仕事で使っているパソコンを、夜もそのままにしていることはありませんか。
毎回シャットダウンするのが面倒な一方で、電気代が気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、ノートパソコンを24時間つけっぱなしにしても、電気代は1日37円程度です。
デスクトップでも112円前後で、金額としてはそれほど大きくありません。
ただし、機種と使い方によっては数倍の差が出ます。
この記事では、種類別・状態別の電気代を示したうえで、つけっぱなしとこまめに切るのはどちらが得なのか、判断の基準まで整理します。
パソコンをつけっぱなしにした電気代

計算式は次のとおりです。
電気代 = 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量の目安単価(円/kWh)
目安単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使います。
一般的な使用状態(文書作成やWeb閲覧程度)を前提に試算すると次のようになります。
| 種類 | 消費電力の目安 | 1時間 | 8時間 | 24時間 | 1か月(24時間×30日) |
|---|---|---|---|---|---|
| ノートパソコン | 約50W | 約1.6円 | 約12円 | 約37円 | 約1,116円 |
| デスクトップ(モニター含む) | 約150W | 約4.7円 | 約37円 | 約112円 | 約3,348円 |
| ゲーミングPC(高負荷時) | 約400W | 約12.4円 | 約99円 | 約298円 | 約8,928円 |
| ミニPC・省電力モデル | 約20W | 約0.6円 | 約5円 | 約15円 | 約446円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。機種・構成・負荷によって実際の金額は変わります。
ノートパソコンであれば、1日つけっぱなしでも37円です。
仕事で8時間使うだけなら12円で、缶ジュース1本より安く済みます。
一方、デスクトップを24時間つけっぱなしにすれば、1か月で3,348円になります。
ノートとデスクトップでは3倍の差があり、判断の重みがまったく違います。
スリープ・休止状態・シャットダウンの違い
「つけっぱなし」といっても、状態によって消費電力は大きく変わります。
| 状態 | 内容 | 消費電力の目安 | 1日(24時間) |
|---|---|---|---|
| 起動中(作業なし・アイドル) | 通常に動いている | 30〜80W | 約22〜60円 |
| スリープ | メモリに状態を保持して待機 | 1〜3W | 約0.7〜2.2円 |
| 休止状態(ハイバネート) | 状態をディスクに保存して電源を切る | 0.5〜2W | 約0.4〜1.5円 |
| シャットダウン | 電源オフ(待機電力のみ) | 0.5〜2W | 約0.4〜1.5円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
ここでの重要な発見は、スリープと完全なシャットダウンでは、電気代の差がほとんどないという点です。
どちらも1日あたり1円前後で、1か月続けても数十円の違いにしかなりません。
つまり、実務的な判断はこうなります。
- 使い終わったら「つけっぱなし」ではなく「スリープ」にする(これで大半が解決する)
- スリープとシャットダウンのどちらにするかは、電気代ではなく使い勝手で決めてよい
シャットダウンからの起動には時間がかかりますが、スリープなら数秒で復帰します。
電気代の差が月数十円であれば、復帰の速さを優先する判断のほうが合理的です。
つけっぱなしとこまめに切るのはどちらが得か
「起動時に大きな電力を使うから、こまめに切らないほうがいい」という話を聞いたことがあるかもしれません。
これは部分的に正しく、部分的に誤りです。
起動時には確かに通常より多くの電力を使います。
ただし、その時間は数十秒から数分で、金額にすると1回あたり0.1円にも届きません。
エアコンの立ち上げのように、数十分にわたって大電力を使うわけではないのです。
判断の目安を整理します。
| 使わない時間 | 推奨する状態 |
|---|---|
| 数分〜30分 | そのまま(スリープに入るのを待つ) |
| 30分〜数時間 | スリープ |
| 半日以上 | スリープまたは休止状態 |
| 数日以上使わない | シャットダウン |
なお、機器の寿命という観点では、電源のオン・オフを1日に何十回も繰り返すのは避けたほうがよいとされてきました。
ただし、現在主流のSSDは可動部がなく、起動と停止による負担は従来のHDDより小さくなっています。
1日数回のオン・オフで寿命を心配する必要はありません。
負荷によって消費電力は何倍も変わる
パソコンの消費電力は一定ではありません。
何をしているかで、数倍の差が出ます。
| 使い方 | ノートの目安 | デスクトップの目安 |
|---|---|---|
| アイドル(何もしていない) | 10〜20W | 50〜80W |
| 文書作成・Web閲覧 | 20〜40W | 80〜120W |
| 動画視聴 | 30〜50W | 100〜150W |
| 動画編集・3Dゲーム | 60〜120W | 300〜600W |
※構成と機種によって大きく変わります。
この表から分かるのは、電気代を左右するのは「つけていた時間」より「何をしていたか」だということです。
ゲーミングPCで毎日4時間ゲームをすれば、月に1,500円近くになります。
一方、同じPCで文書作成だけなら数百円です。
「つけっぱなしをやめる」より、高負荷の作業をしていない時間にスリープへ移行させるほうが効果が出ます。
ノートパソコンは充電しっぱなしでよいか
つけっぱなしと並んでよく聞かれるのが、電源アダプターをつないだままにしてよいかという点です。
電気代の面では、影響はごくわずかです。
バッテリーが満充電になると充電は停止し、そのあとは本体の動作に必要な分しか流れません。
「つなぎっぱなしだから充電し続けて電気を食う」ということはありません。
一方、バッテリーの劣化という点では考慮する余地があります。
リチウムイオンバッテリーは、満充電に近い状態で高温にさらされ続けると劣化が進みやすいとされています。
最近の機種には、充電の上限を80%前後に制限する機能が用意されていることが多く、常時電源につないで使う環境ではこれを有効にしておくと長持ちします。
| 使い方 | 電気代への影響 | バッテリーへの影響 |
|---|---|---|
| 常時つないで満充電のまま | ほぼなし | やや不利 |
| 常時つないで充電上限を80%に制限 | ほぼなし | 有利 |
| 毎回0%近くまで使い切る | ほぼなし | 不利 |
据え置きで使うことが多いなら、充電上限の設定を確認してみてください。
設定項目の名称はメーカーによって異なりますが、多くの機種でメーカー製のユーティリティかBIOSから変更できます。
使い方別に1年間で比べる
月単位では小さく見えても、年間では差が出ます。
| 使い方 | 1か月 | 1年 |
|---|---|---|
| ノート・仕事で1日8時間(月22日) | 約273円 | 約3,276円 |
| ノート・24時間つけっぱなし | 約1,116円 | 約13,392円 |
| デスクトップ・1日8時間(月22日) | 約818円 | 約9,816円 |
| デスクトップ・24時間つけっぱなし | 約3,348円 | 約40,176円 |
| ゲーミングPC・1日4時間の高負荷 | 約1,488円 | 約17,856円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
注目したいのは、デスクトップを24時間つけっぱなしにした場合の年間40,176円です。
これは一人暮らしの電気代の半年分近くに相当します。
使わない時間にスリープへ入れるだけで、この大半は消えます。
逆に、ノートを仕事で使うだけなら年間3,000円台です。
こちらは節約の対象として優先度が低いと判断してよい水準です。
古いパソコンは電気を食うのか
買い替えを検討する際の判断材料を整理します。
古い機種が不利になるのは、次のような理由によります。
- 製造プロセスの世代が古く、同じ処理により多くの電力が必要
- 処理が遅いぶん、同じ作業に時間がかかる(結果として消費電力量が増える)
- ファンやヒートシンクにホコリがたまり、冷却効率が落ちて常時高回転になる
- バッテリーが劣化し、電源につないだ状態でしか使えない
ただし、電気代の削減だけを理由に買い替えても、元は取れません。
仮に消費電力が50W下がったとしても、1日8時間の使用で月約373円、年間で約4,500円です。
本体価格を考えると、回収には十数年かかる計算になります。
買い替えの判断は、処理速度やセキュリティ更新の提供状況で決めるのが妥当です。
電気代の低下は、買い替えに伴う副次的な効果として捉えてください。
なお、買い替えずにできる対策として、内部のホコリを掃除する方法があります。
ファンやヒートシンクにホコリが詰まると冷却効率が落ち、ファンが常に高回転で回るようになります。
ただし、内部の清掃は電源を抜いた状態で行い、分解が必要な機種では保証の対象外になることがあります。自信がなければ外部の通気口の清掃にとどめてください。
電源設定を見直す
多くの人が見落としているのが、OS側の電源設定です。
初期設定のままだと、スリープに入るまでの時間が長すぎることがあります。
確認したい項目は次の3つです。
**1. ディスプレイの電源を切るまでの時間**
モニターは消費電力の大きい部分です。
5〜10分程度に設定しておくと、離席中の電力が確実に減ります。
**2. スリープに移行するまでの時間**
15〜30分程度が現実的な設定です。
短すぎると作業中に落ちて不便なので、離席のパターンに合わせて調整してください。
**3. 電源プランの設定**
ノートパソコンには、性能を抑えて消費電力を下げるモードが用意されています。
文書作成やWeb閲覧が中心なら、省電力寄りの設定にしても体感はほとんど変わりません。
デスクトップの場合、ディスプレイの電源を切る設定だけでも効果が大きくなります。
本体よりモニターの消費電力が大きいケースもあるためです。
つけっぱなしのデメリットは電気代だけではない
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 発熱 | 動作中は熱を出し続ける。夏は室温を上げる要因になる |
| ホコリの蓄積 | ファンが回り続けるため、内部にホコリがたまりやすい |
| 部品の劣化 | ファン・電源ユニットなど可動部や消耗部品の寿命が縮む |
| 更新の遅れ | 長期間再起動しないと、OSの更新が適用されないことがある |
夏場の影響は無視できません。
デスクトップが150Wで動き続けていれば、その分の熱が部屋に放出されます。
エアコンはその熱も冷やすことになるため、パソコンの電気代に加えて冷房の負荷も増えるという二重の構造になります。
また、通気口をふさいだ状態や、布団・カーペットの上でノートパソコンを長時間動かすのは避けてください。内部に熱がこもり、故障や発煙の原因になります。
つけっぱなしにするのであれば、なおさら設置場所の通気には注意が必要です。
在宅勤務で電気代が上がった場合の切り分け
「在宅勤務になってから電気代が上がった」という場合、原因はパソコンではないことがほとんどです。
1日8時間・22日間を在宅で過ごした場合の増加分を並べてみます。
| 機器 | 増える電気代の目安(月) |
|---|---|
| ノートパソコン(40W) | 約218円 |
| デスクトップ+モニター(150W) | 約818円 |
| 照明(50W) | 約273円 |
| エアコン(冷房・平均400W) | 約2,182円 |
| エアコン(暖房・平均800W) | 約4,364円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
金額の大半はエアコンです。
パソコンの寄与は、ノートであれば月200円程度にすぎません。
在宅勤務で電気代を抑えたいなら、パソコンの設定より冷暖房の使い方を見直すほうが効きます。
家電ごとの消費電力の大きさは家電の消費電力ランキングTOP15|電気代が高い順に解説で順位づけしています。
また、作業のBGM代わりにテレビを点けている場合は、その分も加わります。
金額はテレビをつけっぱなしにすると電気代はいくら?時間別の目安と考え方で試算しています。
家庭のエネルギー消費の実態は、公的な統計調査でも継続的に調べられています。
周辺機器の分も忘れずに
パソコン本体だけでなく、つないでいる機器も電力を使います。
| 機器 | 消費電力の目安 | 24時間つけっぱなし・1か月 |
|---|---|---|
| モニター(24インチ) | 20W | 約446円 |
| Wi-Fiルーター | 5〜8W | 約112〜179円 |
| 外付けHDD | 5〜10W | 約112〜223円 |
| プリンター(待機) | 1〜3W | 約22〜67円 |
| スピーカー・USBハブ | 1〜5W | 約22〜112円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
デスクトップ環境では、周辺機器だけで月500円を超えることがあります。
一方、Wi-Fiルーターのように、止めると生活の利便性が下がる機器もあります。
抜く価値がある機器とそうでない機器の線引きはコンセント差しっぱなしの電気代はどれくらい?実際にかかる金額と無駄を減らす判断基準で整理しています。
外付けHDDやプリンターは、使うときだけ電源を入れる運用にしやすい機器です。
スイッチ付きの電源タップにまとめておくと、まとめて切れるので手間がかかりません。
実際の消費電力を測る方法
カタログの数値は最大値や標準値なので、実際の使用状況とは差があります。
正確に知りたい場合は、コンセントの間に挟むワットモニターで測るのが確実です。
測るときのポイントは3つです。
- 何もしていないアイドル状態の値
- 通常作業中の値
- 高負荷の作業(動画編集・ゲーム)をしているときの値
この3つを把握すれば、自分の使い方に合わせた金額が出せます。
デスクトップの場合、本体とモニターを別々に測ると、どちらが大きいかも分かります。
パソコンまわりの電気代を下げる手順
手順1:電源設定を見直す
ディスプレイの電源オフを5〜10分、スリープ移行を15〜30分に設定します。
これだけで、離席中の電力が確実に減ります。
設定は一度変えれば済むので、もっとも手間のかからない対策です。
手順2:使い終わったらスリープにする
シャットダウンでなくても構いません。
スリープであれば消費電力は1〜3W程度まで下がり、復帰も数秒で済みます。
手順3:モニターを優先して切る
デスクトップでは、本体よりモニターの消費電力が大きいことがあります。
離席時にモニターの電源だけ切る習慣をつけるだけでも差が出ます。
手順4:周辺機器を電源タップでまとめる
外付けHDD、プリンター、スピーカーなど、常時必要でない機器をまとめて切れるようにします。
ただし、Wi-Fiルーターは切らないほうが無難です。
手順5:買い替えるならノート型を検討する
同じ作業をする場合、ノートパソコンはデスクトップより消費電力が小さくなります。
バッテリー駆動を前提に設計されているためです。
外部モニターにつないで使えば、作業環境はデスクトップと大きく変わりません。
ただし、動画編集や3Dゲームのような高負荷の用途では、性能面でデスクトップが有利です。
よくある質問
Q1. パソコンを1日つけっぱなしにするといくらかかりますか?
ノートパソコンで約37円、デスクトップ(モニター含む)で約112円です。
これは文書作成やWeb閲覧程度の負荷を想定した試算で、何もしていないアイドル状態であればさらに下がります。
逆に、ゲーミングPCで高負荷の作業を続けている場合は、1日300円近くになることもあります。
月換算では、ノートで約1,100円、デスクトップで約3,300円です。
デスクトップを常時稼働させている場合は、見直す価値のある金額と言えます。
Q2. スリープとシャットダウンでは電気代が違いますか?
ほとんど変わりません。
スリープ中の消費電力は1〜3W、シャットダウン時の待機電力は0.5〜2W程度で、どちらも1日1円前後です。
1か月続けても数十円の差にしかなりません。
そのため、どちらにするかは電気代ではなく使い勝手で決めて問題ありません。
スリープは数秒で復帰できるため、翌日も使うならスリープのほうが実用的です。
数日以上使わない予定であれば、シャットダウンしておくとOSの更新も整理されます。
Q3. こまめに電源を切ると寿命が縮みますか?
現在の機器では、気にする必要はほとんどありません。
かつては、起動時の電流や機械的な動作が部品に負担をかけるとされていました。
しかし、現在主流のSSDは可動部がなく、従来のHDDより起動・停止の影響を受けにくくなっています。
1日に数回のオン・オフであれば、寿命に意味のある差は生じません。
むしろ、つけっぱなしにしてファンが回り続けるほうが、内部のホコリの蓄積や可動部の摩耗という点では不利になります。
Q4. 在宅勤務で電気代が上がりましたが、パソコンが原因ですか?
多くの場合、主な原因はパソコンではありません。
ノートパソコンを1日8時間・月22日使っても、増えるのは月200円程度です。
同じ条件でエアコンを使えば、冷房で月2,000円前後、暖房なら月4,000円を超えることもあります。
在宅勤務による増加分の大半は、冷暖房と照明です。
電気代を抑えたいなら、パソコンの設定より、作業する部屋を狭い部屋に変える、設定温度を調整するといった対策のほうが効果が出ます。
Q5. ノートとデスクトップではどれくらい差がありますか?
同じ作業をする場合、おおむね3倍前後の差があります。
ノートパソコンは約50W、デスクトップはモニターを含めて約150Wが目安です。
1日8時間・月22日の使用なら、ノートが約273円、デスクトップが約818円になります。
年間では6,500円ほどの差です。
ただし、これは一般的な事務作業を想定した数字で、高負荷の作業では差がさらに開きます。
買い替えを検討する際は、電気代の差だけでなく、必要な性能と作業のしやすさもあわせて判断してください。
まとめ
パソコンをつけっぱなしにしたときの電気代は、ノートで1日37円、デスクトップで112円です。
- スリープとシャットダウンの電気代の差はほとんどないため、使い勝手で選んでよい
- 起動時の電力は微々たるもので、こまめに切っても損にはならない
- 電気代を左右するのは点いていた時間より、何をしていたかという負荷
- ディスプレイの電源オフとスリープ移行の時間を設定するのが、もっとも手間がかからない
- 在宅勤務で上がった電気代の主因は、パソコンではなく冷暖房
デスクトップを24時間稼働させている場合は月3,000円を超えるため、見直す価値があります。
まずは電源設定を開いて、ディスプレイの電源オフとスリープ移行の時間を確認してみてください。

