停電から復旧したのに暖房が戻らず、運転ランプだけが点滅している。
数字のエラーが出ていないぶん、何が起きているのか分かりにくい状態です。
この点滅は、停電検知が働いて機器が停止したことを知らせるサインです。
通電が戻っただけでは自動で運転を再開しない仕組みのため、こちらから操作をする必要があります。
この記事では、運転ランプの点滅が示す状態、復帰までの手順、点滅が消えないときに確認する箇所、そして停電が長引く場合の備えまでを整理します。
運転ランプの点滅は停電検知
メーカーが公表している内容では、運転ランプの点滅は「停電検知」とされ、処置方法には運転スイッチを入れなおして再運転するよう記載されています。
それ以外の場合は点検または修理が必要、という位置づけです。
数字のエラー表示と違い、ランプの点灯状態そのものが情報になっている点が特徴です。
そのため「エラーコードが出ていないから故障ではないはず」と考えて、原因が分からないまま放置されることがあります。
灯油の機器なのに、なぜ電気で止まるのか
燃料は灯油でも、暖房ボイラーは電気がなければ動きません。
機器の中で電気が使われているのは、おもに次の部分です。
| 部位 | 役割 |
|---|---|
| 制御基板 | 運転の判断・安全装置の監視 |
| 燃焼用モータ(送風機) | 燃焼に必要な空気を送る |
| 循環ポンプ | 温めた循環液を床暖房などへ送る |
| 電磁ポンプ | 灯油を機器へ送る |
| 点火装置 | 着火させる |
| 凍結予防装置 | 低温時に作動して凍結を防ぐ |
つまり停電になると、燃やすことも、温めた液を循環させることもできなくなります。
屋内用のFF式では、電気で給排気を行う構造のため、なおさら電源が欠かせません。
数字のエラーが表示されている場合の意味はコロナ暖房ボイラー エラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準でまとめています。
停電中に暖房が使えないのは故障ではなく、構造上そうなるということです。
復帰の手順
通電が戻ったら、次の流れで操作します。
- 部屋の照明などで、電気が復旧していることを確認する
- リモコンの表示と運転ランプの状態を見る
- 運転スイッチを押して、運転を入れ直す
- 着火し、運転が続くことを確認する
- 設定温度やタイマーの内容が保持されているか確認する
停電の時間や機種によっては、時刻やタイマーの設定が初期化されている場合があります。
暖房を予約運転で使っている場合は、復帰後に設定を見直しておくと安心です。
点滅が消えないときに確認すること
運転スイッチを押しても点滅が続く、あるいは再び点滅する場合は、電源そのものが正常に供給されていない可能性があります。
① ブレーカー
分電盤を見て、ブレーカーが落ちていないかを確認します。
停電からの復旧時は、一度に多くの機器へ電気が流れて落ちることがあります。
機器専用のブレーカーが設けられている場合は、そちらもあわせて確認してください。
② 電源プラグ
プラグが抜けかけていないか、しっかり差し込まれているかを見ます。
差し込みが不完全だと、通電しているように見えても電圧が安定しません。
プラグやコードが傷んでいる場合は、そのまま使わず連絡してください。
③ 他の電気機器
同じ系統のコンセントで別の機器が動くかを試すと、機器側の問題か配線側の問題かを切り分けられます。
④ ほかの表示が出ていないか
点滅と同時に数字やアルファベットが表示されている場合は、停電検知とは別の事象が起きている可能性があります。
その場合は表示されている内容を優先して確認してください。
これらを確認しても復帰しない場合は、基板側の不具合も考えられます。
繰り返し運転操作を試すのは避け、状況を伝えて点検を依頼してください。
停電に気づかなかったケース
「停電はしていないのに点滅している」という場合、短時間の電圧低下や瞬間的な停電が起きていた可能性があります。
- 落雷の影響で一瞬だけ電圧が下がった
- 強風や積雪で配電設備が一時的に影響を受けた
- 同じ系統で大きな電力を使う機器が起動した
- 電源プラグが振動で緩んでいた
数秒に満たない瞬間的な停電では、照明のちらつきに気づかないこともあります。
一方で機器の制御基板は敏感に反応するため、人が気づかない電源の途切れでも停止することがあります。
なお、停電のあとにランプの点滅ではなくE1が表示されることもあります。
内容はコロナ暖房ボイラーのE1|リモコン通信異常で暖房が止まるときで解説しています。
停電が長引くときに気をつけること
問題は、停電が数時間から数日に及ぶ場合です。
凍結予防装置が働かない
暖房ボイラーには凍結予防のための装置が備わっていますが、これは電源が入っていなければ作動しません。
そのため、厳寒期に長時間の停電が続くと凍結のリスクが高まります。
循環液には不凍液が使われているため、循環経路そのものは凍りにくい設計です。
ただし、二次熱交換器を備えた機種では中和器まわりにドレン水が残るため、ここは凍結の対象になります。
外気温が大きく下がる状況や長期間使用しない場合には、中和器の水抜きが案内されています。
中和器にかかわる表示についてはコロナ暖房ボイラーのH3・H4・U9|中和器とドレン回路の異常で解説しています。
電源プラグは普段抜かない
凍結予防装置が働くようにするため、暖房を使わない時期でも電源プラグは差したままにしておくのが基本です。
長期不在にするからと抜いてしまうと、凍結による破損につながるおそれがあります。
ただし例外があります。
落雷のおそれがあるときは、過電圧で電子部品を損傷することがあるため、電源プラグを抜いておくことが推奨されています。
雷が去ったあとは、忘れずに差し戻してください。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
停電に備えておきたいこと
寒冷地では、冬の停電は暖房が止まることと直結します。
- 灯油の残量を切らさない(復旧後すぐ運転できるようにしておく)
- 分電盤とブレーカーの位置を家族で共有しておく
- 懐中電灯と乾電池を暖房機器の近くにも置いておく
- 電源が不要、または乾電池で動く補助的な暖房手段を用意しておく
- 復旧後に確認する手順を決めておく
補助暖房については、電気を使わずに使える機器が選択肢になります。
ただし、室内の空気を使って燃焼する機器を使う場合は定期的な換気が欠かせません。
密閉した部屋で使い続けると、不完全燃焼による一酸化炭素中毒のおそれがあります。
就寝時の使用は避け、必ず説明書の換気の指示に従ってください。
よくある質問
Q1. 停電が復旧すれば自動で暖房も戻りますか。
自動では戻りません。
停電検知が働いた状態では運転ランプが点滅し、通電が回復しても停止したままになります。
安全のため、こちらから運転スイッチを入れ直す操作が必要です。
外出中に停電が起きていた場合、帰宅時に室内が冷えきっていることもあるため、復旧後はまず機器の状態を確認してください。
Q2. 停電していないのに運転ランプが点滅します。
短時間の電圧低下や、瞬間的な停電が起きていた可能性があります。
照明のちらつきに気づかない程度の途切れでも、機器の制御基板は反応して停止することがあります。
運転スイッチを入れ直して復帰すれば、まず問題ありません。
ただし、同じ日に何度も繰り返す場合は電源側の問題が疑われるため、電源プラグやブレーカーの状態を確認してください。
Q3. 停電中に暖房を使う方法はありませんか。
暖房ボイラーは制御基板、送風機、循環ポンプのいずれも電気で動くため、停電中の運転はできません。
発電機などの外部電源を検討する場合は、必要な電力や電気の品質が機器の条件に合うかどうかを事前に確認する必要があります。
自己判断で接続すると基板を傷める可能性があるため、販売店に相談してください。
現実的な備えとしては、電源を必要としない補助的な暖房手段を用意しておくほうが確実です。
Q4. 停電が長引きそうです。凍結が心配なのですが。
凍結予防装置は電源が入っていなければ作動しません。
そのため、厳寒期の長時間停電では凍結への注意が必要になります。
循環液には不凍液が使われているため循環経路は凍りにくい設計ですが、中和器を備えた機種ではドレン水が残る部分が凍結の対象になります。
長期の停電や長期不在が見込まれる場合は、水抜きの必要性について販売店へ確認してください。
Q5. 復旧後、設定が消えていました。故障でしょうか。
故障とは限りません。
停電の長さや機種によっては、時刻やタイマーの設定が初期化されることがあります。
暖房を予約運転で使っている場合は、復旧後に設定内容を確認して入れ直してください。
なお、設定の初期化と同時に数字の表示が出ている場合は別の事象が考えられるため、表示内容を優先して確認してください。
まとめ
運転ランプの点滅は、停電検知によって機器が停止した状態を示します。
灯油を燃料とする機器でも、制御や送風、循環はすべて電気で行われるため、電源が途切れれば運転は続けられません。
通電が戻っても自動では再開しないため、運転スイッチを入れ直す操作が必要です。
点滅が消えない場合は、ブレーカー、電源プラグ、同じ系統の他の機器という順で確認してください。
停電が長引くときに意識したいのは凍結です。
凍結予防装置は電源がなければ働かないため、厳寒期の長時間停電では注意が必要になります。
落雷時を除いて電源プラグは差したままにしておく、という基本もあわせて覚えておいてください。

