リモコンにH32やH34、H48といった表示が出て、どこが悪いのか分からず困っていませんか。
これらのコードは番号こそ違いますが、いずれも温度を測るサーミスターという部品の異常を示すものとして案内されており、対応の流れはほぼ共通しています。
違うのは「どこの温度を測っている部品か」という一点で、それがコードごとに割り振られています。
この記事では、番号と測定場所の対応を一覧で整理したうえで、症状の現れ方、利用者ができるリセットの範囲、点検までの安全な使い方、そして業者に伝えるべき情報までを解説します。
どのコードが、どこの温度を測っているか
| 表示 | 測っている場所 |
|---|---|
| H32 | 給水の温度 |
| H33 | 浴そうのお湯の温度 |
| H34 | 給湯の温度 |
| H35 | タンク上部の残湯温度(高温を検出) |
| H37 | ふろへ送るお湯の温度 |
| H39 | 追いだきの温度 |
| H45 | 追いだき熱交換器の温度 |
| H46 | 中間の温度 |
| H47 | 暖房熱交換器の温度 |
| H48 | 暖房の往き温度 |
| H50 | 暖房の戻り温度 |
| H89 | 給湯サブ側の温度 |
このうちH47・H48・H50は暖房回路に関わるため、温水暖房の機能を備えた機種で表示されます。
なお、表示の意味や条件は機種によって異なるため、お使いの機種の取扱説明書に記載がある場合はそちらが優先です。
エラーコード全体の分類を確認したい場合は、パナソニック エコキュート エラーコード一覧|原因と対処法を簡単解説もあわせてご覧ください。
サーミスターとは何をしている部品か
サーミスターは、温度によって電気の流れにくさが変わる性質を利用した温度センサーです。
エコキュートは、水温・湯温・熱交換器の温度などを常に測りながら、混合弁の開き具合やポンプの動きを細かく調整しています。
つまり、この部品が正しく測れていないと、機器はいま何度のお湯を作っているのか分からないまま動くことになります。
安全に関わるため、断線や短絡を検知した時点で運転を止める仕組みになっています。
「断線・短絡」と「読みがおかしい」は別
同じサーミスター系でも、検知のされ方には2種類あります。
| 種類 | 内容 | 該当する例 |
|---|---|---|
| 断線・短絡 | 電気的につながっていない、または短絡している | H32、H33、H34、H37、H39、H45、H46、H47、H48、H50、H89 |
| 温度の読みが異常 | 数値は返ってくるが、ありえない値になっている | H35、H30、H69 |
H30は暖房の戻り温度が往き温度を一定時間上回った状態、H69は暖房の往き温度が高温を継続して検出した状態として案内されています。
どちらも配線やサーミスターの交換が対応の中心で、断線の場合と流れは変わりません。
利用者としては、いずれも温度を測る系統の問題とまとめて理解しておけば十分です。
症状の現れ方
コードが表示される前後で、次のような症状に気づくことがあります。
- 給湯温度が安定せず、ぬるくなったり熱くなったりする
- 設定温度どおりのお湯が出ない
- 追いだきや保温が途中で止まる
- 沸き上げが始まらない、または途中で停止する
- 暖房が立ち上がらない(暖房系のコードの場合)
ここで注意したいのが湯温です。
温度の検知が正しくない状態では、設定より高温のお湯が出るおそれがあります。
手や体にかける前に、必ず温度を確かめてください。
小さな子どもや高齢の家族がいる家庭では、点検が済むまで給湯温度の設定を低めにしておくと安全です。
利用者ができるのはリセットまで
一時的な検知の乱れであれば、電源の入れ直しで復旧することがあります。
- 運転を止める
- 貯湯ユニットの漏電しゃ断器を「切」にする
- 約1分待つ
- 漏電しゃ断器を「入」に戻す
- 表示が消えるか、運転が正常に動くかを確認する
ここで復旧しない場合、自分でできることはありません。
貯湯ユニットのカバーを開けて、サーミスターやコネクタ、配線に触れないでください。
内部には200Vの電圧がかかる部分があり、感電やショートのおそれがあります。
表示が消えない場合、取扱説明書では、給水元栓を閉め、配線用しゃ断器と貯湯ユニットの漏電しゃ断器を「切」にしたうえで販売店に連絡するよう案内されています。
ただし冬季は例外で、凍結のおそれがある時期はしゃ断器や凍結予防ヒーターを切らずに連絡してください。
出やすい背景
| 背景 | 起こりやすい状況 |
|---|---|
| コネクタやリード線の抜け | 設置・移設の直後、別件の修理を受けた直後 |
| 経年による劣化 | 設置から10年前後が経過した機器 |
| 結露や水分の影響 | 設置環境の湿気、内部での結露 |
| 落雷・停電 | 雷雨のあと、瞬時電圧低下のあと |
設置や修理の直後に表示が出た場合は、作業時の接続に起因している可能性があります。
その場合はメーカー修理を新たに呼ぶ前に、直前に作業した施工店や修理担当へ連絡したほうが話が早く進みます。
点検までの間の使い方
給湯が使えるのであれば、次のように運用すれば生活は続けられます。
- 給湯温度の設定を低めにして、必ず手で温度を確かめてから使う
- 自動保温や追いだきは控え、必要なら足し湯で調整する
- 湯量が安定しない日は、浴そうへ蛇口から直接ためる
- 残湯量表示の増減がおかしくないか、毎日確認する
蛇口からお湯そのものが出ていない場合は、原因が温度の検知だけにとどまっていない可能性があります。
その切り分け方はオール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説で整理しています。
業者に伝えること
- リモコンに表示されているコード(番号をそのまま)
- 湯温、湯量、沸き上げのどこに症状が出ているか
- 表示が出る前の出来事(落雷、停電、移設、別件の修理など)
- しゃ断器を入れ直した結果と、その後の再発の有無
- 機器の品番と設置年
サーミスター系のコードは、番号を伝えるだけで交換すべき部品がほぼ特定できるのが特徴です。
そのため、番号を正確に控えておくと、訪問時に部品を持参してもらえる可能性が高まり、修理が一度で終わりやすくなります。
修理と交換の考え方
サーミスターは、部品としては小さく、単体の交換で収まることが多い部類です。
一方で、訪問と作業の費用は他の修理と変わらないため、部品代よりも作業費の比重が大きくなります。
気をつけたいのは、複数のサーミスターが立て続けに不具合を起こす場合です。
同じ時期に取り付けられた部品が同じように劣化していることを意味するため、その後も別のコードが出る可能性があります。
設置から10年前後が経過しているなら、修理を重ねるより交換を検討したほうが結果的に無駄が少ないこともあります。
判断の目安はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
よくある質問
Q1.番号が違うと、故障の重さも違うのですか。
A.番号は測っている場所を表しているだけで、重さの順位ではありません。給水側か給湯側か、ふろ側か暖房側かという違いです。ただし、どの場所のセンサーかによって使えなくなる機能は変わります。給湯側であればお湯の温度全般に、ふろ側であれば追いだきや保温に影響が出る、という見方をすると分かりやすくなります。
Q2.表示が出ましたが、お湯は普通に使えています。修理は必要ですか。
A.必要です。温度の検知が正しくない状態では、設定より高温のお湯が出るおそれがあり、やけどにつながる可能性があります。また、機器はセンサーの値をもとに制御しているため、正しくない値のまま運転を続けると他の部品にも負担がかかります。使えているうちに点検の日程を調整しておくのが安全です。
Q3.リセットしたら消えました。放置してもよいですか。
A.一度で収まるケースもありますが、コネクタの緩みや部品の劣化が背景にある場合は再発します。消えた場合でも、いつ表示が出たかを記録しておいてください。同じコードが繰り返し出る、あるいは別の番号が続けて出るようであれば、部品の劣化が進んでいるサインなので点検を依頼しましょう。
Q4.コネクタの抜けが原因なら、自分で挿し直せませんか。
A.避けてください。本体内部には200Vの電圧がかかる部分があり、感電やショートの危険があります。サーミスターは細い配線でつながっており、無理に触れると断線させてしまうこともあります。原因がコネクタだったとしても、点検と修理は販売店またはメーカーの修理窓口へ依頼してください。
Q5.修理費用はどれくらいかかりますか。
A.部品と作業内容によって幅があるため、点検を受けたうえで見積もりを確認してください。サーミスター単体の交換であれば、部品代より訪問と作業の費用が中心になります。設置から10年前後であれば、その場の修理費用だけでなく、今後想定される他の部品の交換も含めて、本体交換と比較して判断するのが現実的です。
まとめ
H32からH89までのサーミスター系のコードは、いずれも温度を測る部品の異常を知らせる表示で、番号は測定している場所を表しています。
利用者ができるのは、漏電しゃ断器を約1分「切」にして入れ直すところまでで、カバーを開けて配線に触れるのは避けてください。
温度の検知が正しくない状態では設定より高温のお湯が出るおそれがあるため、点検までは給湯温度を低めにし、必ず手で確かめてから使ってください。
連絡の際は表示されている番号を正確に伝えると、交換部品が特定でき、修理が一度で終わりやすくなります。

