子どもが3人いる、あるいは親と同居しているといった5人家族で、毎月の電気代が高いと感じていませんか。
人数が多いぶん仕方ないと思いつつ、平均と比べて使いすぎていないか気になる方も多いはずです。
総務省の家計調査によると、5人世帯の電気代は1か月あたり15,665円が平均です。
ただし、これは1年を平均した金額で、冬には2万円を超える月も珍しくありません。
この記事では、5人家族の電気代の平均を季節・住まい・家族構成ごとに整理したうえで、使用量の多い世帯ほど効果が出る見直しの順番を解説します。
5人家族の電気代の平均は月15,665円

結論から言うと、5人家族(5人世帯)の電気代の平均は1か月あたり15,665円、年間では約188,000円です。
総務省統計局の家計調査(家計収支編)における2025年平均の数値です。
| 世帯人数 | 1か月の平均 | 年間換算 | 1人あたり |
|---|---|---|---|
| 一人暮らし | 7,337円 | 約88,000円 | 7,337円 |
| 2人世帯 | 12,144円 | 約146,000円 | 6,072円 |
| 3人世帯 | 13,915円 | 約167,000円 | 4,638円 |
| 4人世帯 | 13,928円 | 約167,000円 | 3,482円 |
| 5人世帯 | 15,665円 | 約188,000円 | 3,133円 |
| 6人以上の世帯 | 17,321円 | 約208,000円 | 2,887円以下 |
※総務省統計局「家計調査(家計収支編)」2025年平均をもとに作成。年間換算は月額を12倍した参考値です。
1人あたりに直すと3,133円で、一人暮らしの半分以下です。
世帯人数が多いほど、1人あたりの電気代は下がっていくという関係がはっきり出ています。
4人から5人になっても2割増にとどまる理由
4人世帯13,928円から5人世帯15,665円への増加は、約1,700円(約12%)です。
人数は1.25倍になっていますが、電気代はそこまで増えていません。
これは、家庭の電力が2種類に分かれているためです。
| 種類 | 具体例 | 人数との関係 |
|---|---|---|
| 人数に関係なくかかる電力 | 冷蔵庫、リビングの照明とエアコン、待機電力、基本料金 | 家族が何人でもほぼ同じ |
| 人数に比例して増える電力 | 給湯、洗濯、ドライヤー、個室のエアコン・照明 | 使う人数の分だけ増える |
家族が一人増えても、リビングのエアコンや冷蔵庫の消費電力はほとんど変わりません。
増えるのは、お風呂の湯量、洗濯の回数、個室で過ごす時間といった部分です。
ここから導ける実用的な結論があります。
5人家族で電気代が平均を大きく超えている場合、原因は人数よりも「個室の数と、個室で過ごす時間」にあるということです。
家族構成で電気代の傾向は変わる
同じ5人家族でも、構成によって電気の使われ方が違います。
| 家族構成 | 電気代の傾向 | 増えやすい要因 |
|---|---|---|
| 夫婦+子ども3人(未就学・小学生中心) | 平均前後 | 洗濯の回数、日中の在宅(育児期) |
| 夫婦+子ども3人(中高生中心) | 平均より高くなりやすい | 個室のエアコン・照明、夜間の使用 |
| 夫婦+子ども2人+祖父母1人 | 平均より高くなりやすい | 日中の在宅時間、暖房の設定温度 |
| 二世帯住宅(生活空間が分かれている) | 高くなりやすい | 冷蔵庫・エアコンなどが2セット |
とくに電気代が上がりやすいのは、中高生の子どもがそれぞれ個室で過ごすようになった時期と、日中も家にいる祖父母と同居している場合です。
祖父母と同居している場合、日中の在宅時間が長くなるうえ、高齢者は寒さを感じやすいため暖房の設定温度が高くなりがちです。
ただし、高齢者にとって暖房は健康を守るための必要な支出です。
後述するように、ここを我慢の対象にするのは避けてください。
二世帯住宅で生活空間が分かれている場合は、冷蔵庫やエアコン、給湯などが2セットになるため、5人世帯の平均を大きく上回ることがあります。
この場合は、4人世帯+2人世帯の合計に近い水準を目安にすると実態に合います。
季節でどれくらい変わるのか
年平均15,665円でも、季節によって金額は大きく動きます。
| 時期 | 月の使用量の目安 | 電気代の目安 |
|---|---|---|
| 1〜2月(暖房のピーク) | 約560〜800kWh | 約17,400〜24,800円 |
| 4〜5月(冷暖房をほぼ使わない) | 約340〜430kWh | 約10,500〜13,300円 |
| 7〜8月(冷房のピーク) | 約500〜680kWh | 約15,500〜21,100円 |
| 10〜11月(冷暖房をほぼ使わない) | 約340〜430kWh | 約10,500〜13,300円 |
※全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWhで換算した参考値です。暖房にガスや灯油を使う場合、冬の数値はこれより低くなります。
冷暖房を使わない春と秋の使用量が、その家の基礎的な電力消費にあたります。
5人家族でこの時期に月500kWhを超えているなら、冷暖房以外に原因があると考えてください。
古い冷蔵庫、電気温水器、常時稼働の機器、使っていない部屋の照明などが候補になります。
なお、家計調査の数値は実際に支払った月で集計されているため、使った月と1〜2か月のズレがあります。
統計上は春先の数字が高く出ることがありますが、使用量のピークは真冬と真夏です。
住まいによる違い
| 住まい | 1か月の目安 | エアコンの台数 |
|---|---|---|
| 3LDK〜4LDKのマンション | 13,000〜18,000円 | 2〜3台 |
| 戸建て(2階建て) | 15,000〜22,000円 | 3〜4台 |
| オール電化の戸建て | 22,000円〜 | 3〜4台+給湯 |
| 二世帯住宅 | 20,000円〜 | 4台以上 |
※31円/kWhで換算した参考値です。
戸建てはマンションより部屋数が多く、外気に接する壁や屋根の面積も大きいため、冷暖房の負荷が大きくなります。
オール電化の場合は、給湯・調理・暖房のすべてが電気になるため、ガス併用の家庭と電気代だけで比べることはできません。
比べるときは、電気とガスを合わせた光熱費の合計で見てください。
二世帯・同居で電気の契約をどう考えるか
親世帯と子世帯が同じ家に住む場合、電気の契約を1つにするか分けるかで、電気代の見え方が変わります。
| 契約の形 | 特徴 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| 契約を1つにまとめる | 基本料金が1件分で済む。使用量が多いぶん単価の高い段階に入りやすい | 生活空間が分かれていない同居 |
| 世帯ごとに契約を分ける | 基本料金が2件分かかる。各世帯の負担が明確になる | 玄関やキッチンが分かれた二世帯住宅 |
一般的な従量電灯プランでは、使用量が多くなるほど単価が上がる段階制がとられています。
契約を1つにまとめると基本料金は1件分で済む一方、使用量が多い分だけ単価の高い段階で使う量が増えます。
どちらが得かは、合計の使用量と料金プランの単価設定によって変わります。
段階制のない一律単価のプランであれば、契約を1つにまとめて基本料金を減らすほうが有利になりやすくなります。
二世帯住宅を新築・リフォームする際は、電気の引き込みやメーターを分けるかどうかも含めて、電力会社や施工会社に相談しておくと後から変えずに済みます。
また、1つの契約で費用を分担している場合は、在宅時間や個室の使い方に差があると不公平感が生まれがちです。
共有部分の電気代は折半、個別に使う部分は使う側が多めに負担する、といった分け方を話し合っておくと、家族間のトラブルを防げます。
電気料金の内訳を知る

5人家族は使用量が多いぶん、使用量に比例してかかる費用の影響も大きくなります。
| 項目 | 内容 | 使用量との関係 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 契約アンペアなどに応じた固定費 | 使用量に関係なく発生 |
| 電力量料金 | 使った電力量 × 単価 | 使った分だけ増える |
| 燃料費調整額 | 燃料価格の変動を反映 | 使用量に比例 |
| 再エネ賦課金 | 再生可能エネルギーの普及費用 | 使用量に比例 |
再エネ賦課金は、2026年度は1kWhあたり4.18円です。
5人家族で月550kWhを使う場合、賦課金だけで月約2,300円、年間では約27,600円の負担になります。
仕組みや今後の見通しは再エネ賦課金がおかしいと感じる理由|仕組み・問題点・今後の見通しで解説しています。
燃料費調整額も使用量に比例するため、単価が1円動くだけで、月550kWhなら月550円、年間6,600円の差になります。
使用量の多い5人家族は、単価の変動に敏感な世帯だと言えます。
5人家族で電気代が高くなりやすいパターン
1. エアコンが同時に3〜4台動いている
リビングと子ども部屋、祖父母の部屋で同時にエアコンが動けば、電力は台数分に増えます。
在宅の時間帯に家族が同じ部屋で過ごす時間を増やすだけで、冬場は月2,000〜3,000円変わることがあります。
2. 洗濯乾燥機・浴室乾燥機を毎日使っている
5人分の洗濯物は量が多く、1日に2回回す家庭も珍しくありません。
乾燥機能を毎日使うと、それだけで月2,000円を超えることがあります。
乾燥は天候の悪い日に限る、部屋干しにサーキュレーターを使う、といった工夫が効きます。
3. 入浴の時間がばらばら
5人が別々の時間に入浴すると、追い焚きの回数が増えます。
オール電化や電気温水器の家庭では、これがそのまま電気代に乗ります。
入浴の時間をまとめ、浴槽の保温フタを使うだけで、冬場は月1,000円前後の差になります。
4. テレビや照明のつけっぱなし
人数が多いほど「誰かが見ているだろう」と思って消さないままになりがちです。
テレビのつけっぱなしの金額はテレビをつけっぱなしにすると電気代はいくら?時間別の目安と考え方で試算しています。
5. 待機電力と家電の台数
家族が多いほど家電の台数が増え、待機電力も積み上がります。
ただし、すべてを抜けばよいわけではありません。
線引きはコンセント差しっぱなしの電気代はどれくらい?実際にかかる金額と無駄を減らす判断基準で整理しています。
使用量が多い世帯ほど効く見直しの順番
5人家族は使用量が多いため、単価を下げる見直しの効果が大きく出ます。
次の順番で手をつけてください。
手順1:料金プランを見直す
使用量が多い世帯ほど、単価の差がそのまま金額に反映されます。
月550kWhを使う家庭で単価が2円違えば、月1,100円、年間13,200円の差です。
確認しておきたいのは次の3点です。
- 燃料費調整額に上限があるか
- 市場価格に連動するプランでないか
- 解約時の違約金や契約期間の縛りがないか
単価の安さより、料金の振れ幅の小ささを優先するほうが、家計の見通しは立てやすくなります。
手順2:エアコンの稼働台数を減らす
冬場の電気代の大部分はエアコンです。
4台動いているのを3台に減らすだけで、単純に4分の1が減ります。
サーキュレーターで空気を循環させれば、1台のエアコンでも隣接する部屋まで暖かさを届けやすくなります。
手順3:乾燥と入浴に家庭内の基準をつくる
「乾燥機は雨の日と翌朝までに乾かす必要がある日だけ」「入浴は2時間以内に全員済ませる」といった基準を決めると続きます。
手順4:稼働時間の長い機器を見直す
5人家族の冷蔵庫は500L以上が適正です。
容量が足りずに詰め込みすぎている状態は、冷却効率を落とします。
製造から10年以上経った冷蔵庫やエアコンは、買い替えによる省エネ効果が出やすい機器です。
洗濯乾燥機を毎日乾燥まで使う家庭では、ヒートポンプ式への買い替えで乾燥の電気代が大きく下がります。
手順5:窓の断熱で冷暖房の負荷を下げる
部屋数の多い家庭ほど窓の枚数も多く、断熱の効果が積み上がります。
冬は断熱シートや厚手のカーテン、夏は遮熱カーテンで対策すると、エアコンの負荷そのものが下がります。
節電しないほうがよい場面
家族が多いと節電の意識も高くなりがちですが、我慢すべきでない場面があります。
高齢の家族がいる場合、暖房や冷房を我慢させると健康を害するおそれがあります。冬は暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室への移動による急な温度変化に、夏は屋内での熱中症に注意してください。
子どもがいる家庭では、次の点も我慢の対象から外してください。
- 夏の子ども部屋の冷房(2階は日中に室温が上がりやすい)
- 学習する場所の照明(暗くしても節約できるのは月数十円程度)
- 24時間換気(止めると結露とカビの原因になる。電気代は月数十円程度)
削る価値のない支出と、削るべき支出を分けて考えることが、家計の見直しでは重要です。
よくある質問
Q1. 5人家族で電気代が2万円を超えるのは高すぎますか?
季節と住まいによります。
冬や夏に2万円を超えるのは、エアコンを3〜4台使う戸建てやオール電化の家庭ではよくあることです。
一方で、冷暖房を使わない春や秋にも2万円を超えているなら、原因を探すべき水準です。
まず検針票の使用量(kWh)を確認し、春・秋で月500kWhを超えていないかを見てください。
超えている場合は、古い冷蔵庫、電気温水器、常時稼働の機器、使っていない部屋の照明を疑うのが先決です。
Q2. 5人家族の電気代は4人家族とどれくらい違いますか?
家計調査の2025年平均では、4人世帯が月13,928円、5人世帯が月15,665円で、差は約1,700円です。
人数は1.25倍ですが、電気代の増加は1割強にとどまっています。
冷蔵庫やリビングのエアコンのように、人数に関係なくかかる電力が大きな割合を占めるためです。
ただし、5人目の家族が個室で過ごす時間が長い場合や、日中も在宅している祖父母の場合は、差がもっと大きくなることがあります。
Q3. 6人以上の家族の電気代の平均はいくらですか?
家計調査の2025年平均では、6人以上の世帯で月17,321円、年間では約208,000円です。
5人世帯から約1,700円の増加で、人数が増えるほど1人あたりの電気代は下がっていきます。
6人以上の世帯には二世帯・三世代同居の家庭も多く含まれ、住まいの広さや生活空間の分け方によって金額の幅が大きくなります。
冷暖房を使わない時期の使用量が極端に多くないかを確認するのが、使いすぎかどうかを判断する目安になります。
Q4. 家族が多いと電気代は何から見直すのが効果的ですか?
料金プランの見直しが最優先です。
使用量が多い世帯ほど単価の差がそのまま金額に反映され、月550kWhの家庭で単価が2円違えば年間13,200円の差になります。
燃料費調整額の上限の有無や、市場価格に連動するプランでないかもあわせて確認してください。
その次に効くのは、エアコンの稼働台数を減らすことです。
照明や待機電力の見直しは効果が比較的小さいため、優先順位は後で構いません。
Q5. 祖父母と同居していて電気代が高いのですが、どうすればよいですか?
暖房や冷房は、高齢者の健康を守るための必要な支出なので、我慢の対象にするのは避けてください。
その代わりに、生活を変えずに済む見直しから手をつけるのが効果的です。
料金プランや契約アンペアの確認、窓の断熱、古い冷蔵庫やエアコンの買い替えの検討などです。
祖父母の部屋のエアコンが古い場合は、買い替えで消費電力が下がり、快適さも上がることがあります。
日中にリビングで一緒に過ごす時間を増やし、エアコンの稼働台数を減らす工夫も有効です。
まとめ
5人家族の電気代の平均は月15,665円、年間では約188,000円です。
- 1人あたりでは3,133円。4人世帯からの増加は約1,700円にとどまる
- 電気代を押し上げるのは人数より、個室の数と個室で過ごす時間
- 冬は2万円を超える月もある。春・秋で月500kWhを超えるなら冷暖房以外に原因がある
- 使用量が多い世帯ほど、料金プランの見直しとエアコンの稼働台数の削減が効く
- 高齢の家族の冷暖房や子どもの学習環境は、我慢の対象にしない
まずは検針票で春や秋の使用量を確認し、料金プランの見直しから始めてみてください。

