梅雨の湿気対策や冬の部屋干しに除湿機を使っていて、電気代がどれくらいかかっているのか気になっていませんか。
長時間動かすことが多い家電なので、方式によってどれくらい差があるのか知っておきたいところです。
結論から言うと、除湿機の電気代は方式によって2倍前後の差があり、コンプレッサー式は1時間あたり約5〜9円、デシカント式は約9〜20円が目安です。
ただし、季節によって得意な方式が違うため、電気代だけで選ぶと除湿の効果が出ないこともあります。
この記事では、方式ごとの電気代と特徴を比べたうえで、部屋干しに使う場合の電気代、エアコンの除湿との比較、電気代を下げる使い方までを整理します。
方式別の電気代の目安

計算式は次のとおりです。
電気代 = 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量の目安単価(円/kWh)
目安単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使います。
家庭用の除湿機は、主に3つの方式に分けられます。
| 方式 | 消費電力の目安 | 1時間 | 1日8時間 | 1か月(8時間×30日) |
|---|---|---|---|---|
| コンプレッサー式 | 約150〜300W | 約4.7〜9.3円 | 約37〜74円 | 約1,116〜2,232円 |
| デシカント式 | 約300〜650W | 約9.3〜20.2円 | 約74〜161円 | 約2,232〜4,836円 |
| ハイブリッド式 | 約150〜600W(季節で変動) | 約4.7〜18.6円 | 約37〜149円 | 約1,116〜4,464円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。機種の能力、運転モード、室温・湿度によって変わります。
同じ時間動かした場合、デシカント式はコンプレッサー式の2倍前後の電気代がかかります。
梅雨時期に毎日8時間使うと、1か月で1,000円以上の差になることがあります。
ハイブリッド式は、季節に応じてコンプレッサー式とデシカント式の運転を切り替えるため、電気代もそれに合わせて変わります。
方式ごとの特徴と得意な季節
電気代だけで選ぶと、季節によっては除湿がうまくいきません。
| 方式 | 仕組み | 得意な季節 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|---|
| コンプレッサー式 | エアコンと同じ仕組みで空気を冷やし、水分を結露させて取る | 梅雨〜夏(室温が高いとき) | 電気代が安い。室温が上がりにくい | 室温が低い冬は除湿能力が落ちる。本体が重く運転音がやや大きい |
| デシカント式 | 乾燥剤(ゼオライト)で水分を吸着し、ヒーターで取り出す | 秋〜冬(室温が低いとき) | 室温が低くても除湿能力が落ちにくい。本体が軽く静か | 電気代が高い。ヒーターの熱で室温が上がる |
| ハイブリッド式 | 両方の仕組みを備え、季節で切り替える | 通年 | 一年中安定して除湿できる | 本体価格が高い。本体が大きく重い |
コンプレッサー式は、空気を冷やして水分を結露させる仕組みのため、室温が低い冬は除湿の能力が大きく落ちます。
冬の部屋干しに使うと、電気代は安くても、洗濯物がなかなか乾かないということが起きます。
デシカント式は、ヒーターを使うぶん電気代は高いものの、室温が低くても除湿の能力が落ちにくい方式です。
さらに、ヒーターの熱で室温が数度上がるため、冬は暖房の補助にもなるという側面があります。
逆に夏にデシカント式を使うと、室温が上がって暑くなり、エアコンの負荷が増えることがあります。
使う季節に合った選び方
| 主に使う季節・目的 | おすすめの方式 |
|---|---|
| 梅雨〜夏の湿気対策 | コンプレッサー式 |
| 冬の部屋干し・結露対策 | デシカント式 |
| 一年中使う(梅雨も冬も部屋干しする) | ハイブリッド式 |
| 寒冷地で冬の部屋干しが中心 | デシカント式 |
| 電気代をできるだけ抑えたい(夏中心) | コンプレッサー式 |
寒冷地では、冬に室温が低い時間が長く、部屋干しの頻度も高くなります。
この場合、コンプレッサー式では乾きにくいため、デシカント式やハイブリッド式が向いています。
ただし、これは地域の気候と住まいの条件によるもので、全国一律ではありません。
部屋干しに使う場合の電気代
除湿機のもっとも一般的な使い方の一つが、部屋干しの衣類乾燥です。
5kg前後の洗濯物を乾かす場合の目安は次のとおりです。
| 乾かし方 | 1回あたりの電気代の目安 | 乾燥時間の目安 |
|---|---|---|
| 部屋干し(自然乾燥) | 0円 | 半日〜1日以上 |
| 部屋干し+サーキュレーター | 約2〜4円 | 4〜6時間 |
| 除湿機(コンプレッサー式・夏) | 約20〜35円 | 3〜5時間 |
| 除湿機(デシカント式・冬) | 約40〜80円 | 3〜5時間 |
| ヒートポンプ式乾燥機 | 約22〜31円 | 2〜3時間 |
| ヒーター式乾燥機 | 約47〜78円 | 1.5〜3時間 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
夏にコンプレッサー式の除湿機で部屋干しをすれば、ヒートポンプ式の乾燥機とほぼ同じくらいの電気代で乾かせます。
冬にデシカント式を使う場合は、ヒーター式の乾燥機に近い電気代になります。
もっとも効果的なのは、除湿機とサーキュレーターを組み合わせる方法です。
サーキュレーターで洗濯物に風を当てると、衣類の表面から水分が蒸発しやすくなり、除湿機がその水分を取り除きます。
乾燥時間が短くなるため、除湿機の運転時間も減り、電気代を抑えられます。
外干しで花粉やPM2.5が気になる場合の判断についてはPM2.5と洗濯物の関係|外干ししても大丈夫?判断基準と現実的な対策で整理しています。
エアコンの除湿との比較
除湿はエアコンでもできます。
エアコンの除湿には、主に2つの方式があります。
| 除湿の方法 | 消費電力の傾向 | 特徴 |
|---|---|---|
| エアコン(弱冷房除湿) | 冷房より少ない | 室温を少し下げながら除湿する |
| エアコン(再熱除湿) | 冷房より多いことがある | 冷やした空気を温め直すため、室温が下がりにくい |
| 除湿機(コンプレッサー式) | 約150〜300W | 狭い範囲をピンポイントで除湿できる |
| 除湿機(デシカント式) | 約300〜650W | 室温が低くても除湿できる。室温が上がる |
部屋全体の湿度を下げたいなら、エアコンの除湿が効率的なことが多くなります。
一方、部屋干しの衣類の近く、クローゼット、エアコンのない部屋など、特定の場所を集中的に除湿したいなら除湿機が向いています。
エアコンの再熱除湿は、冷やした空気を温め直すため、冷房より電力を使うことがあります。
自分のエアコンがどちらの方式か分からない場合は、取扱説明書で確認してください。
除湿機の電気代を下げる使い方

1. 湿度センサー・自動運転を使う
多くの除湿機には、設定した湿度に達すると運転を弱めたり止めたりする自動運転があります。
常に強運転で使うより、自動運転にしておくほうが無駄な電力を防げます。
室内の湿度は、一般に40〜60%程度が目安とされています。
2. 部屋を閉め切って使う
ドアや窓が開いていると、外から湿気が入り続け、除湿機がいつまでも止まりません。
除湿したい部屋は閉め切って使うと、短時間で湿度を下げられます。
3. サーキュレーターと組み合わせる
部屋干しでは、サーキュレーターで洗濯物に風を当てると、乾燥時間が短くなり、除湿機の運転時間も減ります。
4. 季節に合った方式で使う
冬にコンプレッサー式を使うと除湿の能力が落ち、長時間運転しても乾かないことがあります。
ハイブリッド式なら自動で切り替わりますが、単一方式の場合は、季節に合わせた使い方を意識してください。
5. フィルターを掃除する
吸い込み口のフィルターにほこりがたまると、空気の流れが悪くなり、除湿の効率が落ちます。
取扱説明書に沿って、定期的に掃除してください。
6. タンクの水をこまめに捨てる
タンクが満水になると、運転が自動で止まります。
部屋干しの途中で止まってしまうと、乾燥が中断されて乾燥時間が延びます。
運転前にタンクを空にしておくと、途中で止まる心配がありません。
手入れと安全に使うための注意点
除湿機のタンクにたまった水は、放置すると雑菌やカビが繁殖します。
タンクの水は毎回捨て、定期的にタンクを洗ってください。水を放置すると、雑菌やカビの温床になり、ニオイの原因にもなります。
そのほか、次の点に注意してください。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 吸い込み口・吹き出し口をふさがない | 熱がこもり、故障や過熱の原因になる |
| 洗濯物を本体に直接かけない | 吸い込み口がふさがれ、水滴が本体に入ることがある |
| 転倒しない安定した場所に置く | 転倒すると水がこぼれ、故障の原因になる |
| 延長コードでほかの機器と一緒に使わない | デシカント式は消費電力が大きく、コードが発熱するおそれがある |
デシカント式は消費電力が大きいため、延長コードやテーブルタップでほかの電気製品と一緒に使うとコードが発熱するおそれがあります。できるだけ壁のコンセントに直接挿して使ってください。
デシカント式は吹き出し口から温かい空気が出るため、小さな子どもやペットが触れないように置き場所にも気をつけてください。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、除湿機の後部から白煙が出た事故の事例を紹介し、機器の内部にほこりがたまると発火の原因になるため、定期的に清掃するよう呼びかけています。
フィルターの掃除は、除湿の効率を保つだけでなく、発火を防ぐための手入れでもあります。
運転中に焦げたにおいがする、異音がする、本体が異常に熱いといった症状があれば、すぐに使用を中止してください。
季節ごとの電気代の目安
除湿機は季節によって使い方と電気代が変わります。
1日の使用時間を想定した、1か月の目安です。
| 季節 | 主な使い方 | コンプレッサー式 | デシカント式 |
|---|---|---|---|
| 梅雨(6〜7月) | 湿気対策・部屋干し、1日8時間 | 約1,100〜2,200円 | 約2,200〜4,800円(室温が上がる) |
| 夏(8〜9月) | 部屋干し中心、1日4時間 | 約560〜1,100円 | 約1,100〜2,400円 |
| 秋冬(11〜2月) | 部屋干し・結露対策、1日6時間 | 約840〜1,700円(除湿能力は落ちる) | 約1,700〜3,600円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
梅雨の時期は、デシカント式を使うと室温が上がり、エアコンの冷房の負荷も増えるため、電気代は表の数字以上に膨らむことがあります。
反対に冬は、デシカント式の熱が暖房の補助になるため、電気代の高さを一部取り戻せる面があります。
「夏はコンプレッサー式、冬はデシカント式」という季節の相性を意識すると、電気代と効果のバランスがとれます。
カビ・結露対策としての除湿機
除湿機は、部屋干しだけでなく、カビや結露の対策にも使われます。
- 梅雨時期のクローゼットや押し入れの湿気対策
- 冬の窓の結露対策
- 北側の部屋や地下室など、湿気がこもりやすい部屋の対策
カビは湿度が高い状態が続くと発生しやすくなります。
カビの臭いが気になる場合の原因と対策はカビ臭い部屋の対策完全ガイド|原因・場所別の除去方法と再発防止策とは?で詳しく解説しています。
一方で、除湿機だけに頼るより、換気と組み合わせるほうが効果的です。
24時間換気の換気扇を止めると湿気がこもりやすくなるため、換気扇は動かしたまま使ってください。
換気扇の電気代は換気扇は24時間つけっぱなし?場所別の電気代と正しい使い方で試算しています。
待機電力とシーズンオフの保管
使わない季節は、次の手順でしまってください。
- タンクの水を捨て、タンクを洗って乾かす
- フィルターを掃除する
- 本体内部を乾燥させるため、送風運転ができる機種は送風で乾かす
- 電源プラグを抜き、ほこりがかからないよう袋などに入れて保管する
使わない間は電源プラグを抜いておけば待機電力もかかりません。
待機電力について、抜いてよいものとそうでないものの線引きはコンセント差しっぱなしの電気代はどれくらい?実際にかかる金額と無駄を減らす判断基準で整理しています。
家電ごとの消費電力の大きさは【2026年最新】家電の消費電力ランキングTOP15|電気代が高い順に解説で順位づけしています。
よくある質問
Q1. 除湿機の電気代は1時間いくらですか?
方式によって違います。
コンプレッサー式は約4.7〜9.3円、デシカント式は約9.3〜20.2円、ハイブリッド式は季節によって約4.7〜18.6円が目安です。
1日8時間使った場合、1か月でコンプレッサー式は約1,100〜2,200円、デシカント式は約2,200〜4,800円になります。
同じ時間動かすと、デシカント式はコンプレッサー式の2倍前後の電気代がかかります。
ただし、季節によって得意な方式が違うため、電気代だけでなく使う季節で選ぶことが大切です。
Q2. コンプレッサー式とデシカント式はどちらを選べばよいですか?
主に使う季節で選んでください。
梅雨から夏の湿気対策が中心なら、電気代が安く室温も上がりにくいコンプレッサー式が向いています。
冬の部屋干しや結露対策が中心なら、室温が低くても除湿の能力が落ちにくいデシカント式が向いています。
コンプレッサー式は冬に除湿の能力が大きく落ちるため、冬に使うと電気代は安くても乾かないことがあります。
一年中使うなら、季節で切り替わるハイブリッド式が安定して使えます。
Q3. 除湿機で部屋干しすると電気代はいくらですか?
5kg前後の洗濯物を乾かす場合、夏にコンプレッサー式を使えば1回あたり約20〜35円、冬にデシカント式を使えば約40〜80円が目安です。
夏のコンプレッサー式なら、ヒートポンプ式の衣類乾燥機とほぼ同じくらいの電気代です。
サーキュレーターで洗濯物に風を当てながら使うと、乾燥時間が短くなり、除湿機の運転時間も減るため電気代を抑えられます。
部屋を閉め切って使うのも効果的です。
Q4. エアコンの除湿と除湿機はどちらが安いですか?
目的によって変わります。
部屋全体の湿度を下げたいなら、エアコンの除湿が効率的なことが多くなります。
ただし、エアコンの再熱除湿は冷やした空気を温め直すため、冷房より電力を使うことがあります。
部屋干しの衣類の近くやクローゼット、エアコンのない部屋など、特定の場所を集中的に除湿したい場合は除湿機が向いています。
自分のエアコンの除湿方式は、取扱説明書で確認してください。
Q5. 除湿機のタンクの水はどうすればよいですか?
毎回捨て、定期的にタンクを洗ってください。
タンクに水を放置すると、雑菌やカビが繁殖し、ニオイの原因になります。
また、タンクが満水になると運転が自動で止まるため、部屋干しの途中で乾燥が中断されることがあります。
運転前にタンクを空にしておくと、途中で止まる心配がありません。
シーズンオフにしまうときは、タンクを洗って完全に乾かしてから保管してください。
まとめ
除湿機の電気代は、方式によって2倍前後の差があります。
- コンプレッサー式は1時間約5〜9円、デシカント式は約9〜20円
- コンプレッサー式は夏に強く、冬は除湿の能力が落ちる。デシカント式は冬に強い
- 夏にコンプレッサー式で部屋干しすれば、ヒートポンプ式乾燥機とほぼ同じくらいの電気代
- サーキュレーターとの併用と、部屋を閉め切る使い方で運転時間を短くできる
- タンクの水は毎回捨て、デシカント式は壁のコンセントに直接挿して使う
除湿機は、方式と季節の組み合わせで電気代も効果も変わる家電です。
まずは自分の除湿機の方式を確認し、使う季節に合った使い方ができているかを見直してみてください。

