ガスコンロの五徳に黒い焦げが層のように盛り上がり、スポンジでこすっても爪でひっかいてもびくともしなくて困っていませんか。
五徳の焦げは、毎日の油はねや煮こぼれが炎の熱で何度も焼き固められてできたものなので、ふつうの食器洗いと同じ感覚ではなかなか落ちません。
だからといって、金属たわしやヘラで力任せに削ると、焦げと一緒に五徳の表面まで傷めてしまうことがあります。
焦げ落としのコツは、力でこすり取るのではなく、温度と時間を使って焦げをゆるめ、浮かせてから落とすことです。
この記事では、五徳の焦げの正体と見分け方を押さえたうえで、素材を傷めずに焦げを落とす5つの方法と、素材別に試す順番、それでも取れないときの判断基準までを解説します。
- 五徳の焦げの正体と、焦げに見えて焦げではない汚れの見分け方
- 軽い焦げから頑固な焦げまで対応できる5つの落とし方
- ホーロー・ステンレス・鉄鋳物ごとに試す順番と、取れないときの判断
結論|五徳の焦げは「削る」より「ゆるめて浮かす」

最初に結論をまとめます。
五徳の焦げは、弱い方法から順に試し、落ちない分だけ次の方法へ進むのが基本です。
いきなり研磨剤や金属たわしを使うと、焦げより先に五徳の表面が削れてしまいます。
焦げ落としの方法は、大きく次の5つに分けられます。
上から順に、五徳への負担が小さく手軽な方法です。
| 順番 | 方法 | 向いている焦げ | 手間・時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | ぬるま湯でふやかして樹脂ヘラで落とす | 薄い焦げ、焦げかけのベタベタ汚れ | 20〜30分程度 |
| 2 | 重曹ペーストで部分的に落とす | 部分的な焦げ、爪の付け根の汚れ | 30分〜1時間程度 |
| 3 | 中性洗剤・重曹でつけ置きする | 全体に広がった中程度の焦げ | 1〜数時間程度 |
| 4 | 水で煮洗いする | 層になった頑固な焦げ | 半日程度(冷ます時間を含む) |
| 5 | 専用クリーナーで磨く | 部分的に残った焦げ、ステンレスの変色 | 素材により異なる |
多くの焦げは、1〜4の組み合わせで落とせます。
5の研磨は仕上げとして、素材が対応している場合に限って使うのが安全です。
五徳の焦げの正体を知っておこう
焦げを効率よく落とすには、まず焦げがどのようにできるのかを知っておくと役立ちます。
油汚れは時間とともに焦げに変わる
パロマは、ガスコンロの汚れのほとんどは油汚れとこげ汚れであり、付着した油は時間とともにサラサラ油からベタベタ油、カチカチ油へと変化していくと説明しています。
このカチカチ油がいわゆるこげ汚れで、さらにホコリが付着すると大きな固まりとなり、簡単には落とせない汚れになるとしています。
同じページでは、コンロのお手入れに適さないものとして、シンナー・ベンジン、酸性・アルカリ性洗剤、漂白剤、みがき粉やクレンザー、スポンジの硬い面、ナイロンたわし、金属たわしなどが挙げられています。
五徳は炎に直接さらされるため、この変化がほかの部分よりも早く進みます。
油がはねた直後は拭くだけで取れたものが、数回加熱されるうちに茶色く変色し、やがて黒く固い層になっていきます。
焦げは一度にできるのではなく、「加熱のたびに一層ずつ積み重なっていく」と考えるとイメージしやすいでしょう。
焦げの種類によって落ちやすさが違う
五徳の焦げには、元になった汚れによっていくつかの種類があります。
| 焦げの種類 | 元になる汚れ | 特徴 | 落としやすい方法 |
|---|---|---|---|
| 油の焦げ | 炒め物・揚げ物の油はね | 茶色〜黒色でツヤがあり、層になりやすい | アルカリ性の洗剤液でゆるめる、煮洗い |
| 煮こぼれの焦げ | 煮物・汁物・麺のゆで汁 | 白っぽいまたは茶色いカサカサした固まり | ぬるま湯でふやかす、煮洗い |
| 炭化した焦げ | 長期間焼き固められた汚れ | 真っ黒で硬く、金属と一体化したように見える | 煮洗い、専用クリーナー |
煮こぼれの焦げは、糖分やでんぷん、たんぱく質を含むため、ぬるま湯でふやかすと意外と簡単にはがれることがあります。
一方、油の焦げはアルカリ性の洗剤液に反応してやわらかくなる性質があるため、重曹やセスキ炭酸ソーダなどを使うと落としやすくなります。
炭化した焦げは、どの方法でも一度では落ちにくいため、つけ置きと煮洗いを繰り返すなど時間をかけて対応します。
焦げに見えて、実は焦げではないもの
焦げがどうしても落ちないとき、実はそれが焦げではないというケースがよくあります。
次のような状態は、洗剤では落ちないのが普通です。
| 見た目 | 正体 | 洗剤で落ちるか | 対処 |
|---|---|---|---|
| ステンレスの黄色・茶色・青紫色のにじみ | 熱による金属表面の酸化(変色) | ほぼ落ちない | ステンレス対応のクリーナーで磨く、または気にせず使う |
| ホーローの表面に見えるくすんだ灰色〜黒い地 | ホーロー層が剥がれて下地の鉄が見えている | 落ちない | これ以上削らない、サビが広がれば交換 |
| 赤茶色のザラついた部分 | サビ | 落ちない | サビの程度に応じて交換を検討 |
ホーローの剥がれを焦げと勘違いしてこすり続けると、剥がれがさらに広がってしまいます。
こすっても色が変わらない部分は、焦げではない可能性を疑って手を止めることが大切です。
焦げ落としを始める前の準備
焦げ落としは、つけ置きや煮洗いなど時間がかかる作業が多いため、始める前に準備を整えておくとスムーズです。
安全のために確認すること
- すべての点火つまみが「消」の位置になっていること
- テーブルコンロの場合は、コンロ横のガス栓が閉まっていること
- 五徳が十分に冷めていること
- ゴム手袋を着用し、洗剤液が肌に長時間触れないようにすること
- 換気扇を回すか窓を開けて、換気をしながら作業すること
火を消した直後の五徳はかなりの高温になっているため、素手で触れるとやけどをするおそれがあります。
特に煮洗いのあとは、五徳もお湯も長時間熱いままなので、十分に冷めるまで待ってください。
用意しておくと便利な道具
| 道具 | 用途 | 選び方のポイント |
|---|---|---|
| ゴム手袋 | 手荒れ・やけど防止 | 手首まで覆える長めのもの |
| 古い歯ブラシ | 爪の付け根や細かい部分をこする | 毛がやわらかめのもの |
| 樹脂製のヘラ・スクレーパー | ふやけた焦げをはがす | 金属製ではなくプラスチック製 |
| スポンジ | 仕上げ洗い | 柔らかい面を使う |
| つけ置き用の容器 | つけ置き | 五徳が沈む大きさのもの、なければ大きめのポリ袋を二重にして代用 |
| 大きめの鍋 | 煮洗い | 五徳全体が沈む寸胴鍋など、アルミ以外 |
樹脂製のヘラは、焦げ落としで活躍する道具のひとつです。
金属製のヘラと違い、ホーローやステンレスの表面を傷つけにくく、ふやけた焦げだけをはがし取ることができます。
方法1|ぬるま湯でふやかして樹脂ヘラで落とす

薄い焦げや、焦げになりかけのベタベタした汚れなら、洗剤を強くしなくてもぬるま湯だけで落とせることがあります。
手順
- シンクや容器に40〜50℃程度のぬるま湯を張る
- 台所用中性洗剤を少量溶かし、五徳を沈める
- 15〜20分ほど置いて、焦げをふやかす
- 樹脂製のヘラで、焦げの端から少しずつはがす
- 爪の付け根などの細かい部分は、歯ブラシでこする
- 水ですすぎ、乾いた布で水気を拭き取る
ポイントは、ぬるま湯にしっかりひたす時間をとることです。
すぐにこすり始めるよりも、焦げがふやけるのを待ってから取りかかった方が、少ない力で落とせます。
給湯器の設定温度を少し高めにしてお湯を張ると、準備が手軽になります。
この方法で落ちるのは、比較的新しい焦げや煮こぼれの焦げが中心です。
15〜20分ひたしてもヘラが入らないほど固い焦げなら、無理にこすらず次の方法に進みましょう。
方法2|重曹ペーストで部分的に落とす
爪の付け根や脚の部分など、焦げが一部分に集中している場合は、重曹を水で練ったペーストを使う方法があります。
手順
- 重曹と水を3対1程度の割合で混ぜ、歯磨き粉くらいのかたさのペーストをつくる
- 焦げの部分にペーストをのせ、ラップをかぶせて30分ほど置く
- ラップを外し、歯ブラシやスポンジの柔らかい面でやさしくこする
- 水でよくすすぎ、重曹が残らないように洗い流す
- 乾いた布で水気を拭き取る
リンナイは、ステンレスのごとくのお手入れについて、軽い汚れには台所中性洗剤または重曹水を含ませた布で拭き取り、ひどい汚れには40℃くらいの重曹水につけおきしてから歯ブラシで汚れを落とし、最後に水洗いしてしっかり乾かすよう案内しています。
また、表面の変色には別売のステンレス専用クリーナーを使う方法を示しています。
このように、ステンレスの五徳には重曹を使ったお手入れがメーカーから案内されています。
一方で、前述のとおりアルカリ性洗剤をコンロのお手入れに適さないものとしているメーカーもあるため、ホーローや鋳物の五徳に使う場合は、取扱説明書で使用できるかを確認してからにしてください。
また、重曹は細かい粒子を含むため、粉のまま強くこすると、ホーローの表面に細かな傷がつくことがあります。
ペーストはのせて置くことで焦げをゆるめるのが目的で、こすって削るためのものではないと考えましょう。
方法3|洗剤液でつけ置きする
焦げが五徳全体に広がっている場合は、洗剤液にまるごとつけ置きする方法が効率的です。
つけ置きに使われる代表的な洗剤と、目安の使い方は次のとおりです。
| 洗剤 | 液性 | 目安の濃度(お湯1Lあたり) | 目安の時間 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 台所用中性洗剤 | 中性 | 製品表示の量 | 30分〜1時間 | 焦げへの効果は穏やか |
| 重曹 | 弱アルカリ性 | 大さじ1〜2杯 | 1〜2時間 | 溶け残りが出やすいので40℃前後のお湯で溶かす |
| セスキ炭酸ソーダ | 弱アルカリ性(重曹より強め) | 小さじ1〜2杯 | 30分〜1時間 | 手袋を着用し、長時間放置しない |
濃度と時間はあくまで目安です。
製品によって推奨される量が異なるため、使用する洗剤のパッケージの表示を優先してください。
つけ置きのコツ
- お湯の温度は40〜50℃程度にする(冷たい水では効果が落ちる)
- 五徳が完全に沈む量の洗剤液を用意する
- 一晩放置するよりも、1〜2時間で一度取り出してこすり、落ちなければもう一度つけ置く
- つけ置き後は樹脂ヘラや歯ブラシで浮いた焦げを落とし、洗剤が残らないようしっかりすすぐ
つけ置き用の容器がない場合は、大きめのポリ袋を二重にして五徳と洗剤液を入れ、シンクの中に置く方法でも代用できます。
なお、「オキシ漬け」で知られる酸素系漂白剤は、代表的な製品であるオキシクリーンの公式情報で金属全般が使用不可とされているため、金属製の五徳のつけ置きには使わないようにしましょう。
また、どの洗剤を使う場合でも、塩素系漂白剤と混ぜることは絶対に避けてください。
塩素系の洗剤と酸性の洗剤が混ざると有毒なガスが発生します。
塩素系漂白剤は金属を傷めるため、そもそも五徳の掃除には使わないようにしましょう。
方法4|水で煮洗いする

つけ置きでも落ちない、層になった頑固な焦げには、五徳を鍋で煮る「煮洗い」が効果的です。
熱で焦げと金属のあいだにすき間ができ、焦げが浮いてはがれやすくなります。
メーカーが案内している煮洗いの方法
リンナイは、ホーローのごとくについて、汚れがひどい場合はつけ置きしたあと洗剤で丸洗いし、それでも汚れが取れない場合は、水を入れた大きな鍋にごとくを入れて30分程度加熱する煮洗いをすると、さらに汚れが落としやすくなると案内しています。
パロマも、こびりつきがひどい場合には煮洗いが効果的だとして、鍋にたっぷりの水を入れて五徳を静かに沈め、沸騰した状態で約10〜20分煮詰めると汚れが浮き出してくると説明しています。
煮たあとは火を止めて十分に冷まし、スポンジや歯ブラシで洗う流れです。
どちらのメーカーも、煮洗いは基本的に水だけで行う方法として紹介しています。
重曹などを加えて煮る方法もよく知られていますが、まずは水だけで試し、それでも落ちない場合に取扱説明書で使用できる洗剤を確認してから加えるのが安全です。
煮洗いの手順
- 五徳全体が沈む大きさの鍋を用意する(アルミ鍋は変色することがあるため、ステンレスやホーローの鍋がおすすめ)
- 鍋に水を張り、五徳を静かに沈める
- 火にかけ、沸騰したら中火程度に落として10〜30分煮る
- 火を止め、お湯が手で触れる温度になるまで冷ます
- 浮いてきた焦げを、樹脂ヘラや歯ブラシで落とす
- 落ちきらない場合は、もう一度煮洗いを繰り返す
- 水ですすぎ、乾いた布で拭いて完全に乾かす
1回の煮洗いで焦げがすべて落ちなくても、表面の層が少しずつはがれていれば効果は出ています。
層が厚い焦げは、煮洗いを2〜3回繰り返すと落ちることが多いです。
煮洗いで注意すること
- 煮ている間は鍋のそばを離れず、お湯が減って空焚きにならないようにする
- 五徳を取り出すときはトングを使い、素手で触らない
- 煮洗い中は換気扇を回す(焦げのにおいが出ることがある)
もうひとつ見落としやすいのが、煮洗いに使うコンロの五徳です。
すべての五徳を外してしまうと、鍋を載せる五徳がなくなってしまいます。
五徳を外したバーナーに直接鍋を載せて加熱すると、炎が鍋底でふさがれて不完全燃焼を起こすおそれがあります。
1口ずつ順番に煮るか、別の熱源を使うようにしましょう。
方法5|専用クリーナーで磨く
つけ置きや煮洗いのあとに部分的に残った焦げや、ステンレスの変色には、専用クリーナーで磨く方法があります。
ただし、クリーナーの多くは研磨剤を含んでいるため、素材との相性を必ず確認してください。
| 素材 | 研磨剤入りクリーナー | 使うときのポイント |
|---|---|---|
| ホーロー | 使用を避ける | 表面のガラス質が削れ、そこからサビが広がる |
| ステンレス | 対応製品なら使える | 表面の筋目(ヘアライン)に沿って一方向にこする |
| 鉄鋳物 | 取扱説明書で確認 | 塗装や焼き付け加工を削らないよう注意 |
コンロメーカーが販売している純正のクリーナーは、そのメーカーのコンロの素材に合わせて作られているため、素材を傷める心配が少ないのが利点です。
市販品を使う場合は、「ステンレス用」「ホーロー使用不可」などの表示を確認しましょう。
メラミンスポンジも、細かな研磨作用で汚れを削り取るものなので、ホーローやコーティングされた面には使わないのが無難です。
素材別|焦げ落としを試す順番
ここまでの5つの方法を、五徳の素材ごとにどの順番で試せばよいかを整理しました。
| 順番 | ホーロー | ステンレス | 鉄鋳物 |
|---|---|---|---|
| 1 | ぬるま湯+中性洗剤でふやかす | ぬるま湯+中性洗剤でふやかす | 中性洗剤とブラシで洗う |
| 2 | 中性洗剤でつけ置き | 重曹水のつけ置き・重曹ペースト | ぬるま湯でふやかして樹脂ヘラ |
| 3 | 水で煮洗い | 水で煮洗い | 取扱説明書で可能なら短時間の煮洗い |
| 4 | 取扱説明書で使える洗剤を確認してつけ置き | 専用クリーナーで磨く | 取扱説明書で使える洗剤を確認 |
| NG | 研磨剤・金属たわし・メラミンスポンジ | 塩素系漂白剤・金属たわし | 長時間のつけ置き・食洗機(非対応機種) |
鉄鋳物の五徳は、水や洗剤液に長くつけるほどサビのリスクが高まります。
つけ置きや煮洗いをしたあとは、すぐに水気を拭き取り、脚の付け根や凹凸部分まで完全に乾かすことを優先してください。
鋳物の五徳は「落とすこと」より「乾かすこと」に時間をかけるくらいの意識で扱うと、サビを防げます。
バーナーキャップの焦げも同じ方法で落とせる?
五徳を外すと、その下にあるバーナーキャップにも焦げや煮こぼれがこびりついていることがよくあります。
ついでに一緒に落としたくなるところですが、バーナーキャップは五徳と同じ方法で扱えるとは限りません。
バーナーキャップにはアルミや真鍮など、五徳とは異なる素材が使われている機種があり、アルミは重曹やセスキ炭酸ソーダ、酸素系漂白剤などのアルカリ性の洗剤で黒く変色することがあります。
また、炎口と呼ばれる細かいすき間や穴が並んでいるため、焦げを削るように強くこすると、炎口が変形して炎の出方が乱れるおそれがあります。
バーナーキャップの焦げは、次のように扱うのが基本です。
- 台所用中性洗剤とやわらかい歯ブラシで、炎口に沿ってやさしくこする
- 炎口に詰まった汚れは、つまようじなどで軽く取り除く(金属の針などで広げない)
- 洗ったあとは炎口の中まで完全に乾かす
- つけ置きや煮洗いをする場合は、取扱説明書で可能かどうかを確認する
バーナーキャップの炎口が焦げで詰まったまま、または浮いたり傾いたりした状態で使うと、点火不良や不完全燃焼の原因になります。
戻すときは、浮きや傾きがなく、バーナー本体にぴったり載っているかを必ず確認してください。
それでも焦げが取れないときの判断
5つの方法を試しても焦げが残る場合は、無理に落としきろうとしないことも大切です。
焦げが残っていても使い続けてよいケース
- 焦げが薄く残っている程度で、表面がなめらかになっている
- 五徳を平らな場所に置いたとき、ガタつきがない
- 焦げがはがれ落ちて料理に入るような状態ではない
五徳は鍋を支える部品なので、見た目が新品同様に戻らなくても、機能面で問題がなければ使い続けて差し支えないケースがほとんどです。
何度も研磨を繰り返して表面を削るよりも、ある程度で割り切った方が、五徳を長持ちさせられます。
交換を考えた方がよいケース
| 状態 | 交換を考える理由 |
|---|---|
| 焦げの下でホーローが剥がれ、赤サビが広がっている | サビの進行を止められず、鍋や料理にサビが付着するおそれがある |
| 焦げが厚く盛り上がり、五徳がガタつく | 鍋が傾いて転倒する危険がある |
| 焦げと一緒に爪や脚の一部が欠けた | 鍋を安定して支えられない |
| 焦げ落としのたびに表面がボロボロ崩れる | 金属自体の劣化が進んでいる可能性がある |
五徳は多くの場合、コンロ本体の型式を確認すれば、メーカーの部品販売サイトや取扱店で単体購入できます。
焦げ落としに何時間もかけるより、交換した方が早くて確実な場合もあるため、五徳の状態と手間を比べて判断しましょう。
焦げ落とし後の仕上げと確認
焦げを落とし終えたら、コンロに戻す前に仕上げを行います。
- 洗剤や重曹が残らないよう、水でしっかりすすぐ
- 乾いた布で全体の水気を拭き取る
- 脚の付け根や爪の付け根まで、完全に乾いたことを確認する
- 左右・奥のバーナーを間違えないよう、正しい位置に戻す
- 手で軽く押して、ガタつきがないか確認する
- 1口ずつ点火し、炎が青く均等に出ているかを確認する
焦げ落としの直後は、わずかに残った水分や洗剤成分が燃えて、炎が一時的に赤っぽく見えることがあります。
数分たっても赤い炎が続く場合は、ガスコンロの火が赤くなる理由と安全に使うための確認ポイントを参考に、セット状態を見直してください。
五徳と一緒にバーナーキャップも洗った場合、点火プラグ周りに水分が残っていると火がつきにくくなることがあります。
そのときの切り分け方は、ガスコンロの火がつかないときに確認すべきポイントで解説しています。
また、つけ置きや煮洗いで出た汚れた液には、溶け出した油分が多く含まれています。
大量の油分を排水口に流し続けると、配管の中で固まってつまりやにおいの原因になるため、流したあとは少し多めのお湯で流しておくと安心です。
排水口のぬめりやにおいが気になってきた場合は、キッチン排水口の掃除方法もあわせて確認してください。
五徳に焦げを作らないための予防策
焦げは一度できると落とすのに手間がかかるため、できるだけ作らない工夫が一番の対策です。
| 予防策 | 効果 |
|---|---|
| 炎が鍋底からはみ出さない火力で調理する | 五徳の過熱を防ぎ、焦げの焼き付きやステンレスの変色を抑える |
| 吹きこぼれはコンロが冷めたらその日のうちに拭く | 煮こぼれが焦げに変わる前に取り除ける |
| 揚げ物・炒め物をした日は五徳を軽く洗う | 油がベタベタ油になる前に落とせる |
| 週に1回、五徳を取り外して丸洗いする | 焦げが層になるのを防ぐ |
| 鍋底の汚れを落としてから使う | 鍋底の焦げが五徳に移るのを防ぐ |
特に効果が大きいのが、火力の調整です。
炎が鍋底からはみ出すほどの強火は、調理の効率がほとんど上がらないうえ、五徳を必要以上に加熱して焦げを早く作ってしまいます。
炎の先端が鍋底の内側に収まる程度の火力を意識するだけで、五徳の汚れ方は大きく変わります。
コンロまわりから焦げ臭さがなかなか消えない場合は、五徳以外の部分に焦げがたまっていることもあります。
においの種類ごとの見分け方は、ガスコンロから臭いがするときの見分け方と確認ポイントを参考にしてください。
なお、飲食店などで使う業務用コンロの焦げは、家庭用とは量も質も異なるため、業務用コンロの掃除方法で別途解説しています。
よくある質問
五徳の焦げを落とすために一晩つけ置きしてもいいですか?
一晩つけ置きすると焦げがやわらかくなることはありますが、長時間のつけ置きは素材によっては負担になります。
特に鉄鋳物の五徳は、水や洗剤液に長くつけるほどサビが出やすくなるため、一晩のつけ置きは避けてください。
ホーローやステンレスの五徳でも、一晩放置するより、1〜2時間で一度取り出してこすり、落ちなければもう一度つけ置く方が、素材への負担を抑えながら効率よく落とせます。
つけ置きで落ちない焦げには、煮洗いを試すのがおすすめです。
五徳の焦げ落としにメラミンスポンジは使えますか?
メラミンスポンジは細かな研磨作用で汚れを削り取る道具なので、素材によっては五徳を傷める可能性があります。
特にホーローの五徳は、表面のガラス質が削れると、そこからサビが広がる原因になるため、使用は避けた方が無難です。
ステンレスの五徳であれば使えないことはありませんが、表面に細かな傷がつき、かえって汚れが付きやすくなることがあります。
焦げは削るよりも、つけ置きや煮洗いで浮かせてから落とす方が、五徳を長持ちさせられます。
使う場合は、目立たない部分で試してからにしましょう。
ステンレスの五徳の黄色や茶色の焦げは落とせますか?
ステンレスの五徳に見られる黄色や茶色、青紫色のにじみは、多くの場合、焦げではなく熱による金属表面の酸化で起きた変色です。
汚れではないため、つけ置きや煮洗いを繰り返しても落ちないのが普通です。
見た目が気になる場合は、ステンレスに対応したクリーナーで、表面の筋目に沿って一方向に磨くと目立ちにくくなることがあります。
変色は五徳の強度や機能には影響しないことがほとんどなので、気にならなければそのまま使い続けて問題ありません。
一方、黒く盛り上がった部分は焦げの可能性が高いので、つけ置きや煮洗いで落としましょう。
五徳に焦げがついたまま使い続けても大丈夫ですか?
薄い焦げが残っている程度で、五徳がガタつかず、焦げがはがれ落ちる状態でなければ、使い続けても大きな問題はないことがほとんどです。
ただし、焦げが厚く盛り上がると、鍋が傾いて不安定になったり、はがれた焦げがバーナーの炎口に落ちて点火不良や炎の乱れにつながったりすることがあります。
また、焦げは加熱のたびに積み重なっていくため、放置するほど落とすのが大変になります。
焦げが気になり始めた段階で、つけ置きや煮洗いで落としておくのがおすすめです。
焦げの下でサビが広がっている場合は、交換も検討しましょう。
煮洗いにはどんな鍋を使えばいいですか?
煮洗いには、五徳全体が水に沈む大きさの鍋を使います。
寸胴鍋や大きめの両手鍋が向いていますが、五徳が大きい場合はパスタ用の深鍋なども便利です。
素材は、ステンレスやホーローの鍋がおすすめです。
アルミ製の鍋は、重曹などアルカリ性のものと一緒に煮ると黒く変色することがあるため、避けた方が安心です。
調理用の鍋を使うことに抵抗がある場合は、ホームセンターなどで手頃な価格の大鍋を煮洗い専用として用意しておくと、気兼ねなく使えます。
煮洗いのときは、鍋を載せるコンロの五徳は外さずに残しておきましょう。
まとめ
五徳の焦げは、力でこすり取るのではなく、温度と時間を使ってゆるめ、浮かせてから落とすのが基本です。
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 五徳の焦げは、油汚れが加熱のたびに積み重なってできたもの
- ステンレスの変色やホーローの剥がれ、サビは焦げではなく、洗剤では落ちない
- 焦げ落としは、ふやかす→重曹→つけ置き→煮洗い→専用クリーナーの順で、弱い方法から試す
- メーカーが案内する煮洗いは水だけで行う方法で、リンナイは30分程度、パロマは沸騰後約10〜20分としている
- ホーローに研磨剤・金属たわし、金属全般に塩素系漂白剤は使わない
- 取れない焦げは無理に削らず、機能面で問題がなければ使い続けるか、劣化していれば交換する
焦げ落としに一度成功したら、あとは火力の調整とこまめな掃除で、焦げを作らない状態を保つことが大切です。
まずは今日の調理のあと、炎が鍋底からはみ出していないかを確認するところから始めてみてください。

