いつも通り使えているのに、パネルに突然「88」と表示されるようになった。
他の数字が故障を示すエラーだと知っていると、いよいよ壊れたのかと身構えてしまいますよね。
結論からお伝えすると、リンナイの食器洗い乾燥機に表示される88は故障ではなく、点検時期を知らせるお知らせ表示です。
この記事では、88が出る仕組み、そのまま使い続けてよいのかどうか、案内されている「あんしん点検」の位置づけ、そして点検と買い替えをどう判断するかまでを整理します。
88は「使用期間が10年相当になった」という合図
リンナイの公式FAQでは、使用期間が10年相当になると前面パネル(上面パネル)に「88」表示で点検時期を知らせる、と説明されています。
故障表示ではないためそのまま使用することもできるものの、経年劣化に起因する製品事故を防止するため「あんしん点検」がすすめられており、点検を受けない場合は早めの取り替えが推奨されています。
つまり88は、機器が異常を検知して止まったのではなく、累積の使用実績が一定に達したことをカウントして表示しているものです。
運転そのものは通常どおり行えます。
なお、実際の設置日ではなく「一般的な使用で10年相当」という基準で判定されるため、使用頻度が高い家庭では10年より早く表示されることもあります。
逆に、使用が少なければ表示が遅れることもあります。
「10年」の根拠は設計上の標準使用期間
リンナイは、食器洗い乾燥機について設計上の標準使用期間として10年間使用されることを想定している、としています。
そのうえで、この期間は修理や不具合がないことを保証するものではなく、メンテナンスを含めて使用できる期間だと説明しています。
ここは誤解されやすい部分です。
「10年=壊れる」でも「10年=安心保証」でもなく、設計上の想定期間であり、それを過ぎたら劣化を前提に扱うという考え方だと理解してください。
10年を境に何が変わるかを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 10年以内 | 10年以降 |
|---|---|---|
| 設計上の想定 | 想定期間内 | 想定期間を超過 |
| 補修用部品 | 保有期間内であることが多い | 供給終了の可能性が出る |
| 故障の傾向 | 単発 | 複数箇所が続けて出やすい |
| 判断の軸 | 修理が基本 | 修理か交換かを比較 |
「あんしん点検」は法定点検ではなく任意の有料点検
ここが多くの方の疑問点だと思います。
リンナイは、あんしん点検について次のように位置づけています。
- 経年劣化の有無や機器の状態を確認し、安全・安心に使うための点検である
- お客様の任意で受ける有料の点検である
- 点検には修理や清掃は含まれない
「義務ではないのか」と迷う方が多いのは、かつてビルトイン式の食洗機が法律上の点検対象だった経緯があるためです。
2021年(令和3年)8月1日に消費生活用製品安全法施行令が改正され、特定保守製品に指定されていた製品のうち、ビルトイン式食器洗機を含む複数の品目が指定から除外されました。
この改正により、ビルトイン式食洗機は長期使用製品安全点検制度の対象外となりました。
つまり現在の88表示と点検案内は、法律で義務づけられた法定点検ではなく、メーカーが安全のために設けている任意の仕組みです。
所有者情報の登録も、現在は必須ではありません。
とはいえ、義務でなくなったことと安全上のリスクが消えたことは別の話です。
10年を超えた機器は、モーター、ヒーター、パッキン、配線といった部品が同時に劣化を進めている状態にあります。
そのまま使い続けてよいのか
結論としては、使い続けること自体は可能です。
ただし、次のような症状が併発している場合は、点検か買い替えを前向きに検討する段階といえます。
| 併発している症状 | 見方 |
|---|---|
| 焦げくさい・樹脂が焼けたようなにおい | 直ちに使用を中止し、点検を依頼 |
| 運転中に異音・振動が大きくなった | 駆動部の劣化。点検を推奨 |
| 排水されない・水が残るようになった | ポンプ系の劣化 |
| 洗い上がりが以前より落ちた | ノズルやポンプの能力低下 |
| 他のエラーも出るようになった | 複数箇所の劣化が進行 |
| 何も問題なく動いている | 点検を検討しつつ継続可 |
とくに、焦げたにおいや発煙をともなう場合は、88の有無にかかわらず直ちに使用を中止してください。
これは経年劣化の域を超えた症状です。
88表示の解除について
リンナイは、点検お知らせ機能のユーザーリセット方法を公式サイトで案内しています。
機種ごとに操作が異なるため、型式を確認したうえで案内資料に従ってください。
ただし、ここで一言添えておきたいことがあります。
表示を消しても、機器の状態が変わるわけではありません。
表示が目障りだから消す、という目的だけでリセットしてしまうと、「10年を超えて使っている」という認識そのものが消えてしまう点には注意が必要です。
家族で共有している機器であれば、リセットする前に使用開始年をメモしてキッチンのどこかに残しておく、といった工夫をしておくと、あとで判断しやすくなります。
点検と買い替え、どちらを選ぶか
判断の軸は3つです。
- 使用年数 … 10年をどれだけ超えているか
- 不具合の有無 … 現時点で症状が出ているか
- 費用の見合い … 点検・修理費と交換費用の比較
現時点で不具合がなく、10年を少し超えた程度であれば、点検を受けて状態を把握したうえで使い続ける判断は合理的です。
一方、すでに複数の症状が出ている場合、点検で問題が見つかれば別途修理費が発生します。
あんしん点検には修理や清掃が含まれないため、点検費用と修理費用が二重にかかる形になる点は理解しておいてください。
目安としては、点検費と修理費の合計が本体交換費用の3分の1を超えるようなら、買い替えを比較検討するのが現実的なラインです。
また、補修用部品の保有期間を過ぎている場合は、そもそも修理できないこともあります。
日常のお手入れを続けておくことも、結果的に機器の寿命に影響します。
排水まわりの流れが落ちてきたと感じるときは、キッチン排水口の掃除方法を完全解説|ぬめり・臭い・詰まりを根本から解消もあわせて参考にしてください。
よくある質問
Q1. 88が表示されても、そのまま使い続けて問題ありませんか。
故障表示ではないため、使用を続けること自体は可能です。ただし経年劣化に起因する製品事故を防ぐ観点から、点検を受けるか、点検を受けない場合は早めの取り替えが推奨されています。異音、におい、排水不良といった症状が併発しているなら、使い続ける前に状態を確認してください。何も症状がなければ、すぐに使用を止める必要はありません。
Q2. 点検を受けないと法律違反になりますか。
なりません。ビルトイン式食器洗機は、2021年8月1日の消費生活用製品安全法施行令の改正により特定保守製品の指定から除外され、長期使用製品安全点検制度の対象外となりました。現在案内されているあんしん点検は、任意で受ける有料の点検です。所有者情報の登録も必須ではありません。ただし、義務でないことと安全上のリスクがないことは別であるため、10年超の機器は状態を把握しておくことをおすすめします。
Q3. 88の表示は消せますか。
点検お知らせ機能のユーザーリセット方法がリンナイの公式サイトで案内されています。機種によって操作が異なるため、型式を確認したうえで案内に従ってください。ただし表示を消しても機器の状態は変わりません。リセットする場合は、使用開始年を別途記録しておくと、次の判断がしやすくなります。
Q4. まだ8年しか使っていないのに88が出ました。なぜでしょうか。
88は設置日ではなく、一般的な使用で10年相当に達したかどうかを機器側でカウントして表示します。1日に2回以上運転するような使い方をしている家庭では、実際の年数より早く到達することがあります。逆に使用頻度が低ければ、10年を過ぎても表示されないことがあります。年数と表示がずれていても、不具合ではありません。
Q5. 点検と買い替え、どちらを選ぶべきか迷っています。
現時点で不具合がなく10年を少し超えた程度なら、点検で状態を確認してから判断するのが合理的です。一方、すでに排水不良や異音などの症状が出ている場合は、点検費に加えて修理費が発生します。あんしん点検に修理は含まれないためです。点検費と修理費の合計が本体交換費用の3分の1を超えるようなら、買い替えを比較する段階と考えるとよいでしょう。
まとめ
リンナイの食洗機に表示される88は、故障ではなく点検時期を知らせるお知らせ表示です。
使用期間が10年相当に達したことを示しており、そのまま使うこともできますが、経年劣化による事故を防ぐ観点から点検か早めの取り替えが案内されています。
かつては法定点検の対象でしたが、2021年の法改正でビルトイン式食洗機は制度の対象外となり、現在の点検は任意の有料サービスという位置づけです。
表示を消すこと自体は可能でも機器の状態は変わらないため、10年を超えたという事実を踏まえて、点検・修理・買い替えを落ち着いて比較してください。

