は、系統ごとの意味を一覧で確認しておくと整理しやすくなります。
ダイキン エアコンのエラーコード一覧|番号と意味を系統別に解説に、頭文字ごとの傾向をまとめています。
室外機がまったく動かないという症状が見られる場合は、室外機が動かない原因と対処法|故障かどうかを自分で判断する完全ガイドもあわせて確認してみてください。
圧縮機に負担をかけない使い方
過負荷サーミスタそのものを手入れすることはできませんが、圧縮機の負担を減らす使い方はあります。
- 室外機の吹き出し口の正面や側面に物を置かない
- エアフィルターを定期的に清掃し、風量を確保する
- こまめな入り切りを繰り返さず、一定時間は連続で運転する
- 設定温度を極端に下げず、日射を遮る工夫と組み合わせる
- エラーコードが出たら、その内容を記録しておく
最後の項目は地味ですが、効果があります。
どのコードがいつ出たかを残しておけば、機器の状態が段階的に変わってきたのかどうかを把握できます。
点検を依頼する際にも、単発の症状として伝えるより、経過として伝えたほうが原因の絞り込みが早くなります。
よくある質問
Q1. H5は自分で直せますか?
電源プラグを抜いて1分ほど待ち、再度電源を入れて運転するところまでは利用者側で行えます。
これで復旧し、その後まったく再発しないのであれば、一時的な影響だった可能性があります。
ただし、過負荷サーミスタは圧縮機の近くに取り付けられた部品で、室外機の内部にあります。
パネルを外して確認する作業は感電や火傷の危険があるため行わず、再発する場合は点検を依頼してください。
Q2. 圧縮機は熱くなっていないのに、なぜ止まるのですか?
過負荷サーミスタは、圧縮機が危険な状態になっていないかを見張るための部品だからです。
この見張り役が働かない状態で運転すると、実際に高温になったときに気づけません。
そのため機器は、実際の温度にかかわらず、監視できない状態そのものを異常として扱います。
保護装置の一部が働いていないという理解で捉えてください。
Q3. H9もサーミスタの不具合ですが、H5とは違うのですか?
役割が異なります。
H9が対象とするのは外気温を測るサーミスタで、運転の内容を決めるための情報源です。
一方H5が対象とするのは圧縮機の過負荷サーミスタで、危険な状態を見張る保護のための部品です。
公式に示されている想定作業も、H9が室外機基板とサーミスタであるのに対し、H5は圧縮機とサーミスタとなっています。
そのため、修理の規模が同じとは限りません。
Q4. 以前からF8やE5が出ていました。関係がありますか?
断定はできませんが、点検時に伝える価値のある情報です。
E5やF8は圧縮機の温度が高くなったことを示すコードで、繰り返し出ていたのであれば、圧縮機に負担がかかる状態が続いていたことになります。
機器全体の状態を判断するうえで、経過は重要な材料です。
いつどのコードが出たかを記録して、点検の際に伝えてください。
Q5. H5が出たら圧縮機の交換になりますか?
必ずしもそうとは限りません。
公式には圧縮機とサーミスタが想定される交換部品として示されていますが、原因がサーミスタや配線にとどまるのであれば、作業の規模は小さく収まります。
一方、圧縮機まわりの作業になると冷媒の回収をともなうため工程が増えます。
まずは点検で原因を切り分けてもらい、見積もりと使用年数を並べて判断してください。
まとめ
ダイキンのエアコンに表示されるH5は、圧縮機の過負荷サーミスタに不具合が生じたことを示すコードです。
このサーミスタは、運転の内容を決めるために温度を測る部品ではなく、圧縮機が危険な状態になっていないかを見張る保護のための部品です。
見張り役が働かない状態では、実際に圧縮機が高温になっても気づけません。
そのため機器は、現時点の温度にかかわらず運転を停止します。
まだ壊れていないのだから使いたい、という考え方が通らないのはこの性質によるものです。
公式に想定される作業として、サーミスタだけでなく圧縮機も挙げられている点は押さえておいてください。
外気温サーミスタのH9と比べると、作業の範囲が広がる可能性があります。
過去にE5やF8といったコードが出ていた経過があれば、それも含めて点検時に伝えると、機器全体の状態を判断する材料になります。

