乾太くんが止まって「16」が点滅し、電源を入れ直しても反応がないまま送風だけが続いている。
壊れたのではないかと不安になりますが、これは機器内の異常過熱を検知してガスを止め、庫内を冷やすための運転に入っている状態です。
エラー16で表示されているのは故障の結果ではなく、温度が上がりすぎる前に機器が自ら停止したという事実になります。
公式に原因として挙げられているのは糸くずフィルターの詰まりと洗濯物の量という2点だけで、対処できる範囲がはっきりしているエラーでもあります。
この記事では、冷却運転の意味と待つべき時間、詰まりと量それぞれの見直し方、似た番号との切り分け、そして再運転できない場合の判断ラインまでを整理します。
エラー16は「機器内の異常過熱」を検知した表示
リンナイの公式情報では、16は機器内の異常過熱を検知したときに表示されるとされています。
原因として示されているのは次の2つです。
- 糸くずフィルターに布ぼこりが付いて詰まっている
- 洗濯物の量が多すぎる
そのうえで、糸くずフィルターを掃除すること、量が多い場合は減らして再運転することが案内されています。
また、異常過熱を検知したときはガスを止め、自動的に約20分間の冷却運転を開始する仕組みになっています。
冷却運転中の場合は、終了してから再運転する必要があります。
ここで注目したいのは、公式が挙げている原因が庫内側の2点に絞られている点です。
排気経路や吸気側まで広く原因が示されている番号もある中で、16は「ドラムの中で熱がこもっている」という状況を強く示唆する表示だと読み取れます。
確認する場所が絞れるぶん、対処もシンプルになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表示の意味 | 機器内の異常過熱を検知して停止した状態 |
| 公式に示されている原因 | 糸くずフィルターの詰まり/洗濯物の量が多すぎる |
| 検知時の動作 | ガスを止め、自動的に約20分間の冷却運転を開始 |
| 自分で対処できるか | 清掃と量の調整で復帰するケースが多い |
| 再運転できない場合 | 温度検知の部品などの不具合。点検・修理が必要 |
約20分の冷却運転は「待つ時間」
エラー16が出た直後にもっとも多い誤解が、「動かないから壊れた」という判断です。
実際には冷却運転が動いているため、この間はどう操作しても通常の運転には戻りません。
電源プラグを抜いて強制的に止めるのも避けてください。
熱がこもったまま送風が止まると、庫内の温度が下がりきらないまま放置されることになります。
冷却運転の約20分は、次の作業に使うと無駄がありません。
- 扉を開けて洗濯物を取り出す … 熱を逃がしつつ、量と入り方を確認します
- 糸くずフィルターを外して状態を見る … 表面だけでなくメッシュの奥を確認します
- 入れていた衣類の種類を思い返す … 風を通しにくいものが入っていなかったかを振り返ります
- 冷却終了を待ってから再運転する … 量を減らした状態で試します
焦げたようなにおいがする、庫内や排気から煙が見える、本体が異常に熱いといった症状がある場合は、冷却運転の終了を待たずにガス栓を閉め、再運転せずに連絡してください。
過熱を検知した表示は、温度が上がりすぎる手前で止まったことを意味しますが、においや煙を伴う場合はすでに何かが焦げている可能性があります。
量やフィルターの調整で様子を見る段階ではありません。
原因① 糸くずフィルターの詰まり
公式が最初に挙げているのがフィルターです。
乾太くんは高温の風を循環させて水分を飛ばすため、風が抜けなくなった瞬間に、熱の逃げ場がなくなります。
フィルターは風の出口にあたるので、ここが塞がると庫内の温度が一気に上がります。
「毎回掃除している」のに詰まるケース
相談として多いのが、毎回ほこりを取っているのにエラーが出るという状況です。
これはフィルターの見方が原因であることがあります。
- 表面の綿ぼこりを剥がしただけで、メッシュの目は開いていない
- 細かい繊維がメッシュに食い込み、乾いた状態では見えにくい
- フィルターを差し込む受け側の奥に繊維が溜まっている
- 柔軟剤の成分と繊維が混ざり、膜のように固着している
判断の目安になるのが、フィルターを光に透かしたときに向こう側が見えるかどうかです。
綿ぼこりを取った状態でも光が通らないなら、目が詰まっています。
その場合はぬるま湯で洗い、完全に乾かしてから戻してください。
濡れたまま装着すると、繊維が付着しやすくなり逆効果になります。
機種によってフィルターの形と位置が違う
乾太くんは長く販売されているため、機種によって糸くずフィルターの構造が異なります。
リンナイはRDT-93/63シリーズ、RDT-31/54/80/53/80シリーズ、RDTC-80/54S/60CT/90CTシリーズ、RDT-52Sシリーズというように、シリーズごとにお手入れ方法を分けて案内しています。
新しい機種に買い替えた場合や、入居時から設置されていた機種を使っている場合は、自分の型番がどれにあたるかを確認しておくと確実です。
また、糸くずフィルターに布ぼこりが溜まりすぎると、フィルター掃除ランプが点灯または点滅します。
リンナイは毎回の掃除を案内しており、ランプが点いてから掃除するのではなく、使うたびに取るのが前提の設計だと理解しておくとエラーを避けやすくなります。
原因② 洗濯物の量と入れ方
もうひとつの原因が量です。
ドラムの中で衣類が一塊になると、温風が全体に回らず、当たっている部分だけが高温になります。
乾燥ムラが出るだけでなく、局所的な温度上昇として検知されるため、量の調整は過熱対策として直接的に効きます。
量以外に、次のような衣類の性質も影響します。
| 入れているもの | 起きること |
|---|---|
| 防水・撥水加工のアウター | 風が通らず、表面に熱がこもる |
| ビニール素材を含む衣類 | 通気を妨げ、変形や溶着の原因にもなる |
| 厚手のマット・毛布 | 内部まで風が届かず、外側だけが加熱される |
| 脱水不足の洗濯物 | 乾燥時間が延び、加熱される時間そのものが長くなる |
対策はシンプルで、乾燥容量の7〜8割を目安にし、風を通しにくいものは入れないことです。
また、洗濯機側で脱水をしっかりかけておくと、乾燥にかかる時間が短くなり、熱がこもる時間も短くなります。
シーツやカバー類は他の衣類を巻き込んで塊になりやすいため、軽くほぐしてから入れると風が通りやすくなります。
05・14・32・90との切り分け方
乾太くんには過熱や詰まりに関する表示が複数あり、ここが読者にとってもっとも分かりにくい部分です。
違いは「機器がどこを見て、公式がどこを原因として挙げているか」にあります。
| コード | 検知している内容 | 公式が挙げる主な原因 |
|---|---|---|
| 05 | フィルター詰まりの検知 | 糸くずフィルター・吸気フィルター・排湿吹出口 |
| 14 | 安全装置の作動(燃焼用空気の不足) | 通気経路の詰まり・洗濯物の量 |
| 16 | 機器内の異常過熱 | 糸くずフィルター・洗濯物の量 |
| 32 | 安全装置の作動 | 糸くず・吸気フィルター・洗濯物の量 |
| 90 | 過熱防止装置の作動 | 排気部の閉塞・糸くず/吸気フィルター |
注目したいのは、16だけが屋外の排湿吹出口や吸気フィルターに触れていないという点です。
つまり16は、まず庫内側から確認すればよい表示だと判断できます。
逆に、フィルターを掃除して量も減らしたのに16が出続ける場合は、公式の原因から外れているということなので、機器側の可能性が高まります。
排気側の閉塞が疑われる場合の確認箇所は乾太くんのエラー90が表示されたら|原因・自分でできる対処法と修理の判断基準、フィルターより先の通気経路については乾太くんのエラー05の原因と対処法を解説!フィルターだけじゃない“見落としがちな詰まり”とは?で扱っています。
番号ごとの全体像はリンナイ 乾燥機のエラーコード一覧|乾太くんが止まったときの原因と正しい判断基準にまとめています。
冷却運転後も再運転できないとき
公式には、再運転ができない場合は温度検知の部品などに不具合が発生していると思われ、機器の点検・修理が必要だとされています。
乾太くんは複数の温度センサーで庫内や排気の温度を監視しており、センサーや基板が正しく働かなくなると、実際には過熱していなくても異常として検知されることがあります。
判断は次のように整理できます。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| フィルター清掃と量の調整で復帰した | 原因は使用側。清掃の頻度を見直す |
| 数回に1回の頻度で出る | 詰まりが進行中、または量が限界付近 |
| 掃除して量を半分にしても出る | 公式の原因から外れており、点検が前提 |
| 冷却運転後も再運転できない | 温度検知の部品などの不具合。修理が必要 |
| におい・煙・異常な熱さを伴う | ただちに使用を中止して連絡する |
修理費用は交換する部品や設置状況によって変わり、訪問した場合は修理を行わなくても出張費や診断料が発生します。
使用年数が8年を超えた機器でセンサーや基板の交換が必要になった場合は、修理と交換を並べて比べる段階です。
その判断軸は乾太くんの寿命は何年?耐用年数・保証内容・長く使うための管理ポイントで整理しています。
過熱を繰り返すと何が起きるか
エラー16が出ても、量を減らせばその日は動く。
そのため、根本の詰まりを解消しないまま使い続けてしまうケースがあります。
しかし過熱状態に近づく運転を繰り返すことは、機器にとって負担の積み重ねです。
- 温度を検知する部品が高温にさらされ続ける
- 庫内やドラム周辺に熱による劣化が進む
- 通気が悪い状態での運転が続き、乾燥時間が延びてガス代も増える
- 衣類側も高温にさらされ、縮みや傷みが出やすくなる
止まる回数が増えてきた、乾燥時間が以前より明らかに長いという変化は、詰まりが進行しているサインです。
エラーが出る前の段階で通気を回復させておけば、部品交換に至る前に済ませられます。
連続で回しているときに出やすくなる理由
エラー16は、同じ使い方でもタイミングによって出たり出なかったりします。
その差を生みやすいのが連続運転です。
乾燥が終わった直後の乾太くんは、庫内もダクトもまだ熱を持っています。
そこへ次の洗濯物をすぐに入れて運転を始めると、冷めきっていない状態からさらに加熱することになり、上限に達するまでの余裕が減ります。
家族の人数が多く1日に2回、3回と回している家庭で、3回目にだけエラーが出るというのは典型的な現れ方です。
同じ理由で、次のような条件も過熱側に働きます。
- 夏場で脱衣所そのものの室温が高い
- 洗濯機の脱水が弱く、乾燥時間が長引いている
- 厚手のものと薄手のものを混ぜず、厚手だけをまとめて入れている
- 乾燥の途中で扉を開け閉めし、そのたびに温度制御が乱れている
連続で使う場合は、運転と運転の間に少し間隔を空けるだけでも条件が変わります。
終了ブザーのあとも冷却のために動いているので、その動作が終わってから次を始めると安定しやすくなります。
フィルター以外で庫内に熱がこもる要因
公式が挙げているのは糸くずフィルターと量ですが、庫内側にはもう少し確認できる箇所があります。
- ドラム内壁やリフターへの繊維の付着 … 目視で白い綿状のものが残っていないか確認します
- ドラム奥の通気部 … 手前からは見えにくく、ほこりが薄く張り付いていることがあります
- 小物乾燥棚を使った運転 … 棚を入れると庫内の風の流れが変わるため、併用時にだけ症状が出ることがあります
- 扉のパッキンに挟まった衣類 … わずかな隙間でも風の流れが乱れます
ドラム内壁の変色そのものは、乾燥中に発生したほこりが付着して起こるもので異常ではありませんが、綿状のほこりが残っている状態は通気を妨げます。
乾いた布で拭き取れる範囲は、フィルター掃除のついでに落としておくと効果があります。
一方、分解しないと届かない内部の堆積はユーザーでは対処できないため、清掃しても改善しない場合は点検の対象になります。
エラー16を繰り返さないために
| タイミング | やること |
|---|---|
| 使用のたび | 糸くずフィルターのほこりを取る |
| 月1回 | フィルターをぬるま湯で洗い、受け側も掃除機で吸う |
| 運転のたび | 容量の7〜8割を目安にし、風を通さない衣類を外す |
| 洗濯のたび | 脱水をしっかりかけてから乾燥に回す |
フィルターは消耗品でもあります。
繰り返し洗ううちにメッシュが伸びたり、破れが生じたりした場合は、掃除では通気が戻りません。
破損している場合は交換を検討してください。
よくある質問
Q1. エラー16が出て動きません。故障ですか?
A. 異常過熱を検知すると、機器はガスを止めて自動的に約20分間の冷却運転を開始します。この間は通常の運転に戻せないため、動かないように見えますが故障ではありません。冷却運転が終わるのを待ち、糸くずフィルターを掃除し、洗濯物の量を減らしたうえで再運転してください。冷却後も再運転できない場合は、温度検知の部品などに不具合がある可能性があります。
Q2. 冷却運転の途中で電源を切ってもいいですか?
A. 避けてください。冷却運転は庫内にこもった熱を逃がすための動作で、途中で電源プラグを抜くと温度が下がりきらないまま止まることになります。機器にも衣類にも良い状態ではありません。約20分という時間は、洗濯物を取り出したりフィルターの状態を確認したりする時間として使うと無駄がありません。
Q3. 毎回フィルターを掃除しているのに16が出ます。
A. 表面の綿ぼこりを取っただけでは、メッシュの目が開いていないことがあります。光に透かして向こう側が見えるかを確認し、見えない場合はぬるま湯で洗って完全に乾かしてから戻してください。フィルターを差し込む受け側の奥に繊維が溜まっているケースもあります。それでも改善しない場合は、洗濯物の量や種類を見直してみてください。
Q4. 洗濯物をどのくらい減らせばいいですか?
A. 原因が量かどうかを切り分けるため、最初は半分程度まで減らして試すと判断しやすくなります。日常的には乾燥容量の7〜8割が目安です。また、量だけでなく種類も影響します。防水・撥水加工のアウターやビニール素材を含むものは風を通さず、熱がこもる原因になるため、乾燥機には入れないでください。
Q5. 16と90はどう違うのですか?
A. どちらも熱に関係する表示ですが、公式が挙げている原因の範囲が異なります。16は糸くずフィルターの詰まりと洗濯物の量という庫内側の2点、90は排気部の閉塞を含めた排気側にも及びます。そのため16では庫内側から、90では屋外の排湿吹出口まで含めて確認するという順序の違いが生まれます。どちらも清掃と量の調整で復帰する場合がありますが、再発するなら点検が前提です。
まとめ:エラー16は庫内側から確認すれば足りる
乾太くんのエラー16は、機器内の異常過熱を検知してガスを止め、約20分間の冷却運転に入った状態を示す表示です。
公式に示されている原因は糸くずフィルターの詰まりと洗濯物の量という2点で、確認する場所がはっきりしています。
判断の流れは次のとおりです。
- 冷却運転が終わるのを待つ。途中で電源を抜かない
- 糸くずフィルターを光に透かして確認し、詰まっていれば洗って乾かす
- 洗濯物を半分程度に減らし、風を通さない衣類は外して再運転する
- それでも出る、または冷却後に再運転できない場合は点検に切り替える
- におい・煙・異常な熱さを伴う場合は、確認より先に使用を中止する
止まったということは、危険な温度に達する前に機器が判断したということです。
その判断を無視して運転を重ねるより、通気と量という自分で変えられる条件を整えるほうが、結果として機器も衣類も長持ちします。
表示された番号を手がかりに、庫内側から順に確認してみてください。

