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石油ストーブの芯が動かない・下がらないときの原因と対処|タイプ別の確認ポイント

分解した石油ストーブの写真と、芯が動かない・下がらないときの原因や対処方法を紹介するサムネイル
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

石油ストーブのつまみを回しても、芯が上がらない、下がらない、動きが重い。
そんなときは、故障かと不安になりますよね。
芯の動きが悪くなる原因は、多くの場合、芯へのタール付着、水分や不良灯油、給油直後の点火など、日常の使い方に関わるものです。
ただし、芯式の対流式・反射式と、FF式・石油ファンヒーターでは、そもそも「芯を動かす」という前提が違います。
この記事では、メーカーの取扱説明書(トヨトミ、コロナ)の記載をもとに、症状別の原因と対処を、タイプ別に解説します。
焦って分解する前に、確認できることを、順番に見ていきましょう。

目次

まず、どのタイプかを確認する

タイプ芯の動き
対流式つまみで芯を上下する。この記事の中心
反射式同上
FF式機種によって異なる。電子制御の機種が多く、芯を手で動かす前提でない場合がある
石油ファンヒーター同上

※機種によって異なります。
取扱説明書で確認してください。
FF式や石油ファンヒーターで「点火しない」「動かない」といった症状が出た場合は、芯ではなく、表示(エラーコード)や電源の確認が先です。
取扱説明書の「故障かな?と思ったら」のページで、表示の意味を確認してください。

芯が動かなくなる主な原因

トヨトミの取扱説明書(RB-25C、RS-S23C)では、芯が上下しない主な原因として、次の3つが挙げられています。

原因内容
タールの付着灯油の燃えかす(タール)が芯に付着して固まる
水分の混入芯が水を含み、上下操作が重くなる
不良灯油の使用変質灯油や、水・ごみが混じった灯油が、タールや水分の原因になる

コロナの取扱説明書(SX-CE280Y)にも、同様に、不良灯油などによる芯へのタール付着が、芯が重くなる・下がらない原因として記載されています。
灯油の変質は、変質した古い灯油の見分け方を解説した記事で紹介しています。

原因の仕組み

3つの原因は、どれも、「芯が毛細管現象で灯油を吸い上げる」仕組みに関わっています。

原因芯の中で起きていること
タール灯油の燃えかすが、芯の繊維の間や、芯を支える部品との間で固まり、すき間をふさぐ
水分水を含んだ繊維がふくらんだり、重くなったりして、芯を支える部品との間の摩擦が増える
不良灯油変質した成分や不純物が、タールや固着物の元になる

つまり、芯が動かなくなるのは、芯そのものが壊れたのではなく、芯のまわりに固着物がたまったり、芯が水を含んだりして、動きにくくなった状態が多い、ということです。
この状態なら、手入れや灯油の入れ替えで改善する可能性があります。

ほかに考えられる原因

原因内容
給油直後の点火灯油が芯になじんでいないと、上下が重くなったり、点火・消火ができないことがある
内炎筒・外炎筒の変形変形により、芯が下がらないことがある(トヨトミ)
置き台のほこり消火しない・芯が下がらない原因になる(トヨトミ)
芯の取付不良交換後に、なじませ不足や、部品の向き違いで動きが悪くなる
上下機構・対震自動消火装置の故障販売店に修理を依頼する(コロナ)

症状から原因を切り分ける順番

「動かない」と言っても、症状はさまざまです。
次の順番で確認すると、原因を絞り込みやすくなります。

順番確認すること次の対応
1給油から20分以上経っているか経っていなければ、待ってから様子を見る
2灯油は新しく、水が混じっていないか疑わしければ、新しい灯油に入れ替える
3対震自動消火装置がセットされているかつまみを止まるまでゆっくり回して、セットする
4給油タンクが正しくセットされているかセットし直す
5置き台や周囲にほこりがたまっていないか清掃する(冷めてから)
6芯にタールが付いていないかから焼きなどの手入れを、説明書の範囲で行う
7それでも改善しない芯の交換、または販売店に相談する

いきなり分解せず、簡単に確認できる項目から順に試すのが基本です。1〜5の確認だけで、解決するケースも少なくありません。

症状別|原因と対処

症状1:つまみが重い

確認すること対処
「カチカチ」と音がして重いコロナの取扱説明書では、対震自動消火装置がセットされているためで、異常ではないとされている。セットされた後は軽くなる
タールが付着している芯の手入れ(から焼き)を行う
芯が水を含んでいる芯を交換する
給油直後給油してから20分以上待つ

「カチカチ」という音は、故障ではない場合があります。機種によって異なるため、取扱説明書の記載で確認してください。

症状2:芯が上がらない

確認すること対処
対震自動消火装置がセットされているかつまみを、止まるまでゆっくり回してセットする(機種によって方向の表記が異なる)
給油タンクが正しくセットされているか正しくセットされていないと、給油時消火装置が働き、つまみが戻って点火できない(トヨトミ RS-S23C)
芯にタールが付着している手入れをする
給油直後ではないか20分以上待つ

症状3:芯が下がらない・消火できない

手順内容
1緊急消火レバー(スピード消火ボタン)を押す
2下がらなければ、つまみを消火方向へ強く回しきる
3それでも消えなければ、メーカーの指示に従って火が消えるまで燃やしきる(トヨトミ RS-S23Cでは、油タンクを取り出し、約1時間と記載)
4消えた後は使用を中止し、販売店に相談する

消えないからといって、ストーブを押したり、水をかけたりしないでください。火が消えるまで目を離さず、窓を開けて換気しながら、メーカーの手順に従ってください。
コロナの取扱説明書では、燃焼中に給油タンクを持ち上げると、給油時消火装置が働いて自動的に消火する仕組みも紹介されています。
タンクを取り出す際は、天板の上を通さないよう注意が必要です(灯油がたれると火災の原因になります)。

芯が下がらずに消火できない状態は、慌てやすい場面です。
事前に、緊急消火レバーの位置と、つまみを回す向きを、取扱説明書で確認しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。

芯の手入れ(から焼き)

芯に付着したタールを減らす手入れとして、メーカーは「から焼き」を案内しています。

手順内容
1空の給油タンクをセットする
2点火し、芯を上げて燃焼させる
3灯油がなくなり、火力が弱まったら、さらに消火するまで燃焼させる
4手入れ後に使うときは、芯を一番下まで下げ、灯油を入れて20分以上待って点火する

コロナの取扱説明書では、月1回を目安に点検し、手入れを行うことが案内されています。
から焼きは、風のあたらない屋内で、換気を十分にして行ってください。作業中は乾電池を外し、機種によって可否が異なるため、必ず取扱説明書に従ってください。
トヨトミの取扱説明書では、芯の先端が固い場合は、ラジオペンチで軽くつぶしてから手入れをする方法が案内されています。

不良灯油の場合

不良灯油が原因と考えられるときは、次のように案内されています。

手順内容
1油タンク・油受けざらの灯油を抜く
2良質の灯油で2〜3回洗浄する
3新しい灯油に入れ替える
4芯の状態に応じて、手入れまたは交換を行う

古い灯油の処分は、古い灯油の処分方法を解説した記事で紹介しています。

交換が必要な場合

状態対処
手入れをしても、タールが取れない芯を交換する
芯が水を多量に含んでいる芯を交換する
芯の上部が薄くなる、短くなる、凹凸になる芯を交換する

コロナの取扱説明書では、芯の交換は販売店や相談窓口に依頼することが勧められています。
自分で交換する場合の流れは、石油ストーブの芯交換のやり方を解説した記事で紹介しています。

交換直後に動かないとき

芯を交換した直後に動きが悪い場合は、取り付けに原因があることがあります。
トヨトミの芯の資料では、次の点が挙げられています。

確認ポイント内容
芯のなじませ充分になじませないと、芯が下がらないことがある
部品の向き芯保持筒を、刻印で上下を確認して取り付ける
部品の干渉板バネと芯の下端が、からまっていないか
蝶ナットの締め方対角線上に均等に、少しずつ締める。すき間が全周で揃っているか確認する

それでも改善しない場合は、取り付け手順をやり直してください。

販売店に相談すべき状態

状態理由
手入れ・交換しても、芯が下がらない上下機構や対震自動消火装置の故障の可能性
緊急消火しても消えない安全上、使用を中止する
炎がかたよる、赤火やすすが出る燃焼筒の変形などの可能性
油漏れがある火災のおそれ
焦げるようなにおいがする異常燃焼のおそれ

油漏れ、炎が不安定ですすが出る、強くゆすっても炎が消えない、焦げるようなにおいがするといった異常がある場合は、使用を中止して販売店に連絡してください。
長年使った機種では、部品全体が劣化していることもあります。
修理を重ねるより、買い替えが現実的な場合もあるため、石油ストーブの寿命を解説した記事も参考にしてください。

予防のポイント

ポイント内容
灯油の質変質灯油、水の混じった灯油を使わない
給油後の待ち時間20分以上待ってから点火する
定期点検月1回、芯の上下がスムーズか、タールが付着していないか確認する
対震自動消火装置の確認使用開始時と使用中に月1回以上、作動を確認する
保管シーズン後は灯油を抜き、電池を外す

シーズンの終わりに、灯油を抜かずに保管すると、翌シーズンに芯が固まって動かなくなる原因になります。
片付け方は、石油ストーブの片付け方を解説した記事で紹介しています。

どのタイプでも、開放式は使用中に1時間に1〜2回を目安に窓を開けて換気してください。就寝中や、長時間その場を離れるときは必ず消火し、給油は消火して冷めてから行ってください。ガソリンは絶対に入れないでください。

よくある質問

Q1. 石油ストーブの芯が重くて動かないのは、故障ですか?

故障とは限りません。
タール付着、水分、不良灯油、給油直後の点火などが原因のことが多く、手入れや灯油の入れ替えで改善する場合があります。
コロナの取扱説明書では、対震自動消火装置がセットされているときの「カチカチ」という音と重さは、異常ではないとされています。

Q2. 芯が下がらず、火が消えません。どうすればいいですか?

緊急消火レバー(スピード消火ボタン)を押し、下がらなければ、つまみを消火方向へ回しきります。
それでも消えなければ、メーカーの手順に従って、火が消えるまで燃やしきります。
換気をしながら、目を離さないでください。

Q3. 給油したばかりだと、芯が動きにくいことがありますか?

あります。
トヨトミの取扱説明書では、灯油が芯に十分なじんでいないと、上下操作が重くなったり、点火や消火ができないことがあると記載されています。
20分以上待ってから点火してください。

Q4. 芯の交換は、自分でできますか?

対流式・反射式で、説明書に手順がある機種は、自分で交換できる場合があります。
コロナの取扱説明書では、販売店または相談窓口に依頼することが勧められています。

Q5. FF式の芯が動かないときは?

石油ファンヒーターは芯を使わず、FF式は機種によって芯の扱いが異なります。
表示(エラーコード)や電源を確認し、取扱説明書に従ってください。
分からない場合は、販売店・メーカーに相談しましょう。

まとめ

芯が動かない原因の多くは、タール付着、水分、不良灯油、給油直後の点火です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
主な原因タール付着、水分、不良灯油
重いとき「カチカチ」は対震自動消火装置のセット音の場合がある。手入れ(から焼き)または交換
下がらないとき緊急消火→つまみを回しきる→燃やしきる。使用中止して相談
給油直後20分以上待つ
FF式・ファンヒーター芯ではなく、表示・電源を確認
予防灯油の質、月1回の点検、シーズン後に灯油を抜く

まずは、どのタイプか、給油から20分以上経っているかを確認し、取扱説明書の手順に沿って、一つずつ原因を切り分けてみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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