毎日のように使う電子レンジですが、1回あたりの電気代がどれくらいかかっているのか気になったことはありませんか。
消費電力が1,000Wを超えると書いてあるのを見て、意外と電気代が高いのではと心配になる方もいるはずです。
結論から言うと、電子レンジの電気代は、温め3分程度なら1回約2円前後です。
消費電力は大きいものの、使う時間が数分と短いため、毎日使っても月数百円程度にとどまります。
この記事では、電子レンジの電気代を時間別に整理したうえで、ガスコンロや炊飯器の保温と比べた場合の違い、電気代を抑える使い方、安全に使うための注意点までを解説します。
電子レンジの電気代の目安

計算式は次のとおりです。
電気代 = 消費電力(kW)× 使用時間(h)× 電力量の目安単価(円/kWh)
目安単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が示す31円/kWhを使います。
電子レンジの消費電力は、本体の銘板や取扱説明書に記載されています。
一般的な家庭用のレンジ機能では1,000〜1,450W程度です。
ここでは消費電力1,300Wで試算します。
| 使う時間 | 電気代の目安 | 主な使い方の例 |
|---|---|---|
| 1分 | 約0.7円 | 飲み物の温め |
| 2分 | 約1.3円 | ごはん1杯の温め |
| 3分 | 約2.0円 | お弁当の温め |
| 5分 | 約3.4円 | 冷凍食品の温め |
| 10分 | 約6.7円 | 野菜の下ごしらえ、解凍 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
毎日3分を2回使っても、1日約4円、1か月で約120円です。
消費電力の大きさに比べて、電気代は小さい家電だと言えます。
「1,000Wを超える家電は電気代が高い」と思われがちですが、電気代は消費電力と使う時間の掛け算で決まります。
電子レンジは使う時間が短いため、エアコンのように長時間使う家電と比べると、月の電気代ははるかに小さくなります。
ワット数の設定と電気代
電子レンジには、500W・600W・700Wなど、出力(ワット数)を選べる機能があります。
ここで注意したいのは、「出力」と「消費電力」は別のものだという点です。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 出力(500W・600Wなど) | 食品を温めるためのマイクロ波の強さ |
| 消費電力(1,000〜1,450Wなど) | その出力を得るために電子レンジが使う電力 |
600Wの出力で温めていても、電子レンジ本体は1,000W以上の電力を使っています。
電気代の計算には、出力ではなく消費電力を使ってください。
出力を500Wに下げると消費電力もいくらか下がりますが、そのぶん温める時間が長くなります。
結果として、1回あたりの電気代に大きな差は出にくいと考えてください。
温めムラを防ぐなど、仕上がりを優先して出力を選ぶほうが合理的です。
家族構成別の1か月の電気代

使う回数によって、1か月の電気代の目安は次のようになります。
| 世帯・使い方 | 1日の使用時間の目安 | 1か月の電気代の目安 |
|---|---|---|
| 一人暮らし(温め中心) | 約5分 | 約100円 |
| 二人暮らし(温め+下ごしらえ) | 約10分 | 約200円 |
| 3〜4人家族(温め・解凍・下ごしらえ) | 約20分 | 約400円 |
| 家族でオーブンもよく使う | 約40分 | 約800円 |
※消費電力1,300W、31円/kWhで試算した参考値です。
家族で毎日よく使っても、月数百円程度に収まります。
電子レンジの使用を控えて節約する効果はごくわずかだと考えてよいでしょう。
むしろ、ガスコンロで茹でていた下ごしらえを電子レンジに置き換えるなど、使い方を工夫するほうが光熱費は下がります。
オーブン・グリル機能の電気代
オーブンレンジのオーブンやグリル機能は、レンジ機能と比べて使う時間が長くなります。
| 使い方 | 消費電力の目安 | 使用時間の例 | 電気代の目安 |
|---|---|---|---|
| レンジ(温め) | 約1,300W | 3分 | 約2円 |
| トースト(グリル) | 約1,200W | 5分 | 約3円 |
| オーブン(予熱) | 約1,300W | 10分 | 約7円 |
| オーブン(焼き) | 約1,300W | 30分 | 約20円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。オーブンは温度を保つためにヒーターが入ったり切れたりするため、実際はこれより低くなることがあります。
オーブンで予熱から焼き上げまで40分使うと、1回あたり20〜30円程度になることがあります。
それでも、ガスオーブンや、ほかの調理方法と大きく変わる金額ではありません。
ガスコンロと比べるとどうか
野菜の下ごしらえなどでは、ガスコンロで茹でるより、電子レンジを使ったほうが光熱費が安くなることがあります。
資源エネルギー庁は、100gの食材を1Lの水で沸騰させて煮る場合と、電子レンジで下ごしらえをした場合を比較しています(365日、1日1回使用)。
| 食材 | ガスコンロ(年間) | 電子レンジ(年間) | 電子レンジに替えた場合の節約額 |
|---|---|---|---|
| 葉菜(ほうれん草、キャベツ) | 約1,350円 | 約410円 | 年間 約940円 |
| 果菜(ブロッコリー、カボチャ) | 約1,470円 | 約470円 | 年間 約1,000円 |
| 根菜(ジャガイモ、里芋) | 約1,540円 | 約680円 | 年間 約860円 |
お湯を沸かして茹でるより、電子レンジで直接加熱するほうがエネルギーの無駄が少ないためです。
資源エネルギー庁も、煮込み料理の野菜は電子レンジで加熱してから鍋に入れると、煮崩れも少なくガス代の大幅な節約になると勧めています。
ただし、この比較は食材の量などによって変わります。
大量の野菜を一度に茹でる場合は、ガスコンロのほうが効率がよいこともあります。
炊飯器の保温と電子レンジの温め直し
ごはんを炊飯器で保温し続けるか、冷ましておいて電子レンジで温め直すかも、よく迷うところです。
資源エネルギー庁は、ごはんを炊飯器で保温するのは4時間までが目安で、それより長くなる場合は保温のためのエネルギーより、電子レンジで温め直すエネルギーのほうが少なくなると示しています。
| 方法 | 目安 |
|---|---|
| 4時間以内に食べる | 炊飯器で保温 |
| 4時間以上あとに食べる | 冷まして保存し、電子レンジで温め直す |
保温時間が長くなると、電力の消費量が増えるだけでなく、ごはんの風味も落ちます。
夜に炊いて翌朝食べる場合などは、保温をやめて冷蔵・冷凍し、電子レンジで温め直すほうが、電気代と味の両面で有利です。
炊飯器は、食べる時間に合わせてタイマー予約で炊き上げるようにすると、保温の時間そのものを短くできます。
ほかの調理家電と比べると
同じ「温める」でも、家電によって電気代は違います。
| 家電 | 消費電力の目安 | 使用時間の例 | 1回の電気代の目安 |
|---|---|---|---|
| 電子レンジ(温め) | 約1,300W | 3分 | 約2円 |
| オーブントースター | 約1,000W | 5分 | 約2.6円 |
| 電気ケトル(1L) | 約1,200W | 5分 | 約3円 |
| 炊飯器(炊飯・5.5合) | 約1,200W | 1回約0.15kWh | 約5円 |
| IHクッキングヒーター(1口・強) | 約2,000W | 10分 | 約10円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。炊飯器は1回あたりの消費電力量で計算しています。
どれも1回あたりの電気代は小さく、数円から十数円の範囲です。
調理家電の電気代は、使う時間の長さで差がつくと考えてください。
短時間で済む電子レンジは、電気代の面では扱いやすい調理家電です。
待機電力は気にする必要があるか
電子レンジは、使っていないときも時計の表示や操作パネルのために、わずかな電力を使っています。
| 状態 | 消費電力の目安 | 1か月の電気代の目安 |
|---|---|---|
| 待機中(時計表示あり) | 約0.5〜2W | 約11〜45円 |
| 省エネ待機(表示を消す機能) | 約0W前後 | ほぼ0円 |
※31円/kWhで試算した参考値です。
待機電力は、1か月で数十円程度です。
毎回プラグを抜くほどの金額ではありませんが、最近の機種には、使わないときに表示を消して待機電力をほぼゼロにする省エネ待機の機能があるものもあります。
長期間使わない場合は、プラグを抜いておいてもかまいません。
待機電力について、抜いてよい家電とそうでない家電の線引きはコンセント差しっぱなしの電気代はどれくらい?実際にかかる金額と無駄を減らす判断基準で整理しています。
電子レンジの電気代を抑える使い方
1. 必要な時間だけ加熱する
長めに設定して途中で止めるより、自動温めや表示の目安に従って必要な時間だけ加熱するほうが無駄がありません。
温めすぎは、食品の風味も損ないます。
2. 庫内を清潔に保つ
庫内に食品のカスや汚れがついていると、マイクロ波がそこに当たり、温めの効率が落ちることがあります。
こまめに拭き取ってください。
3. まとめて温める
少量ずつ何度も温めるより、まとめて温めたほうが1回あたりの無駄が減ります。
ただし、量が多すぎると温めムラが出るため、適量を守ってください。
4. 下ごしらえに活用する
先に紹介したとおり、野菜の下ごしらえを電子レンジで行うと、ガスコンロで茹でるより光熱費が下がることがあります。
煮物やカレーの野菜を先に電子レンジで加熱しておくと、煮込み時間も短くなります。
安全に使うための注意点
電子レンジは消費電力が大きい家電です。
使い方を誤ると、発熱や発火の原因になります。
電子レンジを延長コードやテーブルタップにつなぎ、ほかの家電と同時に使うと、コードが発熱して発火するおそれがあります。できるだけ壁のコンセントに直接挿して使ってください。
電子レンジとドライヤー、電気ケトルなどを同時に使うと、契約アンペアを超えてブレーカーが落ちることもあります。
コンセントに何ワットまでつなげるかの考え方はコンセントは何ワットまで使える?ブレーカーが落ちる前に知っておくべき基準と注意点で詳しく解説しています。
そのほか、次の点にも注意してください。
| 注意点 | 理由 |
|---|---|
| 金属の容器やアルミホイルをレンジ機能で使わない | 火花が出て発火するおそれがある |
| 卵を殻ごと、または殻をむいたゆで卵をそのまま温めない | 破裂してやけどをするおそれがある |
| 少量の食品を長時間加熱しない | 過加熱で発火することがある |
| 液体を温めすぎない | 取り出すときに突然沸騰して飛び散ることがある |
| 庫内の汚れを放置しない | 汚れが加熱されて発煙・発火の原因になることがある |
加熱中に庫内から火や煙が出た場合は、扉を開けずに電源を切り、電源プラグを抜いてください。扉を開けると空気が入り、火が大きくなるおそれがあります。
よくある質問
Q1. 電子レンジ1回の電気代はいくらですか?
消費電力1,300Wの電子レンジで3分温めた場合、1回あたり約2円です。
1分なら約0.7円、5分なら約3.4円が目安です。
毎日3分を2回使っても、1か月の電気代は約120円にとどまります。
電子レンジは消費電力が大きいものの、使う時間が短いため、月の電気代は小さい家電です。
自分の電子レンジの消費電力は、本体の銘板や取扱説明書で確認してください。
Q2. 500Wと600Wでは電気代が違いますか?
1回あたりの電気代に大きな差は出にくいと考えてください。
500W・600Wといった数字は、食品を温めるマイクロ波の強さ(出力)で、電子レンジ本体が使う消費電力とは別のものです。
出力を下げると消費電力もいくらか下がりますが、そのぶん温める時間が長くなります。
電気代よりも、温めムラを防ぐなど仕上がりを優先して出力を選ぶほうが合理的です。
Q3. 野菜を茹でるのはガスと電子レンジどちらが安いですか?
少量の下ごしらえであれば、電子レンジのほうが安くなることが多くあります。
資源エネルギー庁の試算では、100gの葉菜を1日1回下ごしらえする場合、ガスコンロで茹でると年間約1,350円、電子レンジなら約410円で、年間約940円の節約になります。
お湯を沸かして茹でるより、電子レンジで直接加熱するほうがエネルギーの無駄が少ないためです。
ただし、大量の野菜を一度に茹でる場合は、ガスコンロのほうが効率がよいこともあります。
Q4. ごはんは炊飯器で保温するのと電子レンジで温め直すのはどちらが得ですか?
食べるまでの時間によります。
資源エネルギー庁は、炊飯器での保温は4時間までが目安で、それより長くなる場合は電子レンジで温め直すほうがエネルギーが少なくなると示しています。
夜に炊いて翌朝食べる場合などは、保温をやめて冷蔵・冷凍し、電子レンジで温め直すほうが電気代と味の両面で有利です。
炊飯器のタイマー予約で食べる時間に合わせて炊き上げると、保温の時間そのものを短くできます。
Q5. 電子レンジのコンセントは抜いたほうがよいですか?
毎回抜く必要はありません。
電子レンジの待機電力は、時計表示などのために1か月数十円程度です。
最近の機種には、使わないときに表示を消して待機電力をほぼゼロにする省エネ待機の機能があるものもあります。
長期間使わない場合は、プラグを抜いておいてもかまいません。
なお、電子レンジは延長コードではなく、できるだけ壁のコンセントに直接挿して使ってください。
まとめ
電子レンジの電気代は、温め3分程度なら1回約2円前後です。
- 消費電力は大きいが、使う時間が短いため、毎日使っても月数百円程度
- 500W・600Wは出力で、電気代の計算には消費電力を使う
- 少量の野菜の下ごしらえは、ガスコンロで茹でるより電子レンジのほうが光熱費が安いことが多い
- ごはんの保温は4時間まで。それ以上なら電子レンジで温め直すほうが省エネ
- 延長コードを使わず、壁のコンセントに直接挿して使う
電子レンジは、使い方しだいでガス代や炊飯器の電気代を下げる道具にもなります。
まずは炊飯器の保温時間を見直し、野菜の下ごしらえに電子レンジを使うところから始めてみてください。

