暖房が急に止まり、リモコンに「エラー1」と出ている。
あるいは止まってはいないものの「給油」の文字が点いている。
どちらも灯油に関わる表示ですが、意味も、いま取るべき行動もまったく違います。
そして厄介なのが、灯油を入れただけでは運転が戻らないケースが珍しくないという点です。
この記事では、コロナの暖房ボイラーで表示される「給油」とエラー1の違いを整理したうえで、給油後に運転を戻すまでの手順、それでも解除できないときの考え方、油切れ以外でエラー1が出る場合までを順に解説します。
「給油」とエラー1はまったく別の表示
似た場面で出るため混同されやすいのですが、この2つは状態が異なります。
| 給油 | エラー1 | |
|---|---|---|
| 意味 | タンクの灯油残量が少なくなった | 油切れ検知装置が作動した |
| 暖房の状態 | 運転は続いている | 消火して全停止 |
| 表示される条件 | 別売の給油検知装置を接続している機器のみ | 全機種共通 |
| 取るべき行動 | 早めに給油する | 給油と送油経路の確認 |
「給油」は予告、エラー1は停止後の通知だと考えると分かりやすいと思います。
なお「給油」は別売の給油検知装置を取り付けている場合にだけ働く機能です。
そのため予告なしにいきなりエラー1で止まる機器も普通に存在します。
「今まで警告が出てから止まっていたのに」という感覚は、必ずしも当てになりません。
エラー1が出る3つの状況
油切れ検知装置が働く条件は、大きく次のとおりです。
- 油タンクの灯油が実際になくなった
- 油タンクの送油バルブが閉まっている
- 灯油はあるのに、機器まで届いていない
1つ目が最も多いパターンですが、見落とされがちなのが2つ目です。
点検や掃除、灯油の配達、あるいは凍結対策で一度バルブを閉めたまま忘れているというケースがあります。
タンク側のバルブは屋外にあることが多く、雪や落ち葉に埋もれていると存在自体を忘れがちです。
3つ目については後述します。
給油しても表示が消えない場合、ほぼここに原因があります。
まず確認する3点
機器をいじる前に、順番に確認してください。
① タンクの残量
残量計が付いている場合でも、目盛りの読み違いや浮き子の固着で実際より多く見えることがあります。
給油口から目視でも確認しておくと確実です。
② 送油バルブの開閉
タンクから出ている配管の途中にあるコックやバルブが開いているかを見ます。
閉まっていた場合は開いてから、運転操作をやり直してください。
③ タンク内の水
タンク内は空気中の水分が結露して水がたまります。
水が多くたまるとバーナ側へ流れ出て燃焼不良の原因になるため、月1回以上を目安に水抜きドレンから確認するのが望ましいとされています。
やり方は灯油タンクの水抜きのやり方とは?|手順・頻度・水が溜まる理由を解説で詳しく整理しています。
給油しても直らないのは「空気」が原因
タンクが完全に空になると、送油経路の中にまで空気が入り込みます。
この状態では灯油を補給しても、ポンプが空気を噛んだままで機器まで灯油が届きません。
表示だけ見ると「灯油を入れたのに直らない=故障した」と感じますが、実際には空気を抜けば動くことがほとんどです。
このとき、給油用の電磁ポンプがコトコトと音を立てることがあります。
これは空打ちの音であり、それ自体は故障ではありません。
空気抜きの手順
作業前に、必ず消火を確認し、火気のない場所で行ってください。
灯油がこぼれる作業のため、周囲に火の気があると危険です。
準備するものは、ウエス(古布)と、ねじをゆるめるための工具です。
- 油タンクの送油バルブを開く
- オイルフィルタの下側にウエスを当てる
- 空気抜きねじをゆるめる
- 灯油が連続して出てくるのを確認したら、ねじを締める
- あふれた灯油をきれいに拭き取る
ここで最も重要な注意点があります。
空気抜きねじはゆるめるだけにとどめ、完全に外さないでください。
外すとねじに付いているOリングが落ちて紛失したり、傷が付いたりして、そこから油漏れを起こす原因になります。
拭き取りが不十分だと、においが残るだけでなく発火のリスクにもつながります。
こぼした量が多かった場合の処理は灯油をこぼしたときの正しい対処法にまとめています。
空気抜きが終わったら、運転スイッチを押して再運転を試します。
それでも解除できないとき
初めて運転するときや、タンクを完全に空にしたあとは、空気抜き後も機器内部のタンクに灯油がたまるまでに時間がかかり、エラー1の表示が残ることがあります。
灯油があることを確認したうえで、電源スイッチまたは運転スイッチを都度押し直してください。
それでも解除できない場合については、本体基板上のリセットスイッチを押して解除する方法が取扱説明書に記載されています。
ただしこの操作は本体の点検口を開ける必要があり、機種によって位置も異なります。
無理に探して内部の配線に触れるより、型番と症状を伝えて販売店に相談するほうが安全です。
1以外の番号が表示されている場合はコロナ暖房ボイラー エラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準で意味を確認できます。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
油切れ以外でエラー1が出るケース
灯油が十分あり、バルブも開いていて、空気抜きもしたのに表示が消えない。
この場合は次のような原因が考えられます。
| 原因 | 見分け方の目安 |
|---|---|
| オイルフィルタの詰まり | 長期間清掃していない。空気抜きしても灯油の出が悪い |
| 送油管の劣化・詰まり | ゴム製送油管にひび割れや変形がある |
| 灯油の劣化・水の混入 | 前シーズンの灯油を使っている。タンク底に水がたまっている |
| 寒冷時の送油不良 | 極端に冷え込んだ日の朝だけ発生する |
| 検知装置側の不具合 | 上記をすべて確認しても改善しない |
オイルフィルタの点検は、年1回以上を目安に販売店へ依頼するよう案内されています。
自分で分解清掃する部位ではないため、詰まりが疑われる段階で点検を依頼するのが現実的です。
灯油そのものの問題も無視できません。
ひと夏を越した灯油は変質している可能性があり、機器の故障原因になるとして使用しないよう明記されています。
残ってしまった灯油の扱いは古い灯油の正しい処分方法と注意点を参考にしてください。
水が混ざっている疑いがある場合は灯油に水が混ざった!原因・見分け方から取り除き方・廃棄まで完全解説で見分け方を確認できます。
何度も繰り返すなら別の問題
給油と空気抜きで一度は復帰するものの、短い間隔で再びエラー1が出る。
この状態は、単なる油切れとは切り分けて考える必要があります。
- 数日おきに表示が出る
- 満タンにしても出る
- 特定の時間帯(明け方など)に集中する
- 空気抜きをするたびに大量の空気が出る
こうした傾向があるなら、送油経路のどこかから空気を吸い込んでいるか、部品が劣化している可能性があります。
ゴム製送油管は時間とともに劣化するため、ひび割れがなくても2〜3年に1度の交換が推奨されています。
また、ゴム製送油管を屋外で使うことは認められていません。
紫外線でひび割れを起こし、灯油漏れにつながるためです。
油切れを起こさないための習慣
エラー1は、防ぎやすいトラブルの筆頭です。
- 油タンクを空にしない(空にすると必ず空気抜きが必要になる)
- 残量が3分の1を切ったら次の配達や購入を段取りする
- 寒波の予報が出た時点で満タンに近づけておく
- 月1回程度、タンクの水抜きを確認する
- 燃料はJIS1号灯油を使い、前シーズンの残りを持ち越さない
特に寒冷地では、冷え込みが厳しい日ほど消費量が増えます。
「まだ残っているつもりだったのに、朝起きたら止まっていた」という事態は、残量の読み違いから起こります。
灯油に関しては定期配送をしておけば単価も安く、楽ですのでおすすめです。
よくある質問
Q1. 灯油を入れたのにエラー1が消えません。故障ですか。
すぐに故障と判断する必要はありません。
タンクが空になると送油経路に空気が入り込み、給油しただけでは灯油が機器まで届かない状態になります。
オイルフィルタ部分の空気抜きを行い、灯油が連続して出てくることを確認してから運転操作をやり直してください。
空気抜きをしても改善しない場合に、初めてフィルタの詰まりや部品側の不具合を疑う流れになります。
Q2. 空気抜きのねじは外してしまっても大丈夫ですか。
外さないでください。
ねじにはOリングが付いており、完全に外すと脱落や紛失、傷の原因になります。
そこから油漏れが発生すると、火災につながるおそれもあります。
ゆるめて灯油が出てくれば十分なので、抜き取らずに作業してください。
Q3. 「給油」の表示が出たことがないのに、いきなりエラー1で止まりました。
「給油」は別売の給油検知装置を接続している機器でのみ表示される機能です。
この装置を取り付けていない場合、残量が少なくなっても事前の予告は出ません。
つまり予告なしにエラー1で停止するのは、機器として正常な動作です。
残量の把握はタンク側の残量計や目視で行う必要があります。
Q4. 給油のたびにコトコトと音がしますが異常ですか。
初めて使用するときや油切れの直後にこの音がするのは、給油用の電磁ポンプが空打ちしている音です。
取扱説明書でも故障ではないと案内されています。
ただし、灯油が十分に入っている通常運転中に同じ音が長く続く場合は、送油経路に空気を吸い込んでいる可能性があります。
頻度と発生タイミングを確認してみてください。
Q5. 前シーズンの灯油が残っています。使い切ってから新しい灯油を入れてもよいですか。
おすすめできません。
変質した灯油や不純物の混じった灯油は使用しないよう明記されており、不着火や途中消火といった別のエラーを招く原因にもなります。
灯油は直射日光や高温を避けて保管していても劣化するため、越冬した分は使い切るのではなく適切に処分するのが安全です。
処分は自治体や購入店の案内に従ってください。
まとめ
エラー1と「給油」は、どちらも灯油に関する表示ですが役割が違います。
「給油」は残量が減ったことを知らせる予告、エラー1は油切れ検知装置が働いて停止した状態です。
そして最大のポイントは、給油だけでは復帰しない場合があるという点にあります。
タンクを空にすると送油経路に空気が入るため、オイルフィルタでの空気抜きが必要になります。
ねじは外さずゆるめるだけ、こぼれた灯油は必ず拭き取る。
この2点を守れば、多くのケースは自力で運転を戻せます。
空気抜きをしても改善しない、あるいは短期間で何度も同じ表示が出る場合は、フィルタや送油管など部品側の問題が疑われます。
その段階では無理に運転を繰り返さず、型番と症状を控えて点検を依頼してください。

