食洗機を使い始めてから電気代の請求額が気になるようになった、あるいはこれから導入したいけれど毎月いくら増えるのか分からず踏み切れない、という方は多いのではないでしょうか。
食洗機は「便利だけど電気を食う家電」という印象を持たれがちですが、実際には1回あたり数十円の世界であり、水道代やガス代まで含めると手洗いより安くなるケースも少なくありません。
ただし、卓上型かビルトイン型か、給水接続か給湯接続か、乾燥をどう使うかによって金額は大きく変わります。
この記事では、メーカーが公表している実測値と資源エネルギー庁のデータをもとに、食洗機の電気代の目安、手洗いとのトータル比較、そして今日から実行できる節約の手順までを整理して解説します。
食洗機の電気代は1回あたり約16〜24円が目安

はじめに結論からお伝えします。
家庭用食洗機を標準コースで1回運転したときの電気代は、おおむね16〜24円程度が目安です。
これは電力料金の目安単価31円/kWh(税込)で換算した場合の金額で、機種タイプによって次のような差があります。
| タイプ | 1回の消費電力量 | 1回の電気代の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 卓上型(据え置き) | 約0.77kWh | 約24円 | 水道から給水し、庫内ヒーターで加熱する方式が中心 |
| ビルトイン型(標準運転) | 約0.52kWh | 約16円 | 給湯接続を前提とした測定値。別途ガス代がかかる |
| ビルトイン型(省エネ運転時) | 約0.42kWh | 約13円 | センサー制御ですすぎ回数や乾燥時間を短縮 |
パナソニックの卓上型「NP-TZ500」では、1回の運転に必要な電力量が約770Wh、電気代に換算して約23.9円と公表されています。
一方、同社のビルトイン食洗機9シリーズでは、標準コースでセンサー制御を使わない場合の消費電力量が約0.52kWh、使用水量が約9L、運転時間が約103分(50Hz)とされています。
プルオープンタイプのA1・B1シリーズでは、センサー制御を効かせた運転で約0.42kWh、効かせない場合で約0.56kWhという実測値が示されています。
自分の機種の電気代を計算する方法
手元の食洗機の電気代を知りたい場合は、取扱説明書やカタログの仕様欄にある「1回あたりの消費電力量(kWh)」を探してください。
定格消費電力(W)ではなく、1運転あたりの消費電力量(kWh)を使うのがポイントです。
- 1回の電気代 = 1回あたりの消費電力量(kWh)× 電気料金単価(円/kWh)
- 例:0.52kWh × 31円/kWh = 約16.1円
定格消費電力(食洗機なら1,000〜1,300W程度)に運転時間を掛けても正しい金額にはなりません。
食洗機はヒーターが動く時間と休む時間を繰り返すため、常に定格の電力を使っているわけではないからです。
この計算違いは食洗機の電気代を2〜3倍に見積もってしまう典型的な原因なので、注意してください。
なお、ここで使っている31円/kWhという単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている業界共通の目安単価です。
実際の単価は契約している小売電気事業者やプランによって変わるため、正確に知りたい場合は検針票の「電力量料金 ÷ 使用量」で自分の実単価を出し、それを掛け直してください。
電気を使っているのは「洗う力」ではなく「温める力」
食洗機の電気代を考えるうえで、どの工程で電力を消費しているのかを知っておくと節約の勘所が分かります。
食洗機の運転は、大きく分けて次の工程で構成されています。
| 工程 | 主に動く部品 | 消費電力の大きさ |
|---|---|---|
| 洗浄 | 循環ポンプ(モーター)+加熱ヒーター | 中〜大 |
| 水すすぎ | 循環ポンプ(モーター) | 小 |
| 加熱すすぎ | 加熱ヒーター | 大 |
| 乾燥 | 乾燥ヒーター+送風 | 大 |
水を噴射するモーターの消費電力は数十W程度にとどまるのに対し、水を温めるヒーターと乾燥用のヒーターは数百Wから1,000W超に達します。
つまり食洗機の電気代のほとんどは「加熱」が占めているということです。
節約を考えるなら、洗浄回数を減らすことよりも、加熱すすぎと乾燥の使い方を見直すほうが効果が大きくなります。
冬になると電気代が上がる理由
食洗機の電気代は年間を通じて一定ではありません。
冬は水道水の温度が下がるため、洗浄に適した温度まで温めるのに余分な電力が必要になります。
地域や配管条件にもよりますが、夏場の水温が25℃前後なのに対し、真冬は5〜10℃程度まで下がることも珍しくありません。
同じコース・同じ食器点数でも、冬場は夏場より運転時間が延び、消費電力量が2〜3割増える場合があります。
「特に使い方を変えていないのに冬だけ電気代が高い」と感じるのは、多くの場合この水温差が原因です。
故障ではないため、水温が戻る春以降は自然に元の水準に近づきます。
卓上型とビルトイン型で電気代が違うのはなぜか

先ほどの表で、卓上型のほうがビルトイン型より電気代が高く出ていることに気づいた方もいるかもしれません。
容量は卓上型のほうが小さいのに電気代が高いというのは、一見すると不自然に思えます。
これには「給水接続」か「給湯接続」かという接続方式の違いが関係しています。
| 接続方式 | 取り込む水 | 加熱の負担 | 光熱費の出方 |
|---|---|---|---|
| 給水接続 | 常温の水道水 | 食洗機のヒーターがすべて負担 | 電気代に集中する |
| 給湯接続 | 給湯器で沸かしたお湯 | 給湯器が一部を肩代わり | 電気代は下がるがガス代が増える |
卓上型の多くは分岐水栓から常温の水道水を取り込むため、洗浄温度まで温める仕事をすべて庫内ヒーターが担います。
これに対し、ビルトイン型は給水・給湯の兼用仕様が一般的で、メーカーの消費電力量もおおむね給湯温度60℃で測定した値が公表されています。
つまりビルトイン型の「約0.52kWh」という数字は、お湯を沸かす分のガス代が別途かかっている前提の数値だということです。
ここを見落とすと、「ビルトインのほうが電気代が安いから経済的」という誤った結論になりがちです。
実際には電気代とガス代を合算して比較する必要があり、単純に電気代だけを並べても意味がありません。
給湯器の効率が良い家庭(エコジョーズなど)や、深夜電力でお湯を沸かすエコキュートを使っている家庭では給湯接続が有利になりやすく、逆にプロパンガスで単価が高い地域では給水接続のほうが総額を抑えられる場合もあります。
なお、給湯接続にできる機種でも、給湯温度を高くしすぎると洗浄プログラムのセンサー制御が想定どおりに働かないことがあります。
取扱説明書に推奨の給湯温度が記載されているので、そちらに合わせてください。
エネルギー価格そのものの動きが気になる方は、2026年4月から電気代・ガス代が一斉値上がり|補助金終了で家計への影響と今すぐできる対策も合わせてご覧ください。
1か月・1年でいくらになるか|使用回数別の目安

1回あたりの金額が分かったところで、実際の家計インパクトを把握するために月額・年額に換算してみます。
卓上型を約24円/回、ビルトイン型を約16円/回として試算した目安が次の表です。
| 使用頻度 | 卓上型・月額 | 卓上型・年額 | ビルトイン型・月額 | ビルトイン型・年額 |
|---|---|---|---|---|
| 1日1回 | 約720円 | 約8,800円 | 約480円 | 約5,800円 |
| 1日2回 | 約1,440円 | 約17,500円 | 約960円 | 約11,700円 |
| 1日3回 | 約2,160円 | 約26,300円 | 約1,440円 | 約17,500円 |
※電力料金目安単価31円/kWhで計算した参考値です。機種・コース・水温・電力契約によって変動します。
パナソニックも、卓上型「NP-TZ500」を1日2回・31日使用した場合の1か月の電気代を約1,482円と試算しています。
上表の「1日2回・約1,440円」とほぼ同じ水準であり、目安として使ううえで大きなズレはありません。
家族4人程度で朝晩2回まわす使い方が最も一般的ですが、この場合の負担は月あたり1,000〜1,500円前後と考えておけばおおむね実態に近くなります。
「食洗機を入れたら電気代が数千円上がる」と身構えている方にとっては、想像より小さい数字ではないでしょうか。
光熱費全体の中でどのくらいの位置づけになるかを把握したい方は、2026年の値上げ一覧を総まとめ|食品・光熱費・燃料などを月別に紹介で他の費目の動きも確認しておくと判断しやすくなります。
食洗機と手洗い、トータルの光熱費ではどちらが安いか

食洗機の電気代を語るうえで避けて通れないのが、手洗いとの比較です。
電気代だけを取り出せば、当然ながら手洗いはゼロです。
しかし手洗いには水道代がかかり、冬場にお湯を使えばガス代もかかります。
公的機関とメーカー、それぞれの試算を見てみましょう。
資源エネルギー庁の試算:年間約6,470円の差
資源エネルギー庁の省エネポータルサイトでは、1日2回・給水接続タイプの食洗機を標準モードで使った場合と、給湯器(40℃)を使い1回65Lで手洗いした場合が比較されています。
| 洗い方 | 年間の使用エネルギー・水量 | 年間の合計費用 |
|---|---|---|
| 手洗い(お湯使用) | ガス81.62㎥+水道47.45㎥ | 約25,560円 |
| 食器洗い乾燥機 | 電気525.20kWh+水道10.80㎥ | 約19,090円 |
差額は年間で約6,470円、食洗機のほうが安いという結果です。
注目したいのは水道使用量で、手洗いの47.45㎥に対して食洗機は10.80㎥と、4分の1以下に収まっています。
メーカー試算:年間2万円以上の差になるケースも
一方、パナソニックが公表している卓上型「NP-TZ500」と手洗いの比較では、さらに大きな差が示されています。
食器40点・小物20点を洗う条件で、手洗いは1回約75Lの水を使うのに対し、食洗機は約9.9Lで済むとされ、使用水量の削減率は約87%です。
1日2回・毎日使った場合、年間で約47,523Lの節水と約12,410円の水道料金の節約が見込めるとされています。
洗剤代まで含めた年間の総額では、手洗いが約46,200円、食洗機が約22,300円で、その差は約23,900円になります。
数字が大きく違う理由と、鵜呑みにしてはいけない前提
同じ「食洗機は手洗いより安い」という結論でも、資源エネルギー庁は約6,470円、パナソニックは約23,900円と、金額に4倍近い開きがあります。
これは試算の前提条件が異なるためで、どちらかが間違っているわけではありません。
- 手洗い1回の水量が65L(資源エネルギー庁)と75L(パナソニック)で異なる
- 資源エネルギー庁の試算は冷房期間中は給湯器を使わない前提になっている
- メーカー試算には洗剤代が含まれているが、公的試算には含まれていない
- 適用している水道・ガス・電気の単価が異なる
そして最も重要なのは、どちらの試算も「お湯を使ってしっかり洗う手洗い」を前提にしているという点です。
水だけを使い、ため洗いで手早く済ませ、すすぎも最小限という洗い方をしている家庭では、手洗いのコストは試算よりずっと低くなります。
その場合、光熱費だけを比べれば食洗機のほうが高くつくことも十分にあり得ます。
したがって食洗機の経済性は、「誰にとっても年間2万円お得になる」ものではなく、お湯を使って手洗いしている家庭ほど効果が大きいと理解しておくのが実態に近い見方です。
そのうえで、1日約49分とされる時短効果や、手洗いでは出せない高温洗浄による衛生面のメリットを、どう評価するかという判断になります。
水道代の水準そのものを見直したい方は、【2026年最新】二人暮らしの水道代の平均はいくら?月別・地域別・節約術まで徹底解説も参考になります。
「食洗機にしたら電気代が上がった」と感じる4つの原因

試算では安くなるはずなのに、実際には電気代が増えたように感じるケースがあります。
多くは次のいずれかに当てはまります。
1. 手洗いのガス代・水道代が減ったことに気づいていない
食洗機を導入すると、電気代は確実に増えます。
一方で減るのはガス代と水道代であり、しかもガスと水道は請求のタイミングが電気とずれます。
水道は2か月に一度の検針が一般的なため、削減効果が見えるまでにタイムラグがあります。
電気の請求書だけを見て判断すると、必ず「上がった」という印象になります。
比較するなら、電気・ガス・水道の3つを合算した金額を前年同月と比べるのが正しい見方です。
2. 少量の食器を何度も洗っている
食洗機は食器の量にかかわらず、1回の運転でほぼ一定の水と電力を使います。
朝食後・昼食後・夕食後と3回に分けて少量ずつ洗えば、単純に電気代は3倍です。
コップだけを洗うために1回まわしているようなら、使い方の見直しで大きく下がります。
3. 乾燥を常にフルで使っている
乾燥工程はヒーターを長時間動かすため、1回の運転の中でも消費電力量の比率が高い部分です。
標準コースの乾燥時間は機種にもよりますが約35〜40分程度で、ここを丸ごと使うかどうかで金額が変わります。
4. 機種が古く、センサー制御が付いていない
2010年代前半以前の機種には、食器量や室温を検知してすすぎ回数や乾燥時間を自動調整する機能が搭載されていないものが多くあります。
最新機種では、こうした制御によって同一機種内でも消費電力量が約0.56kWhから約0.42kWhへ、およそ25%削減される例が公表されています。
食洗機の電気代を抑える6つの方法
ここからは実際に効果が期待できる節約方法を、効果の大きい順に整理します。
余熱で乾燥させる
最も効果が大きく、すぐに実行できるのがこれです。
洗浄・すすぎが終わった時点で庫内も食器も高温になっているため、そのタイミングで扉を開けておけば、ヒーターを使わなくてもかなりの水分が飛びます。
資源エネルギー庁も省エネ行動として「洗浄終了後、扉を開けて余熱だけで乾燥させる」ことを挙げています。
ただし注意点があります。
熱い蒸気が一気に出るため、扉を開ける際は顔や手を近づけないようにしてください。
また、上部に吊戸棚がある設置環境で扉を全開にすると、蒸気が戸棚の底面に当たり続けて傷みの原因になることがあります。
その場合は10cm程度だけ開ける、あるいは「送風のみ」「乾燥短縮」といったコースを選ぶほうが無難です。
まとめ洗いに切り替える
1回の運転で使う水と電力がほぼ一定である以上、運転回数を減らすことが直接的な節約になります。
朝食と昼食の食器はそのまま庫内に入れておき、夕食後にまとめて1回だけ運転する使い方が効率的です。
ただし庫内に詰め込みすぎると水流や温風が行き渡らず、洗い残しや乾き残りが出て再洗浄になり、かえって無駄が増えます。
容量の上限を守ったうえでまとめる、というのが正しい進め方です。
汚れがひどい食器を長時間放置すると乾燥して落ちにくくなるため、ソース類や油分の多い皿は軽く水で流してから入れておくと安心です。
少量コース・エココースを使い分ける
食器点数が少ないときに標準コースを使うのは無駄です。
「少量コース」「エコナビ」「スピーディ」など、機種によって名称は異なりますが、すすぎ回数や乾燥時間を減らすコースが用意されています。
センサー制御を有効にするだけで消費電力量が2割前後下がる機種もあるため、設定がオフになっていないか一度確認してみてください。
前処理をしてから入れる
食べ残しや固形の残さいを取り除いてから入れることで、洗浄が効率的に進み、洗い直しを防げます。
ただし食器用洗剤で下洗いしてから入れる必要はありません。
食洗機用洗剤は泡立ちを抑える設計になっているため、一般の食器用洗剤の泡が持ち込まれると洗浄性能が落ちる場合があります。
洗剤は適量を守る
洗剤は多く入れても洗浄力は上がりません。
むしろすすぎ回数が増えて水と電力を余計に消費する原因になります。
逆に少なすぎると汚れが落ちず再洗浄になるため、メーカー推奨量を守るのが結果的に最も経済的です。
粉末・液体・タブレットの各タイプがありますが、庫内に汚れが残りやすい場合は洗浄成分の濃いタブレットタイプが扱いやすく、計量の手間も省けます。
設置環境と室温にも目を向ける
見落とされがちですが、食洗機の消費電力量は設置環境にも左右されます。
庫内を温める工程がある以上、周囲の気温が低ければそれだけ熱が逃げやすくなるためです。
最新機種の一部には室温センサーが搭載され、庫内の状況に応じて運転制御を細かく切り替えることで節水・節電を図る仕組みが採用されています。
実務的にできる対策としては、次のようなものがあります。
- 冬場、キッチンの窓際や勝手口の近くに置いている卓上型は、冷気が直接当たらない位置に移動する
- 本体背面や側面を壁にぴったり付けず、放熱・吸気のすき間を確保する
- 給湯接続にしている場合、配管が長く冷えやすい経路なら、運転開始前に一度お湯を出して配管内の冷水を流しておく
3つめは特に効果が分かりやすい方法です。
給湯接続でも、配管に溜まった冷たい水を最初に吸い込んでしまえば、結局は庫内ヒーターで温め直すことになります。
運転前にキッチンの蛇口でお湯を10〜20秒ほど出しておくだけで、給湯接続の利点をきちんと活かせます。
電気料金プランを見直す
夜間の電力単価が安いプランを契約している場合は、就寝前に予約運転をセットするだけで同じ運転内容のまま単価を下げられます。
オール電化住宅やエコキュートを設置している家庭では、時間帯別プランになっていることが多いので、契約内容を一度確認しておく価値があります。
ただし、集合住宅や寝室に近いキッチンでは運転音が問題になることもあるため、静音性の確認は忘れないでください。
機種選びの段階で電気代を下げる
これから購入する場合は、使い方の工夫より機種選定のほうが影響が大きくなります。
容量は「洗いたい量より少し大きめ」を選ぶ
容量が小さすぎると1日に何度も運転することになり、結果的に電気代が増えます。
食器点数の目安は、4人家族なら40点前後です。
調理器具やお弁当箱まで入れたい場合は、さらに余裕を見ておくと運転回数を抑えられます。
省エネ性能はカタログの「1回あたりの消費電力量」で比較する
エアコンや冷蔵庫と違い、食洗機には年間消費電力量の統一表示が広く浸透しているとは言えません。
そのため比較する際は、各社カタログの仕様欄にある「1回あたりの使用量(電気・水)」の数値を横並びで見るのが確実です。
同じ容量帯でも0.4kWh台と0.6kWh台の機種があり、1日2回・10年使えば差は無視できない金額になります。
設置工事の要否も含めて判断する
卓上型は分岐水栓の取り付けが必要で、機種によっては工事費が発生します。
給水タンク式であれば工事は不要ですが、1回あたりの容量が小さく運転回数が増えやすいという側面があります。
一人暮らしや二人暮らしで食器点数が少ない家庭には向きますが、家族分をまとめて洗いたい場合は据え置き型か、ビルトインへの入れ替えを検討したほうが総コストは下がります。
家事家電の導入費用と光熱費のバランスを考えるうえでは、乾太くんの設置費用はいくら?本体価格・工事内訳・高くなるケースまで徹底解説の考え方も参考になります。
電気代以外に見落としがちなランニングコスト

食洗機のコストを正しく把握するには、電気代以外の費目も押さえておく必要があります。
| 項目 | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 食洗機用洗剤 | 一般の食器用洗剤は使用不可 | 1回あたり数円程度 |
| 庫内クリーナー | 月1回程度の庫内洗浄用 | 使用頻度に応じて |
| 残さいフィルターの手入れ | 消耗品ではないが定期清掃が必要 | 手間のみ |
| 分岐水栓(卓上型) | 設置時に必要な部材 | 機種・水栓形状により変動 |
特に見落とされやすいのが残さいフィルターの清掃です。
フィルターが詰まると水の循環が悪化し、洗浄不足による再運転が増えて電気代の増加につながります。
週に1回程度、食べかすを取り除いて水洗いする習慣をつけておくと、洗浄性能も省エネ性能も維持できます。
また、庫内に白い曇りのような付着物が出てきた場合は、水道水由来のカルシウム分が固着している可能性があります。
放置するとヒーター部分の熱伝達が悪くなり、加熱に余分な電力が必要になります。
専用の庫内クリーナーで定期的に洗浄しておくのが確実です。
世帯人数別に見た電気代と、向き不向き
同じ食洗機でも、世帯人数によって費用対効果はかなり変わります。
運転回数と1回あたりの単価がほぼ固定である以上、1回に何点の食器を洗えるかが実質的なコスト効率を決めるためです。
| 世帯 | 想定の運転回数 | 電気代の目安(卓上型) | 向いているタイプ |
|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 1日1回または2日に1回 | 月400〜700円程度 | 小容量・タンク式 |
| 二人暮らし | 1日1回 | 月700円前後 | 小〜中容量の卓上型 |
| 3〜4人家族 | 1日1〜2回 | 月700〜1,500円程度 | 中〜大容量の卓上型・ビルトイン |
| 5人以上 | 1日2回 | 月1,500円前後 | 大容量ビルトイン |
一人暮らしの場合、食器点数が少ないため運転回数も少なく、電気代の絶対額は小さくなります。
ただし手洗いとの差額も同時に小さくなるため、光熱費の節約だけを目的に導入すると本体代を回収するまでにかなりの年数がかかります。
一人暮らしで導入する価値があるのは、時間と手間の削減、そして高温洗浄による衛生面を評価する場合です。
逆に4人以上の世帯では、手洗いに費やす水量と時間が大きいため、光熱費の面でも導入効果が出やすくなります。
特に給湯器のお湯を使って洗っている家庭ほど、削減幅は大きくなります。
なお、タンク式(給水タンクに手動で水を入れるタイプ)は工事不要という利点がある一方、タンク容量の制約から1回に洗える食器点数が限られます。
少量ずつ何度も運転することになれば、電気代の面では不利になります。
賃貸で分岐水栓が取り付けられないといった事情がない限り、給水接続できるタイプのほうが運用コストは抑えやすいと言えます。
電気代が急に上がったときに確認する4つのポイント
「去年と同じ使い方なのに、食洗機を使う月だけ電気代が跳ね上がった」という場合、機器側に原因があることもあります。
自分で確認できる範囲と、メーカーに相談すべき範囲を切り分けておきましょう。
自分で確認できること
1. 残さいフィルターと庫内の詰まり
フィルターに食べかすが溜まっていると水の循環が悪くなり、洗浄不足を補うために運転が延びます。
取り外して水洗いし、ノズルの穴が詰まっていないかも確認してください。
2. 洗浄ノズルが回転しているか
食器やカトラリーがノズルに引っかかって回転を妨げていると、水流が食器全体に届かず、洗い残しから再運転につながります。
背の高い鍋やまな板を入れる際に起きやすいトラブルです。
3. コース設定が変わっていないか
家族の誰かが「強力」「念入り」といったコースに変更したまま戻していないケースは意外に多いものです。
標準コースに戻すだけで元の水準に戻ることがあります。
4. 電気料金の単価そのものが変わっていないか
食洗機の使い方が同じでも、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金の改定によって単価が上がれば、請求額は増えます。
検針票の単価欄を前年と比べてみると切り分けができます。
メーカーに相談したほうがよいケース
以下に当てはまる場合は、ヒーターや温度センサーの不具合が疑われます。
- 洗い上がりがぬるく、食器が冷たいまま出てくる
- 運転時間が標準コースの表示より極端に長い、または終わらない
- エラー表示が繰り返し出る
- 使用年数が10年を超えている
食洗機の設計上の標準使用期間はおおむね7〜10年程度とされることが多く、この年数を超えた機器で消費電力量の増加や動作不良が出ている場合は、修理費と買い替え費用を比較して判断するのが現実的です。
なお、庫内やヒーター部を分解しての点検・修理は行わないでください。
食洗機は水と電気を同時に扱う機器であり、感電や漏電のおそれがあります。
分解を伴う作業はメーカーのサポート窓口または販売店に依頼してください。
よくある質問
Q1. 食洗機の電気代は1か月でいくらくらいになりますか。
1日2回使用した場合、卓上型でおおむね月1,400〜1,500円前後、ビルトイン型で月900〜1,000円前後が目安です。電力料金目安単価31円/kWhで計算した参考値であり、契約している電力プランの単価や、季節による水温の変化、選ぶコースによって上下します。冬場は水温が低いぶん運転時間が延びるため、夏場より2〜3割高くなることがあります。正確に知りたい場合は、取扱説明書に記載されている1回あたりの消費電力量に、検針票から求めた自宅の実単価を掛けて計算してみてください。
Q2. 乾燥機能を使わなければ、どのくらい電気代が下がりますか。
乾燥工程はヒーターを30〜40分程度動かすため、1回の運転の中でも消費電力量の比率が高い部分です。洗浄終了後に扉を開けて余熱で乾かせば、その分の電力を丸ごと節約できます。ただし、扉を開けた瞬間は高温の蒸気が噴き出すため、顔や手を近づけないよう注意してください。吊戸棚の直下に設置している場合は、蒸気が戸棚を傷めることがあるので、扉を少しだけ開けるか、乾燥時間を短縮するコースを選ぶ方法をおすすめします。
Q3. 食洗機と手洗いでは、結局どちらが安いのでしょうか。
お湯を使って手洗いしている家庭であれば、水道代とガス代を含めたトータルでは食洗機のほうが安くなるという試算が公的機関からもメーカーからも示されています。年間の差額は前提条件によって約6,000円から約24,000円まで幅があります。ただし、これらはいずれもお湯を使った手洗いとの比較です。水だけを使い、ため洗いで短時間に済ませている家庭では手洗いのほうが安くなる場合もあります。ご自宅の洗い方を踏まえて判断してください。
Q4. ビルトイン食洗機のほうが電気代が安いのはなぜですか。
ビルトイン型は給湯接続に対応している機種が多く、メーカーが公表している消費電力量も給湯温度60℃で測定した数値が中心だからです。つまり水を温める仕事の一部を給湯器が担っており、そのぶんのガス代は電気代に含まれていません。電気代だけを見ればビルトイン型が有利に見えますが、実際の家計負担を比べるにはガス代を合算する必要があります。給湯器の効率やガスの契約形態によって、どちらが有利かは家庭ごとに変わります。
Q5. 冬になると食洗機の運転時間が長くなりますが、故障でしょうか。
故障ではない可能性が高いと考えられます。食洗機は洗浄に適した温度まで水を温めてから本格的な洗浄に入る仕組みのため、水道水の温度が低い冬場は加熱に時間がかかり、結果として運転時間が延びます。地域によっては真冬の水温が5〜10℃程度まで下がり、夏場との差が20℃近くになることもあります。水温が戻る春以降も運転時間が長いままだったり、洗い上がりが明らかに悪化していたりする場合は、フィルターの詰まりやヒーターの不具合も考えられるため、メーカーのサポート窓口に相談してください。
まとめ
食洗機の電気代は1回あたり約16〜24円、1日2回使う家庭で月あたり1,000〜1,500円前後というのが現実的な目安です。
「電気を食う家電」というイメージほど大きな金額ではなく、水道代やガス代まで含めたトータルで見れば、お湯を使って手洗いしている家庭では年間数千円から2万円規模の削減が期待できます。
一方で、卓上型とビルトイン型の電気代の差は性能差ではなく接続方式の違いによるものであり、ビルトイン型はガス代が別途かかる前提の数値だという点は押さえておく必要があります。
また、水だけで手早く洗っている家庭では、光熱費だけを比べると食洗機のほうが高くつく可能性もあります。
節約の実践としては、余熱乾燥への切り替え、まとめ洗い、少量コースの活用、洗剤の適量厳守という順で取り組むのが効率的です。
そのうえで、機種が10年以上前のものであれば、センサー制御を搭載した現行機種への買い替えが最も効果の大きい選択肢になります。
毎日の家事の負担と光熱費のバランスを、ご自宅の洗い方に照らして判断してみてください。

