洗濯の途中で「ピピピ」と音が鳴って止まり、表示部に「F8」が出て、洗濯物を入れ直しても再開できずに困っていませんか。
F8(機種によってはF08)は、洗濯機のメイン基板か、洗濯槽を回すための駆動部品に不具合が起きている可能性を知らせる表示です。
C系の表示と違い、洗濯物の入れ方やフィルターの掃除で直るタイプではありませんが、電源プラグの抜き差しで改善する場合もあります。
この記事では、日立の公式情報をもとに、F8が出たときに最初にやること、正しいリセットの手順、修理が必要なときの判断基準、修理費用と買い替えの目安までを解説します。
- F8が表示される意味と、C系表示との違い
- 電源リセットの正しい手順と、やってはいけないこと
- 修理料金の目安と、修理か買い替えかの判断基準
結論:リセットで直らなければ点検を依頼する
F8が出たときの行動は、次の表のように整理できます。
| 状況 | 取るべき行動 |
|---|---|
| 初めてF8が出た | 電源プラグを抜いて10分ほど待ち、差し直して運転を試す |
| リセット後、問題なく最後まで運転できた | 様子を見ながら使う。再発したら点検を依頼する |
| リセットしてもすぐにF8が出る | 使用を止めて点検・修理を依頼する |
| 数日おきに何度もF8が出る | 部品の不具合が進んでいる可能性。点検・修理を依頼する |
| 焦げたにおい・煙・異常な熱・大きな異音がある | リセットを試さず、すぐに電源プラグを抜いて点検を依頼する |
F8は「利用者ができる対処がリセットに限られる」表示です。
洗濯物の入れ直しを繰り返しても解決しないため、早めに次の判断に進むことが大切です。
F8が表示される意味
メイン基板または駆動部品の不具合
日立は、F8またはF08が表示された場合、本体に機械的な不具合が起きている可能性があり、メイン基板あるいは駆動部品に不具合が起きている可能性があると案内しています。
それぞれの部品の役割は次のとおりです。
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| メイン基板 | 洗濯機の運転全体を制御する電子回路。モーターなどに指示を出す |
| 駆動部品 | 洗濯槽やパルセーター(回転翼)、ドラムを回すためのモーターなどの部品 |
どちらの不具合かは、表示だけでは判断できません。
修理担当者が点検して原因の部品を特定することになります。
F8とF08の違い
F8とF08は同じ意味の表示で、機種の表示部によって表記が異なるだけです。
対処方法も変わりません。
C系の表示との違い
日立の洗濯機では、Cから始まる表示は給水・排水・ふた・洗濯物の量など、利用者が確認や対処をできる内容が多いのに対し、AやFから始まる表示は、本体に不具合が発生している可能性を示すものとされています。
| 項目 | C系(例:C04、C20) | F系(例:F8) |
|---|---|---|
| 主な原因 | 洗濯物の片寄り・量、泡、電源環境など | 本体の部品の不具合 |
| 利用者ができる対処 | 入れ直し、掃除、設定の見直しなど | 電源プラグの抜き差しまで |
| 修理が必要になる可能性 | 対処で直ることが多い | リセットで直らなければ修理 |
洗濯物の片寄りで止まった場合はC04、槽が回らない場合はC20が表示されるのが一般的です。
表示部の番号を正確に確認して、対処を取り違えないようにしてください。
F8が出たときにやること
ステップ1:安全を確認する
まず、次のような異常がないかを確認します。
- 焦げたにおいや煙が出ていないか
- 本体の一部が異常に熱くなっていないか
- 「ガガガ」「キーン」など、いつもと明らかに違う大きな音がしていないか
- 洗濯機の下から水が漏れていないか
焦げたにおい・煙・異常な熱がある場合は、リセットを試さず、すぐに電源プラグを抜いて使用を中止してください。
ぬれた手で電源プラグやコンセントに触れないでください。感電のおそれがあります。
洗濯機の周りが水でぬれている場合は、コンセントまわりに水がかかっていないかを先に確認し、蛇口を閉めてから作業します。
ステップ2:電源プラグを抜いてリセットする
日立は、電源プラグの抜き差しによって放電とリセットがされることで、F8が改善する場合があると案内しています。
効果を得やすい手順は次のとおりです。
- 電源ボタンで電源を切る
- 電源プラグをコンセントから抜く
- 10分ほどそのまま待つ
- 電源プラグを差し込み、電源を入れる
- 運転を再開して、F8が出ないか確認する
待ち時間を置くのは、内部にたまった電気を放電させて、基板を確実にリセットするためです。
日立は、基板の不具合に関するほかの表示の案内でも、電源プラグを抜いて10分ほど待つ方法を示しています。
停電やブレーカーが落ちた後に表示された場合は、10〜15分ほど放電してから差し直してください。
ステップ3:電源環境を見直す
延長コードやタコ足配線で電源を取っている場合は、壁のコンセントに直接つなぎ直してから運転を試します。
日立は、延長コードなどで電圧が低くなると、洗濯槽が回らなくなることがあると案内しています。
F8そのものの原因として挙げられているわけではありませんが、回転に関わる部品に負担をかけないためにも、洗濯機は壁のコンセントに単独でつなぐのが基本です。
ステップ4:運転を再開して様子を見る
リセット後に運転を再開するときは、次の点に気をつけてください。
| ポイント | 理由 |
|---|---|
| 洗濯物の量を控えめにする | 回転に関わる部品への負担を減らし、再発するかを見やすくする |
| 運転中はそばで音や揺れを確認する | 異音や異常な揺れがあれば、すぐに止められる |
| 止まった工程を控えておく | 修理を依頼するときの手がかりになる |
最後まで問題なく運転できれば、様子を見ながら使ってかまいません。
ただし、一度表示されたということは、部品に何らかの負荷がかかった可能性があります。
再び表示された場合は、早めに点検を依頼しましょう。
ステップ5:表示と状況を記録する
F8は、出たり出なかったりすることがある表示です。
修理担当者が訪問したときに症状が出ないと、原因の特定に時間がかかることがあります。
次の情報を記録しておくと、点検がスムーズになります。
- 表示部の写真(表示が出ているうちに撮る)
- 表示された日時と、止まった工程(洗い・すすぎ・脱水・乾燥)
- 洗濯物の量と種類、選んだコース
- 表示が出た回数と頻度
- 異音やにおいなど、ほかに気づいたこと
水が残ったまま止まったときの注意
F8で運転が止まると、槽に水が残ったままになることがあります。
リセット後に運転を再開できれば、脱水だけを個別に運転して水を抜いてください。
リセットしても運転できず水が残っている場合は、次の点に注意します。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| ドラム式は水が多く残ったままドアや糸くずフィルターを開けない | 水が一気にあふれるおそれがある |
| タテ型は、ふたを開けて洗濯物を取り出し、手桶などで水をくみ出す方法もある | 修理までの間、洗濯物のにおいを防ぐ |
| 排水ホースを床の上で外さない | ホース内の水が床に流れ出す |
洗濯物は長時間入れたままにするとにおいが出やすいため、取り出せる状態であれば早めに取り出し、手洗いやコインランドリーで洗い直してください。
修理を依頼するときは、「水が残ったまま止まっている」ことも伝えましょう。
やってはいけないこと
F8が出たときに、次のような対応をすると、故障が広がったり、けがにつながったりするおそれがあります。
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 本体のカバーを外して分解する | 感電やけがのおそれがあり、メーカーの修理が受けられなくなる場合もある |
| リセットと再運転を何度も繰り返す | 不具合のある部品に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある |
| 異音や焦げたにおいがあるのに使い続ける | 部品の損傷が広がるおそれがある |
| 洗濯槽を手で無理に回す | 回転部に手を挟むおそれがあり、部品を傷めることもある |
| ネット上の非公式な部品交換を試す | 安全性が確認できず、事故や水漏れの原因になる |
リセットは1〜2回試して改善しなければ、それ以上は繰り返さず点検を依頼するのが安全です。
似たF系・C系表示との違い
駆動部品や回転に関わる表示は、F8以外にもあります。
| 表示 | 日立が案内している不具合の可能性 |
|---|---|
| F8・F08 | メイン基板、駆動部品 |
| F13 | メイン基板、駆動部品 |
| F21 | メイン基板、駆動部品 |
| F23 | メイン基板、駆動部品 |
| F25・FE | メイン基板、駆動部品 |
| FD(Fd) | クラッチモーター |
| C20 | 洗濯槽(パルセーター)が回らない(量・泡・電圧などを見直す) |
| C21 | メイン基板・駆動部品の不具合の可能性(リセットを試す) |
| C23 | モーターの不具合(リセットを試す) |
F13・F21・F23・FEなども、F8と同じく「リセットを試し、改善しなければ点検・修理」という対応になります。
C20は、洗濯物の量や泡、延長コードの見直しで改善することがあるため、F8と取り違えないよう注意してください。
修理を依頼する判断基準
次のいずれかに当てはまる場合は、販売店または日立の修理相談窓口に点検・修理を依頼してください。
- 電源プラグの抜き差しをしても、F8が表示される
- リセット後は動くが、F8が繰り返し表示される
- 運転中に異音、焦げたにおい、異常な揺れがある
- 水が残ったまま動かない
日立の公式サイトには、型式を入力して、F08表示が出たときの修理の可否や目安金額を確認できる案内も用意されています。
依頼前に、お使いの型式で確認しておくと、修理するかどうかの判断材料になります。
修理費用の目安
F8の修理内容は、点検の結果によって異なります。
日立公式の修理料金目安の一覧には、F8そのものの項目は掲載されていませんが、関係する部品の交換料金は次のように案内されています(技術料・部品代・出張料を合わせた税込の目安)。
ドラム式の参考料金
| 交換部品 | 目安 |
|---|---|
| メイン基板 | 53,000〜77,000円前後 |
| 駆動部品 | 60,000〜75,000円前後 |
タテ型全自動洗濯機の参考料金
| 交換部品 | 目安 |
|---|---|
| メイン基板(洗濯容量10kg以下) | 32,000〜38,000円前後 |
| メイン基板(洗濯容量11kg以上) | 52,000〜56,000円前後 |
| 駆動部品 | 37,000〜52,000円前後 |
タテ型洗濯乾燥機(BW-D・NW-D)では、メイン基板が36,000〜62,000円前後、駆動部品が46,000〜62,000円前後と、日立公式の修理料金目安の該当ページで案内されています。
いずれも出張料は3,850円(税込)で、訪問・見積もりの後に修理をキャンセルした場合は、診断料と出張料の合計5,830円(税込)がかかります。
点検の結果、複数の部品の交換が必要な場合は、目安を超えることがあります。
販売店経由で依頼した場合は料金体系が異なるため、事前に確認してください。
修理か買い替えかの判断基準
F8の修理は、メイン基板や駆動部品の交換になることが多く、ほかの表示に比べて費用が大きくなりやすい傾向があります。
次のような目安で考えると判断しやすくなります。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 保証期間内 | まず保証での修理を相談する |
| 購入から年数が浅く、ほかに不調がない | 見積もりを取り、修理を前向きに検討する |
| 使用年数が長く、脱水時の揺れや異音などほかの不調もある | 見積もり額と、同じクラスの新品の価格を比べる |
| 見積もり額が新品の価格に近い | 買い替えも含めて検討する |
| 生産終了から年数がたっている | 部品の保有期間が過ぎていないか確認する |
日立は、洗濯機の補修用性能部品の保有期間を、生産終了から6年間としています。
保有期間を過ぎた製品は、部品がなく修理できない可能性があるため、古い機種の場合は依頼前に確認してください。
依頼するときに伝える情報
| 伝える情報 | ポイント |
|---|---|
| 型式 | 操作パネルや本体の側面に貼られた品質表示板で確認できる |
| 購入時期・保証の有無 | 保証書やレシートで確認する |
| 表示された番号 | F8かF08か。写真があると確実 |
| 表示が出た状況 | 日時、止まった工程、頻度 |
| 試したこと | 電源プラグの抜き差し(待ち時間も) |
| 現在の状態 | 水が残っているか、異音やにおいがあるか |
駆動部品への負担を減らす使い方
F8を完全に防ぐことはできませんが、回転に関わる部品への負担を減らす使い方は、故障のリスクを下げることにつながります。
| 使い方 | ポイント |
|---|---|
| 洗濯物を入れすぎない | 押し込まずに入る量を守り、洗乾は乾燥容量に合わせる |
| 片寄りを防ぐ | タテ型はドーナツ状、ドラム式は均一に入れる。大物は単品で洗わない |
| 水平に設置する | 傾きは揺れを大きくし、部品に負担をかける |
| 壁のコンセントに直接つなぐ | 延長コードやタコ足配線を避ける |
| 異音や揺れの変化に気づいたら早めに点検する | 小さな不具合のうちに対処できる |
「最近、音や揺れが大きくなった」と感じたら、表示が出る前でも点検を検討すると、突然使えなくなるリスクを減らせます。
よくある質問
Q1. F8はリセットで直りますか?
一時的な不具合であれば、リセットで改善する可能性があります。日立は、電源プラグの抜き差しによって放電とリセットがされることで、改善する場合があると案内しています。電源ボタンで電源を切り、電源プラグを抜いて10分ほど待ってから差し直すと、内部の電気が放電されてリセットされやすくなります。ただし、リセットしてもF8が表示される場合や、繰り返し表示される場合は、メイン基板や駆動部品の不具合が考えられるため、販売店や修理相談窓口に点検を依頼してください。
Q2. リセット後に普通に使えています。修理は必要ですか?
リセット後に問題なく運転でき、その後F8が表示されなければ、様子を見ながら使って差し支えない場合が多いです。ただし、一度表示されたということは、メイン基板や駆動部品に何らかの負荷がかかった可能性があります。運転中に異音や焦げたにおい、異常な揺れがないかに気を配ってください。F8が再び表示された場合は、表示部の写真を撮り、日時と止まった工程を記録したうえで、早めに点検を依頼すると原因を特定しやすくなります。
Q3. F8が出て水が残ったままです。どうすればよいですか?
まずは電源プラグを抜いて10分ほど待ち、差し直して運転できるかを試してください。運転できれば、脱水だけを個別に運転して水を抜きます。運転できない場合、ドラム式では水が残ったままドアや糸くずフィルターを開けると水があふれるおそれがあるため、無理に開けないでください。タテ型は、ふたを開けて洗濯物を取り出し、手桶などで水をくみ出す方法もあります。修理を依頼するときは、水が残ったまま止まっていることも伝えましょう。
Q4. F8の修理費用はどれくらいかかりますか?
日立公式の修理料金目安の一覧にF8そのものの項目はありませんが、関係する部品の目安として、ドラム式ではメイン基板の交換が53,000〜77,000円前後、駆動部品の交換が60,000〜75,000円前後とされています。タテ型の全自動洗濯機では、メイン基板が32,000〜56,000円前後、駆動部品が37,000〜52,000円前後です。実際の金額は点検結果によって変わり、複数の部品交換が必要な場合は目安を超えることもあります。
Q5. 修理と買い替え、どちらを選べばよいですか?
保証期間内であれば、修理を優先するのが基本です。保証が切れている場合は、修理の見積もり額と、同じクラスの新しい洗濯機の価格を比べて判断してください。F8の修理はメイン基板や駆動部品の交換になることが多く、費用が大きくなりやすい傾向があります。使用年数が長く、ほかにも不調がある場合は、買い替えも含めて検討するのが現実的です。また、生産終了から6年を過ぎた機種は、部品がなく修理できない場合がある点にも注意しましょう。
まとめ
F8(F08)は、メイン基板または駆動部品に不具合が起きている可能性を知らせる表示です。
利用者ができる対処は、電源プラグを抜いて10分ほど待つリセットが中心で、洗濯物の入れ直しや掃除では改善しません。
焦げたにおいや異音があるときはリセットを試さず、すぐに使用を止めてください。
リセットで直らない場合や繰り返し表示される場合は、表示の写真や状況を記録したうえで点検を依頼し、見積もり額と使用年数を比べて修理か買い替えかを判断しましょう。

