「IHコンロって、毎日使うとどのくらい電気代がかかるんだろう?」
「ガスからIHに替えたら、光熱費は上がる?下がる?」
そんな疑問を持って、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、IHコンロ(IHクッキングヒーター)の電気代は、料理1回あたりでは数円〜20円程度、1ヶ月あたりでも数百円〜1,000円程度が一つの目安です。
火力が強いほど消費電力は大きくなりますが、1回の調理時間は数分〜数十分と短いため、思ったほど高額にはなりにくいのが特徴です。
この記事では、電気代の計算方法から、火力別・料理別・1ヶ月あたりの具体的な金額の目安、そして電気代を抑えるコツまでを、わかりやすく整理して解説します。
IHコンロの電気代の計算方法

IHコンロの電気代は、次のシンプルな式で概算できます。
📌 電気代(円)= 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量料金(円/kWh)
ポイントは、消費電力を「W」ではなく「kW(キロワット)」に直して計算することです。
1kW=1,000Wなので、たとえば2,000Wは2.0kWになります。
電力量料金の単価は契約している電力会社やプランによって異なりますが、本記事では公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会(家電公取協)が公表している目安単価 31円/kWh を基準に計算します。
たとえば、2,000W(2.0kW)の火力で10分間(=1/6時間)使った場合は、次のようになります。
2.0kW × (10 ÷ 60)h × 31円 = 約10.3円
このように、火力(消費電力)と使った時間さえ分かれば、誰でも電気代を見積もることができます。
IHコンロの消費電力はどのくらい?

IHコンロの消費電力は、火力の強さによって大きく変わります。
パナソニックの卓上IH(1口タイプ)を例にとると、消費電力は火力に応じて 75W〜1,400W の範囲で変化します。
弱い火力のときは450Wでオン・オフを繰り返しながら火加減を調整する仕組みです。
一方、キッチンに組み込むビルトインIH(据え置き型)はより高出力で、1つのヒーターで最大3,000W前後まで対応する機種が一般的です。
ただし、3口すべてを同時に強火で使えるわけではなく、機器全体の総消費電力(多くの機種で5.8kW前後)を超えないよう、自動で火力が制御されます。
火力の表示は機種によって「1〜9」や「とろ火・弱・中・強」など異なりますが、消費電力のおおよその目安は次のとおりです(機種により異なります)。
| 火力の目安 | おおよその消費電力 |
|---|---|
| とろ火・保温 | 約100〜300W |
| 弱火 | 約500W前後 |
| 中火 | 約1,000〜1,500W |
| 強火 | 約2,000〜3,000W |
火力別・1時間あたりの電気代の目安
消費電力ごとに、電力量料金31円/kWhで計算した電気代の目安を表にまとめました。
実際の調理では1時間連続で使うことは少ないため、10分・30分あたりの目安も併記します。
| 消費電力 | 火力の目安 | 10分 | 30分 | 1時間 |
|---|---|---|---|---|
| 300W | とろ火 | 約1.6円 | 約4.7円 | 約9円 |
| 500W | 弱火 | 約2.6円 | 約7.8円 | 約16円 |
| 1,000W | 中火 | 約5.2円 | 約16円 | 約31円 |
| 1,500W | 中〜強火 | 約7.8円 | 約23円 | 約47円 |
| 2,000W | 強火 | 約10円 | 約31円 | 約62円 |
| 3,000W | 最大 | 約16円 | 約47円 | 約93円 |
こうして見ると、強火でも10分程度なら10円前後におさまることが分かります。
火力が強いほど1分あたりの電気代は上がりますが、その分早く加熱が終わるため、トータルではそれほど大きな差にならないケースも少なくありません。
料理1回あたりの電気代の目安
次に、実際の料理を想定した1回あたりの電気代を見てみましょう。
火力と時間はあくまで一例で、鍋の大きさや量、火加減によって変わります。
| 料理例 | 火力・時間の目安 | 電気代の目安 |
|---|---|---|
| お湯を沸かす(約1L) | 2,000W×約5分 | 約5円 |
| 味噌汁を温め直す | 1,000W×約5分 | 約3円 |
| 野菜炒め | 2,000W×約10分 | 約10円 |
| カレーを作る | 強火5分+中火15分+弱火10分 | 約18円 |
| 鍋でご飯を炊く | 中火〜弱火で約20分 | 約10〜20円 |
たとえばカレーの場合、炒め(3,000W×5分)+煮込み(1,000W×15分)+仕上げ(500W×10分)で合計約0.58kWh、電気代にすると 約18円 という計算になります。
毎日の料理でも、1食あたりの調理コストは意外と小さいことがイメージできるかと思います。
1ヶ月あたりの電気代の目安
1ヶ月の電気代は家庭の調理スタイルによって幅がありますが、目安を試算してみます。
朝・昼・晩の調理で1日あたり合計0.6〜0.8kWhほど使うと仮定すると、次のようになります。
0.6〜0.8kWh × 31円 = 1日あたり約19〜25円
1ヶ月(30日)で約560〜740円
調理の頻度や量が多い家庭では、月あたり1,000円前後になることもあります。
いずれにしても、IHコンロの調理そのものにかかる電気代は月数百円〜1,000円程度と捉えておくとよいでしょう。
ただし、ビルトインIHを新たに導入する場合は、200Vの専用回路や契約容量(アンペア・kVA)の見直しが必要になることがあり、その分だけ基本料金が変わる場合があります。
調理分の電気代とは別に、契約プランの条件も確認しておくと安心です。
ガスコンロと比べて電気代は高い?安い?

「IHにすると光熱費が上がるのでは」と心配される方は多いですが、単純にどちらが安いとは言い切れません。
これは、燃料単価(電気・ガス)や熱効率、契約プランによって結果が変わるためです。
IHは電磁誘導で鍋自体を発熱させる仕組みのため、熱が周囲へ逃げにくく、投入したエネルギーが鍋に伝わりやすい(熱効率が高い)とされています。
一方ガスコンロは、炎の熱の一部が鍋の周囲へ逃げるため、同じ加熱をするのに必要なエネルギーが多くなりやすい傾向があります。
ただし、深夜の電気料金が安くなるプランを活用できるか、都市ガスかプロパンガスか、といった条件で総額は大きく変わります。
「IHだから必ず得(損)」ではなく、ご家庭の契約プランと使い方次第と考えるのが実態に近いといえます。
IHコンロの電気代を抑える調理のコツ

同じ料理でも、ちょっとした工夫で消費電力を抑えられます。
無理なく続けられる範囲で、以下を意識してみてください。
- 鍋のサイズに合った火力を選ぶ:小さな鍋に強火は熱のムダになりやすく、中火で十分な場面が多いです
- ふたを活用する:ふたをして加熱すると熱が逃げにくく、短時間で温まり火力・時間を減らせます
- 余熱を使う:煮込み料理は早めに火を弱める・止めることで、余熱調理に切り替えられます
- 鍋底の水滴を拭き取る:濡れた鍋底は加熱ロスの原因になります
- 保温は最小限に:とろ火でも長時間つけっぱなしにすると積み重なります
- お湯は電気ケトルと使い分ける:少量のお湯なら、目的に合わせて効率のよい方を選ぶ
こうした工夫は1回あたりの節約額は小さくても、毎日の積み重ねで効いてきます。
よくある質問(FAQ)
Q1. IHコンロの1ヶ月の電気代はだいたいいくらですか?
調理そのものにかかる電気代は、一般的な家庭で月あたり数百円〜1,000円程度が一つの目安です。1日の調理で0.6〜0.8kWhほど使うと仮定し、目安単価31円/kWhで計算すると、1ヶ月でおおよそ560〜740円になります。調理の頻度や量が多い家庭では1,000円前後になることもあります。ただしビルトインIHの場合は契約容量の変更で基本料金が変わることもあるため、調理分の電気代とは分けて考えると分かりやすいでしょう。
Q2. IHの強火は電気代が高いと聞きますが本当ですか?
強火(2,000〜3,000W)は1分あたりの消費電力が大きいため、同じ時間なら電気代は高くなります。ただし強火は加熱が早く済むため、使用時間そのものが短くなります。目安単価31円/kWhでは、3,000Wでも10分でおよそ16円程度です。ムダに強火を続けるのは避けつつ、必要な場面では短時間でしっかり加熱するほうが、結果的に効率がよい場合もあります。
Q3. 卓上IHとビルトインIHで電気代は違いますか?
基本的な計算方法(消費電力×時間×単価)は同じですが、最大消費電力が異なります。卓上IH(1口)はおおむね最大1,400W前後、ビルトインIHは1口で最大3,000W前後まで対応する機種が一般的です。そのため同じ料理でも、高火力を使えるビルトインIHのほうが瞬間的な消費電力は大きくなります。ただし加熱時間が短くなる分、トータルの電気代の差はそれほど大きくならないこともあります。
Q4. IHとガスコンロ、電気代・ガス代はどちらが安いですか?
一概にどちらが安いとは言えません。電気・ガスの単価、契約プラン、熱効率などの条件で総額が変わるためです。IHは熱効率が高い傾向がありますが、深夜割引プランを使えるか、都市ガスかプロパンかによっても結果は変わります。ご家庭の契約内容と使い方をもとに比較するのが現実的です。
Q5. IHコンロの電気代を安くする方法はありますか?
鍋のサイズに合った火力を選ぶ、ふたを活用する、煮込みは余熱を使う、鍋底の水滴を拭き取るといった工夫で、加熱のムダを減らせます。1回あたりの節約額は小さくても、毎日続けることで効いてきます。加えて、深夜の電気料金が安くなるプランを利用できる家庭なら、調理時間帯を工夫することでさらにコストを抑えられる場合があります。
まとめ
IHコンロの電気代は、消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金(円/kWh)というシンプルな式で概算できます。
目安単価31円/kWhで計算すると、料理1回あたりは数円〜20円程度、1ヶ月あたりでも数百円〜1,000円程度が一つの目安です。
火力が強いほど瞬間の消費電力は大きくなりますが、加熱時間が短くなるため、実際のコストは思ったほど大きくならないことも少なくありません。
鍋に合った火力を選ぶ、ふたや余熱を使うといった小さな工夫を積み重ねることで、無理なく電気代を抑えていきましょう。

