ノーリツのガスコンロに「30」「31」「32」「40」といった数字が点滅し、掃除をしても電池を替えても消えない。
揚げ物ができない、グリルが途中で止まる、といった症状が出ている方もいるかもしれません。
この4つは、温度を測るセンサーや揺れを感知する部品そのものに異常が起きていることを示すコードです。
安全装置が正しく働いた02や22とは意味が異なり、利用者側の操作では解消しません。
この記事では、それぞれのコードが何を検知しているのか、02との切り分け方、依頼前に確認できること、そして修理費用の水準までを整理して解説します。
4つが示しているのは「検知する部品」の異常
まず全体像です。
| コード | 想定される部位 |
|---|---|
| 30 | コンロ側の温度センサー(サーミスター)系統 |
| 31 | コンロまたはグリルの温度センサー系統 |
| 32 | グリルの温度センサー(グリルバーナー下側) |
| 40 | 感震器(揺れを検知する部品) |
ただし、コードごとの割り当ては機種によって異なります。
同じ32でも、焼網タイプとマルチグリルタイプでは対象となるセンサーの位置が変わります。
表示された数字だけで部位を断定せず、型番とあわせてメーカーに確認するのが確実です。
発生場所を示す数字(-1は左コンロ、-2は右コンロ、-3は後コンロ、-5はグリル、-0はコンロ全体)も、判断の手がかりになります。
「32-5」であればグリル側で起きていることが分かります。
サーミスターは何をしている部品か
サーミスターは、温度によって電気抵抗が変わる性質を利用した温度センサーです。
ノーリツのコンロでは、主に2か所で働いています。
| 設置場所 | 役割 |
|---|---|
| 五徳の中央(鍋底に接触する部分) | 鍋底の温度を測り、火力を自動制御する |
| グリル庫内 | 庫内温度を測り、焼き加減を判断する |
揚げ物のときに油の温度を一定に保てるのも、グリルのオートメニューで魚が焼けるのも、このセンサーが温度を読み取っているからです。
コンロは魚の形を認識しているわけではなく、庫内の温度の上がり方から焼き具合を推定しています。
機器はこのセンサーの状態を常に自己診断しています。
断線している、抵抗値が異常、といった状況を検知すると、正しい温度が分からない状態で加熱を続けるのは危険と判断し、エラーを表示して停止します。
つまり30番台のコードは、温度が分からなくなったことを機器が申告している状態です。
出やすい症状
| 症状 | 該当しやすいコード |
|---|---|
| 点火してすぐに消える(鍋の有無に関係なく) | 30・31 |
| 揚げ物モードや温度設定が使えない | 30・31 |
| グリルが途中で止まる、焼き加減がおかしい | 32 |
| オートメニューが選べない、途中で停止する | 32 |
| 揺れていないのにエラーが出る、22が頻発する | 40 |
センサーが実際より高い温度を検知していれば、機器は「危険」と判断して消火します。
逆に低い温度を返していれば、火力が下がらず焦げるという症状につながります。
どちらも調理そのものが成立しないため、実用上は使えない状態になります。
エラー02との切り分け方
ここは混同されやすいポイントです。
| コード | 意味 | センサーの状態 |
|---|---|---|
| 02 | 過熱・焦げつきを検知して自動消火した | 正常に働いている |
| 30・31・32 | センサー自体に異常がある | 故障している |
02は、揚げ物で油の温度が上がりすぎたときや、鍋が焦げついたときに出ます。
冷ませば再点火できるのが特徴です。
一方、30番台は冷ましても消えません。
朝いちばん、前日から使っていない状態で点火してすぐにエラーが出るなら、過熱ではなくセンサー側の異常と考えてよいでしょう。
40についても同様の関係があります。
22は地震などの揺れを感知して自動消火した表示で、解除すれば使えます。
40は感震器そのものの異常を示すため、解除しても再発します。
揺れていないのに22が繰り返し出る、あるいは40に切り替わったという場合は、部品の不具合が疑われます。
修理を依頼する前に確認できること
自分で直すことはできませんが、依頼前に試せることがあります。
① センサー先端の汚れを拭く
センサーの先端に煮こぼれや油汚れが固着していると、温度を正しく拾えません。
故障ではなく汚れが原因であれば、拭き取るだけで改善することがあります。
ただし注意点があります。
温度センサー・点火プラグ・立ち消え安全装置は取り外せません。
引き抜こうとすると位置がずれ、安全機能が正しく働かなくなるおそれがあります。
乾いた布か、固く絞った布でそっと拭く程度にとどめてください。
洗剤の使用もメーカーは推奨していません。
グリル庫内の油汚れの落とし方はガスコンロから臭いがする原因と対処法とは?ガス臭・焦げ臭・異臭を徹底解説でも解説しています。
② 電源をリセットする
一時的な誤検知であれば、リセットで解消することがあります。
乾電池を2本とも抜き、数分置いてから入れ直してください。
100V電源タイプの機種では、電源プラグを抜いて数分待ってから差し直します。
これで消えても、同じコードが繰り返すようであれば部品の劣化が進んでいます。
発生間隔が短くなってきたら、点検を依頼する段階です。
③ 型番と症状を控える
修理受付では型番が必要です。
本体前面の下部、グリル扉を開けた庫内の側面、コンロ下の引き出しを外した奥などに記載されています。
あわせて、表示されるコード(発生場所の数字も含めて)、いつから出ているか、どんな操作で出るかをメモしておいてください。
必要な部品を持参してもらえる可能性が上がり、再訪問による出張費の重複を避けられます。
修理費用はどのくらいか
30・31・32・40については、コードごとの故障部品と修理参考料金がメーカーから個別に公開されていません。
一方、公開されているコードから、コンロの修理費用の水準は把握できます。
| コード | 考えられる故障部品 | 修理参考料金 |
|---|---|---|
| 11 | 点火プラグ/イグナイター/点火マイクロスイッチ/高圧コード/ハーネス/本体基板 | 13,000円〜45,000円程度 |
| 12 | サーモカップル/器具栓(ガス電磁弁)/サーミスターセンサー/温調操作基板/本体基板 | 13,000円〜45,000円程度 |
| 20 | LED(電源)基板/エンコーダ基板/ハーネス/本体基板 | 13,000円〜46,000円程度 |
いずれも出張費(上限3,300円)と故障診断料を含んだ金額です。
サーミスター交換もこれらと同じ構成の作業になるため、費用の見当をつける材料にはなります。
ただし正確な金額は、型番と症状をメーカーに伝えて確認してください。
なお、販売店のサイトに掲載されているコード別の料金表には注意が必要です。
修理参考料金は改定されており、数年前の記事に載っている金額は現在の値と一致しません。
たとえばエラー12は、以前は11,000円〜38,000円程度と案内されていましたが、現在は13,000円〜45,000円程度に変わっています。
押さえておきたいのは3点です。
参考料金は部品を1つ交換した場合の目安であること。
診断の結果、故障箇所が複数見つかると超える場合があること。
そして、修理をしなかった場合や修理対応ができなかった場合でも、出張料と故障診断料は発生することです。
修理と買い替えを分ける判断基準
ノーリツはガスコンロの設計上の標準使用期間を製造から10年、補修用性能部品の保有期間を製造打ち切り後5年間としています。
また、10年を超えた製品では部品供給が終了している場合があるとも案内しています。
| 使用年数 | 判断の目安 |
|---|---|
| 5年未満 | 修理を優先。保証期間内なら無償対応の可能性もある |
| 5〜8年程度 | 修理費用が3万円を超えるようなら買い替えと比較する |
| 10年以上 | 買い替えを軸に検討。部品供給が終了している場合がある |
センサー系の判断で考慮したいのが、劣化の性質です。
サーミスターは加熱と冷却を繰り返す環境に置かれるため、経年で特性が変化していきます。
1本を交換しても、他のバーナーのセンサーが同じ経過をたどることは珍しくありません。
複数のバーナーで症状が出ている場合や、10年前後が経過している場合は、買い替えのほうが結果的に安く収まることもあります。
買い替えを選んだ場合の古い機器の処分方法は、ガスコンロの捨て方・処分方法を徹底解説|費用・手順・注意点まとめにまとめています。
修理までの間に気をつけること
温度センサーに異常があるバーナーでの調理、特に揚げ物は避けてください。
油の温度を機器が正しく把握できない状態では、過熱防止機能が期待どおりに働かない可能性があります。
どうしても使う必要がある場合は、他の正常なバーナーを使ってください。
また、コンロを分解して自分でセンサーや配線を交換することは避けてください。
ガスの通り道と電装部品が近接しており、誤った作業はガス漏れや発火につながります。
メーカー保証の対象外にもなります。
エラー表示が出ないまま点火できない症状が混ざっている場合は、原因が別にある可能性もあります。
その場合はガスコンロの火がつかない原因とは?まず確認すべきポイントと正しい対処判断もあわせて確認してください。
よくある質問
Q1. 掃除をしたら30が消えました。もう直ったと考えてよいですか。
センサー先端の汚れが原因であった可能性があります。
その場合は故障ではないため、そのまま使って問題ありません。
ただし、同じコードが再び出るようであれば部品の劣化が疑われます。
特に発生間隔が短くなってきている場合は注意してください。
数か月に一度だったものが毎週になっているなら、点検を依頼する段階です。
Q2. 32が出ますが、コンロ側は普通に使えます。グリルだけ使わなければ大丈夫ですか。
コンロ側に症状がなければ、当面はそのように使うことはできます。
ただし、グリルの温度センサーは過熱防止も担っています。
異常を抱えたまま放置すると、他の部品に影響が及ぶ可能性も否定できません。
また、使用年数が経っている場合は部品供給の期限も近づきます。
使わないから放置するのではなく、早めに診断を受けて判断材料をそろえておくことをおすすめします。
Q3. 揺れていないのに40が出ます。設置の問題でしょうか。
感震器そのものの異常と、設置に起因する振動の両方が考えられます。
コンロ本体がキャビネットの中でぐらついている場合、扉の開閉や近くを通る車両の振動が伝わることがあります。
天板が浮いていないか、本体が動かないかを確認してみてください。
設置に問題がなく、それでも繰り返し出るのであれば、部品の不具合が疑われます。
Q4. サーミスターだけを部品で買って交換できませんか。
推奨できません。
温度センサーは安全装置の一部を構成しており、取り付け位置や高さがずれると正しく機能しません。
メーカーも取り外しできない部品として案内しています。
また、コンロ用のセンサー類は一般に部品単体で販売されていません。
必ずメーカーまたは有資格の事業者に依頼してください。
Q5. 修理見積もりだけ取って、やめることはできますか。
可能です。
訪問と診断のあとに金額が案内されるため、その時点で判断できます。
ただし、修理をしなかった場合でも出張料と故障診断料は必要です。
買い替えと比較検討する場合は、その費用も計算に入れておいてください。
使用年数が10年を大きく超えている場合は、診断を受ける前に買い替えを軸に考えるほうが合理的なこともあります。
まとめ
ノーリツコンロのエラー30・31・32・40は、温度を測るサーミスターや揺れを検知する感震器の異常を示すコードです。
安全装置が正しく働いた02や22とは意味が異なり、冷ましても解除操作をしても解消しません。
切り分けの目安は、前日から使っていない状態で点火してすぐにエラーが出るかどうかです。
そうであれば過熱ではなく、センサー側の異常と考えられます。
依頼前に試せるのは、センサー先端の汚れを拭くことと、電池の抜き差しによるリセットです。
それで消えても繰り返すようなら、部品の劣化が進んでいます。
修理費用は、公開されている他のコードから見ると13,000円〜46,000円程度の水準です。
使用年数が10年を超えている場合は部品供給が終了していることもあるため、買い替えも含めて判断してください。

