設定した温度のお湯が出てこない、あるいは水しか出てこない。
リモコンには「P00」や「P20」といったコードが表示されている。
そんな状態で、修理を呼ぶしかないのかと考えていませんか。
このグループのコードは、お湯と水を混ぜて温度を作る混合弁に関するものです。
ただし、公式が挙げている原因は部品の不具合だけではありません。
止水栓が閉じているだけ、冬期に配管が凍っているだけという、故障ではないケースも含まれています。
この記事では、コードの見分け方から、自分で確認できる2つのポイント、点検を依頼すべき状況までを順に整理します。
6つのコードは2つのグループに分かれる
三菱電機の公式FAQでは、次のように分けて案内されています。
| 表示 | 意味 | 影響が出る場所 |
|---|---|---|
| P00・P10・P11 | ふろ用電動混合弁異常 | 浴槽への湯はり |
| P01・P20・P21 | 給湯用電動混合弁異常 | 蛇口・シャワー |
エコキュートには混合弁が2つあり、それぞれ別の役割を持っています。
だからこそ、どちらが使えないかで、表示されているコードの見当がつきます。
- 蛇口やシャワーは普通に使えるのに、湯はりだけ温度が合わない → ふろ用(P00・P10・P11)
- 湯はりは問題ないのに、蛇口やシャワーの温度が合わない → 給湯用(P01・P20・P21)
混合弁が何をしている部品か
貯湯タンクの中には、90度近い高温のお湯が貯められています。
このまま蛇口から出せば危険なので、水道水と混ぜて設定温度まで下げてから送り出しています。
その混ぜる比率を調整しているのが混合弁です。
電動で開度を変えながら、温度センサーの値を見て細かく制御しています。
この仕組みが成り立つには、タンクの高温水と、混ぜるための水道水の両方が届いている必要があります。
どちらかが来ていなければ、弁がどう動いても設定温度は作れません。
公式が挙げる原因が3つあるのは、このためです。
公式が挙げる3つの原因
P00・P10・P11、P01・P20・P21のいずれも、案内されている内容は共通しています。
| 原因 | 内容 | 故障かどうか |
|---|---|---|
| 混合弁の部品不具合 | 温度を調節する部品が正常に動いていない | 故障 |
| 給水配管専用止水栓が閉じている | タンクに水道水が届いていない | 故障ではない |
| 冬期の給水配管の凍結 | 凍結により貯湯ユニットに給水されない | 故障ではない |
3つのうち2つは、部品が壊れているわけではありません。
点検を依頼する前に、この2つを確認しておく価値があります。
確認1|給水配管専用止水栓が開いているか
貯湯ユニットへ水道水を送る配管に付いている栓です。
これが閉じているとタンクに水が入らず、混ぜる相手がいない状態になります。
閉まっている心当たりとして多いのは次のような場面です。
- 水道工事や水まわりのリフォームの直後
- エコキュート本体の点検や修理を受けた直後
- 別のエラーへの対処で自分または家族が閉じた
- 断水の前後に閉めて、戻し忘れている
止水栓の位置は貯湯ユニットの下部や側面にあることが多いのですが、設置状況によって異なります。
場所がわからない場合は、据付工事を行った販売店に問い合わせてください。
なお、蛇口から普通にお湯が出ているのであれば、止水栓は開いていると判断できます。
この場合はこの原因を外して考えて構いません。
確認2|冬期の給水配管の凍結
外気温が氷点下まで下がった朝に表示された場合、給水配管の凍結が疑われます。
凍結していれば、やはりタンクに水道水が届きません。
見分け方として、台所や洗面所の水道そのものが出るかどうかを確認してください。
| 確認結果 | 考えられること |
|---|---|
| 家中の水道が出ない | 宅内の水道配管が凍結している |
| 水道は出るが、お湯だけ出ない | エコキュートの給水配管側が凍結している可能性 |
| 水もお湯も普通に出る | 凍結以外の原因を疑う |
対処は、気温が上がって自然に解凍するのを待つことです。
解凍後にエラー解除を行えば、そのまま使えるようになることがあります。
凍結した配管に熱湯をかけるのは避けてください。急激な温度変化で配管や継手が破損する恐れがあり、跳ね返った熱湯によるやけどの危険もあります。
毎年のように凍結でエラーが出る場合は、設置状態の見直しが必要なこともあります。
公式でも、凍結が心配される地域の方は販売店に凍結対策を相談するよう案内されています。
部品不具合だった場合に出る症状
止水栓も凍結も問題ないなら、混合弁側の不具合が疑われます。
この場合、次のような症状を伴うことがあります。
- 設定温度にしているのに、ぬるいお湯しか出ない
- ほとんど水のままで温まらない
- 温度が安定せず、途中で急に変わる
温度を調節する部品が正常に動いていない状態なので、逆に設定より高い温度のお湯が出る可能性もあります。使う前に必ず手で湯温を確かめ、小さなお子さまや高齢の方が先に触れないよう注意してください。
お湯の温度や勢いが不安定になる症状は、混合弁以外の要因でも起こります。
機器の特性による部分についてはエコキュートの水圧が弱い原因と対処法とは?|シャワーを強くする5つの方法で整理していますので、切り分けの参考にしてください。
確認の順番をまとめると
上から順に見ていけば、点検が必要かどうかの見当がつきます。
| 順番 | 確認すること | 結果の読み方 |
|---|---|---|
| 1 | 湯はりと蛇口のどちらが使えないか | コードのグループが絞れる |
| 2 | 家中の水道が出るか | 出なければ宅内配管の凍結 |
| 3 | 給水配管専用止水栓が開いているか | 閉じていれば開けて様子を見る |
| 4 | 外気温が氷点下だったか | 解凍を待つ余地がある |
| 5 | 上記すべて問題なし | 混合弁の不具合。点検を依頼する |
点検を依頼するときに伝えること
- 表示されているコード
- 湯はりと蛇口のどちらが使えないか
- 最初に出た日と、その日の気温
- 直前に水道工事や機器の点検を受けていないか
- 貯湯ユニット正面の形名表示と製造年
連絡先は、据付直後であれば据付工事を行った販売店、長く使えていた機器であれば販売店またはメーカーの修理受付窓口です。
なお、同じエラー表示でもCから始まるコードは屋外のヒートポンプユニット側に関わるもので、系統が違います。
たとえば三菱エコキュート エラーC21の詳しい解説で扱っているC21は、お湯を沸かす工程そのものに関わるコードです。
修理と交換の判断
混合弁の交換は、部品さえあれば1回の訪問で終わることが多い修理です。
判断が分かれるのは、設置からの年数です。
設置から10年前後が経過していると、補修用部品の入手が難しくなり、修理そのものを受けられないことがあります。
また、混合弁と連動する温度センサー側も同時期に劣化していることが多く、直した直後に別のコードが表示されることもあります。
修理費用と交換費用を並べて比較する考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングで整理していますので、見積もりが出たタイミングで参考にしてください。
よくある質問
Q1.P00が出ていますが、シャワーは普通に使えます。故障ですか。
P00はふろ用の混合弁に関するコードなので、給湯側が正常なのは矛盾しません。
浴槽への湯はりだけができない状態です。
シャワーや蛇口からお湯を汲んで浴槽に張れば、当面はしのげます。
ただし自然に直るものではないため、止水栓と凍結を確認したうえで点検を依頼してください。
Q2.止水栓を開けたらエラーが消えました。このまま使っていいですか。
止水栓が閉じていたことが原因であれば、そのまま使用して問題ありません。
ただし、なぜ閉じていたのかは確認しておいてください。
誰も触っていないのに閉じていた場合や、開けてもしばらくして同じコードが出る場合は、別の原因が隠れている可能性があります。
再発するようなら点検を依頼してください。
Q3.凍結が原因の場合、どれくらい待てば直りますか。
気温や配管の状態によって変わるため、一律の時間は示せません。
日中に気温がプラスまで上がる地域であれば、その日のうちに解消することが多いでしょう。
一日中氷点下が続く環境では、解凍を待てないこともあります。
その場合は販売店に相談してください。熱湯をかけるような方法は取らないでください。
Q4.エラー解除をすれば使えますか。
止水栓や凍結が原因で、その状態が解消しているなら復帰することがあります。
一方、混合弁の不具合が原因の場合は、解除しても使い始めた時点で再表示します。
解除の可否や手順は機種によって異なるため、取扱説明書を確認するか販売店に相談してください。
解除する前に、表示されていたコードを控えておいてください。
Q5.P00とP10とP11はどう違うのですか。
公式FAQでは3つとも「ふろ用電動混合弁異常」として、同じ内容で案内されています。
検知の条件や機種による違いで表示が分かれていると考えられますが、確認すべきことと対処の流れは共通です。
P01・P20・P21についても同様に、3つまとめて「給湯用電動混合弁異常」として案内されています。
番号の違いを気にするより、湯はり側か給湯側かを押さえるほうが実用的です。
まとめ
P00・P10・P11は湯はり側、P01・P20・P21は蛇口やシャワー側の混合弁に関するコードです。
どちらも、点検を呼ぶ前に確認できることがあります。
- どちらの機能が使えないかで、コードのグループが絞れる
- 給水配管専用止水栓が閉じていないか確認する
- 冬期なら、家中の水道が出るかで凍結の範囲を切り分ける
- 凍結なら解凍を待つ。熱湯はかけない
- 止水栓も凍結も問題なければ、混合弁の不具合として点検を依頼する
- 温度調節が効いていない状態なので、使う前に手で湯温を確かめる
故障ではない原因が公式に明記されている、珍しいグループです。
まずは止水栓と水道の状態を確認するところから始めてください。

