ガスコンロの五徳に茶色い油汚れや黒い焦げがこびりつき、洗剤でこすってもびくともしなくて困っていませんか。
五徳は鍋を支えながら炎に直接さらされる部品なので、キッチンの中でも特に汚れが固まりやすい場所です。
実は五徳の掃除で一番大切なのは、洗剤の強さではなく「自分の五徳が何でできているか」を知ることです。
ホーロー・ステンレス・鉄鋳物では向いている洗い方も、やってはいけない洗い方も違います。
この記事では、五徳の素材の見分け方から、汚れの段階に合わせた掃除方法、つけ置きや煮洗いで頑固な焦げを落とす手順、掃除後に必ず確認したい戻し方までを順番に解説します。
- 五徳の素材ごとに適した洗剤と洗い方
- 軽い油汚れから頑固な焦げまで、段階別の落とし方
- 掃除後の戻し方と、使い始める前の安全確認
五徳の掃除は「素材の見分け」から始まる

結論からお伝えすると、五徳の掃除は次の3ステップで考えると失敗がありません。
①素材を確認する → ②汚れの段階に合った方法を選ぶ → ③完全に乾かして正しく戻す
迷ったときは、台所用中性洗剤でのやさしい洗浄から始め、落ちない分だけ段階的に強い方法へ進めるのが基本です。
いきなり強い洗剤や硬いたわしを使うと、汚れと一緒に五徳の表面まで傷めてしまうことがあります。
特にホーローの五徳は、表面のガラス質の膜が欠けると、そこから鉄がサビ始めます。
一度欠けた膜は元に戻らないため、最初の方法選びがとても重要です。
家庭用コンロの五徳に多い3つの素材
家庭用ガスコンロの五徳は、おおむね次の3種類に分けられます。
| 素材 | 見た目・特徴 | 多い機種 | 向いている洗い方 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| ホーロー | 黒や茶色のツヤがある表面、軽くたたくと硬い音 | 普及価格帯のビルトインコンロ・テーブルコンロ | 中性洗剤、つけ置き、煮洗い | 金属たわし・研磨剤で表面が欠けやすい |
| ステンレス | 銀色の金属光沢、熱で黄色〜青っぽく変色しやすい | ガラストップの中〜上位機種 | 中性洗剤、重曹水のつけ置き、専用クリーナー | 熱による変色は洗剤では落ちにくい |
| 鉄鋳物 | 黒くザラッとした質感、ずっしり重い | 上位機種、業務用、一部のテーブルコンロ | 中性洗剤、ブラシ洗い | 水分が残るとサビやすい、食洗機不可の機種がある |
見た目だけで判断が難しい場合は、コンロ本体の型式を確認し、取扱説明書の「お手入れ」の項目を見るのが確実です。
型式はビルトインコンロなら本体前面の操作部付近やグリル扉の内側、テーブルコンロなら側面や底面のラベルに記載されていることが多いです。
取扱説明書が手元にない場合でも、各メーカーの公式サイトで型式を入力すればPDF版を閲覧できるケースがほとんどです。
見分けに迷いやすいポイント
素材の見分けでよくある勘違いが、「黒い五徳はすべて鋳物」という思い込みです。
黒いホーロー五徳も多く、表面にツヤがあればホーロー、ツヤがなくザラついて重ければ鋳物の可能性が高いと考えてください。
また、「磁石がつかないからステンレス」という判断も確実ではありません。
ステンレスには磁石がつく種類とつかない種類があり、ホーローや鋳物も中身は鉄なので磁石がつきます。
磁石は補助的な目安にとどめ、最終的には取扱説明書で確認するのが安全です。
掃除を始める前に必ず確認したい安全のポイント
五徳は調理が終わったあともしばらく高温が続きます。
火を消した直後の五徳に素手で触れると、やけどをするおそれがあります。
掃除を始める前に、次の点を確認してください。
- すべての点火つまみが「消」の位置になっていること
- コンロ横のガス栓(テーブルコンロの場合)が閉まっていること
- 五徳・バーナー周りが手で触れられる温度まで冷めていること
- ゴム手袋などで手を保護していること
パロマはコンロのお手入れ前の注意として、ガス栓を閉めて機器が冷えてから作業すること、手袋を着用することを挙げています。
あわせて、シンナー・ベンジン、酸性・アルカリ性洗剤、漂白剤、みがき粉やクレンザー、スポンジの硬い面、ナイロンたわし、金属たわしなどを「適さないもの」として示しています。
一方で、後述するようにリンナイはステンレス五徳に重曹水の使用を案内しており、推奨される洗剤はメーカーや素材によって異なります。
「ネットで見た方法」より「自分のコンロの取扱説明書」を優先することが、五徳を長持ちさせる一番の近道です。
汚れの段階別に見る掃除方法の選び方

五徳の汚れは、時間の経過とともに性質が変わります。
調理中に飛んだ油は最初サラサラしていますが、熱と空気にさらされるうちにベタベタになり、最終的にはカチカチの焦げ汚れへと変化します。
今の汚れがどの段階にあるかで、選ぶべき方法が変わります。
| 汚れの段階 | 見た目・触った感じ | おすすめの方法 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| サラサラ油 | 表面が光っている、指でこするとすぐ取れる | 中性洗剤で拭く・洗う | 5分程度 |
| ベタベタ油 | 茶色く変色し、触るとねばつく | 中性洗剤で丸洗い、ぬるま湯でゆるめる | 10〜20分程度 |
| カチカチ焦げ(軽度) | 黒っぽく固まり、スポンジでは落ちない | つけ置き、ぬるま湯+歯ブラシ | 1〜2時間程度 |
| カチカチ焦げ(重度) | 層になって盛り上がり、爪でも削れない | 煮洗い、専用クリーナー | 半日程度(冷ます時間を含む) |
ポイントは、ベタベタ油の段階で落としておけば、焦げになる前に簡単に掃除できるということです。
焦げは一度できると落とすのに何倍もの手間がかかるため、「汚れが軽いうちに洗う」ことが結果的に一番ラクな方法になります。
五徳の掃除に使われる洗剤の特徴と使い分け
「五徳の掃除に最強の洗剤はどれか」と探す方は多いですが、すべての五徳に万能な洗剤はありません。
洗浄力が強い洗剤ほど、素材との相性に注意が必要になるためです。
よく使われる洗剤の特徴を、液性と向いている汚れの観点で整理しました。
| 洗剤 | 液性 | 得意な汚れ | 五徳への使いやすさ | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 台所用中性洗剤 | 中性 | 新しい油汚れ | どの素材にも使いやすい | 焦げにはほぼ効果がない |
| 住居用中性洗剤(泡スプレーなど) | 中性 | ベタベタ油、軽いこびりつき | どの素材にも使いやすい | コンロ上で直接吹きかけず、外して使う |
| 重曹 | 弱アルカリ性 | ベタベタ油、軽度の焦げ | ステンレスはメーカー案内あり、他は取扱説明書で確認 | 粉のままこするとホーローに細かな傷がつくことがある |
| セスキ炭酸ソーダ | 弱アルカリ性(重曹より強め) | 油汚れ全般 | 取扱説明書で確認 | 長時間放置しない、手荒れに注意 |
| 酸素系漂白剤(オキシクリーンなど) | 弱アルカリ性(セスキより強め) | 焦げ、蓄積した油汚れ | 避ける | 製品の公式情報で金属全般が使用不可とされている |
| コンロ用専用クリーナー | 製品による | 焦げ、ステンレスの変色 | 対応素材の表示を確認 | 研磨剤入りはホーローに使わない |
| 塩素系漂白剤 | アルカリ性 | カビ、漂白 | 使用不可と考える | 金属を傷める |
実用上は、普段は中性洗剤、落ちなくなったら重曹、それでもだめなら煮洗いか専用クリーナーという順番で考えると、素材を傷めるリスクを抑えながら汚れを落とせます。
強い洗剤に頼る前に、ぬるま湯にひたす時間を長めにとったり、歯ブラシで細かい部分をこすったりするだけでも、落ち方はかなり変わります。
洗剤の力より「温度」と「時間」を味方につけるのが、五徳掃除のコツです。
軽い汚れを落とす日常のお手入れ
揚げ物や炒め物のあとに五徳が少しテカっている程度なら、台所用中性洗剤だけで十分に落とせます。
日常のお手入れの手順
- 五徳が十分に冷めたことを確認し、コンロから取り外す
- シンクにぬるま湯(40℃前後)を張り、五徳を数分ひたして油をゆるめる
- 台所用中性洗剤をつけたスポンジの柔らかい面で、なでるように洗う
- 爪の付け根や脚の裏など、汚れがたまりやすい部分は古い歯ブラシでこする
- 水でよくすすぎ、乾いた布で水気を拭き取る
- 完全に乾いたことを確認してからコンロに戻す
ぬるま湯にひたすのは、固まりかけた油をやわらかくして、少ない力で落とせるようにするためです。
熱湯を使う必要はなく、給湯器の設定温度程度のお湯で十分効果があります。
見落としがちな汚れポイント
五徳の掃除で意外と洗い残しが多いのが、次の3か所です。
- 鍋を支える爪の先端と、その付け根
- 五徳の脚の裏側(トッププレートに接している面)
- リング部分の内側(炎に近い側)
特に脚の裏は、トッププレートにこぼれた煮汁が焼き付いていることが多く、表面だけ洗っても置いたときにガタつく原因になります。
洗ったあとに五徳を平らな場所に置いて、ぐらつきがないか確認しておくと安心です。
日常のお手入れには、泡切れがよく手肌にやさしい台所用中性洗剤と、柔らかい面と硬い面が分かれたスポンジを用意しておくと便利です。
素材別のしっかり掃除の方法
日常のお手入れで落ちなくなった汚れは、素材に合わせた方法で落としていきます。
ここではメーカーの案内をもとに、素材ごとの手順を整理します。
ホーロー五徳の掃除方法
ホーローは鉄の表面にガラス質の釉薬を焼き付けた素材で、汚れが染み込みにくい反面、強い衝撃や研磨に弱いのが特徴です。
リンナイは、ホーローのごとくについて、薄めた台所用中性洗剤を含ませた布で汚れを拭き取り、汚れがひどい場合はつけ置きしてから洗剤で丸洗いするよう案内しています。
それでも落ちない場合は、水を入れた大きな鍋でごとくを30分程度加熱する「煮洗い」をすると汚れが落としやすくなるとしています。
ホーロー五徳を掃除するときは、次の点を守ってください。
- 金属たわしやクレンザーでこすらない
- 焦げをヘラやナイフで無理に削り取らない
- シンクの底や蛇口にぶつけないよう、ゆっくり扱う
ホーローの表面が一部でも欠けると、むき出しになった鉄の部分から赤サビが広がっていきます。
「焦げが取れた」と思ったら表面の黒い層まで一緒に剥がれていた、というのはホーロー五徳でよくある失敗です。
焦げは削るのではなく、つけ置きや煮洗いで「浮かせて落とす」ことを意識しましょう。
ステンレス五徳の掃除方法
ステンレスはサビにくく丈夫な素材ですが、高温にさらされると表面が黄色や茶色、青紫色に変色する性質があります。
リンナイは、ステンレスごとくの軽い汚れには台所用中性洗剤または重曹水を含ませた布で拭き取り、ひどい汚れには40℃くらいの重曹水につけおきしてから歯ブラシでこすり、最後に水洗いしてしっかり乾かす方法を案内しています。
また、表面の変色については、別売のステンレス専用クリーナーをやわらかい布やラップに含ませてこする方法を示しています。
ステンレス五徳の変色は、汚れではなく金属表面の酸化によるものです。
そのため、洗剤やつけ置きをいくら繰り返しても落ちないのが普通で、落ちないからといって故障や劣化を心配する必要はありません。
見た目が気になる場合だけ、ステンレス対応の研磨クリーナーを使いましょう。
このとき、ステンレスの表面には細かな筋目(ヘアライン)が入っていることが多いので、筋目に沿って一方向にこすると傷が目立ちにくくなります。
鉄鋳物の五徳の掃除方法
鉄鋳物の五徳は、重くて丈夫なため高火力のコンロや業務用に多く使われています。
表面に塗装や焼き付け加工がされているものが多く、汚れ自体は中性洗剤とブラシで比較的落としやすい素材です。
一方で、鉄がむき出しに近い分、水分が残ると短時間でサビが出やすいという弱点があります。
鋳物五徳を掃除するときは、次の流れを意識してください。
- 中性洗剤とブラシで汚れを落とす(長時間の水へのつけっぱなしは避ける)
- 水ですすいだら、すぐに乾いた布で全体の水気を拭き取る
- 脚の付け根や凹凸部分に水が残らないよう、風通しのよい場所で完全に乾かす
洗った直後はきれいに見えても、翌朝には接合部や凹みに赤サビが浮いているということがあります。
鋳物の五徳は「洗うこと」より「乾かすこと」に時間をかけると覚えておくと失敗しにくくなります。
頑固な焦げやこびりつきを落とす方法

日常のお手入れや素材別の洗浄で落ちない焦げには、「つけ置き」「煮洗い」「専用クリーナー」の3つの方法があります。
それぞれの特徴を先に整理しておきます。
| 方法 | 向いている汚れ | 向いている素材 | 手間 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| つけ置き(中性洗剤・重曹) | 軽度〜中程度の焦げ、ベタベタ油 | ステンレス、ホーロー(重曹は取扱説明書で確認) | 少ない | 放置しすぎに注意、鋳物は長時間つけない |
| 煮洗い | 層になった重度の焦げ | ホーロー、メーカーが案内している機種 | 中程度 | 大きな鍋が必要、やけどに注意 |
| 専用クリーナー | 部分的な焦げ、ステンレスの変色 | 各メーカーが対応をうたう素材 | 中程度 | 研磨剤入りはホーローに使わない |
つけ置きで焦げをゆるめる
つけ置きは、洗剤液に五徳をひたして焦げや油をゆるめる方法です。
五徳がまるごと入るつけ置き用の容器がない場合は、シンクに栓をして使うか、大きめのポリ袋を二重にして五徳と洗剤液を入れる方法でも代用できます。
重曹を使う場合は、40℃前後のぬるま湯に重曹を溶かしたものが一般的です。
目安としては、ぬるま湯1Lに対して重曹大さじ1〜2杯程度から始め、1〜2時間ほどひたしてから歯ブラシでこすります。
一晩放置するよりも、数時間で一度取り出してこすり、落ちなければもう一度つけ置く方が、素材への負担を抑えながら効率よく落とせます。
酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)でつけ置きする「オキシ漬け」もよく紹介されていますが、五徳には使わないのが安全です。
代表的な製品であるオキシクリーンの公式情報では、金属全般が「使えないもの」とされており、金属は変色する可能性があると注意書きがあります。
五徳はホーロー・ステンレス・鉄鋳物のいずれも金属でできているため、つけ置きには中性洗剤か、ステンレスの五徳であれば重曹を使いましょう。
煮洗いで焦げを浮かせる
つけ置きでも落ちない層になった焦げには、五徳を鍋で煮る「煮洗い」が効果的です。
パロマは、こびりつきがひどい場合の方法として、鍋にたっぷりの水を入れて五徳を静かに沈め、沸騰した状態で約10〜20分煮詰めると汚れが浮き出してくると案内しています。
煮たあとは火を止めて十分に冷まし、スポンジや歯ブラシで洗う流れです。
📎 出典:パロマ|部品別お手入れ方法 ゴトク
煮洗いの手順を具体的にまとめると、次のようになります。
- 五徳全体が沈む大きさの鍋(寸胴鍋や大きめの両手鍋)を用意する
- 鍋に水を張り、五徳を静かに沈める(落とすと鍋やホーローが傷つく)
- 火にかけ、沸騰したら火力を中火程度に落として10〜30分煮る
- 火を止め、お湯が触れる温度になるまで冷ます
- 浮いてきた焦げをスポンジや歯ブラシでこすり落とす
- 水ですすぎ、乾いた布で拭いて完全に乾かす
煮洗いのときは、次の点に注意してください。
- 煮ている間は鍋のそばを離れず、お湯が減りすぎて空焚きにならないようにする
- 五徳を取り出すときはトングを使い、お湯が冷めるまで素手で触らない
- 五徳を外したコンロで煮る場合は、鍋を載せるための別の五徳が必要になる
最後の点は見落とされがちです。
コンロが1つしかない場合や、全口の五徳を一度に煮たい場合は、1口ずつ順番に煮るか、カセットコンロなど別の熱源を使いましょう。
五徳を外した状態のバーナーに直接鍋を載せて加熱すると、炎が鍋底でふさがれて不完全燃焼を起こすおそれがあります。
専用クリーナーで部分的に磨く
つけ置きや煮洗いのあとに部分的に残った焦げは、コンロ用の専用クリーナーで仕上げます。
メーカー純正のクリーナーは、そのメーカーのコンロの素材に合わせて作られているため、素材を傷める心配が少ないのが利点です。
市販のクリーナーを使う場合は、「ホーロー使用不可」「ステンレス専用」などの表示を必ず確認してから使ってください。
研磨剤入りのクリーナーは、ステンレスの変色や焦げには効果的ですが、ホーローには傷の原因になるため使用を避けましょう。
やってはいけない五徳の掃除方法
五徳の掃除でよくある失敗と、その結果起こることを整理しました。
掃除のつもりが部品の寿命を縮めてしまわないよう、事前に確認しておきましょう。
| やってはいけないこと | 起こりうること |
|---|---|
| ホーロー五徳を金属たわし・クレンザーでこする | 表面のガラス質が削れ、そこからサビが広がる |
| 塩素系漂白剤につけ置きする | 金属の腐食や変色、表面の劣化につながる |
| 焦げをヘラやナイフで削り取る | ホーローの剥がれ、ステンレスの深い傷 |
| 熱いうちに冷水をかける | 急な温度変化でホーローにひびが入ることがある |
| 濡れたままコンロに戻して点火する | 鋳物のサビ、点火不良や炎の乱れの原因になる |
| スプレー洗剤をコンロ上で直接吹きかける | 洗剤がバーナーや点火部に入り込み、不具合の原因になる |
| 一晩以上つけっぱなしにする | 鋳物のサビ、素材によっては変色 |
特に塩素系漂白剤は、除菌や漂白には便利ですが、金属部品の掃除には向きません。
「漂白剤」とだけ書かれた製品には塩素系と酸素系の両方があるため、パッケージの「塩素系」「酸素系」の表示を必ず確認してください。
五徳は食洗機で洗ってもいい?
食器洗い乾燥機を持っている家庭では、五徳もまとめて洗いたくなるところです。
ただし、五徳は機種や素材によって食洗機で洗えるものと洗えないものがあります。
リンナイは、自社の鉄鋳物製の五徳は食洗機で使用しないよう注意を呼びかけています。
鋳物の五徳を食洗機に入れると、高温の湿った環境に長時間さらされてサビが出やすくなります。
また、ホーローやステンレスの五徳であっても、食洗機の水流だけでは焼き付いた焦げまでは落ちないことが多いです。
食洗機を使う場合は、次の条件を満たしているか確認してください。
- 取扱説明書で五徳の食洗機洗浄が認められている
- 五徳が庫内に収まり、ノズルの回転を妨げない
- 焦げではなく、油汚れ程度の軽い汚れである
食洗機はあくまで「軽い汚れの日常洗い」を任せる手段と考え、焦げはつけ置きや煮洗いで落とすのが現実的です。
掃除後の戻し方と使い始める前の確認
五徳の掃除で最も大切なのは、実は洗い終えたあとの戻し方です。
五徳が正しい位置に載っていないと、鍋が傾いて転倒したり、炎の当たり方が変わって燃焼に影響したりすることがあります。
五徳を戻すときのチェックポイント
- 五徳とバーナー周りが完全に乾いている
- 左右・奥のバーナーで五徳の形が違う機種は、正しい位置に戻している
- 五徳の脚がトッププレートのくぼみやガイドにきちんと収まっている
- 手で軽く押してもガタつかない
- バーナーキャップを外した場合は、浮きや傾きがなく載っている
コンロによっては、左右のコンロで五徳の爪の長さや形が異なるものや、温度センサーの位置に合わせて向きが決まっているものがあります。
外す前にスマートフォンで写真を撮っておくと、戻すときに迷いません。
バーナーキャップも一緒に洗った場合は、戻し方に特に注意が必要です。
パロマは、バーナーキャップの目詰まりが点火不良や不完全燃焼の原因になること、水洗い後はしっかり乾かすこと、お手入れ後は浮き・傾きのないようにしっかりセットすることを注意点として挙げています。
点火して炎の状態を確認する
五徳を戻したら、1口ずつ点火して炎の様子を確認します。
正常な炎は、青く安定していて、バーナーの全周から均等に出ています。
次のような状態が見られたら、いったん火を消してセット状態を見直してください。
| 炎の状態 | 考えられる原因 | まず確認すること |
|---|---|---|
| 一部だけ炎が出ない・弱い | バーナーキャップのずれ、炎口の目詰まり | キャップの載せ直し、炎口の水分・汚れ |
| 炎が赤い・黄色い | 水分や洗剤の残り、キャップのずれ | 乾燥させて再点火、セットの確認 |
| なかなか点火しない | 点火プラグ周りの水分・汚れ | 周辺を乾いた布で拭き、乾燥を待つ |
掃除直後の炎の赤さは、残っていた水分や洗剤成分が燃えることで一時的に起こる場合があります。
数分たっても赤い炎が続くときは、ガスコンロの火が赤くなる理由と安全に使うための確認ポイントもあわせて確認してください。
また、掃除後に点火しにくくなった場合の切り分け方は、ガスコンロの火がつかないときに確認すべきポイントで詳しく解説しています。
ガスのにおいがする、炎が大きく乱れるなどの異常があれば、すぐに使用をやめてガス栓を閉め、ガス事業者やメーカーに相談してください。
五徳の掃除頻度と汚れをためないコツ
五徳の汚れは、ためるほど落とすのが大変になります。
無理のない範囲で、次の頻度を目安にするとよいでしょう。
| タイミング | やること | 目安の時間 |
|---|---|---|
| 揚げ物・炒め物をした日 | 冷めてから中性洗剤で軽く洗う、または拭く | 5分程度 |
| 週に1回 | 取り外して中性洗剤で丸洗い | 10〜15分程度 |
| 月に1回 | つけ置きで蓄積した汚れをリセット | 1〜2時間(待ち時間含む) |
| 汚れが層になったとき | 煮洗い・専用クリーナー | 半日程度 |
汚れをためにくくする工夫
- 吹きこぼれは、コンロが冷めたらその日のうちに拭き取る
- 鍋底が汚れたまま使わない(鍋底の焦げが五徳に移ることがある)
- 鍋のサイズに合った火力にし、炎が鍋底からはみ出さないようにする
- 油はねの多い料理では、深めのフライパンや油はねガードを使う
炎が鍋底からはみ出すほどの強火は、五徳を必要以上に加熱し、焦げの焼き付きやステンレスの変色を早めます。
火力を鍋底に収まる程度に調整するだけでも、五徳の汚れ方は大きく変わります。
コンロまわりから焦げ臭さが続く場合は、五徳以外の部分に汚れがたまっていることもあるため、ガスコンロから臭いがするときの見分け方と確認ポイントも参考にしてください。
なお、飲食店などで使う業務用コンロは汚れの質や量が家庭用と大きく異なるため、業務用コンロの掃除方法で別途解説しています。
掃除より交換を考えたほうがいいケース
どれだけ丁寧に掃除しても、五徳自体が劣化している場合は交換を検討した方が安全で経済的です。
次のような状態が見られたら、掃除ではなく交換のサインと考えてください。
| 状態 | 交換を考える理由 |
|---|---|
| ホーローが広範囲に剥がれ、赤サビが出ている | サビの進行を止められず、鍋や料理にサビが付着するおそれがある |
| 五徳が曲がる・反っていて、置くとガタつく | 鍋が傾いて転倒する危険がある |
| 爪が欠けている、溶接部分が外れかけている | 鍋を安定して支えられない |
| サビで表面がボロボロと崩れる | 強度が落ちている可能性がある |
五徳は多くの場合、コンロ本体を買い替えなくても部品として単体で購入できます。
購入するときは、コンロ本体の型式を確認し、メーカーの部品販売サイトや取扱店で適合品を選んでください。
形が似ていても型式が違うと、脚の位置や高さが合わずに安定しないことがあります。
コンロ本体の使用年数が10年を超え、五徳以外にも点火不良などの不具合が出ている場合は、本体の買い替えを含めて検討するのも一つの選択肢です。
古いコンロを手放すときの手順は、ガスコンロの捨て方・処分方法でまとめています。
よくある質問
五徳の掃除はどのくらいの頻度ですればいいですか?
使い方によって変わりますが、揚げ物や炒め物をした日は冷めてから軽く拭くか洗い、週に1回は取り外して中性洗剤で丸洗いするのが目安です。
さらに月に1回程度、つけ置きで蓄積した汚れをリセットすると、焦げが層になるのを防げます。
五徳の汚れは時間がたつほど固くなり、落とす手間が増えていきます。
毎回しっかり掃除するより、汚れが軽いうちにこまめに洗う方が、結果的にかかる時間も労力も少なくて済みます。
自炊の頻度が少ない家庭では、汚れが目についたタイミングで洗う程度でも問題ありません。
五徳の掃除にオキシクリーンなどの酸素系漂白剤は使えますか?
酸素系漂白剤は焦げや油汚れをゆるめる効果があるとして、つけ置きによく使われる洗剤です。
しかし、オキシクリーンの公式情報では金属全般が「使えないもの」とされており、金属は変色する可能性があると注意書きがあります。
五徳はホーロー・ステンレス・鉄鋳物のいずれも金属製のため、オキシクリーンなどでのつけ置きは避けるのが安全です。
また、コンロメーカーの中にはアルカリ性の洗剤そのものをお手入れに適さないものとしているところもあります。
つけ置きには台所用中性洗剤を使い、ステンレスの五徳であればメーカーが案内している重曹水を使いましょう。
五徳を重曹で煮ても大丈夫ですか?
重曹を入れて煮る方法はよく紹介されていますが、メーカーが案内している煮洗いは基本的に水だけで煮る方法です。
リンナイはホーローのごとくを水で30分程度加熱する方法を、パロマは沸騰した状態で約10〜20分煮る方法を紹介しています。
重曹を加えると洗浄力は高まりますが、素材によっては変色などの影響が出る可能性もゼロではありません。
まずは水だけの煮洗いを試し、それでも落ちない場合に取扱説明書で重曹の使用可否を確認してから試すのが安全です。
アルミ製の鍋は重曹で黒ずむことがあるため、煮洗いにはステンレスやホーローの鍋を使いましょう。
五徳の焦げがどうしても取れないときはどうすればいいですか?
つけ置きと煮洗いを試しても落ちない焦げは、長期間の加熱で金属表面に強く焼き付いている可能性があります。
ステンレスの五徳であれば、ステンレス対応の研磨クリーナーで筋目に沿って磨くと改善することがあります。
一方、ホーロー五徳の焦げを研磨剤や金属たわしで無理に削ると、表面が欠けてサビの原因になります。
ホーローの場合は、見た目を完全に元に戻すことにこだわらず、表面がなめらかでぐらつきがなければそのまま使い続けても問題ないケースがほとんどです。
見た目がどうしても気になる、または劣化が進んでいる場合は、型式に合った純正品への交換を検討しましょう。
五徳を洗ったあと、すぐにコンロで使ってもいいですか?
五徳やバーナー周りが完全に乾いていれば、すぐに使っても問題ありません。
ただし、水分が残った状態で戻すと、鋳物の五徳はサビやすくなり、バーナーキャップや点火部に水が残っていると点火しにくくなったり炎が乱れたりすることがあります。
洗ったあとは乾いた布で水気を拭き取り、脚の付け根や凹凸部分まで乾いたことを確認してから戻してください。
戻したあとは1口ずつ点火し、炎が青く均等に出ているかを確認しましょう。
炎が赤い、一部だけ出ないといった場合は、いったん火を消してセット状態を見直してください。
まとめ
五徳の掃除は、強い洗剤で一気に落とすよりも、素材に合った方法を段階的に選ぶことが大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。
- 五徳の素材はホーロー・ステンレス・鉄鋳物の3種類が中心で、取扱説明書で確認するのが確実
- 掃除の前はガス栓を閉め、五徳が十分に冷めてから手袋をして作業する
- 軽い汚れは中性洗剤、焦げはつけ置き→煮洗い→専用クリーナーの順で段階的に進める
- ホーローに金属たわし・研磨剤、金属全般に塩素系漂白剤は使わない
- 鋳物の五徳は洗うことより乾かすことを重視する
- 掃除後は完全に乾かし、正しい位置に戻して炎の状態を確認する
五徳は毎日の調理を支える小さな部品ですが、正しくお手入れすれば長く安全に使い続けられます。
まずは次に揚げ物や炒め物をした日に、冷めた五徳を中性洗剤で軽く洗うところから始めてみてください。

