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石油ファンヒーターの灯油の抜き方とは|カートリッジタンクと本体内の残油

石油ファンヒーターの本体内に残った灯油を、手動ポンプで容器へ抜き取るイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

石油ファンヒーターの灯油を抜く作業は、「カートリッジタンクの灯油を抜く」と「本体内に残った灯油を燃やし切る」の2段階に分けて考えます。
タンクの灯油は、灯油用ポンプを使って容器に移し、本体内の灯油は、無理に抜こうとせず、運転して使い切るのが基本です。
作業は、火を消し、本体が冷めてから、換気のよい場所で行います。

この記事では、カートリッジタンクの灯油を安全に抜く手順と、本体内の残油の考え方、抜いた灯油の扱いを整理します。
灯油を入れ間違えたときや、水が混ざったときの対応も、あわせて書きます。

目次

結論:タンクはポンプで抜き、本体内は運転して燃やし切る

抜く場所ごとの方法は、次のとおりです。

場所抜き方注意点
カートリッジタンク灯油用ポンプで、専用の容器に移すこぼさない。火気厳禁
本体内運転して、燃やし切る分解して抜かない
ポリ容器の残り使い切るか、処分する変質した灯油は戻さない

カートリッジタンクは、取り外して持ち運べる構造のため、灯油の抜き取りが比較的簡単です。
一方で、本体内には、気化器やその周辺に少量の灯油が残っています。
これを自分で抜こうとして分解するのは、危険なので避けてください。

灯油を抜くのは、どんなときか

灯油を抜く場面は、主に次のとおりです。

場面理由
シーズンオフの片付け翌シーズンまで、灯油を入れたまま保管しないため
灯油が古い、変質している点火不良やにおいの原因になるため
水が混ざった疑いがある燃焼不良を防ぐため
入れ間違えた本来入れてはいけない燃料が入った場合
長期間使わない予定ができた不具合を防ぐため
修理に出す輸送中のもれを防ぐため

特にシーズンオフの片付けのときは、毎年必ず行う作業です。片付け全体の手順は、ファンヒーターのしまい方の記事で整理しています。

作業の前に用意するもの

作業を始める前に、次のものを用意してください。

用意するもの理由
灯油用の手動ポンプ(サイフォン式・回転式)タンクの灯油を安全に移す
灯油専用のポリ容器抜いた灯油を入れる。清潔なもの
乾いた布・キッチンペーパーこぼれた灯油を拭き取る
新聞紙や吸収シート床の保護、こぼれ対策
手袋手に灯油が付くのを防ぐ
ビニール袋拭いた布を入れる

ポリ容器は、灯油用として売られている、フタがしっかり閉まるものを使います。
飲料用のペットボトルなどに、灯油を移すのは避けてください。
容器が違うと、誤って飲んでしまう事故や、容器の劣化による漏れにつながります。

灯油用ポンプの種類と選び方

灯油を移すポンプには、いくつかの種類があります。
作業の頻度や、手の力に合わせて選んでください。

種類特徴向いている人
サイフォン式(押しつぶし式)容器の高低差を使って流す。安価で軽い年に数回の作業、少量の移し替え
回転式(ハンドル式)ハンドルを回して吸い出す。量を調整しやすい毎年の給油や片付けで使う人
電動式スイッチ操作で吸い出す。力がいらない量が多い、手の力に不安がある人

サイフォン式は、タンクより低い位置に容器を置く必要があります。高低差が取れない場所では、回転式や電動式のほうが使いやすくなります。

どのポンプでも、使い終わったら、先端に残った灯油を拭き取り、決まった場所に保管してください。
灯油が付いたまま放置すると、においが残ります。

作業する場所と、注意すること

灯油の抜き取りは、場所選びが重要です。

条件理由
火の気のない場所灯油の蒸気に引火する危険を避ける
換気のよい場所においがこもらず、蒸気を逃がせる
床がこぼれても拭ける場所床の汚れを防ぐ
本体から十分に離れた場所万一の引火を避ける
子どもやペットが近づかない場所誤って触れる事故を防ぐ

屋外のベランダや、玄関先など、風通しのよい場所が適しています。
居室から離れた場所で、作業をしてください。

作業中は、ストーブやコンロなど、ほかの火を使う器具をすべて消しておきます。
たばこを吸いながらの作業は、絶対にしないでください。

灯油を扱うときは、必ず火を消し、周囲の火気をなくしてから作業してください。

カートリッジタンクの灯油を抜く手順

カートリッジタンクの灯油は、次の手順で抜きます。

順番手順ポイント
1運転を止め、本体が冷めていることを確認する熱い部分に灯油がかかるのを避ける
2電源プラグを抜く作業中の誤作動を防ぐ
3カートリッジタンクを取り外す取り外し方は取扱説明書に従う
4風通しのよい安全な場所に運ぶ本体から離れた場所に移す
5口金(キャップ)を外す灯油が飛び散らないよう、ゆっくり開ける
6灯油用ポンプで吸い出すポリ容器に移す
7残りを少しずつ傾けて抜くタンクの底に残った灯油を取り切る
8口金を閉める確実に閉める
9こぼれた灯油を拭き取る乾いた布で拭く

ポンプを使うと、こぼれにくく、手も汚れません。
ポンプがない場合は、タンクを傾けて直接ポリ容器に移す方法もありますが、こぼれやすいので、慎重に行ってください。

タンクの底に残った灯油は、タンクをゆっくり傾けて、少しずつ移します。
この作業は、焦らず、床にこぼさないよう注意してください。

タンクの内部を洗ってもいいか

タンクの内側が汚れていると、洗いたくなります。しかし、水で洗うことは、おすすめできません。

洗う場合起きること
水で洗う水が残ると、灯油に混ざって燃焼不良の原因になる
洗剤を使う洗剤が残り、燃焼に影響するおそれがある
乾かさずに使う水分が混ざって、不具合を起こす

タンクの内側に、汚れやゴミが見られる場合は、機種の取扱説明書の指示に従ってください。
汚れがひどい場合は、メーカーや販売店に相談するのが安全です。

灯油に水が混ざったときの影響は、灯油への水の混入の記事で整理しています。

本体内の灯油の考え方

カートリッジタンクの灯油を抜いても、本体内には、少量の灯油が残っています。
本体内の灯油は、次のように扱います。

方法内容
運転して燃やし切るタンクを空にした状態で運転し、本体内の灯油がなくなって消火するまで待つ
自分で分解して抜くしない。故障や火災の原因になる
そのまま保管する避ける。翌シーズンの不具合の原因になる

多くの機種では、タンクを空にしたあと、運転して本体内に残った灯油を燃やし切る手順が、取扱説明書に示されています。
消火するまでの運転は、窓を開けて換気しながら、近くで様子を見ながら行ってください。

燃やし切ったあとは、運転を止め、電源プラグを抜いて、本体が冷めてから片付けます。
手順の細かい違いは、機種ごとに異なるため、自分の機種の取扱説明書を確認してください。

抜いた灯油は、どうするか

抜いた灯油が、新しく清潔なものであれば、次のシーズンまで保管して使えることもあります。
ただし、保管の条件が悪いと、変質してしまいます。

灯油の状態扱い
シーズン中に買った、きれいな灯油密閉して、冷暗所に保管する。翌シーズンは新しい灯油を使うのが安心
色が濃い、においが強い変質している。使わずに処分する
水が混ざっている使わずに処分する
古くなった、前のシーズンの灯油使わずに処分する

処分する場合は、ガソリンスタンドや灯油販売店に相談するのが確実です。
自治体のごみ収集には出せないため、処分の方法を、事前に確認してください。
詳しい扱いは、残った灯油の使い道と処分の記事で整理しています。

下水や側溝、土に流して捨てることは、絶対にしないでください。
環境を汚染し、火災の危険もあります。

灯油とガソリンを間違えて入れたとき

まれに、灯油の代わりに、ガソリンを入れてしまう事故が起きます。
ガソリンは、灯油よりはるかに引火しやすく、ファンヒーターに入れると、火災や爆発の危険があります。

製品評価技術基盤機構(NITE)の資料でも、誤ってガソリンを給油したことで、気化したガソリンに点火時の火花などが引火し、建物が全焼した事例が紹介されています。
カートリッジタンクには、「ガソリン使用禁止」のラベルが貼られています。
NITE 石油ストーブ・石油ファンヒーターの事故(東海4県版)に、事例と注意点があります。

状況対応
ガソリンを入れたかもしれない絶対に運転せず、火気を遠ざける
入れてしまったプラグを抜き、換気して、販売店やガソリンスタンドに相談する
灯油か分からない液体使わずに、購入元に確認する

ガソリンを入れた状態の本体やタンクは、自分で処理せず、専門の業者に相談してください。

抜く前に、灯油を減らしておくコツ

片付けのたびに、多くの灯油を抜くのは大変です。
抜く量を減らすには、シーズンの終わりに向けて、少しずつ使い切るのがコツです。

時期やり方
暖房を終える2週間ほど前買い足す灯油の量を、必要な分だけにする
最後の1週間タンクの灯油が減るペースを見ながら、給油の量を調整する
最後の日タンクに残った灯油を、使い切るか、少量なら抜く

最後に残る灯油が少なければ、抜く作業も、処分する量も少なくて済みます。
タンクの容量を意識して、燃焼時間を計算しておくと、調整しやすくなります。

灯油を抜くときの、よくある失敗

灯油を抜くときに起きやすい失敗と、その対策をまとめます。

失敗原因対策
床に灯油をこぼした傾けすぎ、ポンプの操作ミス吸収シートを敷く。すぐに拭く
においが部屋に残った換気不足窓を開け、数時間換気する
手や服に灯油が付いた手袋なし手袋を使う。付いたらすぐ洗う
容器から灯油があふれた容器の容量を超えて移した容器の残りの容量を確認する
本体内の灯油が抜けない分解しようとした運転して燃やし切る

こぼれたときは、慌てず、まず火気がないことを確認してから、拭き取ります。
拭いた布は、火気のない場所で、ビニール袋に入れて処分してください。

よくある質問

Q1. カートリッジタンクの灯油は、どうやって抜けばいいですか?

灯油用の手動ポンプを使い、専用のポリ容器に移します。
風通しのよい、火の気のない場所で、本体が冷めてから行ってください。

Q2. 本体の中の灯油も、抜いたほうがいいですか?

自分で抜こうとしないでください。
タンクを空にしたあと、運転して本体内の灯油を燃やし切るのが基本です。

Q3. 抜いた灯油は、翌シーズンも使えますか?

状態によります。
密閉して冷暗所に保管した、きれいな灯油なら使えることもありますが、翌シーズンは新しい灯油を使うほうが安心です。

Q4. 灯油を捨てたいのですが、どうすればいいですか?

ガソリンスタンドや灯油販売店に、引き取りを相談してください。
下水や土に流すことは、絶対にしないでください。

Q5. タンクを水で洗ってもいいですか?

おすすめしません。
水が残ると、灯油に混ざって、燃焼不良の原因になります。

まとめ

石油ファンヒーターの灯油は、タンクはポンプで抜き、本体内は運転して燃やし切ります。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
カートリッジタンク灯油用ポンプで、専用のポリ容器に移す
本体内分解せず、運転して燃やし切る
作業の条件火気なし、換気よし、本体が冷めていること
洗浄タンクの内部は水洗いしない
抜いた灯油変質したものは使わず、販売店などに処分を相談する
ガソリン入れた疑いがあれば、絶対に運転しない

まずは、タンクの灯油を抜くための、灯油用ポンプとポリ容器が手元にあるかを、確認してみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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