リンナイのビルトインコンロに「70」「71」「72」といった70番台の番号が表示されると、どこが悪いのか見当をつけにくく、掃除をしても状況が変わらないため戸惑ってしまいます。
この3つに共通しているのは、部品そのものというより、電気回路側で異常が検知されているという点です。
バーナーキャップの汚れやガス栓の開き具合とは関係がないため、表面をきれいにしても解決しません。
ただし、電源を入れ直すだけで表示が消えることもあり、依頼前に試す価値のある操作はあります。
この記事では、3つの番号がそれぞれ何を検知しているのかを整理し、自分でできるリセットの手順、公表されている修理費用の目安、交換を検討する境目までを解説します。
70番台はいずれも電気回路側の異常を示す
まず、それぞれが何を検知した表示なのかを整理します。
| 表示 | 検知している内容 | 考えられる故障箇所 |
|---|---|---|
| 70 | 回路不良 | 電装ユニットなど |
| 71 | セーフティバルブ回路故障 | 本体基盤など |
| 72 | サーモカップル回路故障 | 電装ユニット、サーモカップルなど |
3つとも、機器の頭脳にあたる電装ユニットや基板が関わっています。
電装ユニットは、点火の指示、炎の検知、温度の判定、弁の開閉といった動作をまとめて制御している部分です。
ここで想定外の信号を検知すると、機器は安全のため運転を止めてエラーを表示します。
依頼前に試せるリセットの手順
70番台は電気的な一時不良で表示されることがあり、この場合はリセットで復帰します。
順番に試してください。
- すべての点火ボタンを消火の位置まで戻す
- AC100V電源タイプは、コンセントを抜いて1分ほど置いてから挿し直す
- 乾電池タイプは、電池を抜いて数分置き、新しいアルカリ乾電池2本に交換する
- 電池ケースの端子にサビや汚れがないか確認する
- 再度点火し、正常に火がつくか確認する
電池を抜く時間を数分取るのは、内部に残った電気を放電させて制御をリセットするためです。
すぐ入れ直すと状態が保持され、表示が消えないことがあります。
また、電圧が下がった電池のままだと、部品が正常でも誤検知が起こります。
交換の目安や種類の違いはガスコンロの電池はマンガンとアルカリどちらが正解?交換時期・選び方を徹底解説で解説しています。
リセットで消えたとしても、同じ番号が短期間で再発する場合は部品の劣化が進んでいます。
使えているうちに点検を依頼しておくほうが、突然使えなくなる事態を避けられます。
エラー70:回路不良を検知した
リンナイの公式Q&Aでは、エラー70は回路不良が発生した際に表示されるものと説明されています。
対処としては点火ボタンを元の位置に戻し、再度点火して確認することが案内されており、改善しない場合は器具の故障やその他の不具合の可能性があるとされています。
考えられる故障箇所は電装ユニットで、修理料金の目安は18,900円〜37,900円(税込)です。
70は特定の部品を名指ししていない、範囲の広い表示です。
そのぶん、湿気や電池の消耗による一時的な誤検知でも出ますし、基板そのものの劣化でも出ます。
一度のリセットで消えて再発しないなら一時不良、リセットしてもすぐ戻る、あるいは週に何度も出るようなら基板側の劣化と考えて切り分けてください。
エラー71:セーフティバルブ回路故障を検知した
エラー71は、セーフティバルブ回路故障が発生した場合に表示されます。
セーフティバルブは、各バーナーへのガスを開け閉めしている弁です。
その弁を動かす回路側に異常が生じたことを検知した状態で、改善しない場合は本体基盤などの故障の可能性があるとされています。
修理料金の目安は18,900円〜37,900円(税込)です。
リンナイの案内では、対処方法としてやけどに気をつけたうえで点火ボタンを消火の位置に戻し、再点火するよう記されています。
わざわざやけどへの注意が添えられているのは、調理中、つまりバーナーや天板が熱い状態で表示されることがあるためです。
慌てて手を伸ばさず、鍋を下ろして周囲が冷めてから操作してください。
なお、弁が閉じられない開故障を検知する80・81とは異なり、71は弁を動かす回路側の表示です。
エラー72:サーモカップル回路故障を検知した
エラー72は、サーモカップル回路故障を検知した際に表示されます。
サーモカップル(熱電対)は、炎の熱を電気信号に変えて、火がついているかどうかを機器に伝える部品です。
バーナーの脇から出ている細い金属棒がそれにあたり、立消え安全装置の中核を担っています。
考えられる故障箇所は電装ユニットやサーモカップルで、修理料金の目安は18,900円〜37,900円(税込)です。
エラー12との違い
同じサーモカップルに関係する表示でも、12と72では意味が異なります。
見分けがつくと、掃除で解決するかどうかの判断が早くなります。
| 表示 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 12 | 燃焼中に炎を感知できなくなり、立消え安全装置が働いた | 先端の焦げを落とす掃除で改善することが多い |
| 72 | サーモカップルの回路そのものに異常を検知した | 掃除では改善せず、部品交換が必要になる |
12は「炎が消えた」という結果を示す表示、72は「炎を検知する仕組み自体が働いていない」という表示です。
掃除をしても72が消えないのは、原因が先端の汚れではなく回路側にあるためです。
修理費用の目安と交換の判断
リンナイが公表している修理料金の目安は、70・71・72のいずれも同じ範囲です。
保証期間が終了した機器を対象とした出張修理の目安で、税込の金額です。
| 表示 | 修理料金の目安(税込) | 主な交換部品 |
|---|---|---|
| 70 | 18,900円〜37,900円 | 電装ユニット |
| 71 | 18,900円〜37,900円 | 本体基盤 |
| 72 | 18,900円〜37,900円 | 電装ユニット、サーモカップル |
金額に倍近い幅があるのは、交換する部品の点数によって変わるためです。
サーモカップル単体で済む場合と、電装ユニットごと交換する場合では作業内容が異なります。
また、訪問した場合は修理をしなくても出張費や故障診断料が発生し、設置状況や作業内容によって追加費用がかかることもあります。
実際の金額は、型式と表示されている番号を伝えたうえで見積もりを確認してください。
ガス機器には、安全上支障なく使用できる期間として設計標準使用期間が定められています。
家庭用のガスコンロではおおむね10年に設定されており、この期間を過ぎると経年劣化による不具合が起こりやすくなります。
電装ユニットや基板は、熱と湿気にさらされ続ける環境に置かれています。
使用10年前後で70番台が出るようになった場合、ひとつ直しても別の系統が続けて不調になることが少なくありません。
修理費用が本体価格の3分の1を超えるかどうかを目安に、交換と比べてみてください。
なお、補修用部品の保有期間を過ぎている機種は修理そのものができないため、まず型式を伝えて修理可否を確認するのが先になります。
買い替える場合の古い機器の扱いはガスコンロの捨て方・処分方法を徹底解説|費用・手順・注意点まとめにまとめています。
よくある質問
Q1. エラー70はリセットすれば直りますか?
一時的な回路の誤検知であれば、リセットで消えることがあります。
AC100V電源タイプはコンセントを1分ほど抜いてから挿し直し、乾電池タイプは電池を数分抜いてから新品に交換してください。
このとき、すぐ入れ直さず時間を置くことが大切です。
内部に電気が残ったままだと制御がリセットされず、表示が消えないことがあります。
リセットしても消えない、あるいは消えてもすぐ再発する場合は、電装ユニット側の劣化が疑われるため修理を相談してください。
Q2. 70が出ていますが、火は使えます。放置してよいですか?
機種によっては、表示が出ていても点火できることがあります。
ただし70は制御回路の異常を検知した状態で、安全機能が想定どおりに働くかどうかが保証されません。
調理油過熱防止や立消え安全装置は、いずれも電装ユニットの判断で動いているためです。
とくに揚げ物調理は避けてください。
表示が消えないまま使い続けるのではなく、早めに点検を相談することをおすすめします。
Q3. 掃除をすれば72は直りますか?
掃除で直ることは基本的にありません。
72はサーモカップルの回路側に異常を検知した表示で、先端の汚れが原因ではないためです。
炎の熱を電気信号に変える仕組みそのものが働いていない状態にあたります。
一方、掃除で改善しやすいのはエラー12のほうです。
12は燃焼中に炎を感知できなくなった状態を示すため、先端に付いた焦げを落とすことで解消することがあります。
Q4. 71が調理の途中で表示されました。すぐ触っても大丈夫ですか?
天板やバーナーが熱い状態のため、すぐに手を伸ばすのは避けてください。
リンナイの案内でも、対処方法としてやけどに気をつけるよう注意が添えられています。
まず点火ボタンを消火の位置に戻し、鍋を下ろしてください。
五徳や天板が冷めてから、あらためて点火操作を試します。
再点火しても同じ表示が出る場合は、本体基盤などの故障が疑われるため修理を相談してください。
Q5. 70番台のエラーは自分で部品交換できますか?
できません。
電装ユニットや基板はガスの制御に直結しており、交換には分解作業が必要になります。
ガス機器の分解整備は、資格を持った作業者が行うことが前提です。
取り付けや配線がわずかにずれるだけでも、安全機能が正しく働かなくなるおそれがあります。
利用者が自分でできるのは、点火ボタンを戻す、電源を入れ直す、乾電池を交換するという範囲までと考えてください。
まとめ
リンナイのビルトインコンロに表示されるエラー70・71・72は、いずれも電装ユニットや基板といった電気回路側の異常を示すサインです。
70は回路不良、71はセーフティバルブを動かす回路、72は炎を検知するサーモカップルの回路に関する表示にあたります。
まずは点火ボタンを戻し、電源を1分ほど切るか乾電池を新品に交換して、リセットを試してください。
それでも消えない、あるいは短期間で再発する場合は、公表されている修理料金の目安と使用年数を踏まえて、修理か交換かを判断しましょう。
エラーコードが出ていない状態で点火しない場合の見方はガスコンロの火がつかない原因とは?まず確認すべきポイントと正しい対処判断で整理しています。

