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ペットがいる家で石油ストーブを使うときの対策とは?|猫・犬・小鳥

猫・犬・小鳥がいる家庭で石油ストーブを使用する際の注意点として、ストーブガードの設置、可燃物との距離、こまめな換気を紹介するイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

ペットを飼っている家では、「猫や犬が石油ストーブに触れてやけどをしないか」「倒したら火事にならないか」「小鳥がいる部屋で使ってよいのか」と心配になります。
留守番をさせる時間がある家庭では、なおさら気になる点です。
この記事では、NITE(製品評価技術基盤機構)の事故の集計、消費者庁の注意喚起、コロナ・トヨトミの取扱説明書で確認できた内容をもとに、ペットがいる家で石油ストーブを使うときの対策を整理します。
対流式・反射式・FF式・煙突式・石油ファンヒーターの違いにも触れ、部屋のレイアウトの見直し方や、毎日の点検の流れまでまとめました。

目次

ペットと暖房器具の事故の傾向

NITEの資料には、2013年度から2022年度までの10年間の、ペットが関わる製品事故の集計がありました。

スクロールできます
対象件数(うち火災)
ストーブ(石油・ガス・電気)でペットが関わる事故5件(4件)。内訳は猫1件、犬2件、犬と猫1件、その他・不明1件
ペット用ヒーター3件(3件)

この集計には、石油ストーブだけの件数は載っていません。
また、暖房器具を倒した行動は、犬で1件、猫で1件と記載されています。

10年間で5件という数字は、暖房器具全体の事故件数から見ると多くはありません。
ただ、ストーブでペットが関わった5件のうち4件が火災です(5件中4件で80%。
当サイト計算)。
件数が少なくても、起きたときは火災につながりやすいと読み取れます。
ペット用ヒーターは、3件すべてが火災でした。

個別の事例としては、2018年11月に兵庫県で起きた電気ストーブの火災が紹介されていました。
犬1匹と猫6匹を飼う部屋で、ペットが電気ストーブに触れて転倒させ、近くの枕にヒーター面が接触して着火したと推定されています。
石油ストーブの事例ではありませんが、ペットが暖房器具を倒す、近くの可燃物に熱が触れるという流れは共通です。
NITEは「こんろや暖房器具の周りには、可燃物やペットの興味を引く物を放置しない」と案内しています。

事故につながる流れを分解する

事例から、事故の流れを順に分けてみます。

段階起きること断ち切る方法
1ペットがストーブの近くに行く囲いで近づけない。通り道から外す
2ペットが触れる・ぶつかる安定した場所に置く。周囲に空間をつくる
3ストーブが倒れる・ずれる水平で安定した床に置く。囲いで固定に近い状態にする
4近くの可燃物に熱が触れるブランケット・枕・段ボールなどを近くに置かない
5着火する外出時・就寝時は必ず消火する

どれか1つを断てば、最後の着火まで進みにくくなります。
1つの対策に頼らず、複数を重ねることが大切です。

猫・犬の対策

猫や犬は、ストーブに近づいたり、ストーブの周りで動き回ったりします。

リスク対策の考え方
ストーブ本体に触れてやけど本体に近づけないよう、囲いで物理的に分ける
ストーブを倒す・ぶつかる水平で安定した場所に置く。通り道に置かない
周囲の物に熱が触れるストーブ周りに可燃物や、ペットの興味を引く物を置かない
温風が当たり続けるファンヒーターは、ペットが長く温風の前にいないか気をつける

消費者庁は、子どもの事例として、床置きタイプの暖房器具を子どもの手が届かない場所に置くか、安全柵などで囲むことを案内しています。
ペットにも同じ考え方が使えます。

ペット情報メディアの記事(獣医師の監修は記載なし)では、猫が近づける位置のヒーターを倒すと大やけどのおそれがあるとして、サークルで囲い、猫が近づけないようにする対策が紹介されていました。

囲いの選び方は、ストーブガードの選び方を解説した記事で整理しています。

猫・犬で気をつけたい行動

行動起こりやすい危険
暖かい場所で丸くなる本体や温風に近づきすぎて、やけどのおそれ
高い場所に飛び乗る天板や囲いに乗る。やかんや布類の落下
走り回る・じゃれるストーブにぶつかる。囲いをずらす
物をくわえて遊ぶ布類やおもちゃをストーブの近くに持ち込む
コードや紐にじゃれるファンヒーターの電源コードを引っ張る(電源を使う機種のみ)

猫は高い場所に上るのが好きな動物として知られています。
ストーブの上に物を置いたり、囲いの上に布をかけたりすると、足場になって危険です。
「上に乗れる場所を作らない」という発想も、対策のひとつになります。

犬は、体が大きいほど、ぶつかったときにストーブを動かす力が大きくなります。
大型犬がいる部屋では、通り道からストーブを外すことと、囲いの設置を優先してください。

小鳥・小動物の対策

コロナのFF式(アグレシオ FF-AG6819H)の取扱説明書には、ペットや小鳥について次の記載がありました。

項目取扱説明書の内容
初めて使うときの煙・臭い小鳥や小動物などに影響する場合が考えられるため、この間は部屋に入れない
用途動植物の飼育・栽培などには使用しない

トヨトミ RS-S23C の取扱説明書には、温室・飼育室など人のいない場所では使用しないという記載がありました。

小鳥や小動物のいる部屋で使うときは、取扱説明書の注意を必ず確認してください。小鳥が石油ストーブの排ガスや換気にどれだけ影響を受けるかについて、この記事では取扱説明書やNITE以外の根拠を確認できていません。心配な場合は、ペットを診てもらっている動物病院にも相談してください。

初めて使うときのにおいは、使いはじめの臭いを解説した記事で整理しています。

小鳥・小動物のいる家での考え方

取扱説明書の記載から、次のように整理できます。

場面考え方
新品・シーズン最初の使用煙・においが出る間は、小鳥・小動物を別の部屋に移す(コロナの取扱説明書)
日常の使用同じ部屋で飼う場合は、換気を確実に行う。取扱説明書と動物病院に確認
飼育のための暖房動植物の飼育・栽培には使わない(コロナ)。飼育用の暖房は別の方法を検討
人のいない飼育室使用しない(トヨトミ)

飼育室の暖房に石油ストーブを使うことは、取扱説明書では想定されていません。
小鳥や小動物の保温が必要な場合は、ペット用に作られた保温器具の取扱説明書で使い方を確認してください。

囲いと距離の考え方

スクロールできます
ポイント内容
囲い安全柵やストーブガードで囲む。囲いの対応サイズ・対応タイプは製品ごとに確認
周囲の距離囲いがあっても可燃物は離す。トヨトミの図では「上方1m以上」「周囲50cm以上」(機種により異なる)
囲いに物をかけない洗濯物やブランケットをかけない
高温部燃焼中や消火直後は、高温部や天板、ガードに触れない(トヨトミの取扱説明書)

ペットのベッドやブランケットを、ストーブの近くに置かないでください。布類をストーブの上方や周囲に置かないよう、トヨトミの取扱説明書にも記載があります。火災の原因は、火事・爆発を防ぐ方法を解説した記事をご覧ください。

周囲に空ける距離の計算

トヨトミの図にある「周囲50cm以上」をもとに、ストーブの外形から必要な床面積を考えます(当サイト計算。
本体の幅40cm×奥行40cmと仮定した例で、実際は機種の取扱説明書の数値を使ってください)。

項目計算結果
本体の幅40cm—
周囲50cmを両側にとる40+50+50幅140cm
奥行も同じ40+50+50奥行140cm
必要な床面積1.4m×1.4m約1.96㎡

約1.96㎡は、畳1畳(約1.62㎡)より広い面積です。
この範囲に、ペットのベッド・ブランケット・おもちゃ・段ボールなどを置かないことになります。
部屋が狭い場合は、置ける場所が限られることがわかります。

部屋のレイアウトの見直し

ペットのいる家では、ストーブの置き場所と、ペットの居場所の関係を見直すと対策しやすくなります。

見直す点考え方
ストーブの位置通り道・出入口の近くを避ける。部屋の角など、ぶつかりにくい場所
ペットのベッドストーブから離れた場所に移す。ストーブの周囲50cm以内には置かない
家具の配置家具の上からストーブへ飛び移れる位置関係にしない
コード類電源を使う機種は、ペットがかじらない・引っ張らないよう配慮
出入口ペットが出入りするドアの近くに置かない
窓換気で窓を開けるときに、ペットが脱走しないよう気をつける

「ストーブの近くが暖かいから、ペットのベッドもそこに置く」という流れは、ありがちですが危険です。ペットが暖かい場所を求めて近づくことを前提に、囲いと距離で先に守っておくことが大切です。
部屋全体を暖める考え方は、石油ストーブの部屋全体の暖め方を解説した記事でも整理していますが、ペットのいる家では、ストーブから離れた場所でも暖かくなる工夫のほうが安全です。

ストーブから離れた場所を暖かくする工夫

工夫内容
床に断熱マットペットのベッドの下に敷く(ストーブの周囲には置かない)
窓の断熱冷気を減らし、部屋全体の温度を保ちやすくする
ペット用ベッドの工夫ペット用の暖房器具は、それぞれの取扱説明書に従う
日当たりのよい場所昼間は日が当たる場所にベッドを置く

ペット用ヒーターは、前述のとおりNITEの集計で3件すべてが火災です。
使うときは、取扱説明書の使い方を確認し、留守番時には電源を切ってください。

留守番時・就寝時

外出時と就寝時は、必ず消火してください。これは取扱説明書に共通する注意です。

ペット情報メディアの記事でも、留守番時はヒーターや電気カーペットの電源を必ず切ること、防寒グッズだけでは寒さが厳しい場合はエアコンを使うことが紹介されていました。

場面考え方
外出するとき石油ストーブは必ず消火
ペットだけの留守番寒さ対策は、石油ストーブ以外の方法で。エアコンなど
就寝時消火。つけっぱなしは避ける

つけっぱなしの考え方は、つけっぱなしを解説した記事をご覧ください。

外出前の確認手順

順番確認すること
1ストーブを消火する(炎が消えたことを目で確認)
2消火後、本体が冷めるまで待つ。ペットが触れない状態にしておく
3ペットが入れない部屋に移す、またはケージ・サークルに入れる
4窓・ドアの戸締りと、ペットが外に出られないことを確認
5寒さ対策が必要なときは、石油ストーブ以外の方法(エアコンなど)を使う

消火直後は、本体が高温のままです。
トヨトミの取扱説明書にあるとおり、消火直後の高温部には触れないでください。
ペットが触れる位置にあるときは、冷めるまで囲いを外さないでください。

留守番の時間を考える

ペットが留守番する時間が長いほど、室温管理が課題になります。

留守番の時間考え方
短時間(買い物など)石油ストーブは消火。戻ったあとに再点火して暖める
半日〜1日エアコンなど、無人でも使える暖房を検討
夜間を含む就寝中は消火。ペットの寝床の保温を別の方法で

どの場合も、石油ストーブをつけたまま外出することはできません。

換気とにおい

開放式の石油ストーブは、使用中に1時間に1〜2回を目安に窓を開けて換気します。
ペットのいる部屋でも同じです。
換気の方法は、換気の目安を解説した記事をご覧ください。

ペット情報メディアの記事では、暖房で空気が乾燥して粘膜が乾くと体調を崩すきっかけになるとして、加湿器の併用や、濡らしたバスタオルを室内に干す方法が紹介されていました。
ただし、石油ストーブの上で洗濯物を干すのは禁止です。
バスタオルを干す場合は、ストーブから離してください。

換気のときの注意

場面注意
窓を開けるときペットが外に出ないよう、出入口を確認する
冷たい風が入るときペットが寒くないよう、ベッドや居場所への風を避ける
換気中の炎ストーブに風が直接当たらない窓を選ぶ

換気中は、ペットを別の部屋に移しておくと、脱走や冷えの両方を避けやすくなります。

タイプ別の注意点

タイプペットのいる家で気をつける点
対流式本体や天板が熱くなる。囲いの対応を確認(四方式ガードは対流式に使えないと記載)
反射式囲いの対応サイズ・対応タイプを製品ごとに確認
石油ファンヒーター温風が当たり続けるとやけどのおそれ。吹き出し口の位置を確認
FF式室内の空気を使わない方式。本体の熱や温風の吹出口に注意。コロナの取扱説明書に、小鳥・小動物の記載あり
煙突式設置や周囲の注意は取扱説明書で確認

タイプごとの特徴は、対流式ストーブ、FF式石油ストーブの解説記事でも整理しています。
全体の安全の考え方は、事故の傾向と安全に使う基本の記事にまとめています。

どのタイプでも、開放式は使用中に1時間に1〜2回を目安に窓を開けて換気してください。就寝中や、長時間その場を離れるときは必ず消火し、給油は消火して冷めてから行ってください。ガソリンは絶対に入れないでください。

タイプ別に見る、ペット対策の優先度

タイプ優先したい対策
対流式本体の高温部に触れさせない囲い。天板の上に物を置かない
反射式前面の高温部に近づけない。囲いのサイズ確認
石油ファンヒーター温風の前に長くいさせない。囲いはFFG-850Nなど対応品を確認
FF式本体と吹出口に近づけない。小鳥・小動物は初回使用時に別室へ
煙突式煙突周辺の高温部にも注意。設置は取扱説明書に従う

毎日の点検チェックリスト

ペットのいる家で石油ストーブを使うとき、点火前と使用中、消火後に次の点を確認します。

タイミングチェック項目確認
点火前ストーブの周囲にペットのベッド・布類・おもちゃがない□
点火前囲いがずれていない。ストーブが水平で安定している□
点火前ペットが囲いの中に入り込んでいない□
使用中ペットが囲いの外から手を伸ばしていない□
使用中囲いの上に物が乗っていない□
使用中1時間に1〜2回の換気をしている□
消火後冷めるまで囲いを外さない□
外出・就寝前必ず消火した□

チェックリストは、家族全員で共有すると、うっかりを減らせます。

よくある質問

Q1. 猫や犬がいる家で石油ストーブを使ってもよいですか?

取扱説明書の注意を守り、ペットが触れたり倒したりしないよう囲うなどの対策をしたうえで、使うかどうかを判断します。
NITEの集計では、ペットが関わる暖房器具の事故が報告されています。

Q2. 囲いは必要ですか?

消費者庁は、子どもの事例で、床置きタイプは手が届かない場所に置くか、安全柵などで囲むよう案内しています。
ペットにも同じ考え方が使えます。

Q3. 小鳥の部屋で使えますか?

コロナの取扱説明書には、初めて使うときの煙・臭いが小鳥や小動物に影響するおそれがあるため、この間は部屋に入れないという記載があります。
使えるかどうかは、取扱説明書と動物病院に確認してください。

Q4. 留守番のときにつけておいてもよいですか?

いいえ。
外出時は必ず消火してください。
寒さ対策は、石油ストーブ以外の方法を検討します。

Q5. ペットが倒したらどうなりますか?

対震自動消火装置は、地震や強い振動で自動消火する装置です(トヨトミ)。
ペットが倒した場合の動作は、機種ごとに異なる可能性があります。
倒れない安定した場所に置き、囲うことが基本です。

まとめ

ペットのいる家では、囲い、距離、消火の3つが基本です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
事故の傾向NITE:2013〜2022年度のペットが関わるストーブ事故は5件(うち火災4件)
猫・犬囲いで分ける。周囲に可燃物やペットの興味を引く物を置かない
小鳥・小動物初回使用時の煙・臭いに注意(コロナ)。取扱説明書と動物病院に確認
距離上方1m以上・周囲50cm以上(トヨトミの図の例)
レイアウト通り道・出入口を避け、ペットの居場所はストーブから離す
留守・就寝必ず消火
換気1時間に1〜2回を目安に窓を開ける

まずは、お持ちのストーブの取扱説明書で、「設置場所」と「使用してはいけない場所」の欄を確認してみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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