給湯器のリモコンに「510」「801」「811」「721」といった番号が表示された。
見慣れない数字が並ぶと、何が起きているのか見当がつきませんよね。
これらはいずれも、ガスを止める仕組みと、炎を検知する仕組みに関わるコードです。
給湯器の安全は、この2つが正しく働くことで成り立っています。
そのため他のエラーとは扱いを変える必要があり、リセットして様子を見るという判断は取らないでください。
表示が出たらまず確認すること
- 給湯栓(蛇口)をすべて閉め、リモコンの運転スイッチを「切」にする
- ガスのにおいがしないか確認する
- 屋内設置の機器なら、窓を開けて換気する
- 家族に頭痛・吐き気・めまいが出ていないか確認する
- 焦げたにおい、煙、いつもと違う音がないか確認する
ガスのにおいがする場合は、換気扇や照明のスイッチに触れずガス栓を閉め、窓を開けてから屋外に出てガス会社へ連絡してください。
スイッチの操作で火花が生じ、引火するおそれがあります。
体調に変化がある場合も、機器を使わずに連絡を優先してください。
一酸化炭素は無色・無臭で、もっとも軽い症状は前頭部の軽い頭痛とされています。
3つのグループに分かれる
番号は大きく3つのまとまりに分けられます。
| グループ | コード | パロマでの内容 |
|---|---|---|
| ガス遮断機能の異常 | 51・510・511・512・513 | ガス遮断機能異常(各ガス電磁弁) |
| 消火時の炎検出 | 80・801・802・803 | ガス電磁弁遮断時に炎検出あり |
| 非燃焼部の炎検出 | 81・811・813 | 燃焼時に非燃焼部でも炎検出あり |
| 炎検出回路の異常 | 72・721・722・723 | 炎検出回路の異常 |
3桁の末尾は他のコードと同じく系統を示し、1が給湯、2がふろ、3が暖房です。
510は元ガス電磁弁、511が給湯側、512がふろ側、513が暖房側の元ガス電磁弁にあたります。
51x:ガスを止める機能の異常
給湯器には、ガスの流れを開閉する電磁弁が複数あります。
運転を止めるとき、これらの弁が確実に閉じてガスを遮断する仕組みです。
51xは、この遮断機能が正常に働いているかの確認で異常が見つかったことを示します。
パロマの確認内容としては、元ガス電磁弁と給湯・風呂のフレームロッドが挙げられています。
ガスを止める機能そのものに関わるため、機器はこのコードを検知した時点で運転を許可しません。
言い換えれば、機器が自らの安全機能を点検して不合格と判断した状態です。
80x・81x:炎が検知されている
こちらは、より直接的に燃焼の状態を示すコードです。
| コード | パロマでの内容 | 意味 |
|---|---|---|
| 80・801 | 給湯ガス電磁弁遮断時炎検出有り | 消火したはずなのに炎が検知されている |
| 802 | 風呂ガス電磁弁遮断時炎検出有り | 同上(ふろ側) |
| 803 | ふろ・暖房ガス電磁弁遮断時炎検出有り | 同上(ふろ・暖房側) |
| 81・811 | 給湯燃焼時非燃焼部炎検出有り | 燃やしていない部分でも炎が検知されている |
| 813 | ふろ・暖房燃焼時非燃焼部炎検出有り | 同上(ふろ・暖房側) |
80番台は、パロマの補足にも「消火したが炎検知有り」と記載されています。
81番台は「1本燃焼時に他の燃焼部でも炎を検知している」状態です。
いずれも、ガスが完全に止まっていない可能性を含む内容です。
ただし、実際にはフレームロッド(炎を検知する電極)の不具合で「炎がないのにあると誤検知している」ケースもあります。
どちらであるかは点検しなければ分かりません。
安全側に判断するなら、使用を控えて連絡するのが正しい対応です。
72x:炎検出回路の異常
72・721・722・723は、炎を検知する回路そのものの異常です。
パロマの確認内容では、まずフレームロッドを確認し、正常であれば電装基板の交換とされています。
炎の有無を正しく判断できない状態では、火が消えているのに気づかずガスを出し続ける、あるいは正常に燃えているのに止まる、といった動作になります。
安全装置が機能する前提が崩れているため、こちらも点検が前提です。
旧型の機種では「72(初期疑似炎異常)」「71(プリチェック異常)」「80(ガス遮断チェック異常)」として2桁で表示されることがあります。
リセットで使い続けてはいけない理由
電源プラグの抜き差しで表示が消えることはありますが、これらのコードでは意味が異なります。
他のエラーは「異常な状態を検知した」ことを示すものが多いのに対し、このグループは安全装置そのものが正しく働いているかを問う内容です。
表示を消しても、ガスを止める機能や炎を検知する機能が回復するわけではありません。
とくに80番台は、消火の指示を出したあとも炎が検知されている状態を示します。
これが誤検知ではなく実際の状態だった場合、運転を再開するのは危険です。
ガス機器の安全は、異常時に確実にガスを止められることを前提に成り立っています。
その前提が崩れている表示が出ているうちは、使用を控えてください。
家庭で確認できること
このグループについて、家庭でできることは限られます。
- 表示されている番号を正確に読み取る(3桁か2桁か、下1桁は何か)
- ガスのにおい、焦げたにおい、煙、異音の有無を確認する
- 家族の体調に変化がないか確認する
- 給排気口の前に物が置かれていないか確認する
- 他のガス機器(コンロなど)が使えるか確認する
給排気の閉塞は燃焼の乱れにつながるため、確認しておく意味があります。
ただし片づけて表示が消えたとしても、このグループでは点検を受けてから使うのが安全です。
一方、次の作業は行わないでください。
- 給湯器の前面カバーを外して内部を確認する(ガス配管や電装部があり、感電やガス漏れのおそれがあります)
- 表示が消えるまで電源の抜き差しを繰り返す
- ガス臭がする状態でスイッチ類を操作する
業者に連絡するときに伝えること
- 機器の型番(本体前面の銀色の銘板に記載。PH-/FH-/DH-で始まります)
- 設置してからの年数
- 表示されたコード(3桁の場合は下1桁まで正確に)
- ガス臭・焦げたにおい・煙・異音の有無
- 家族に体調の変化があったか
- 他のガス機器は使えるか
- 給湯・ふろ・暖房のうち、どれを使ったときに出たか
ガスや炎に関わるコードであることを伝えると、対応の優先度が変わります。
体調の変化があった場合は必ず伝えてください。
お湯が出ない症状は点火不良でも起こります。
表示された番号を確認したうえで、パロマ給湯器のエラー11・111|点火不良の原因と自分で確認できることもあわせてご覧ください。
修理で足りるか、本体交換を考えるか
パロマは給湯器の設計上の標準使用期間を10年としており、使用開始から9〜11年が経過した時点で点検を受けることをすすめています。
修理用の部品は製造終了から7年間(BL認定部品は10年間)保有されるとされています。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| フレームロッドの汚れが原因で、設置から7年未満 | 清掃・部品交換で使い続けられる |
| ガス電磁弁の交換が必要 | 部品代が高くなりやすい。年数と併せて判断する |
| 電装基板が原因 | 交換費が大きい。本体交換と比較する |
| 設置から10年以上 | 燃焼系全体が劣化している。交換を含めて検討する |
| 短期間に別の燃焼系コードも出ている | 交換寄りの判断になる |
| 対応部品の供給が終了している | 本体交換になる |
ガスと炎に関わる部品は、機器の安全を担う中核部分です。
費用の比較は必要ですが、安全を優先した判断をおすすめします。
実際の費用は機種・設置条件・地域で変わるため、点検時に修理費と本体交換費の両方を出してもらってください。
10年前後で表示される点検時期のお知らせについては、パロマ給湯器のエラー888(88)で解説しています。
888が先に出ていた機器でこれらのコードが出たのであれば、経年劣化が進んでいる前提で考えてください。
パロマのコード全体の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧にまとめています。
よくある質問
Q1. 801が出ましたが、お湯は普通に使えます。放置しても大丈夫ですか?
放置しないでください。
801は消火の指示を出したあとも炎が検知されている状態を示すコードで、ガスが完全に止まっていない可能性を含みます。
実際にはフレームロッドの誤検知であることもありますが、どちらかは点検しなければ分かりません。
使用を控えたうえで、早めに点検を依頼してください。
Q2. リセットしたら表示が消えました。修理は不要ですか?
必要です。
このグループは、ガスを止める機能や炎を検知する機能が正しく働いているかを問う内容です。
表示を消しても、その機能が回復したわけではありません。
他のエラー以上に、リセットで乗り切るという判断が適さない種類だと考えてください。
Q3. 510と511は何が違うのですか?
対象となる電磁弁が違います。
510は元ガス電磁弁、511は給湯用のガス電磁弁、512はふろ用、513は暖房用の元ガス電磁弁にあたります。
3桁の末尾が系統を示すという規則は、パロマのコード全体に共通しています。
交換する部品が変わるため、番号は下1桁まで正確に伝えてください。
Q4. ガスのにおいはしませんが、それでも危険ですか?
においがないから安全とは言い切れません。
都市ガスやLPガスには気づけるよう付臭剤が加えられていますが、不完全燃焼で発生する一酸化炭素は無色・無臭です。
また屋外設置の機器では、漏れたガスがにおいとして届かないこともあります。
においの有無にかかわらず、これらのコードが出ている間は使用を控えてください。
Q5. 721が出ています。フレームロッドを掃除すれば直りますか?
家庭で行うことはできません。
フレームロッドは燃焼室の近くにある電極で、確認や清掃には前面カバーを外す必要があります。
ガス配管や電装部に触れることになるため、分解によるガス漏れや感電のおそれがあります。
パロマの確認内容でも、フレームロッドが正常であれば電装基板の交換とされており、切り分けには点検が必要です。
まとめ
パロマの給湯器で510・801などが出たときの要点です。
- これらはガスを止める電磁弁と、炎を検知する仕組みに関わるコード
- 51xはガス遮断機能の異常、80x・81xは炎が検知されている状態、72xは炎検出回路の異常
- 3桁の末尾は系統を示す(1=給湯、2=ふろ、3=暖房)
- 80番台は消火後も炎が検知されている状態で、ガスが止まりきっていない可能性を含む
- フレームロッドの誤検知であることもあるが、点検しなければ区別できない
- リセットで表示が消えても、安全機能が回復したわけではない
- ガス臭・体調の変化があれば操作せず、ガス栓を閉めて連絡する
判断に迷ったときは「使わない」を選んでください。
ガスを確実に止められることが、給湯器の安全の前提になっています。

