ミルクパンで少しだけお湯を沸かそうとしたら、鍋が五徳の爪のすき間に傾いてヒヤッとしたことはありませんか。
ガスコンロの五徳は、一般的な大きさの鍋やフライパンに合わせて作られているため、小さな鍋や底の小さなエスプレッソメーカーなどは不安定になりがちです。
そんなときに役立つのが、五徳の上に載せて小さな鍋を支える「補助五徳(ミニ五徳)」です。
ただし、温度センサー付きのコンロでは、補助五徳の選び方や使い方によって火が途中で消えたり、安全機能が正しく働かなくなったりすることがあります。
この記事では、補助五徳の種類と、補助五徳を使う前に試したい対策、温度センサーへの影響、失敗しない選び方、鍋が滑るときの対策までを解説します。
- 補助五徳の種類と、それぞれが向いている鍋
- 温度センサー付きコンロで補助五徳を使うときの注意点
- 補助五徳の選び方と、鍋が滑るときの対策
結論|まずは置き方の工夫、それでも不安定なら「センサー付き対応」の補助五徳を
最初に結論をまとめます。
小さな鍋が不安定なときは、まず小火力のバーナーを使う、取っ手の向きを五徳の爪にそろえるなど置き方を工夫し、それでも不安定な場合に、自分のコンロに対応した補助五徳を選ぶのが基本です。
温度センサー付きのコンロでは、補助五徳によってセンサーが鍋底に密着しなくなることがあるため、「センサー付きコンロ対応」の表示や取扱説明書の記載を必ず確認してください。
補助五徳は便利な道具ですが、コンロの安全機能と関わる部分に置くものです。
「とりあえず安いものを載せておけば大丈夫」とは考えず、仕組みを理解したうえで選ぶことが大切です。
補助五徳(ミニ五徳)の種類

補助五徳には、いくつかの種類があります。
用途に合わないものを選ぶと、かえって不安定になることがあるため、まずは種類ごとの特徴を整理しておきましょう。
| 種類 | 形・使い方 | 向いている鍋 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 小径鍋用の補助五徳 | 標準の五徳の上に載せる、小さなリングや爪付きの台 | ミルクパン、小さな片手鍋、エスプレッソメーカー | 温度センサーとの干渉に注意 |
| 小鍋に対応した純正五徳 | 標準の五徳と交換して使う、爪の形を工夫した五徳 | 小さな鍋全般 | 対応機種が決まっている |
| 滑りにくい純正五徳 | 表面にざらつきなどの加工をした五徳 | フライパンや鍋が滑りやすい場合 | 鍋底に傷がつくことがある |
| 焼き網・トースター用の台 | 焼き網を載せるための台 | 焼き網、トースト用の網 | センサー付きコンロでは使える製品が限られる |
| 中華鍋用の補助五徳 | 丸底の鍋を支えるリング | 中華鍋 | センサー付きのバーナーでは使えない製品が多い |
この記事では、主に小さな鍋を安定させるための補助五徳と、鍋の滑りを防ぐための対策を扱います。
中華鍋用の補助五徳は、丸底の鍋を支えるという目的が異なるため、ここでは概要の紹介にとどめます。
補助五徳を使う前に試したい置き方の工夫
補助五徳を買う前に、まずは今ある五徳のままで安定させられないかを試してみましょう。
置き方を少し工夫するだけで、小さな鍋が安定することもよくあります。
メーカーが案内している鍋の置き方
リンナイは、温度センサー付きのコンロで鍋が不安定になる場合の注意として、片手鍋や小径鍋、底がへこんだ・丸い・滑りやすい鍋を不安定な状態で使用しないよう呼びかけています。
そのうえで、鍋の取っ手はごとくのツメと同じ向きに置いて手前にはみ出さないようにすること、軽い鍋は調理物を含めて300g以上で調理することを案内しています。
軽い鍋や取っ手が重い片手鍋は温度センサーによって押し上げられて倒れるおそれがあり、調理中にふたを取ったり水分が蒸発したりして軽くなった場合も、取っ手を持って安定した状態で使うよう注意しています。
すぐに試せる5つの工夫
| 工夫 | 効果 |
|---|---|
| 小火力(小バーナー)のコンロを使う | 小火力側の五徳は爪が短く、小さな鍋を支えやすいことが多い |
| 取っ手を五徳の爪と同じ向きに置く | 取っ手の重みで鍋が傾きにくくなる |
| 鍋の中身を300g以上にする | 温度センサーに押し上げられて鍋が浮くのを防ぐ |
| 調理中は取っ手に手を添える | 中身が減って軽くなったときの傾きを防ぐ |
| 鍋の中心をバーナーの中心に合わせる | 爪のすき間に鍋が落ち込むのを防ぐ |
特に効果が大きいのが、小火力のバーナーを使うことです。
ビルトインコンロでは、強火力のバーナーほど大きな鍋に合わせて爪が長く、爪と爪の間隔も広い傾向があります。
小さな鍋は、まず奥の小バーナーなど、爪の短い五徳で試してみてください。
補助五徳と温度センサーの関係
補助五徳を選ぶうえで最も重要なのが、温度センサーとの関係です。
温度センサーは鍋底に密着して働く
現在の家庭用ガスコンロの多くは、バーナーの中央に温度センサーを備えています。
このセンサーは、ばねの力で鍋底に押し当てられ、鍋底の温度を測ることで、天ぷら油の過熱防止や焦げつき消火などの安全機能を働かせています。
リンナイの取扱説明書では、中華鍋用補助ごとくを使用すると温度センサーが鍋底に密着しない原因になると注意されています。
また、同じ機種では鍋を置かないと安全のため点火しない機能についても説明されています。
補助五徳は、標準の五徳の上に載せて鍋の位置を高くするものが多いため、鍋底がセンサーから離れてしまうことがあります。
センサーが鍋底に触れていないと、コンロは「鍋がない」「温度が測れない」と判断し、さまざまな不具合が起こります。
センサーと干渉したときに起こりうること
| 症状 | 考えられる理由 |
|---|---|
| 鍋を置いても火がつかない | センサーが鍋を検知できず、鍋なしと判断している |
| 点火しても途中で火が消える | センサーが鍋底の温度を正しく測れず、安全機能が働いている |
| すぐに弱火になる | センサーが補助五徳の金属部分に触れ、高温と判断している |
| 鍋が浮いてガタつく | センサーが補助五徳や鍋底を押し上げている |
こうした症状が出たときは、補助五徳が原因になっていないかを最初に確認してください。
補助五徳を外すと正常に戻るなら、その補助五徳は自分のコンロに合っていない可能性が高いです。
火がつかない・途中で消えるといった症状の切り分け方は、ガスコンロの火がつかないときに確認すべきポイントで詳しく解説しています。
補助五徳を使うために温度センサーを押し込んだり、固定したりして機能を妨げることは絶対にしないでください。センサーが正しく働かないと、調理油の発火を防げなくなるおそれがあります。
失敗しない補助五徳の選び方
補助五徳を選ぶときは、次のポイントを確認しましょう。
1. 温度センサー付きコンロに対応しているか
最も大切なのは、自分のコンロに使えるかどうかです。
商品の説明に「センサー付きコンロ対応」「Siセンサーコンロ対応」などと書かれているか、逆に「センサー付きのバーナーには使用できません」と書かれていないかを確認してください。
センサー付きコンロに対応した補助五徳は、中央に穴があいていてセンサーが鍋底に届く形になっているものや、センサーの動きを妨げない高さに設計されているものが多いです。
2. 置き方と固定方法
| 固定方法 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 五徳の爪に引っかけるタイプ | ずれにくく、安定しやすい | 五徳の爪の本数や形に合うか確認が必要 |
| 五徳の上に載せるだけのタイプ | どの五徳にも載せやすい | 鍋を動かしたときにずれやすい |
| 五徳の内側に置くタイプ | 鍋の高さがあまり変わらない | センサーやバーナーキャップに触れないか確認が必要 |
五徳の上に載せるだけのタイプは手軽ですが、鍋を持ち上げたり動かしたりしたときにずれやすい面があります。
ずれた状態で鍋を戻すと、補助五徳ごと傾くことがあるため、使うたびに位置を確認する習慣をつけましょう。
3. 対応する鍋底のサイズ
補助五徳には、支えられる鍋底の直径の目安があります。
よく使う小さな鍋の底の直径を測り、その大きさに合った補助五徳を選んでください。
直径が合っていないと、鍋が補助五徳の爪のすき間に落ち込んだり、逆に大きすぎて補助五徳の上で不安定になったりします。
4. 素材
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| ステンレス | サビにくく手入れしやすい。熱で変色することがある |
| 鉄(塗装・ホーローなど) | 重さがあって安定しやすい。水分が残るとサビやすい |
| ホーロー | 汚れが落ちやすい。強い衝撃で欠けることがある |
補助五徳は炎に近い場所で使うため、金属製のものを選ぶのが基本です。
樹脂やシリコンなど、熱に弱い素材が使われているものは、炎や熱で溶けたり燃えたりするおそれがあるため避けてください。
5. 純正オプションがあるか
コンロメーカーによっては、小さな鍋を安定させやすい五徳や補助ごとくを、純正のオプション品として用意している場合があります。
純正品は、そのメーカーのコンロの形や温度センサーの位置に合わせて作られているため、汎用品よりも安心して使えます。
補助五徳を探すときは、まず自分のコンロのメーカーに純正のオプション品がないかを確認するのがおすすめです。
100均のミニ五徳は使える?
100円ショップでも、小さな鍋用のミニ五徳が販売されていることがあります。
手頃な価格で試せるのが魅力ですが、使う前に次の点を確認してください。
- 商品の説明に、センサー付きコンロで使えるかどうかが書かれているか
- 自分の五徳の上に載せたとき、ずれたりガタついたりしないか
- 鍋を載せたとき、温度センサーが鍋底に触れているか
- 点火して、火が途中で消えたり、すぐに弱火になったりしないか
100円ショップのミニ五徳の中には、温度センサーのないコンロやカセットコンロを想定したものもあります。
センサー付きのコンロで使えるかどうかが書かれていない場合は、実際に試してみて、上記の症状が出ないかを確認してから使いましょう。
少しでも不安定だったり、火の消え方に違和感があったりする場合は、無理に使い続けず、センサー付きコンロ対応を明記した製品や純正品に切り替えてください。
鍋が滑るときの対策

「鍋が滑る」「フライパンが五徳の上でずれる」という悩みも、補助五徳を探すきっかけになりやすいものです。
鍋が滑る原因と、それぞれの対策を整理しました。
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| 鍋底が丸い、へこんでいる | 底が平らな鍋に替える、調理中は取っ手を持つ |
| 五徳や鍋底に油や水分が付いている | 五徳と鍋底の汚れを拭き取ってから使う |
| 五徳の爪の表面がすり減ってツルツルになっている | 五徳を交換する、滑りにくい純正五徳を検討する |
| 鍋底の直径に対して五徳の爪の間隔が広い | 小火力のバーナーを使う、小径鍋対応の五徳を検討する |
| 軽い鍋を温度センサーが押し上げている | 中身を増やす、取っ手に手を添える |
滑りにくい純正五徳という選択肢
メーカーによっては、滑りにくさを重視した五徳を純正品として販売しています。
たとえばパロマは、鍋の滑りにくさを優先させた表面にざらつきのあるごとくを交換部品として販売しており、鍋の種類や使い方によっては鍋底などに傷が付く場合があると注意書きを添えています。
滑りにくい五徳は、フライパンを振る料理や、表面がつるつるした鍋をよく使う場合に便利です。
一方で、鍋底にコーティングがある鍋や、傷をつけたくない鍋を使う場合は、注意書きのとおり傷がつく可能性があることを理解したうえで選びましょう。
純正五徳は対応機種が決まっているため、コンロの型番で適合を確認してから購入してください。
やってはいけない滑り止め対策
鍋の滑りを防ごうとして、次のような工夫をするのは避けてください。
- 五徳の爪にシリコンチューブやゴムを巻く
- 五徳と鍋の間に布や耐熱シートを挟む
- 五徳の爪にテープを貼る
五徳は炎に直接さらされる部品です。樹脂やゴム、布などを取り付けると、溶けたり燃えたりして火災や有害な煙の原因になります。
滑りが気になる場合は、鍋や五徳の汚れを落とす、鍋を替える、滑りにくい純正五徳を選ぶといった方法で対策しましょう。
補助五徳を使うときの注意点
補助五徳を使い始めたら、次の点に気をつけてください。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 使い始めに炎の状態を確認する | 鍋の高さが変わることで、炎の当たり方が変わることがある |
| 鍋を置くたびに補助五徳の位置を確認する | ずれた状態で鍋を置くと傾くことがある |
| 使用直後は素手で触らない | 補助五徳は炎と鍋の熱で高温になっている |
| 大きな鍋を使うときは外す | 補助五徳を載せたまま大きな鍋を置くと不安定になる |
| 補助五徳もこまめに洗う | 油汚れが焦げになると、表面が凸凹して安定しにくくなる |
補助五徳を使うと、鍋の位置が標準の五徳より高くなることが多く、炎と鍋底の距離が変わります。
炎が鍋底からはみ出して横に広がる、炎の色が赤っぽくなるといった変化が見られたら、火力を弱めるか、補助五徳の使用を見直してください。
炎の色の見分け方は、ガスコンロの火が赤くなる理由と安全に使うための確認ポイントで解説しています。
カセットコンロで使う場合
カセットコンロでも、小さな鍋を使うために補助五徳を載せたいと考える方がいます。
ただし、カセットコンロは機種ごとに五徳の形や使える鍋の大きさが決まっており、補助五徳の使用を想定していないものもあります。
補助五徳や大きな板状のものを載せてボンベ部分を覆うような使い方は、ボンベの過熱につながるおそれがあるため避けてください。
カセットコンロの使い方でつまずいたときは、カセットコンロが点かないときに確認すべきポイントも参考にしてください。
よくある質問
補助五徳を載せたら火がつかなくなりました。故障ですか?
故障ではなく、補助五徳によって温度センサーが鍋底に触れなくなっている可能性が高いです。
温度センサー付きのコンロの中には、鍋を検知できないと安全のため点火しない機種があり、補助五徳で鍋の位置が高くなると、センサーが鍋を検知できなくなることがあります。
まずは補助五徳を外して、通常の五徳で点火できるかを確認してください。
外すと正常に点火するなら、その補助五徳は自分のコンロに合っていないと考えられます。
センサー付きコンロに対応した補助五徳や、メーカー純正のオプション品に切り替えましょう。
100円ショップのミニ五徳でも安全に使えますか?
100円ショップのミニ五徳でも、自分のコンロに合っていれば使えることはありますが、センサー付きのコンロでの使用を想定していない製品もあるため注意が必要です。
使う前に、商品の説明でセンサー付きコンロに対応しているかを確認し、実際に五徳に載せてずれやガタつきがないか、鍋を置いたときに温度センサーが鍋底に触れているかを確かめてください。
点火して、火が途中で消えたり、すぐに弱火になったりする場合は、使用をやめましょう。
不安がある場合は、センサー付きコンロ対応を明記した製品やメーカー純正品を選ぶと安心です。
エスプレッソメーカーを五徳に置くと倒れそうです。どうすればいいですか?
直火式のエスプレッソメーカーは底が小さく、重心が高いため、一般的な五徳では不安定になりやすい器具です。
まずは奥の小バーナーなど、爪が短く間隔の狭い五徳を使い、エスプレッソメーカーの中心をバーナーの中心に合わせて置いてみてください。
それでも不安定な場合は、センサー付きコンロに対応した小径鍋用の補助五徳を使う方法があります。
ただし、エスプレッソメーカーの底が温度センサーに正しく触れないと、途中で火が消えたり弱火になったりすることがあります。
使用中はそばを離れず、取っ手に手を添えるなどして安定した状態を保ちましょう。
五徳の上で鍋が滑るのを防ぐ方法はありますか?
まずは、五徳と鍋底に付いた油や水分を拭き取ってから使ってみてください。
油汚れが付いた状態では、鍋が想像以上に滑りやすくなります。
底が丸い鍋やへこんだ鍋は滑りやすいため、底の平らな鍋に替えるのも効果的です。
長年使った五徳は、爪の表面がすり減ってツルツルになっていることがあるので、その場合は五徳の交換を検討しましょう。
メーカーによっては、表面にざらつきのある滑りにくい五徳を純正品として販売しています。
五徳にシリコンチューブやゴムを巻く方法は、溶けたり燃えたりする危険があるため絶対に避けてください。
補助五徳は付けっぱなしにしてもいいですか?
補助五徳は、小さな鍋を使うときだけ載せ、使い終わったら外すのが基本です。
付けっぱなしにすると、大きな鍋やフライパンを置いたときに不安定になったり、温度センサーが正しく働かなかったりすることがあります。
また、補助五徳を載せたままにしておくと、油汚れがたまりやすく、焦げになって表面が凸凹し、安定しにくくなる原因にもなります。
小さな鍋をよく使う場合は、補助五徳を載せるバーナーを決めておき、使うたびに位置と温度センサーの状態を確認する習慣をつけましょう。
使い終わったら冷めてから外し、汚れを落として保管してください。
まとめ
補助五徳は、小さな鍋を安定させるのに便利な道具ですが、温度センサー付きのコンロでは選び方と使い方に注意が必要です。
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 小さな鍋が不安定なときは、まず小火力のバーナーを使う、取っ手の向きを爪にそろえるなど置き方を工夫する
- 軽い鍋は中身を含めて300g以上にし、調理中は取っ手に手を添える
- 補助五徳によって温度センサーが鍋底に密着しなくなると、火がつかない・途中で消えるといった症状が出る
- 補助五徳は、センサー付きコンロ対応の表示や純正オプションの有無を確認して選ぶ
- 鍋が滑るときは、汚れを落とす、鍋を替える、滑りにくい純正五徳を検討する
- 五徳に樹脂やゴムを巻くなどの滑り止め対策は、火災の原因になるため行わない
補助五徳は、コンロの安全機能と関わる場所で使う道具だからこそ、自分のコンロに合ったものを選ぶことが大切です。
まずは小さな鍋を奥の小バーナーに置き、取っ手の向きを五徳の爪にそろえるところから試してみてください。

