暖房が止まり、リモコンに800が表示されている。
このコードは液体センサの異常による運転停止で、メーカーの確認事項にも「液漏れしていないか確認する」と明記されています。
つまり、機器のどこかから本来あるはずのない液体が出ている可能性を知らせる表示です。
この記事では、800が示している状態、どの液が漏れている可能性があるか、見分ける手がかり、漏れを見つけたときにしてはいけないこと、そして漏れが見当たらない場合の考え方までを解説します。
800が示しているもの
| 表示 | 内容 | 確認事項 | 解除の方法 |
|---|---|---|---|
| 800 | 液体センサ異常による運転停止 | 液漏れしていないか確認する | リモコンの運転スイッチを「切」→「入」 |
復帰しない場合や再発する場合は、点検・修理を依頼するよう案内されています。
なお、同じ長府製でも石油給湯器ではコードの割り当てが異なるため、お湯まわりで表示が出た場合は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説を確認してください。
📎 出典:長府製作所 製品エラーコード
何が漏れている可能性があるか
石油暖房ボイラーには、いくつかの液体が関わっています。
どれが漏れているかによって、危険性も対応も変わります。
| 液体 | 見た目・におい | 主な経路 |
|---|---|---|
| 灯油 | 無色から薄い黄色。特有のにおいが強い | 油タンク、送油配管、機器内部の燃料経路 |
| 不凍液 | 色が付いていることが多く、ややとろみがある | 暖房配管、放熱器、循環経路 |
| ドレン水 | ほぼ無色でにおいは弱い | 中和槽、ドレンホース |
においが強く灯油とわかる場合は、最も注意が必要です。
火災につながるおそれがあるため、確認の段階から火気を近づけないでください。
不凍液は色が付いた製品が多く、床のしみとして残ることがあります。
ドレン水は無色で判断しにくいものの、中和槽まわりであれば290(中和槽内部の水位上昇)が前後して出ていることもあります。
確認する場所
| 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 熱源機の下・周囲 | 濡れ、しみ、たまり |
| 油タンクとその脚部 | さび、穴、変形、脚部の緩み |
| 送油配管とバルブ | 接続部のにじみ、亀裂、変形 |
| 暖房配管の接続部 | にじみ、水滴、白い結晶状の跡 |
| 放熱器の足元 | しみ、床材の変色 |
| ドレンホースの経路 | 外れ、割れ、詰まり |
灯油の漏れについては、消防でも点検の観点が示されています。
新冠町の資料では、ホームタンクの油量計の動きや減りの早さ、タンク本体のさびや穴、ストレーナーのひび割れ、配管の亀裂や変形、脚部の緩みやさびを確認するよう案内されています。
また、タンクの下や配管、接続されている暖房器具の周囲から灯油のにおいがした場合は、漏れている可能性があるとされています。
📎 出典:新冠町 ホームタンクの点検をお願いします
灯油の漏れを見つけたときの対応
灯油が漏れている場合は、運転の再開より先に流出を止めることが優先されます。
- 運転を止め、解除操作は行わない
- 送油バルブ(元栓・コック)を閉じる
- 火気を近づけない、周囲で火を使わない
- 漏れた灯油は布や新聞紙で拭き取る
- 販売店やメーカー窓口、必要に応じて消防へ連絡する
漏れた灯油を水で洗い流さないでください。
水で流すと側溝や河川へ流れ出し、被害が広がります。周囲に灯油のにおいが残っている状態での点火操作や火気の使用も避けてください。
富山県の資料でも、漏れた油は水で洗い流したり洗剤で処理したりせず、布や新聞紙でできるかぎり拭き取ることが案内されています。
また、積雪・落雪・除雪による配管の破損や、バルブの緩み・締め忘れにも注意するよう示されています。
冬季にホームタンクからの漏れが多いという点は、寒冷地では特に意識しておきたいところです。
不凍液の漏れが疑われる場合
不凍液が減っている場合、800とは別の表示が前後して出ることがあります。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 420 | 不凍液水位の警告表示(運転は継続できる) |
| 260・430・EL・P7 | 不凍液水位の低下による運転停止 |
| E81 | 水検知(空焚防止)装置が循環水なしを検出 |
これらとあわせて800が出ているのであれば、循環経路のどこかから抜けている可能性が高いと考えられます。
補充だけで済ませず、漏れている箇所を確認してもらってください。
漏れが見当たらない場合
目視で確認しても濡れが見つからないこともあります。
その場合、次のような可能性が考えられます。
- 少量の漏れが、乾いて跡だけ残っている
- 見えない位置(機器内部、壁の中、床下)で漏れている
- 結露した水分をセンサが検知した
- 液体センサや配線そのものの不具合
いずれも所有者が判断できる範囲を超えます。
液体センサは漏れを早い段階で知らせるための仕組みと考えられるため、「見当たらないから大丈夫」と運転を続ける判断は避けてください。
業者に依頼する判断基準
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 灯油のにおいがする、油だまりがある | 送油バルブを閉じて速やかに連絡 |
| 不凍液と思われる液が漏れている | 運転を再開せず連絡 |
| 濡れは見当たらないが800が出た | 点検を依頼 |
| 解除しても繰り返し出る | 点検を依頼 |
| 不凍液の水位低下の表示も出ている | 循環系としてまとめて点検を依頼 |
| 床材が変色している、しみが広がっている | 早めに連絡 |
| 積雪や落雪、除雪作業のあとに出た | 配管の破損を含めて点検を依頼 |
漏れは、放置するほど床材や下地への影響が広がります。
また、灯油の漏れは土壌や水路への流出につながることもあり、対応が遅れるほど処理の負担が大きくなります。
修理と費用の考え方
| 原因 | 対応 |
|---|---|
| 接続部のにじみ | パッキンの交換、締め直し |
| 配管の亀裂・破損 | 配管の補修または交換 |
| 機器内部からの漏れ | 該当部品の交換 |
| 液体センサや配線の不具合 | センサの交換、接続の直し |
接続部の処置で済むこともあれば、配管の引き直しが必要になることもあります。
設置から10年前後が経過している場合は、他の部位も同じ環境で使われてきているため、まとめて確認してもらうと安心です。
費用は機種、部品の在庫状況、設置条件、地域によって変わるため、作業前に見積もりで確認してください。
点検までの間の暖房について
800が出ている機器は、漏れの有無が確認されるまで運転を控えるのが安全です。
暖房シーズン中は訪問までに日数がかかることもあるため、設置工事の不要な暖房器具を一時的に併用する家庭もあります。
ただし、灯油のにおいが残っている場所で別の暖房器具を使うことは避けてください。
換気を行い、においが収まってから使用してください。
古い機器を出して使うときは状態の確認も必要で、判断の目安は石油ファンヒーターの寿命は何年?正しい買い替えタイミングはいつ?にまとめています。
冬季に漏れが起きやすい理由
寒冷地では、冬に漏れが表面化しやすい事情があります。
- 積雪や落雪、除雪作業で配管が破損する
- 凍結によって配管や部品が損傷し、解けたときに漏れ出す
- 気温差で接続部の状態が変わる
- 暖房の使用量が増え、循環や送油の負荷が高まる
シーズン前に、タンクの脚部や配管の固定、ホースの経路を確認しておくと発生を減らせます。
除雪の際に配管やタンクへ雪を寄せないという点も、意識しておきたいところです。
よくある質問
Q1. 濡れているものが灯油か不凍液か分かりません。
においが手がかりになります。
灯油には特有の強いにおいがあり、近づかなくても分かることが多いものです。
不凍液は色が付いた製品が多く、ややとろみのある液体として床に残ります。
判断がつかない場合も、いずれにせよ運転を再開せず、状況を伝えて連絡してください。
Q2. 少量なので拭き取れば大丈夫ですか。
拭き取ること自体は必要な対応ですが、それで解決したことにはなりません。
漏れている経路が残っていれば、また同じ場所にたまります。
特に灯油は、少量でも火気があれば危険につながります。
拭き取ったうえで、いつからどのくらいの量が出ているかを伝えて点検を依頼してください。
Q3. 漏れた灯油はどう処理すればよいですか。
布や新聞紙で拭き取り、水で洗い流さないことが基本です。
水で流すと側溝や河川へ流れ出し、被害が広がります。
量が多い場合や、地面や側溝に流れ出してしまった場合は、市町村の環境担当課や消防署へ連絡するよう案内されています。
拭き取った布や新聞紙の処分方法についても、あわせて確認してください。
Q4. 800が出ましたが、床は乾いています。
少量の漏れが乾いて跡だけ残っている、見えない位置で漏れている、結露をセンサが検知した、といった可能性があります。
また、液体センサや配線そのものの不具合ということも考えられます。
いずれも目視では判断できないため、点検を依頼してください。
表示が出た日と、その前後の状況を控えておくと手がかりになります。
Q5. 除雪のあとに表示されました。関係がありますか。
積雪や落雪、除雪作業による配管の破損は、冬季の漏れの原因として注意が呼びかけられています。
機器やタンクの近くで除雪をした、雪を寄せた、屋根から落雪があったといった心当たりがあれば、その旨を伝えてください。
配管やタンクの脚部に力がかかると、接続部が緩んだり変形したりすることがあります。
点検の際に確認する範囲が絞られ、原因の特定が早く進みます。
まとめ
長府の暖房ボイラーに表示される800は、液体センサの異常による運転停止です。
メーカーの確認事項にも液漏れの確認が挙げられており、まず機器のまわりに濡れやしみがないかを見ることが最初の対応になります。
においや色から灯油・不凍液・ドレン水を見分けられると、危険性の判断がしやすくなります。
灯油の漏れが疑われる場合は、送油バルブを閉じ、火気を近づけず、水で流さずに布で拭き取ってから連絡してください。
濡れが見当たらない場合も、見えない位置での漏れやセンサ側の不具合が考えられるため、運転を続けず点検を依頼するのが確実です。

