暖房は動いていたのに、リモコンに見慣れない数字が点滅して止まってしまった。
冷え込む時期にこの状態になると、まず何を確かめればよいのか分からず不安になります。
コロナの暖房ボイラーに表示されるエラーは、大きく機器が全停止したことを知らせる表示と、運転は続けられるが知らせておきたい表示の2種類に分かれます。
この違いを先に押さえておくと、いま自分で対処できる状況なのか、使用を止めて連絡すべき状況なのかを落ち着いて切り分けられます。
この記事では、コロナ暖房ボイラーのエラー表示をメーカー公表情報にもとづいて一覧で整理し、番号ごとの意味と取るべき行動、さらに機種によって意味が変わるケースまでまとめます。
その機器は本当に「暖房ボイラー」か
最初に確認したいのが、お使いの機器の種類です。
コロナの住宅設備には暖房ボイラーのほかに石油給湯機があり、エラー番号の体系が似ているため取り違えやすいからです。
暖房ボイラーは正式には「油だき温水ボイラ」と呼ばれる機器で、灯油を燃やして循環液(不凍液)を温め、その温水を床暖房パネルや温水ルームヒーターへ送る役割を担います。
つまり蛇口からお湯は出ません。
お風呂や台所のお湯も同じ機器から出ているなら、それは暖房ボイラーではなく給湯機能を備えた別の機器です。
| 見分けるポイント | 暖房ボイラー | 石油給湯機 |
|---|---|---|
| お湯が蛇口から出るか | 出ない | 出る |
| 温めるもの | 循環液(不凍液) | 水道水 |
| つながる先 | 床暖房パネル・温水ルームヒーターなど | 浴槽・台所・洗面 |
| 主な型番の頭文字 | UHB | UKB・UIBなど |
型番は本体前面や側面の銘板シールに記載されています。
蛇口からお湯が出ている機器であれば、この記事の対象とは別の機種ということになります。
暖房ボイラーには、屋外に置く開放形(型番末尾のM)と、屋内に設置して壁から給排気する密閉式強制給排気形(同FF)があります。
この設置形式の違いは、後述する29・U9といった一部の表示が出るかどうかに直結します。
エラー表示は「全停止」と「運転継続」の2系統
コロナの暖房ボイラーの取扱説明書では、リモコンに出る表示(モニターサイン)を次の2つに分けて説明しています。
- モニターサインを表示して全停止したとき
- モニターサインを表示するが運転可能なとき
前者は安全装置や検知装置が働いて燃焼を止めた状態で、暖房そのものが使えなくなります。
後者は暖房は動き続けたまま、点検や給油のタイミングを知らせている状態です。
番号を見た瞬間に修理を連想しがちですが、そもそも故障を意味しない表示も含まれている点を先に知っておくと判断が楽になります。
なお、異常時にはブザーが10分ごとに鳴る仕様です。
音を止めたいだけであれば運転スイッチを1回押せば消音できますが、これは音を止める操作であってエラーが解消したわけではありません。
コロナ暖房ボイラーのエラーコード一覧
メーカーが公表している表示と内容を、対応の方向性とあわせて整理します。
| 表示 | 内容 | 状態 | 取るべき行動 |
|---|---|---|---|
| 給油 | 油タンク内の灯油残量が少ない(別売給油検知装置の使用時) | 運転可能 | 早めに給油する |
| 1 | 油切れ検知装置の作動 | 全停止 | 灯油残量を確認し、給油後に空気抜き |
| 2 | 対震装置の作動 | 全停止 | 周囲の安全確認後に再運転 |
| 3 | 初期循環液不足・空だき検知装置の作動 | 全停止 | 循環液の水位を確認し、点検を依頼 |
| 10 | 擬似火炎(炎検知器の短絡) | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 11 | 不着火 | 全停止 | 灯油切れを確認。それ以外は連絡 |
| 12 | 途中消火 | 全停止 | 灯油切れを確認。それ以外は連絡 |
| 13 | 途中消火 | 全停止 | 灯油切れを確認。それ以外は連絡 |
| 14 | 気化器(機種によりポット)の温度異常・サーミスタ故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 15 | 気化器(機種によりポット)の温度異常・サーミスタ故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 16 | 凍結予防サーミスタの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 17 | 本体基板の故障・凍結予防サーミスタの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 18 | 本体基板の故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 19 | 空気サーミスタの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 20 | 空気サーミスタの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 21 | 油面異常検知装置の作動 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 22 | 循環ポンプの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 23 | 燃焼用モータの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 24 | 基板サーミスタの故障・データエラー | 運転可能 | 早めに連絡(放置で修理不能の恐れ) |
| 29 | 排気管抜け検知機能の作動 | 全停止 | 排気管の外れを確認。安全最優先 |
| 30 | 缶体サーミスタの故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 31 | 缶体サーミスタの故障(高温異常を含む) | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 32 | 異常停止サーモの作動 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 88 | 点検時期お知らせ機能 | 運転可能 | 故障ではない。点検の検討 |
| E1 | リモコン通信異常 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| H3 | 中和器の満水検知 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| H4 | 中和器の寿命 | 運転可能 | 中和器の交換を依頼 |
| U9 | 二方弁の故障 | 全停止 | 使用を中止して連絡 |
| 運転ランプ点滅 | 停電検知 | 全停止 | 運転スイッチを入れ直す |
一覧を眺めると分かるとおり、大半の番号は使用者側で解消できる内容ではありません。
サーミスタ、基板、ポンプ、モータといった内部部品の異常が多くを占めるためです。
逆に言えば、使用者が動ける表示はかなり限られています。
自分で確認・対処できる表示
使用者側で結果が変わる可能性があるのは、実質的に次の4つです。
「給油」と1(油切れ)
もっとも頻度が高いのがこの2つです。
「給油」は別売の給油検知装置を接続している場合のみ表示され、タンクの残量が少なくなったことを知らせます。
一方の1は油切れ検知装置が働いて燃焼を止めた状態で、暖房も停止します。
この2つの具体的な対処はコロナ暖房ボイラーのエラー1と給油表示|油切れ時の対処手順で解説しています。
灯油を補給しても、そのままでは運転が戻らないことがあります。
タンクが空になると送油経路に空気が入り、灯油が正常に送られなくなるためです。
この場合はオイルフィルタの空気抜きねじをゆるめ、灯油が連続して出てくることを確認してから締め直します。
ねじは完全に外さず、ゆるめるだけにとどめてください。
外すとOリングが落ちて油漏れの原因になります。
初めて運転するときや油切れ直後は、空気抜き後もタンク内に灯油がたまるまで1の表示が残ることがあります。
灯油があることを確認したうえで運転スイッチを押し直し、それでも解除できない場合は本体基板上のリセットスイッチによる解除操作が取扱説明書に記載されています。
ただし操作には本体の点検口を開ける必要があるため、不安があれば無理に触らず販売店へ相談するほうが確実です。
灯油そのものの状態も見落としがちです。
ひと夏を越した灯油や水が混入した灯油は不着火・途中消火の一因になります。
2(対震装置の作動)
地震や強い衝撃を検知して安全に燃焼を止めた状態です。
機器そのものは壊れていないことが多く、再運転で復帰します。
ただし、再運転の前に設置場所へ行き、油漏れ・循環液漏れ・機器の損傷・給排気筒の外れ・周囲の可燃物がないことを必ず確認してください。
確認せずに運転を再開すると、漏れた灯油や外れた排気筒が重大な事故につながる可能性があります。
異常がないことを確かめたうえで運転スイッチを押し、それでも運転しない場合は点検が必要です。
3(初期循環液不足・空だき検知)
暖房ボイラーは水ではなく循環液を温める機器のため、この液が不足すると空だき状態になります。
半密閉式の配管システムであれば、給水口ふたを外して循環液水位点検窓を確認できます。
確認は必ず機器が冷えた状態で行ってください。
運転中や停止直後は内部が高温・高圧になっており、給水キャップを外すと循環液が飛び散ってやけどをするおそれがあります。
水位が規定より低ければ、自然蒸発ぶんの補給は専用補充液で行います。
ここで注意したいのが液の種類です。
- 水で薄めると防錆・凍結予防の効果が落ちる
- 車両用など他銘柄の不凍液を混ぜると、防錆効果が失われたり異音の原因になったりする
- 循環液そのものは開封品を含めて3年を目安に入れ替える
補給しても表示が消えない、あるいは短期間で液が減る場合は配管からの漏れや詰まりが疑われます。
この段階では使用者側の対処範囲を超えるため、点検を依頼してください。
循環液の確認手順や補充に使える液の種類はコロナ暖房ボイラーのエラー3|循環液不足と空だき検知の対処で詳しく解説しています。
運転ランプ点滅(停電検知)
停電や電源プラグの抜けを検知した状態です。
通電が戻ってから運転スイッチを入れ直せば復帰します。
落雷が予想される場面では、過電圧で電子部品を損傷することがあるため電源プラグを抜いておくのが安全です。
すぐに使用を止めるべき表示
次の表示が出た場合は、再運転を繰り返さずに連絡してください。
29(排気管抜け検知)
屋内用のFF式にのみ備わる検知機能です。
排気管が外れたまま運転すると、燃焼ガスが室内に漏れて一酸化炭素中毒につながるおそれがあります。
給排気筒や排気管の接続部に外れ・ゆるみがないか、検知用リード線が外れたり切れたりしていないかを確認し、少しでも異常があれば使用を中止してください。
接続に問題が見当たらない場合も、検知装置側の異常が考えられるため点検が必要です。
10・11・12・13(炎の検知まわり)
灯油切れが原因のこともありますが、炎を検知するフレームロッドの消耗・断線・短絡でも表示されます。
給油しても改善しない場合、部品の劣化と考えるのが妥当です。
32(異常停止サーモの作動)・31(高温異常)
熱交換器の温度が異常に上昇したときに働く保護機能です。
何度もリセットして運転を続けると、火災や事故の原因になると取扱説明書でも明確に警告されています。
H3(中和器の満水検知)
二次熱交換器を備えた機種では、排ガスから熱を回収する際に酸性のドレン水が発生します。
これを中和するのが中和器で、満水を検知した状態は正常な排水ができていないことを意味します。
同じ番号でも意味が変わるケース
ここが暖房ボイラーのエラー表示で誤解が生じやすい部分です。
公式の一覧は複数の機種をまとめたものであり、同じ番号が機種によって別の部位を指すことがあります。
| 番号 | 機種による違い |
|---|---|
| 13 | 一部の機種でのみ表示される番号で、他機種には該当しない場合がある |
| 14・15 | ポット燃焼方式の機種では「ポットサーミスタ・ポットヒータ」、気化式の機種では「気化器サーミスタ・気化器ヒータ」を指す |
| 29・U9 | 屋内用FF式に関係する表示で、屋外用の開放形では基本的に出ない |
| H3・H4 | 中和器を備えた機種に固有の表示。中和器を持たない旧型では表示されない |
また、旧型の機種と現行機種では表示の体系そのものが一部異なります。
自分の機種で番号が何を指すかを正確に知りたい場合は、型番を確認したうえで該当する取扱説明書を参照するのが確実です。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
なお、取扱説明書には一覧に載っていない表示が出る可能性についても触れられており、その場合は使用を中止して連絡するよう案内されています。
一覧にない表示だからといって軽い異常とは限らない、という点は覚えておいてください。
「88」は故障ではない
一覧の中でも性質が異なるのが88です。
これは点検時期お知らせ機能(タイムスタンプ)による表示で、使用期間が設計上の標準使用期間である10年相当に達したことを知らせるものです。
機器の異常を示す表示ではないため、そのまま使用を続けられます。
とはいえ、燃焼機器は経年劣化によって安全上の支障が生じるおそれがあります。
88が出た時点で、有料の点検を検討する材料にはなります。
点検を受けずに使い続けた場合、一定期間ごとに再び表示されます。
88の詳しい扱いはコロナ暖房ボイラーの88表示|点検時期のお知らせと消灯の考え方で解説しています。
修理か交換かを判断する材料
エラーが出るたびに修理を重ねるべきか、機器ごと入れ替えるべきかは多くの方が迷うところです。
判断材料としては次の3点が現実的です。
- 設置からの年数:設計上の標準使用期間は10年です。これを大きく超えている機器は、1か所を直しても別の部位が続けて不具合を起こす可能性があります。
- 補修用性能部品の保有期間:製造打ち切り後7年が目安とされています。この期間を過ぎていると、部品がそろわず修理自体を受けられないことがあります。
- 同じエラーの再発頻度:一度直った表示が短期間で再び出る場合、根本原因が残っている可能性があります。
修理費用は部品代・技術料・出張料で構成され、どの部位を交換するかで大きく変わります。
金額を判断材料にするなら、症状と型番を伝えたうえで見積もりを取り、そのうえで残存年数と照らして考えるのが合理的です。
部品故障で止まったときの見極め方はコロナ暖房ボイラーのエラー21・22・23|止まる前のサインでも整理しています。
冬に向けて表示を出さないための備え
エラーは突然出るように見えて、事前の管理で減らせるものも含まれています。
- 油タンクを空にしない(空になると送油経路への空気混入が起きる)
- タンク内の水を月1回程度確認し、たまっていれば水抜きする
- 半密閉式では月1回程度、循環液の水位を点検窓で確認する
- ゴム製送油管は屋外で使わず、2〜3年を目安に交換する
- 屋外設置機は、給気口と吹出口が雪でふさがれないよう除雪する
- 極端な寒波や長期不在の前には、機種に応じた凍結予防の処置を行う
特に寒冷地では、吹き溜まりで給排気部分がふさがれるケースが見落とされがちです。
給排気にかかわる表示についてはコロナ暖房ボイラーのエラー29|排気管抜け検知で止まったときで詳しく解説しています。
よくある質問
Q1. エラーが出たあと、リセットを繰り返して使い続けても大丈夫ですか。
おすすめできません。
取扱説明書でも、処置をせずに何度もリセットを繰り返すと火災や事故の原因になると明記されています。
安全装置が働いて停止しているということは、機器側が「このまま燃焼させるのは危険」と判断した状態です。
油切れや対震装置の作動のように原因が特定できて解消済みであれば再運転して差し支えありませんが、原因が分からないまま解除操作だけを繰り返すのは避けてください。
Q2. 暖房は動いているのに表示が出ています。放置してよいですか。
表示の種類によります。
「給油」「24」「88」「H4」は運転を続けられる表示として扱われていますが、意味はそれぞれ異なります。
88は点検時期の案内なので急を要しませんが、24は放置すると修理ができなくなる場合があるとされており、H4は中和器の交換が必要な状態です。
運転できる=問題なし、とは限らない点に注意してください。
Q3. ブザーがうるさいのですが止められますか。
異常時のブザーは10分ごとに鳴りますが、運転スイッチを1回押すことで音を止められます。
ただしこれは消音の操作であり、エラーそのものが解消されるわけではありません。
音が止まったことで対処を先送りにしないよう、表示されている数字やアルファベットは必ず控えておいてください。
連絡時にその表示を伝えると、原因の切り分けが早く進みます。
Q4. 循環液が減っていたので水を足しても問題ありませんか。
水を足すのは避けてください。
循環液は凍結予防に加えて配管や機器内部の防錆を目的に調合されており、水で薄めると防錆効果と凍結予防効果の両方が低下します。
自然蒸発による減りには専用の補充液を使い、液漏れが疑われる場合は補充ではなく点検を依頼してください。
指定以外の不凍液による故障は、保証期間内であっても保証の対象外とされています。
Q5. エラー表示が消えたので、そのまま使っても問題ないですか。
一度消えても、同じ表示が繰り返し出るようであれば原因は残っていると考えるのが妥当です。
特に不着火や途中消火に関する表示は、部品の消耗が進む過程で「出たり出なかったり」という不安定な段階を挟むことがあります。
表示が出た日付と番号を記録しておき、同じ番号が短期間に複数回出るようなら、本格的に動かなくなる前に点検を依頼するのが安全です。
まとめ
コロナの暖房ボイラーに出るエラー表示は、番号の意味を暗記するよりも「全停止か、運転継続か」で切り分けるほうが実用的です。
使用者側で結果を変えられるのは、油切れに関する表示、対震装置の作動、循環液の不足、停電検知のおおむね4種類に限られます。
それ以外の多くはサーミスタ・基板・ポンプといった内部部品の異常であり、再運転を繰り返すほど状況が悪化します。
表示された数字やアルファベットと型番を控え、灯油残量と循環液の水位だけ確認したうえで、必要なら点検を依頼する。
この手順を決めておけば、寒い時期に慌てずに動けます。

