シャワーもキッチンのお湯も問題なく使えるのに、床暖房を入れても温まらない。
リモコンを見ると「763」が表示されている。
このコードは、熱源機と暖房端末のあいだで通信が成立していないことを示しています。
お湯をつくる機能そのものは生きているため、給湯が使えることと矛盾しません。
この記事では、763が示す内容、暖房が動かない他のコードとの切り分け、連絡先の考え方、そして修理と交換の目安までを整理します。
763は「端末と話せていない」状態
給湯暖房機(DHシリーズ)は、お湯をつくる熱源機と、実際に部屋を暖める端末が分かれた構成になっています。
- 熱源機:ガスで水を温め、暖房用の温水をつくって送り出す
- 暖房端末:床暖房のパネル、浴室暖房乾燥機など、送られた熱を使う側
この2つは温水の配管でつながっているだけでなく、信号のやり取りでも連携しています。
床暖房のリモコンで運転を指示すると、その信号が熱源機に届き、熱源機が必要な温度の温水を送り出すという流れです。
パロマがこのコードに与えている内容は「端末(浴室暖房・床暖房)との通信異常」で、確認先として浴室暖房本体、床暖房リモコン、熱源機の電装基板が挙げられています。
つまり原因は、端末側・通信線・熱源機側のいずれかにあり、表示だけでは特定できません。
暖房が動かない他のコードとの違い
床暖房や浴室暖房が使えないときに出るコードは複数あります。
番号によって原因の場所がまったく変わるため、まず表示を正確に確認してください。
| コード | 内容 | 原因の場所 |
|---|---|---|
| 763 | 端末との通信異常 | 端末、通信線、熱源機の基板 |
| 113 | ふろ・暖房の点火不良 | 暖房側のイグナイタ、フレームロッド、ガス電磁弁 |
| 123 | ふろ・暖房の立ち消え | 燃焼が途中で止まった |
| 993 | 暖房ファン送風量低下(機器停止) | 給排気の閉塞、ファンの汚れ |
| 613 | 暖房ファン故障 | ファンモーター |
| 043・173・543 | 暖房水の不足・漏水 | 暖房回路のどこか |
| 313・323 | 暖房サーミスタ断線 | 温度センサ |
| 523 | 暖房ガス比例弁回路の異常 | 比例弁、電装基板 |
763だけは「燃焼に入る前の段階」という点が他と異なります。
他のコードは温水をつくる過程での不具合ですが、763は運転の指示自体が届いていない状態です。
そのため熱源機側では何も異常が起きていないこともあります。
通信が途切れる原因
| 原因 | 起きていること |
|---|---|
| 通信線の断線・接触不良 | 経年劣化、施工時の傷、増改築工事での損傷 |
| 端子部の緩み・腐食 | 接続部に湿気が入り、接点が酸化した |
| 浴室暖房乾燥機側の不具合 | 端末本体の基板やスイッチの故障 |
| 床暖房リモコンの故障 | 操作パネル側の劣化 |
| 熱源機の電装基板 | 通信を受け取る側の回路の不具合 |
| 落雷によるサージ | 近隣への落雷で基板や端末が損傷した |
| 小動物による配線の損傷 | 天井裏や床下で配線がかじられた |
通信線は天井裏や壁の中を通っていることが多く、目視で確認できません。
リフォームや増築の直後に症状が出た場合は、工事の際に損傷した可能性があります。
発覚しやすいのは冬の入り口
暖房系のコードは、シーズンの初めに気づくことがほとんどです。
- 秋に初めて床暖房を入れたら動かなかった
- 寒くなって浴室暖房を使おうとしたら反応しない
- 前のシーズンは問題なく使えていた
半年以上使っていない機能は、不具合があっても表面化しません。
夏の間に落雷があった、リフォームをした、といった出来事が原因でも、気づくのは冬になってからです。
寒くなる2〜3週間前に一度試運転しておくと、本格的に冷え込む前に手配できます。
暖房のシーズンに入ってからでは、業者の繁忙期と重なって日程が取りにくくなります。
家庭で確認できること
- 給湯(シャワー・台所)は問題なく使えるか確認する
- 床暖房と浴室暖房のどちらが動かないか、両方かを把握する
- 端末側のリモコンに表示が出ているか確認する
- 熱源機の電源プラグを抜き、数分待ってから差し直す
- 分電盤のブレーカーが落ちていないか確認する
- 直前に落雷、停電、リフォーム工事がなかったか思い出す
床暖房と浴室暖房の片方だけが動かない場合、その端末側またはその系統の配線に原因がある可能性が高くなります。
両方とも動かない場合は、熱源機側や共通部分が疑われます。
この切り分けは業者に伝える情報としても有効です。
一方、次の作業は行わないでください。
- 熱源機の前面カバーを外して内部を確認する(ガス配管や電装部があり、感電やガス漏れのおそれがあります)
- 天井裏や床下に入って配線を触る
- 浴室暖房乾燥機を分解する
- 表示が消えるまで電源の抜き差しを繰り返す
窓口が分かれることがある
このコードで注意したいのが、連絡先です。
熱源機と暖房端末は別々の製品で、住宅の建築時にまとめて設置されているケースが多くなります。
そのため熱源機と浴室暖房乾燥機で、修理を受け付ける窓口が違うことがあります。
原因が端末側にあれば端末の窓口、熱源機側にあれば熱源機の窓口という切り分けになりますが、763の時点ではどちらか分かりません。
迷う場合は、まず契約しているガス会社か、設置を担当した住宅会社・工務店に相談すると整理してもらえます。
賃貸住宅であれば、管理会社への連絡が先になります。
業者に連絡するときに伝えること
- 熱源機の型番(本体前面の銀色の銘板に記載。DH-で始まります)
- 浴室暖房乾燥機がある場合はその型番
- 設置してからの年数
- 表示されたコード(763か、113・993・043ではないか)
- 給湯は問題なく使えるか
- 床暖房と浴室暖房のどちらが動かないか、両方か
- 前のシーズンは使えていたか
- 落雷、停電、リフォーム工事の心当たり
「給湯は正常」「片方の端末だけ動かない」といった情報は、原因の場所を絞る材料になります。
暖房が動かない原因は通信異常だけではありません。
点火不良のコードが表示されている場合は、パロマ給湯器のエラー11・111|点火不良の原因と自分で確認できることもあわせてご覧ください。
修理で足りるか、交換を考えるか
パロマは給湯器の設計上の標準使用期間を10年としており、使用開始から9〜11年が経過した時点で点検を受けることをすすめています。
修理用の部品は製造終了から7年間(BL認定部品は10年間)保有されるとされています。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 端子の緩みや接触不良が原因 | 手直しで解決することがある |
| 端末側の部品交換で済む | 端末の窓口で対応。熱源機は触らずに済む |
| 通信線の断線 | 配線の引き直しになり、内装工事を伴うことがある |
| 熱源機の電装基板が原因 | 部品代が大きい。年数によっては本体交換と比較する |
| 設置から10年以上 | 熱源機と端末の両方が同時期に劣化している |
判断が難しいのは、熱源機を交換しても端末側が原因なら解決しない点です。
逆に端末を新しくしても、熱源機の基板が原因であれば同じ表示が続きます。
点検を依頼するときは、まず原因がどちら側にあるかの切り分けを優先してもらってください。
そのうえで、修理の範囲と費用を確認する流れになります。
実際の費用は設置条件や原因の場所で大きく変わるため、内訳の分かる見積もりを求めてください。
10年前後で表示される点検時期のお知らせについては、パロマ給湯器のエラー888(88)で解説しています。
パロマのコード全体の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧にまとめています。
よくある質問
Q1. お湯は普通に出るのに床暖房だけ動きません。給湯器の故障ですか?
給湯と暖房は別の系統で動いているため、この状態は珍しくありません。
763は熱源機と暖房端末のあいだで通信が成立していないことを示すコードで、お湯をつくる機能そのものは生きています。
原因は端末側、通信線、熱源機の基板のいずれかにあります。
表示だけでは特定できないため、点検を依頼してください。
Q2. 763と113はどう違うのですか?
原因の場所が違います。
763は運転の指示が熱源機に届いていない通信の問題で、燃焼に入る前の段階です。
113は暖房側で火がつかなかったという点火不良で、燃焼の過程で起きています。
どちらも「暖房が動かない」という同じ症状になりますが、確認する場所がまったく異なるため、番号を正確に読み取ってください。
Q3. 床暖房は動くのに浴室暖房だけ効きません。
浴室暖房乾燥機側またはその系統の配線に原因がある可能性が高い状態です。
床暖房が正常に動いているのであれば、熱源機と通信できていること自体は確認できています。
浴室暖房乾燥機は熱源機とは別の製品で、修理の窓口が分かれていることもあります。
どちらが動かないかを明確に伝えたうえで、まずガス会社や設置を担当した住宅会社に相談してみてください。
Q4. 秋に初めて暖房を使ったら763が出ました。夏の間に壊れたのでしょうか?
夏の間に何かが起きていた可能性はありますが、使っていなかったために気づかなかっただけとも考えられます。
暖房系の不具合は半年以上使わない期間があるため、シーズン初めに発覚するのが一般的です。
落雷やリフォーム工事の心当たりがあれば、業者に伝えてください。
毎年、寒くなる2〜3週間前に試運転しておくと、慌てずに手配できます。
Q5. 熱源機を交換すれば直りますか?
原因が熱源機側にある場合に限られます。
763は端末側、通信線、熱源機の基板のいずれかが原因となるコードで、端末や配線が原因であれば熱源機を新しくしても解決しません。
費用をかけたのに症状が変わらないという事態を避けるため、まず原因の切り分けを優先してもらってください。
そのうえで、修理の範囲と費用を確認して判断することをおすすめします。
まとめ
パロマの給湯暖房機で763が出たときの要点です。
- 763は熱源機と暖房端末のあいだで通信が成立していない状態
- 給湯は別系統のため、シャワーが使えることと矛盾しない
- 原因は端末側、通信線、熱源機の電装基板のいずれか
- 113は点火不良、993は送風量低下、043は暖房水不足と、原因の場所が異なる
- 床暖房と浴室暖房のどちらが動かないかで、原因の場所を絞り込める
- 熱源機と端末で修理の窓口が分かれることがある
- 熱源機を交換しても、端末側が原因なら解決しない
まず原因がどちら側にあるかの切り分けを依頼してください。
そこが決まらないまま機器を交換すると、費用が無駄になることがあります。

