長府(CHOFU)のガス暖房ボイラに51、80、あるいは81と表示されて運転が止まった。
この3つは、これまで扱ってきたコードのなかでも性格が異なります。
ガスを確実に止められるかどうか、という安全の根幹に関わる機能の異常だからです。
そのため、いずれも解除できたかどうかにかかわらず、点検・修理の依頼とされています。
この記事では、3つのコードが何を見ているのかを整理したうえで、利用者が取るべき行動を解説します。
3つのコードが指しているもの
| コード | 内容 | 対象機種の目安 | 確認事項 |
|---|---|---|---|
| 51 | ガス遮断機能異常(元ガス電磁弁) | GDB-500K・1700K | 元ガス電磁弁、フレームロッドの不良 |
| 80 | ガス遮断機能異常(ガス電磁弁) | GDB-500K・1700K | ガス比例弁、フレームロッドの不良 |
| 81 | 消火異常(ガス電磁弁1〜2) | GDB-1700K | ガス比例弁、フレームロッドの不良 |
解除操作は3つとも共通で、熱源機リモコン・床暖房用リモコン・E-CON接続放熱機の運転スイッチをすべてOFFにし、5分待機してからいずれかをONにします。
そして処置は、いずれも点検・修理の依頼とされています。
復帰しない場合に限る、といった条件は付いていません。
機種系統ごとの解除操作の違いは長府ガス暖房ボイラのエラーコード一覧|表示の意味と解除の目安にまとめています。
ガス機器は弁を複数持っている
ガス機器では、ガスの通り道に複数の弁が置かれています。
一般に、機器へ入る手前の弁、ガス量を調整する弁、バーナーへ送る弁といった役割が分かれています。
複数を直列に配置する理由は明快です。
ひとつが閉じきらなくても、もうひとつで止められるようにするためです。
そして機器は、この備えが実際に機能するかを自分で確認しています。
運転の開始時や停止時に、弁がきちんと閉じているか、ガスが漏れ通っていないかを診断する仕組みです。
51・80・81は、その診断で問題が見つかったことを示しています。
つまり燃焼の不具合ではなく、止める機能そのものへの疑いです。
なお、弁の構成は機種によって異なります。
フレームロッドが共通の確認事項になる理由
3つのコードすべてに、フレームロッドの不良が確認事項として挙げられています。
温度でも圧力でもなく、炎を検知する部品です。
理由は、ガスが止まったことをどう確かめるかにあります。
弁を閉じたなら、炎は消えるはずです。
逆に、閉じたはずなのに炎が検知され続けるなら、どこかから燃料が届いていることになります。
| 状況 | 機器の判断 |
|---|---|
| 弁を閉じ、炎も消えた | 正常に遮断できている |
| 弁を閉じたのに炎が検知される | 遮断できていない可能性がある |
| フレームロッドが汚れている | 炎の有無を正しく判定できない |
3行目が重要です。
フレームロッドにすすや汚れが付着していると、炎の状態を正しく読めなくなります。
実際には遮断できているのに、遮断できていないと判定されることもあり得ます。
燃焼開始前に炎が検知される残り火の検知でも、同じ部品が関わります。
炎の検知に関する考え方は長府ガス暖房ボイラのエラー12・123|運転中に火が消える理由でも整理しています。
81の「消火異常」は何が違うのか
51と80がガス遮断機能の異常であるのに対し、81は消火異常とされています。
検知の場面が、消火の動作に絞られている点が違いです。
暖房ボイラは、設定温度に達したときや運転を止めたときに燃焼を終了します。
その消火の過程で、弁が想定どおりに閉じているかを確認しています。
| コード | 検知の場面 |
|---|---|
| 51 | 元ガス電磁弁の遮断機能 |
| 80 | ガス電磁弁の遮断機能 |
| 81 | 消火時の動作 |
いずれも、確認事項にはガスの調整や炎の検知に関わる部品が並びます。
利用者から見た症状はほぼ同じで、運転が止まって数字が表示されるという形になります。
ただし、表示が出たタイミングを覚えておくと切り分けの助けになります。
暖房を止めた直後や、設定温度に達して燃焼が終わる場面で出たのであれば、消火の動作に絞り込めます。
一方、運転を始めようとした段階で出たのであれば、起動時の診断で問題が見つかったことになります。
数字だけでなく、そのときに何をしていたかを控えておいてください。
利用者ができることはありません
51・80・81では、確認できる範囲がありません。
弁もフレームロッドも機器の内部にあり、状態の確認には分解と測定が必要です。
安全に関する注意
ガス臭を感じるときは、火気を避けて窓を開け、ガスの元栓を閉めてガス会社に連絡してください。換気扇や照明のスイッチには触れないでください。
においがない場合も、これらのコードが表示されている間は運転を再開せず、点検を依頼してください。
給排気口をふさいだ状態での使用は、燃焼の不安定さや不完全燃焼にもつながります。
なお、機器のガス栓を閉めておくべきかどうかは、住まいの状況によって判断が変わります。
同じ系統に他の機器がつながっている場合もあるため、連絡時にあわせて相談してください。
解除できてしまう場合の考え方
解除操作そのものは受け付けられ、表示が消えることがあります。
一時的な検知だった場合や、フレームロッドの状態が変動している場合です。
しかしメーカーの案内では、3つとも点検・修理の依頼とされています。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 解除でき、暖房も動く | それでも点検を依頼する。運転の継続は控える |
| 解除できない | 点検を依頼する |
| 繰り返し表示される | 点検を依頼する。運転を再開しない |
| ガス臭がある | 元栓を閉め、換気して連絡する |
| 点火時や消火時に異音がある | 運転を再開せず連絡する |
「動いたから大丈夫」と判断できないのが、この3つのコードの特徴です。
遮断機能は、普段は使われず、必要になったときにだけ働く仕組みだからです。
点火の可否に関わるコードとは性格が異なります。
点火しない場合の切り分けは長府ガス暖房ボイラのエラー11・113|点火しないときの確認順を参照してください。
点検を依頼するときに伝えたいこと
- 本体の型式:GDB-1700Kのように、銘板の表記をそのまま伝える
- 表示されたコード:51か80か81か。確認する部品が変わります
- 表示のタイミング:点火直後か、運転中か、消火のときか
- 解除できたかどうか:できた場合、その後どのくらいで再表示されたか
- においや音の有無:ガス臭、点火時や消火時の異音
3つ目は特に有効です。
消火のタイミングで出るのであれば、確認の範囲を絞り込めます。
各コードの正式な内容は、メーカーが製品別に公開しています。
📎 出典:長府製作所「製品エラーコード」
なお、同じ長府製でも石油給湯器はコード体系が別です。
石油タイプについては長府製 石油給湯器のエラーコード一覧を参照してください。
よくある質問
Q1. 解除したら普通に動きました。使い続けてよいですか。
メーカーの案内では、51・80・81はいずれも点検・修理の依頼とされており、復帰しない場合に限るといった条件は付いていません。これらはガスを確実に止める機能に関わる表示です。遮断機能は普段使われず、必要になったときにだけ働くため、通常運転ができることは機能が正常である証明になりません。運転の継続は控えてください。
Q2. ガス漏れが起きているということですか。
ただちにガスが漏れていると決まるわけではありません。機器は遮断機能が正しく働くかを自己診断しており、その診断で問題が見つかった状態です。フレームロッドの汚れによって、実際には遮断できているのに異常と判定されることもあります。ただし、どちらであるかを外から確認する方法はないため、点検が必要です。
Q3. ガス臭はしませんが、元栓を閉めるべきですか。
住まいの状況によって判断が変わります。同じ系統に給湯器やコンロがつながっている場合、元栓を閉めると他の機器も使えなくなります。まずは暖房ボイラの運転を再開しないことが基本です。そのうえで、ガス栓の扱いをどうすべきかは連絡時に相談してください。ガス臭がある場合は、迷わず元栓を閉めて換気し、連絡してください。
Q4. 51と80はどう違うのですか。
確認の対象となる弁が異なります。51は元ガス電磁弁、つまり機器へガスが入る手前側の弁に関わる表示です。80はガス電磁弁に関わる表示で、確認事項にはガス比例弁も挙げられています。利用者から見た症状はほぼ同じですが、点検で確認する部品が変わるため、どちらのコードだったかは正確に伝えてください。
Q5. フレームロッドの掃除で直りますか。
利用者が行える作業ではありません。フレームロッドは燃焼室の内部にあり、取り付け位置がずれると炎の検知そのものが正しく働かなくなります。また、汚れが原因かどうかは点検で判断する必要があります。仮に清掃で表示が消えたとしても、遮断機能に本当に問題がないかは別途確認が必要です。
まとめ
長府のガス暖房ボイラに表示される51・80・81は、ガスを確実に止める機能に関わる異常を示しています。
51は元ガス電磁弁、80はガス電磁弁の遮断機能、81は消火時の動作が対象です。
ガス機器は複数の弁を直列に備え、ひとつが閉じきらなくても止められるようにしています。
機器はその備えが機能するかを自己診断しており、これらのコードはその診断で問題が見つかったことを示します。
3つとも、解除できたかどうかにかかわらず点検・修理の依頼とされています。
遮断機能は普段使われず、必要になったときにだけ働くものです。
通常どおり動いたことは、機能が正常である証明にはなりません。
表示が出ている間は運転を再開せず、点検を依頼してください。

