今月の電気代の請求を見て、「なぜこんなに高いのか」と驚いていませんか。
使い方を変えたつもりはないのに請求額が上がっていると、何が原因なのか分からず不安になるものです。
結論から言うと、電気代が高くなる理由は、「使用量が増えた」か「単価が上がった」かの2つに大きく分かれます。
検針票の使用量(kWh)を前年同月と比べるだけで、どちらが原因かはほぼ切り分けられます。
この記事では、電気代が上がる理由を整理したうえで、自分の家の原因を見つける手順と、原因ごとの対策を解説します。
まず確認すること:使用量か単価か

電気代は、次のように決まります。
電気代 = 使用量(kWh)× 単価 + 基本料金
請求額が上がったとき、原因は「使用量が増えた」か「単価が上がった」か、あるいはその両方です。
これを見分けるには、検針票やWeb明細の使用量(kWh)を確認します。
| 前年同月と比べた使用量 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 増えている | 使い方・季節・生活の変化・家電の劣化など(使用量の問題) |
| ほぼ同じ・減っている | 単価の上昇・支援の終了・料金改定など(単価の問題) |
比べるのは先月ではなく前年同月です。
電気の使用量は季節で大きく変わるため、先月と比べると季節の影響と区別がつきません。
また、検針期間の日数も確認してください。
検針日の都合で、期間が30日の月もあれば40日近い月もあります。
日数が違うと、使い方が同じでも使用量と請求額は変わります。
正確に比べるなら、使用量を日数で割った「1日あたりの使用量」で比べると確実です。
使用量が増えている場合の理由

使用量が増えているなら、原因は家の中にあります。
よくある理由は次のとおりです。
1. 季節による冷暖房の増加
もっとも多い理由です。
冬は外気温と室温の差が大きく、エアコンの暖房の負荷が夏の冷房より重くなります。
水道水の温度も下がるため、電気で給湯している家庭では給湯の電力も増えます。
冬に電気代が上がるのは、多くの家庭で自然なことです。
2. 生活の変化
次のような変化があると、使用量は増えます。
- 在宅勤務が始まった、在宅時間が長くなった
- 家族が増えた、子どもが自分の部屋を使い始めた
- 新しい家電を買った(衣類乾燥機、食洗機、電気ストーブなど)
- 部屋の数が多い家に引っ越した
在宅勤務では、日中のエアコンと照明、パソコンが加わるため、1台のエアコンだけでも月数千円増えることがあります。
3. 暖房器具の使い方
電気ストーブやセラミックヒーター、オイルヒーターは、電気をそのまま熱に変えるため、消費電力が大きくなります。
これらで部屋全体を暖めようとすると、使用量が大きく増えます。
部屋全体の暖房はエアコンが効率的で、電気ストーブは狭い場所や短時間の補助に向いています。
4. 家電の劣化・故障
生活が変わっていないのに使用量が増えている場合は、家電の不具合を疑います。
| 家電 | 疑うべき症状 |
|---|---|
| 冷蔵庫 | ドアのパッキンが劣化している、冷えにくい、止まっている時間が短い |
| エアコン | 暖まりにくい・冷えにくい、フィルターが目詰まりしている |
| 電気温水器・エコキュート | お湯がぬるい、昼間に沸き増しが動いている |
| 給湯配管の凍結防止ヒーター | 春以降もスイッチが入ったまま |
とくに10年以上使っている冷蔵庫やエアコンは、効率が落ちて使用量が増えやすくなります。
5. 待機電力と常時稼働の機器
家電の台数が増えると、待機電力も積み上がります。
一つひとつは小さくても、合計すると月数百円になることがあります。
ただし、24時間換気や給湯器、冷蔵庫など、止めてはいけない機器もあります。
換気扇の電気代については換気扇は24時間つけっぱなし?場所別の電気代と正しい使い方で試算しています。
家電ごとの消費電力の大きさは【2026年最新】家電の消費電力ランキングTOP15|電気代が高い順に解説で順位づけしています。
使用量が変わらないのに高い場合の理由
使用量がほぼ同じなのに請求額が上がっているなら、原因は単価の側にあります。
自分では防げない要因も多いため、まず仕組みを知っておくことが大切です。
1. 国の電気・ガス料金支援の終了
国の電気・ガス料金支援が行われている期間は、電気代が1kWhあたり数円値引きされます。
2026年は、7月から9月の使用分が支援の対象でした。
📎 出典:経済産業省「2026年7月、8月及び9月使用分の電気・ガス料金支援の実施に伴い、電気・都市ガス料金の値引きを行うことができる特例認可・承認を行いました」
家庭向けの低圧の電気では、9月使用分の値引きは1kWhあたり3.5円でした。
支援が終わると、使用量が同じでも1kWhあたり数円、請求額が上がります。
月300kWhを使う家庭なら、3.5円の値引きがなくなるだけで月約1,050円の増加です。
10月使用分以降の支援については、2026年9月時点で政府の正式な発表は確認できていません。
2. 燃料費調整額の上昇
電気料金には、発電に使う燃料(原油・LNG・石炭)の輸入価格の変動を反映する燃料費調整額が含まれています。
燃料価格が上がったり、円安が進んだりすると、燃料費調整額が上がり、使用量が同じでも請求額が増えます。
資源エネルギー庁によると、燃料費調整制度は3か月間の平均燃料価格を、最短で2か月後の電気料金に反映する仕組みです。
ニュースで燃料高が報じられてから、請求額が上がるまでには数か月の時間差があるということです。
燃料価格と電気代の関係は原油価格が高騰すると電気代はどうなる?知らないと損する家庭への影響で詳しく解説しています。
3. 再エネ賦課金の改定
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及費用を電気の使用者全員で負担する仕組みで、単価は年度ごとに改定されます。
2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、2026年5月検針分から2027年4月検針分まで適用されます。
📎 出典:経済産業省「再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します」
5月検針分で請求額が上がったと感じる場合は、この改定が関係していることがあります。
仕組みや推移は再エネ賦課金がおかしいと感じる理由|仕組み・問題点・今後の見通しで解説しています。
4. 料金プランの改定・託送料金の改定
電力会社が料金プランそのものを改定することもあります。
また、送配電網の利用料である託送料金が改定されると、それを料金に反映する電力会社もあります。
2026年11月にも託送料金の改定が予定されています。
契約している電力会社から「料金改定のお知らせ」が届いていないか、メールや会員ページを確認してください。
5. 市場価格に連動するプラン
電力の卸市場の価格に連動する料金プランでは、寒波や猛暑などで電力の需給がひっ迫すると、単価が短期間に大きく上がることがあります。
自分のプランがこのタイプかどうかは、契約内容で確認できます。
原因を見分けるチェックリスト
自分の家の原因を見つけるために、次の順番で確認してください。
| 順番 | 確認すること | 分かること |
|---|---|---|
| 1 | 使用量(kWh)を前年同月と比べる | 使用量の問題か単価の問題か |
| 2 | 検針期間の日数を確認する | 日数の違いによる見かけの増加か |
| 3 | 請求額÷使用量で1kWhあたりの単価を出す | 単価が大きく上がっていないか |
| 4 | 明細の「支援による値引き」「燃料費調整額」の欄を見る | 支援の終了や燃料費の上昇か |
| 5 | 生活の変化(在宅・家族・新しい家電)を振り返る | 使い方による増加か |
| 6 | 冬以外の月(5月や10月)の使用量を確認する | 冷暖房以外の基礎的な消費が多すぎないか |
| 7 | 10年以上使っている家電がないか確認する | 家電の劣化による増加か |
1kWhあたりの単価が40円を大きく超えている場合は、単価側の問題と考えてよいでしょう。
一方、冷暖房をほとんど使わない5月や10月にも使用量が多いなら、冷暖房以外に原因があります。
異常に高いときに疑うこと
生活が変わっていないのに、使用量が前年同月の1.5倍以上になっている場合は、次のような原因も考えられます。
- 電気温水器やエコキュートの故障・設定の問題
- 凍結防止ヒーターの入れっぱなし
- 引っ越しや電力会社の切り替えによる二重請求
- 漏電
家電やコンセントから焦げたにおいがする、プラグが異常に熱い、ブレーカーが頻繁に落ちるといった症状がある場合は、電気代の問題ではなく安全の問題です。使用を中止して、電力会社や電気工事店に相談してください。
電力会社のアプリやWebの会員ページで、30分ごとの使用量のグラフを確認すると、深夜など誰も使っていない時間帯に不自然な使用がないかが分かります。
深夜2時から5時の使用量が極端に多い場合は、常に動いている何かがあると考えてください。
世帯の平均と比べてみる
自分の家の電気代が平均と比べて高いのかも確認しておくと、判断しやすくなります。
総務省の家計調査(2025年平均)では、1か月の電気代は次のようになっています。
| 世帯人数 | 1か月の電気代の平均 |
|---|---|
| 一人暮らし | 7,337円 |
| 2人世帯 | 12,144円 |
| 3人世帯 | 13,915円 |
| 4人世帯 | 13,928円 |
| 5人世帯 | 15,665円 |
これは1年を平均した金額で、冬の月はこれより高くなるのが一般的です。
また、オール電化の住まいでは給湯と調理も電気になるため、ガス併用の家庭より電気代は高くなります。
平均と比べるときは、季節と住まいの条件をそろえて考えてください。
原因別の対策
| 原因 | 主な対策 |
|---|---|
| 冬の暖房 | エアコンの設定温度を20℃目安に、窓の断熱、こたつや電気毛布の併用 |
| 電気ストーブの常用 | 部屋全体の暖房はエアコンに切り替える |
| 在宅時間の増加 | 過ごす部屋を狭い部屋にまとめる、料金プランを見直す |
| 家電の劣化 | 10年以上の冷蔵庫・エアコンは買い替えを検討する |
| 支援の終了・燃料費調整額・再エネ賦課金 | 使用量を減らす、燃料費調整額に上限のあるプランか確認する |
| 料金プランが合っていない | 生活時間帯と使用量に合ったプランに見直す |
| 契約アンペアが大きすぎる | 同時に使う家電の合計を確認して見直す(アンペア制の地域) |
単価の問題は自分では防げない部分が多いものの、使用量を減らせば、その分だけ単価の上昇の影響も小さくなります。
よくある質問
Q1. 使い方は変わっていないのに電気代が高くなったのはなぜですか?
単価が上がった可能性が高いと考えられます。
国の電気・ガス料金支援の終了、燃料費調整額の上昇、再エネ賦課金の改定、電力会社の料金改定などがあると、使用量が同じでも請求額は増えます。
まず検針票の使用量(kWh)を前年同月と比べてください。
使用量がほぼ同じなら、原因は単価の側にあります。
請求額を使用量で割って1kWhあたりの単価を出し、以前と比べると、どれくらい上がったかが分かります。
Q2. 電気代が急に高くなったときはまず何を確認すればよいですか?
検針票の使用量と検針期間の日数を確認してください。
使用量を前年同月と比べれば、使い方の問題か単価の問題かが分かります。
検針期間が長い月は、使い方が同じでも請求額が増えます。
そのうえで、明細の「支援による値引き」や「燃料費調整額」の欄を確認すると、単価が上がった理由の見当がつきます。
使用量が前年の1.5倍以上に増えていて心当たりがない場合は、家電の故障や漏電も疑ってください。
Q3. 冬に電気代が高くなるのはなぜですか?
主な理由は、暖房の負荷が大きいことです。
冬は外気温と室温の差が夏の冷房より大きくなり、エアコンは外気温が低いほど効率が落ちます。
さらに、水道水の温度が下がるため、電気で給湯している家庭では給湯の電力も増えます。
日照時間が短く照明をつける時間が長くなること、在宅時間が増えることも影響します。
冬に電気代が上がるのは多くの家庭で自然なことなので、前年同月と比べて極端に増えていないかで判断してください。
Q4. 電気代が平均より高いのは使いすぎですか?
必ずしも使いすぎとは限りません。
家計調査の平均は1年を平均した金額で、冬はこれより高くなるのが一般的です。
また、オール電化の住まいや在宅勤務の家庭、戸建てで部屋数が多い家庭は、平均より高くなりやすい条件があります。
平均と比べるときは、季節と住まいの条件をそろえて考えてください。
冷暖房をほとんど使わない5月や10月にも使用量が多い場合は、冷暖房以外に原因がある可能性があります。
Q5. 電気代が高すぎるときはどこに相談すればよいですか?
まずは契約している電力会社に相談してください。
使用量の推移や、契約プランが生活に合っているかを確認できます。
生活が変わっていないのに使用量だけが大きく増えている場合は、漏電や機器の故障の可能性もあるため、電力会社に連絡するとよいでしょう。
家電から焦げたにおいがする、プラグが熱いといった症状があれば、使用を中止して電気工事店にも相談してください。
賃貸で備え付けの設備に不具合がある場合は、管理会社や大家にも伝えてください。
まとめ
電気代が高くなる理由は、「使用量が増えた」か「単価が上がった」かの2つに大きく分かれます。
- まず検針票の使用量(kWh)を前年同月と比べ、検針期間の日数も確認する
- 使用量が増えているなら、季節・生活の変化・暖房器具の使い方・家電の劣化を疑う
- 使用量が同じなら、支援の終了・燃料費調整額・再エネ賦課金・料金改定など単価の問題
- 1kWhあたりの単価が40円を大きく超えていれば、単価側の問題と考えてよい
- 使用量が前年の1.5倍以上で心当たりがなければ、故障や漏電も疑い、電力会社に相談する
原因が分かれば、対策の方向は決まります。
まずは手元の検針票で、使用量と請求額から1kWhあたりの単価を出してみてください。

