リモコンにF36やF37、F45といった表示が出て、お湯が沸かなくなって困っていませんか。
これらのコードは、屋外に設置されたヒートポンプユニット側で温度を測るサーミスターの異常を示すものとして案内されています。
番号ごとに測っている場所が違うだけで、対応の流れは共通しており、部品の交換が中心になります。
この記事では、番号と測定場所の対応を整理したうえで、沸き上げが止まる仕組み、屋外機まわりで自分に確認できること、リセットの手順、そして点検を依頼する目安までを解説します。
どのコードが、どこの温度を測っているか
| 表示 | 測っている場所 |
|---|---|
| F36 | 外気温 |
| F37 | ヒートポンプへ入る水の温度 |
| F38 | タンクの残湯温度 |
| F40 | 圧縮機から出る配管(吐出管)の温度 |
| F42 | 空気熱交換器の入口温度 |
| F43 | 空気熱交換器の出口温度 |
| F44 | 電装部品(トランジスタや放熱フィン)の温度 |
| F45 | ヒートポンプから出るお湯の温度 |
| F62 | 電源回路部(PFC)の温度 |
機種によっては、F41が吸入管の温度センサーの異常として案内されている場合や、F43が圧力センサーの異常を示す場合もあります。
このように同じ番号でも機種によって意味が変わることがあるため、業者に連絡する際は必ず品番もあわせて伝えてください。
エラーコード全体の分類を確認したい場合は、パナソニック エコキュート エラーコード一覧|原因と対処法を簡単解説もあわせてご覧ください。
なぜセンサーひとつで沸き上げが止まるのか
ヒートポンプは、空気の熱を集めて水に移す装置です。
外気温、入ってくる水の温度、出ていくお湯の温度、冷媒の温度といった値を常に見ながら、圧縮機の回転数や膨張弁の開き具合を調整しています。
この情報のどれかひとつでも読めなくなると、どの程度動かせば安全なのか判断できません。
そのため機器は、無理に運転を続けず沸き上げを止めるという選択をします。
止まるのは沸き上げなので、タンクに残っているお湯は使えるのが一般的です。
ただし新たに沸かせないため、使い切れば水になります。
屋外機まわりで自分に確認できること
センサーの交換は業者の作業ですが、屋外機の設置環境は利用者が確認できます。
特に、電装部品の温度を検知するコード(F44、F62など)では、放熱の妨げが背景にあることもあります。
- 吸込口や吹出口の前に、物置や自転車、荷物を置いていないか
- 落ち葉や飛来したごみが、フィン部分に付着していないか
- 冬季に積雪が本体をふさいでいないか
- 周囲の草木が伸びて、風の通り道を遮っていないか
- 本体の下や排水経路が凍結していないか
これらを取り除くだけで、運転が安定することがあります。
ただし、ヒートポンプユニットのカバーを開けたり、フィンや配線に触れたりしないでください。
内部には200Vの電圧がかかる部分があり、感電のおそれがあります。
アルミのフィンは薄く鋭いため、手を切る危険もあります。
リセットの手順
一時的な検知の乱れであれば、電源の入れ直しで復旧することがあります。
- 運転を止める
- 貯湯ユニットの漏電しゃ断器を「切」にする
- 約1分待つ
- 漏電しゃ断器を「入」に戻す
- 沸き上げが再開し、残湯量が増えていくかを確認する
原因が部品の断線であれば、リセットしても同じ表示に戻ります。
1回で復旧しない場合は、繰り返さずに点検を依頼してください。
表示が消えない場合、取扱説明書では、給水元栓を閉め、配線用しゃ断器と貯湯ユニットの漏電しゃ断器を「切」にしたうえで販売店に連絡するよう案内されています。
ただし冬季は例外で、凍結のおそれがある時期はしゃ断器や凍結予防ヒーターを切らずに連絡してください。
出やすい背景
| 背景 | 起こりやすい状況 |
|---|---|
| 屋外環境による劣化 | 直射日光、潮風、粉じんの多い立地 |
| コネクタやリード線の抜け | 設置・移設の直後、別件の修理を受けた直後 |
| センサーの取り付け外れ | 振動や経年で固定が緩んだ場合 |
| 放熱不足 | 吸込口・吹出口の前に物がある、積雪や落ち葉 |
| 落雷・停電 | 雷雨のあと、瞬時電圧低下のあと |
ヒートポンプユニットは屋外に置かれているため、貯湯ユニット側の部品より環境の影響を受けやすい部分です。
海が近い地域や、粉じんの多い環境では、同じ年数でも劣化が早く進むことがあります。
沸き上げが止まっている間の過ごし方
- 残湯量表示を確認し、その日の使用量を抑える
- シャワーは短めにし、こまめに止める
- お湯はりの湯量を普段より少なめに設定する
- 追いだきや長時間の保温を控える
タンクのお湯を使い切ると水しか出なくなるため、当日中に連絡の目処を立てておくと安心です。
蛇口からお湯そのものが出ていない場合は、原因が沸き上げ側だけにとどまっていない可能性があります。
その切り分け方はオール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説で整理しています。
業者に伝えること
- リモコンに表示されているコード(番号をそのまま)
- ヒートポンプユニットの品番と設置年
- 屋外機の設置環境(積雪、物の設置、周囲の状況)
- 表示が出る前の出来事(落雷、停電、移設、別件の修理など)
- しゃ断器を入れ直した結果と、その後の再発の有無
ヒートポンプユニット側の品番は、貯湯ユニットとは別に付いています。
交換する部品は屋外機側にあるため、こちらの品番を伝えておくと、訪問時に部品を持参してもらえる可能性が高まります。
修理と交換の考え方
サーミスター単体の交換であれば、部品代よりも訪問と作業の費用が中心になります。
ただし、ヒートポンプユニットは圧縮機や冷媒回路を抱えた装置であり、センサー以外の不具合が同時に見つかることもあります。
その場合は屋外機ごとの交換や、本体一式の交換という選択肢も出てきます。
設置から10年前後が経過しているなら、修理費用と交換費用の両方を出してもらい、残りの使用年数と比べて判断してください。
考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
よくある質問
Q1.F番号のコードは、すべて修理が必要ですか。
A.サーミスターの断線や短絡を示すコードについては、部品の交換が前提になります。まずは漏電しゃ断器を約1分「切」にして入れ直し、それで復旧するかを確認してください。復旧しない、あるいはすぐ再発する場合は点検を依頼します。放熱不足が背景にあるケースでは、屋外機まわりの物を片づけるだけで安定することもあります。
Q2.屋外機の周りを掃除しても大丈夫ですか。
A.吸込口や吹出口の前の物をどける、落ち葉を取り除く、積雪を払うといった範囲であれば問題ありません。ただし、カバーを開ける、フィンや配線に触れる、高圧洗浄機で水をかけるといった行為は避けてください。感電やけがのおそれがあるほか、内部の部品を傷めて修理範囲が広がることもあります。
Q3.表示が出ている間、お湯は使えますか。
A.止まるのは沸き上げのため、タンクにお湯が残っていれば給湯やお湯はりに使えるのが一般的です。ただし補充されないので、使い切れば水になります。残湯量表示を見ながら、その日はシャワーを短めにする、お湯はりの湯量を減らすといった使い方に切り替えてください。
Q4.冬に出やすいのはなぜですか。
A.外気温が低い時期はヒートポンプの負荷が上がり、運転時間も長くなります。加えて、積雪や凍結が放熱や排水を妨げ、温度の検知に影響することもあります。冬に表示が出た場合は、屋外機の周りに雪が積もっていないか、排水経路が凍っていないかを確認してみてください。それでも改善しなければ点検を依頼します。
Q5.屋外機だけ交換できますか。
A.できる場合もありますが、貯湯ユニットとの組み合わせが決まっているため、同じ型の部品が供給されているかによります。製造終了から年数が経っていると、屋外機だけの入手が難しいこともあります。点検時に、部品交換で済むのか、屋外機ごとか、本体一式かという選択肢と、それぞれの費用を確認してください。
まとめ
F36からF62までのコードは、ヒートポンプユニット側で温度を測るサーミスターの異常を知らせる表示です。
番号は測定している場所を表しており、同じ番号でも機種によって意味が変わることがあるため、品番とあわせて伝えてください。
利用者ができるのは、漏電しゃ断器を約1分「切」にして入れ直すことと、屋外機まわりの物や落ち葉、積雪を取り除くところまでです。
カバーを開けてフィンや配線に触れるのは避け、復旧しない場合は販売店またはメーカーの修理窓口へ点検を依頼しましょう。

