長府(CHOFU)のガス暖房ボイラに10と表示されて運転が止まった。
調べてみると、配線の話が出てくるページと燃焼の話が出てくるページがあって、どちらが自分の機器に当てはまるのか分からない。
そう感じたのであれば、その戸惑いは正しいものです。
10は、機種によって意味がまったく異なるコードだからです。
この記事では、GDB-751K・752KとGDB-1700Kそれぞれで10が何を示しているのかを分けたうえで、共通の解除操作と、点検を依頼すべき線引きを整理します。
まず本体の型式を確認する
10については、型式を確認しないまま情報を集めても遠回りになります。
本体側面や前面の銘板に記載された型式を先に押さえてください。
| 機種系統 | 10の意味 | 深刻度の目安 |
|---|---|---|
| GDB-751K・752K | 機器内の基板リード線・配線の絶縁不良(噛み込みなど) | 解除できても点検が前提 |
| GDB-1700K | 燃焼異常警報 | 復帰して再発しなければ経過観察も可 |
同じ数字でも、片方は電気系の異常、もう片方は燃焼状態の異常です。
確認すべき箇所も、その後の判断も変わります。
他のコードも含めた全体像は長府ガス暖房ボイラのエラーコード一覧|表示の意味と解除の目安にまとめています。
GDB-751K・752Kの10|配線の絶縁不良
この系統の10は、機器内部のリード線や配線の絶縁が損なわれた状態を検知したものです。
具体的には、被覆が破れて芯線が露出している、部品の隙間に配線が挟み込まれている(噛み込み)、といった状態が想定されます。
絶縁不良が起きると、本来流れるはずのない経路に電流が漏れます。
制御が誤動作するだけでなく、発熱や短絡につながるため、機器は運転を止めます。
原因として挙げられるのは、次のようなものです。
- 修理や部品交換の際に、カバーと本体の間へ配線を挟んだ
- 経年で被覆が硬化し、振動でひび割れた
- ネズミなどの小動物が内部に侵入し、配線をかじった
- 湿気や結露が続き、端子部が腐食した
安全に関する注意
この状態を自分で確認しようとして本体のカバーを開けるのは避けてください。通電部に触れると感電のおそれがあり、配線の状態を戻したつもりでも絶縁は回復しません。
焦げたにおいがする場合は、運転を再開せずに電源プラグを抜いて点検を依頼してください。
751K・752Kの10は、解除操作で表示が消えたとしても、点検を前提に考えるコードです。
絶縁不良は自然に治る種類の異常ではないため、表示が消えたことを「直った」と解釈しないでください。
GDB-1700Kの10|燃焼異常
一方、1700Kの10は燃焼異常を示す警報です。
確認の対象になるのは、熱交換器の内胴、燃焼ファン(シロッコファン)、そして給気口です。
これらに汚れやほこりがたまると、燃焼に必要な空気が十分に取り込めず、燃焼状態が設計どおりにならなくなります。
機器はその状態を検知して停止します。
汚れが進みやすいのは、次のような設置環境です。
| 環境 | 起こりやすいこと |
|---|---|
| 屋外で風の通り道にある | 落ち葉やほこりが給気口に吸い寄せられる |
| 周囲に物置や植栽が近い | 空気の流れが妨げられ、給気量が落ちる |
| 積雪のある地域 | 吹きだまりで給排気口がふさがれる |
| 設置から年数が経っている | 内部にすすやほこりが蓄積している |
利用者が自分で確認できるのは、給排気口の外側に物が置かれていないか、雪や落ち葉でふさがれていないかまでです。
熱交換器の内胴やファンの清掃は分解を伴うため、点検の範囲になります。
給排気口をふさいだ状態での使用は、燃焼異常だけでなく一酸化炭素中毒につながります。
業界団体も、機器のまわりに物を置いたり波板などで囲ったりしないよう注意を呼びかけています。
燃焼状態が悪くなっているときは、においの変化として現れることもあります。
ガスストーブの臭いが気になる…原因と対処法を徹底解説|危険サインの見分け方も紹介で整理している異臭のサインは、暖房ボイラでも判断の参考になります。
解除操作は両機種で共通
10の警報解除は、どちらの系統でも同じ操作です。
1. 運転スイッチをすべてOFFにする
熱源機のリモコン、床暖房用のリモコン、そしてE-CON接続の放熱機。
接続されているものを漏れなくOFFにします。
2. 5分待つ
熱交換器の温度が下がり、制御基板が異常状態の保持を解除するための時間です。
待たずに入れ直すと、同じコードが再表示されることがあります。
3. いずれかの運転スイッチをONにする
すべてを戻す必要はなく、どれか一つで構いません。
ここでよくあるのが、床暖房用リモコンやE-CON接続の放熱機を切り忘れるケースです。
一部でも運転状態が残っていると、システム全体としてはリセットされません。
「操作したのに解除できない」という場合、まず切り忘れがないかを見直してください。
解除できたあと、どう判断するか
10は、解除できたかどうかだけで判断を終えてよいコードではありません。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 751K・752Kで解除できた | 点検を依頼する。絶縁不良は解消していない |
| 1700Kで解除でき、その後再発しない | 一時的な要因の可能性。給排気口まわりを整えて経過観察 |
| 1700Kで解除できたが数日以内に再発 | 内部の汚れが進んでいる。点検を依頼する |
| 解除操作をしても表示が消えない | どちらの系統でも点検を依頼する |
| 焦げたにおい、異音、すすが見られる | 運転を再開せず、電源を切って点検を依頼する |
点検を依頼する際は、本体の型式、表示されたコード、そして「解除できたかどうか」を伝えてください。
同じ10でも、解除できた場合とできない場合では、想定される状態が変わります。
10を繰り返すときに考えられること
短い間隔で10が再発する場合、背景には次のようなものがあります。
- 設置から年数が経過している:内部の汚れや配線の劣化が同時に進んでいる
- 直近で修理や部品交換をした:作業時の配線の噛み込みが疑われる
- 設置環境が変わった:物置の設置や外壁塗装で、給排気の条件が変わった
- 他のコードも併発している:燃焼系や電装系の複数箇所で劣化が進んでいる
特に見落とされやすいのが3つ目です。
機器は何も変わっていなくても、周囲に物を置いたことで給気の条件が変わり、それまで出なかったコードが出るようになることがあります。
外壁の塗装工事で養生シートが機器を覆っている間も同様です。
定期点検の機会があれば、この段階で相談しておくと判断がつけやすくなります。
点検で何を見るのかはガス点検の立ち会いで何をする?流れ・確認事項・断り方まで解説で整理しています。
各コードの正式な内容は、メーカーが製品別に公開しています。
📎 出典:長府製作所「製品エラーコード」
なお、同じ長府製でも石油給湯器はコード体系が別です。
石油タイプについては長府製 石油給湯器のエラーコード一覧を参照してください。
よくある質問
Q1. 自分の機器がどちらの系統か分からないときはどうすればよいですか。
本体の銘板に記載された型式を確認してください。屋外設置であれば本体の側面や前面、屋内設置であれば正面のカバー付近に貼られていることが多くあります。型式が読み取れない場合は、購入時の保証書や取扱説明書でも確認できます。点検を依頼する際にも型式は必ず聞かれるため、この機会に控えておくとその後がスムーズです。
Q2. 10が出ましたが、解除したら普通に動いています。そのまま使ってよいですか。
機種によって答えが変わります。GDB-1700Kの燃焼異常であれば、給排気口まわりを確認したうえで様子を見る選択肢があります。一方、GDB-751K・752Kの絶縁不良は、表示が消えても状態が改善したわけではありません。この場合は動いていても点検を依頼してください。
Q3. 給気口の掃除は自分でしてもよいですか。
機器の外側、たとえば給排気口の前に置かれた物をどけたり、周囲の落ち葉や雪を取り除いたりする範囲であれば問題ありません。ただし、内部の熱交換器やファンの清掃は分解が必要で、燃焼調整にも関わるため利用者が行う作業ではありません。外側を整えても改善しない場合は点検を依頼してください。
Q4. 5分待たずに運転スイッチを入れ直すとどうなりますか。
同じコードがそのまま再表示されることがあります。機器が異常状態を保持したままであるためで、故障が増えるわけではありませんが、解除できたかどうかの判断がつかなくなります。何度も繰り返すと、本当に解除できない状態なのか、待ち時間が足りないだけなのかが分からなくなるため、指定された時間は待ってください。
Q5. 外壁塗装の工事中に10が出るようになりました。関係はありますか。
関係している可能性があります。養生シートやビニールで給排気口が覆われると、必要な空気が取り込めず燃焼状態が悪化します。この状態での使用は不完全燃焼につながるため、工事期間中は機器を使用せず、施工業者に給排気口の扱いを確認してください。養生が外れたあとも表示が続く場合は、別の要因を疑います。
まとめ
長府のガス暖房ボイラに表示される10は、機種によって意味が分かれるコードです。
GDB-751K・752Kでは配線の絶縁不良、GDB-1700Kでは燃焼異常を示します。
解除操作はどちらも共通で、熱源機・床暖房用リモコン・E-CON接続放熱機のすべての運転スイッチをOFFにし、5分待ってからいずれかをONにします。
切り忘れがあると解除できないため、接続されている機器を漏れなく操作してください。
判断が分かれるのはその後です。
751K・752Kの絶縁不良は、表示が消えても点検が前提になります。
1700Kの燃焼異常であれば、給排気口まわりを整えたうえで再発するかどうかを見ます。
焦げたにおいや異音がある場合は、どちらの系統であっても運転を再開しないでください。

