「リフォーム会社が挨拶に行くと言っていたけれど、自分は何もしなくていいのだろうか」「どこまでのお宅に挨拶すればいいのか分からない」——リフォームを控えた方から、近隣挨拶に関する疑問をよく耳にします。
工事の音や振動、業者の出入りは、多かれ少なかれ近隣に影響を与えるものです。事前の一言があるかないかで、その後の関係性は大きく変わってきます。
この記事では、近隣挨拶のタイミング・範囲・手土産の目安から、工事中に気をつけたいマナーまで整理して解説します。
近隣挨拶は誰が行うのか
近隣挨拶は、多くの場合、施工会社の担当者が中心となって行いますが、施主自身も同行する、あるいは施工会社とは別に一言挨拶しておくことをおすすめします。
業者だけの挨拶では、「工事の内容は分かったけれど、誰が住んでいる家の工事なのか実感が湧かない」と感じる近隣住民もいます。
施主自身の顔が見えることで、近隣との関係がより円滑になりやすい傾向があります。
可能であれば、施工会社の担当者と一緒に、あるいは前後して、施主からも挨拶に伺うとよいでしょう。
挨拶に伺うタイミング
近隣挨拶は、工事着工の1週間前後を目安に行うのが一般的です。
着工直前すぎると、近隣住民が予定を調整する余裕がなくなってしまいます。
特に、工事中に洗濯物を干せない、来客の駐車スペースが確保しにくいといった影響がある場合は、早めに伝えておくことで、相手側も予定を立てやすくなります。
挨拶に伺う範囲の目安
挨拶に伺う範囲は、工事の規模や近隣との関係性によって変わりますが、一般的には次の範囲が目安とされています。
| 位置関係 | 挨拶の目安 |
|---|---|
| 両隣 | 必須。工事の影響を最も受けやすい |
| 向かいの3軒程度 | 工事車両の出入りや音が気になりやすいため、挨拶しておくと安心 |
| 裏の3軒程度 | 特に2階以上での作業がある場合、音や視線の影響を受けやすい |
| 自治会・マンション管理組合 | 集合住宅や、自治会活動が活発な地域では、あわせて連絡しておくとよい |
「両隣だけで十分」と考えず、工事車両が通る道沿いのお宅にも、状況に応じて声をかけておくと丁寧です。
マンションの場合は、管理規約に基づく届出・承認が別途必要になることもあります。マンションのリフォームに関する制約については、マンションリフォームの費用相場と管理規約の壁で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
挨拶時に伝えておきたい内容
挨拶の際は、次の内容を簡潔に伝えると、近隣住民も状況を把握しやすくなります。
- 工事の内容(何のリフォームをするのか)
- 工事の期間(着工日・完成予定日)
- 作業時間帯の目安(通常は平日日中が中心であること等)
- 音・振動・車両の出入りが発生する可能性があること
- 何かあった際の連絡先(施主・施工会社双方)
「ご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが」という一言を添えるだけでも、相手の受け止め方は変わってきます。
手土産の目安
近隣挨拶の際、手土産を持参するかどうかは地域性にもよりますが、持参する場合は、数百円〜1,000円程度の、相手が気兼ねなく受け取れる品が一般的とされています。
タオル、お菓子、洗剤などの実用的な品が選ばれることが多いようです。
高額すぎる品物は、かえって相手に気を遣わせてしまうことがあるため、控えめな品を選ぶのが無難です。
工事中の騒音・振動に関するルール
大規模な工事の場合、騒音規制法・振動規制法に基づく規制の対象になることがあります。
くい打ち機やブレーカー(削岩機)などを使用する一定の作業は「特定建設作業」に該当し、指定地域内で行う場合、敷地境界線において85デシベルを超える騒音を出さないこと、作業時間帯や作業日に関する規制を守ることなどが定められています。
指定地域で特定建設作業を行う場合は、作業開始の7日前までに市区町村への届出も必要です。
一般的な住宅設備の交換や内装工事の多くは、この規制の対象になるほどの大規模な作業ではありませんが、増築や解体を伴う大規模なリフォームでは該当する可能性があります。
該当するかどうかは、施工会社に確認しておくと安心です。
具体例で見る挨拶の伝え方
実際にどのように挨拶すればよいか、簡単な例で考えてみましょう。
キッチンリフォームで2週間の工事を予定している場合、次のような一言で十分です。
「お世話になっております。〇月〇日から2週間ほど、自宅のキッチンリフォーム工事を行うことになりました。日中、業者の出入りや多少の音が出ることがあるかと思いますが、ご迷惑をおかけしないよう配慮いたします。何かお気づきの点がございましたら、いつでもお声がけください。」
長々と説明する必要はなく、工事の内容・期間・配慮への意識が伝われば十分です。
不在がちで対面での挨拶が難しい場合は、簡単な案内文を郵便受けに入れておく方法もあります。ただし、両隣など特に影響の大きい家には、できる限り直接顔を合わせて挨拶することをおすすめします。
工事中に施主が気をつけたいマナー
工事中は、施工会社だけでなく、施主自身も次のような点に配慮すると、近隣との関係を良好に保ちやすくなります。
- 駐車スペースの確認:工事車両の駐車位置について、近隣とのトラブルにならないよう事前に確認しておく
- 洗濯物・布団干しへの配慮:工事期間中、近隣の洗濯物に粉じんがかからないよう、施工会社と作業内容を確認しておく
- 工事の進捗を適宜伝える:長期の工事の場合、途中経過や完成時期の見通しを一言伝えると、近隣の不安を和らげられる
- 工事完了後の挨拶:工事が無事終わった旨を、近隣に一言伝えておくと、良好な関係を保ちやすい
近隣からクレームや問い合わせがあった場合は、施主だけで抱え込まず、施工会社と情報を共有しながら対応することが大切です。
契約時に、近隣対応についての取り決めを確認しておくのもよいでしょう。契約書のチェックポイントについては、リフォーム契約書のチェックポイント|口約束の「追加工事」で揉めないためにで詳しく解説しています。
よくある質問
Q. 近隣挨拶は誰が行うべきですか?
A. 施工会社の担当者が中心となって行うことが多いですが、施主自身も同行する、あるいは別途一言挨拶しておくことをおすすめします。施主の顔が見えることで、近隣との関係がより円滑になりやすくなります。
Q. 挨拶はいつ頃に行えばいいですか?
A. 工事着工の1週間前後が目安です。近隣住民が予定を調整できるよう、あまり直前にならないようにしましょう。
Q. どこまでの範囲に挨拶すればいいですか?
A. 両隣は必須で、向かい・裏の3軒程度にも挨拶しておくと丁寧です。工事車両が通る道沿いのお宅にも、状況に応じて声をかけておくとよいでしょう。
Q. 手土産は必要ですか?
A. 必須ではありませんが、持参する場合は数百円〜1,000円程度の、相手が気兼ねなく受け取れる品が一般的です。高額すぎる品物はかえって気を遣わせてしまうことがあります。
Q. 工事の騒音に法律上の制限はありますか?
A. くい打ち機やブレーカーを使用する一定の作業(特定建設作業)は、騒音規制法・振動規制法の対象になり、敷地境界線での騒音・振動の基準や作業時間帯が定められています。一般的な設備交換や内装工事の多くは対象外ですが、大規模なリフォームでは該当することがあります。
Q. 不在がちで直接挨拶に行けない場合、どうすればいいですか?
A. 工事内容・期間・連絡先を記載した簡単な案内文を、郵便受けに入れておく方法もあります。ただし、両隣など特に影響の大きいお宅には、できる限りタイミングを合わせて直接挨拶することをおすすめします。
Q. マンションの場合も個別に近隣挨拶が必要ですか?
A. 管理規約に基づく届出・承認とは別に、上下左右の住戸への挨拶をしておくと丁寧です。工事の音や振動は上下階に伝わりやすいため、特に配慮が求められます。
まとめ
リフォームの近隣挨拶は、両隣を中心に、向かい・裏の3軒程度まで、着工の1週間前後を目安に行うのが基本です。
施工会社任せにせず、施主自身も一言挨拶しておくことで、近隣との関係をより円滑に保ちやすくなります。
工事中も、駐車や騒音への配慮を続けることが、気持ちよくリフォームを終えるための大切なポイントです。
リフォームが終わった後も、その家に住み続ける以上、近隣との関係は続いていきます。工事という一時的な出来事をきっかけに、かえって良好なご近所付き合いが始まることもあります。少しの手間を惜しまず、丁寧な挨拶を心がけてみてください。

