「4月に上がったばかりなのに、10月にもまたタバコが値上げされるの?」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
2026年は、タバコにとって”値上げの当たり年”ともいえる特別な年です。
なかでも10月1日は、加熱式たばこの価格が再び動く節目になります。
この記事では、2026年10月のタバコ値上げが「加熱式たばこ中心」であることを前提に、銘柄別の新価格・値上げの理由・家計への影響・2027年以降のスケジュールまでを、財務省と各メーカーの公式情報をもとに整理します。
※本記事は価格・税制に関する情報を整理したものであり、喫煙を推奨する趣旨ではありません。
結論:2026年10月の値上げは「加熱式たばこ」が中心

先に要点をまとめます。
- 2026年10月1日の値上げは、加熱式たばこの課税方式見直し(第2段階)に伴うものです。
- JT「プルーム」用スティックは全31銘柄が一律40円の値上げで、すでに財務大臣の認可を受けています(10月1日実施予定)。
- アイコス(テリア・センティア)やリルハイブリッド用スティックも値上げが申請されており、認可されれば同じく10月1日から改定される見込みです。
- 紙巻きたばこは、2026年中の一斉値上げの対象には入っていません。
- ただし2027年以降は、紙巻きを含めて毎年少しずつ税率が上がっていく段階に入ります。
つまり2026年は「4月と10月の2回、加熱式が上がる年」であり、10月はその後半戦にあたります。
📎 出典:財務省「たばこ税等に関する資料」
2026年の値上げ全体像|4月から始まっていた「2段階」の後半戦
2026年10月の値上げは、突然やってきたものではありません。
すでに4月に始まっていた改定の”後半戦”にあたります。
流れを時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 主な動き |
|---|---|
| 2025年中 | 製造コスト上昇などを背景に、メーカー主導で一部銘柄が先行値上げ |
| 2026年1月 | BATジャパン(グロー用)が一部銘柄を先行改定 |
| 2026年4月1日 | 加熱式の課税方式見直し(第1段階)。アイコス・プルームなどが一斉に値上げ |
| 2026年6月1日 | BATジャパン(グロー用)が改定 |
| 2026年10月1日 | 加熱式の課税方式見直し(第2段階・完全移行)。今回の値上げ |
2026年4月の第1段階では、たとえばアイコス「テリア」が580円から620円へ、プルーム「エボ」が550円から580円へと改定されました。
10月はこの見直しの残り半分が適用されるタイミングであり、4月と10月の2回でワンセットと理解するとわかりやすいです。
このため、多くの加熱式銘柄では「3月時点の価格」と「10月改定後の価格」を比べると、半年で60〜70円ほど上がった形になります。
2026年10月からの新価格一覧(主要銘柄)
まずは、自分が吸っている銘柄がいくらになるのかを早見表で確認しましょう。
下記は各メーカーの公式発表・報道に基づく金額です(すべて税込・1箱あたり)。
JT「プルーム」用スティック(認可済み・10月1日実施予定)
JT(日本たばこ産業)は、プルーム用スティック全31銘柄の値上げについて、2026年8月5日付で財務大臣の認可を受けたと発表しています。
いずれも銘柄ごとに幅が変わるのではなく、全銘柄が一律40円の値上げです。
| シリーズ | 現行価格 | 10月改定後 | 値上げ幅 |
|---|---|---|---|
| エボ(EVO) | 580円 | 620円 | +40円 |
| メビウス(MEVIUS) | 550円 | 590円 | +40円 |
| キャメル(CAMEL) | 530円 | 570円 | +40円 |
対象となるのは、エボ(全12銘柄)・メビウス(全12銘柄)・キャメル(全7銘柄)の計31銘柄です。
レギュラー・メンソール系はもちろん、ミント系やフレーバーカプセル系まで、シリーズ内のすべてのラインナップが対象になります。
プルーム用スティックは2026年4月にも30円値上げされており、3月時点の価格と比べると1箱あたり70円高くなる計算です。
主力の「エボ」は、これで600円台に乗ることになります。
アイコス・リルハイブリッド用スティック(申請段階・認可されれば10月1日)
フィリップ モリス ジャパン(PMJ)も、アイコス用の「テリア」「センティア」やリルハイブリッド用「ミックス」などの値上げを財務省に認可申請しています。
こちらは記事作成時点で認可手続き中の段階であり、認可されれば10月1日から改定される見込みです。
| シリーズ | 現行価格 | 10月改定後(申請) | 値上げ幅 |
|---|---|---|---|
| テリア(TEREA) | 620円 | 640円 | +20円 |
| センティア(SENTIA) | 570円 | 590円 | +20円 |
| ミックス(MIIX/リルハイブリッド用) | 560円 | 590円 | +30円 |
テリアは4月に40円上がったばかりで、10月にさらに20円上がると、3月比では合計60円の値上げとなります。
「認可されれば」という言い回しが出てくるのは、たばこの小売定価が財務大臣の認可制になっているためです。
メーカーが値上げしたい価格を勝手に決めるのではなく、いったん財務省へ認可を申請し、認可を受けてはじめて新価格が確定します。
実務上は申請どおりに認可されるのが通例ですが、正式には認可を経て決まるため、申請段階の価格は「見込み」として扱うのが正確です。
最終的な価格・対象銘柄は各メーカーの公式発表であわせてご確認ください。
glo(グロー)・紙巻きたばこの10月の扱い
- glo(BATジャパン):グロー用スティックは2026年6月1日にすでに改定済みです。10月分の値上げについては、記事作成時点で公式発表を確認できていません。今後発表される可能性はあるため、続報に注意しておくと安心です。
- 紙巻きたばこ:セブンスターやメビウス(紙巻き)などの紙巻きたばこは、2026年10月の課税方式見直しの中心ではありません。2026年中の一斉値上げの対象には入っていません。ただし後述のとおり、2027年以降は紙巻きも段階的な増税の対象になります。
「加熱式たばこ」と「電子タバコ(VAPE)」は何が違う?

今回の値上げを正しく理解するうえで、混同されやすいのが「加熱式たばこ」と「電子タバコ(VAPE)」の違いです。
この2つは名前が似ていますが、課税の扱いがまったく異なります。
| 種類 | 中身 | たばこ税 | 今回の値上げ |
|---|---|---|---|
| 加熱式たばこ | たばこの葉を電気で加熱し、煙(エアロゾル)を吸う | かかる | 対象 |
| 電子タバコ(VAPE) | リキッド(液体)を気化させて吸う。たばこ葉を使わない | かからない | 対象外 |
アイコス・プルーム・グローなどはいずれもたばこ葉を使う「加熱式たばこ」で、今回の課税方式見直しの対象です。
一方、たばこ葉を使わないタイプの電子タバコ(VAPE)には、そもそもたばこ税がかかっていません。
「電子タバコに乗り換えれば増税と無関係」と説明されることがあるのはこのためですが、両者は使用感も製品の性質も異なります。
名前だけで判断せず、自分が使っているのがどちらなのかを確認しておくと、値上げ情報を読み違えずに済みます。
なぜ2026年10月にまた値上げされるのか
「4月に上げたなら、まとめて上げればよかったのでは?」と感じる方も多いはずです。
2回に分かれているのには、きちんとした理由があります。
理由1:加熱式たばこの「課税方式の見直し」が本体
今回の一連の値上げの土台にあるのは、加熱式たばこの課税方式の適正化です。
これは、紙巻きたばこに比べて税負担が軽かった加熱式たばこの課税の仕組みを、紙巻きと同じ水準にそろえていく改正です。
加熱式たばこはこれまで、重量などをもとに紙巻きたばこの本数へ換算して課税されてきました。
今回の見直しでは、この換算方法が改められ、結果として加熱式1箱あたりの税額が引き上げられます。
財務省は、この課税方式の適正化を「消費者への影響に鑑み」、2026年4月と10月の2段階に分けて実施すると説明しています。
つまり、いきなり全額を上げると負担が大きいため、半分ずつ段階的に移行する仕組みになっているのです。
📎 出典:財務省「たばこ税等に関する資料」
理由2:目的は「防衛財源の確保」と「税負担の公平化」
今回のたばこ増税には、大きく2つの狙いがあるとされています。
- 防衛力強化の財源確保:たばこ税は、防衛費増額の財源の一つとして位置づけられています。
- 紙巻きと加熱式の税負担の公平化:同じたばこ製品でありながら、加熱式のほうが税負担が軽い状態を解消する狙いがあります。
若い世代を中心に加熱式たばこの利用が広がったことで、両者の税負担の差が問題視されるようになった、という背景もあります。
そもそもたばこは、1箱の価格のうち約6割を税金が占める製品です。
国と地方を合わせたたばこ税等の税収は、近年おおむね2兆円程度で推移しており、国にとって重要な財源となっています。
一方で、紙巻きたばこの販売数量は長期的に減少が続いており、加熱式へのシフトが進んできました。
税負担の軽い加熱式が増えることは税収面でも影響が大きく、これも課税方式を見直す一因になっています。
加熱式が「4月・10月」で、紙巻きが「2027年から」の理由
整理すると、2026年は加熱式たばこの課税方式を紙巻きにそろえる年です。
この移行を4月と10月の2段階で行い、10月に完全移行が完了します。
一方、紙巻きたばこを含めた「税率そのものの引き上げ」は、2027年4月から別枠でスタートします。
そのため、2026年10月の主役は加熱式であり、紙巻きは基本的に据え置き、という構図になっているわけです。
家計への影響:1日1箱でどれくらい増える?

値上げ幅が数十円と聞くと小さく感じるかもしれません。
しかし毎日吸う方にとっては、積み重なると無視できない金額になります。
ここでは、代表的な銘柄で「1日1箱」を吸った場合の負担増を、2026年3月時点の価格を起点に試算します。
| 銘柄 | 3月時点 | 10月改定後 | 差額(1箱) | 月の負担増(30日) | 年の負担増(365日) |
|---|---|---|---|---|---|
| プルーム「エボ」 | 550円 | 620円 | +70円 | 約2,100円 | 約25,550円 |
| アイコス「テリア」 | 580円 | 640円 | +60円 | 約1,800円 | 約21,900円 |
※上記はいずれも1日1箱ペースで計算した目安です。実際の喫煙本数や銘柄によって変わります。
10月改定後の「エボ620円」を1日1箱吸う場合、単純計算で年間およそ22万円台のたばこ代になります。
4月と10月の値上げが重なった2026年は、喫煙者にとって家計への影響が特に大きい年だといえます。
2027〜2029年も続く増税スケジュール

「10月を乗り切れば、しばらく値上げは止まる」と考えたいところですが、実はここからが本番ともいえます。
たばこ税は、2027年以降も段階的に引き上げられることが決まっています。
財務省の資料によると、国のたばこ税率は2027年4月・2028年4月・2029年4月にそれぞれ1本あたり0.5円ずつ、3段階で引き上げられる予定です。
1箱(20本)に換算すると、毎年10円ずつ、3年間で合計30円の増税となります。
| 時期 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| 2026年4月 | 加熱式の課税方式見直し(第1段階) | 加熱式 |
| 2026年10月 | 加熱式の課税方式見直し(第2段階・完全移行) | 加熱式 |
| 2027年4月 | 税率引き上げ(1本0.5円/1箱10円) | 紙巻き・加熱式 |
| 2028年4月 | 税率引き上げ(1本0.5円/1箱10円) | 紙巻き・加熱式 |
| 2029年4月 | 税率引き上げ(1本0.5円/1箱10円) | 紙巻き・加熱式 |
この税率引き上げは国税部分のみですが、2027年以降は紙巻きたばこも対象になる点がポイントです。
「紙巻きだから当分は安泰」とは言い切れないため、紙巻き派の方も今後の動きを見ておくとよいでしょう。
なお、たばこ価格はこうした税制だけでなく、原材料費や為替の影響でメーカー独自の値上げが行われることもあります。
実際、2025年から2026年にかけては、増税とは別にメーカー主導の価格改定も相次いでいます。
📎 出典:財務省「たばこ税等に関する資料」
値上げ前に考えておきたいこと
値上げのニュースを見ると、つい「今のうちに買っておこう」と考えたくなります。
落ち着いて判断できるよう、いくつかの観点を整理しておきます。
買いだめは「定価改定」の特性を踏まえて
たばこの値上げは、メーカーが定価そのものを改定する形で行われます。
そのため、9月中に旧価格で購入したものは、10月以降も旧価格のまま使えます。
値上げ直前に買いだめする方が増えるのはこのためです。
ただし、次のような点には注意が必要です。
- たばこは湿気や乾燥で風味が変わりやすく、長期保存には向きません。買いすぎると品質面で損をすることもあります。
- コンビニなどでは、値上げ直前に一時的に品薄になる銘柄も出ます。
- 過度な買いだめは、家計の一時的な負担にもなります。
「使い切れる範囲で少し多めに」くらいが現実的なラインです。
銘柄の見直しという選択肢
今回の値上げで、加熱式たばこの価格に”段差”がはっきりしてきました。
たとえば同じアイコス用でも、テリア(640円)よりセンティア(590円)のほうが安く、プルーム系はさらに手頃な価格帯にあります。
毎日吸う方ほど、この差額は年間で大きな金額になります。
たとえばテリア(640円)からセンティア(590円)へ切り替えると1箱あたり50円の差があり、1日1箱なら年間でおよそ1万8,000円の差になります。
味の系統や吸いごたえは銘柄で異なるため、価格だけで決める必要はありませんが、日頃の銘柄を見直すきっかけにはなります。
支出全体を見直すきっかけに
たばこ代は「固定費」として毎月かかり続ける支出です。
値上げのタイミングは、たばこに限らず家計全体の固定費を見直すよい機会でもあります。
本数を減らす、あるいは禁煙を検討するといった選択も、支出と健康の両面から考える価値があります。
※禁煙を希望する場合は、医療機関の禁煙外来など専門家に相談する方法もあります。
まとめ
2026年10月のタバコ値上げについて、要点を振り返ります。
- 10月1日の値上げは、加熱式たばこの課税方式見直し(第2段階)に伴うものです。
- JT「プルーム」は全31銘柄が一律40円値上げで、すでに認可済みです(エボ620円・メビウス590円・キャメル570円)。
- アイコス「テリア」などは申請段階で、認可されれば同じく10月1日から改定される見込みです。
- 紙巻きたばこは2026年中の一斉値上げの対象外ですが、2027年以降は税率引き上げの対象になります。
- 2027〜2029年も毎年1箱10円ずつ増税が続く予定で、たばこ代の負担増は今後も見込まれます。
値上げの背景には、防衛財源の確保と、紙巻き・加熱式の税負担をそろえるという国の方針があります。
制度の全体像を押さえておけば、次にどのタイミングで、どの銘柄が上がるのかを冷静に見通せるようになります。
最新の価格や対象銘柄は、各メーカーの公式発表であわせてご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年10月に値上げされるのは、どのたばこですか?
中心となるのは加熱式たばこです。JT「プルーム」用スティック全31銘柄は一律40円の値上げで、すでに認可を受けています。アイコス用の「テリア」「センティア」、リルハイブリッド用の「ミックス」なども値上げが申請されており、認可されれば10月1日から改定される見込みです。一方、紙巻きたばこは2026年10月の値上げの中心ではなく、2026年中の一斉値上げの対象には入っていません。
Q2. なぜ2026年は4月と10月の2回も値上げされるのですか?
加熱式たばこの課税方式を紙巻きたばこと同じ水準にそろえる見直しが、2026年に行われるためです。財務省は消費者への影響を考慮し、この移行を4月と10月の2段階に分けて実施すると説明しています。10月はその第2段階(完全移行)にあたり、加熱式の税負担が紙巻きと同水準になります。
Q3. アイコスやプルームは、いくら値上げされますか?
JT「プルーム」は全銘柄一律40円の値上げで、エボが620円、メビウスが590円、キャメルが570円になります(認可済み)。フィリップ モリス ジャパンの申請によれば、アイコス用テリアは640円、センティアは590円、リルハイブリッド用ミックスは590円になる見込みです(認可されれば10月1日実施)。いずれも税込・1箱あたりの価格です。
Q4. 紙巻きたばこも値上げされますか?
2026年10月の値上げの中心は加熱式たばこで、紙巻きたばこは2026年中の一斉値上げの対象には入っていません。ただし、2027年4月からは国のたばこ税率が引き上げられ、紙巻きたばこも対象になります。2027年・2028年・2029年の各4月に1本あたり0.5円(1箱あたり10円)ずつ、3年間で合計30円の増税が予定されています。
Q5. 値上げ前に買いだめしておけば安く済みますか?
たばこの値上げは定価そのものの改定なので、9月中に旧価格で購入したものは10月以降も旧価格のまま使えます。そのため直前の買いだめには一定の効果があります。ただし、たばこは湿気や乾燥で風味が変わりやすく長期保存に向かないこと、値上げ直前は品薄になりやすいことから、使い切れる範囲にとどめるのが現実的です。
📎 出典一覧
・財務省「たばこ税等に関する資料」
・JT「加熱式たばこに係る課税方式の見直しに伴うたばこの小売定価改定の認可について」(2026年8月5日)
・JT「同・認可申請について」(2026年7月15日)
・Impress Watch「IQOS用たばこスティック値上げ 10月に今年2回目の増税」

