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食洗機の取り付け方とは?|分岐水栓・タンク式・ビルトインの違い

分岐水栓・タンク式・ビルトインの3種類の食洗機の取り付け方を比較したイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

食洗機を買おうと調べ始めたものの、「分岐水栓」という聞き慣れない部品が出てきて手が止まっていませんか。

食洗機の取り付けは、本体を置けば終わりというものではなく、給水をどこから取るかによって必要な作業も費用も大きく変わります。
一方で、方式さえ選び分けてしまえば、工具を使わず自分で設置できるタイプもあります。

この記事では、卓上型・タンク式・ビルトインという3つの取り付け方式の違いを整理したうえで、設置前に確認すべきスペースと電源、自分で作業できる範囲と業者に依頼すべき境目、賃貸住宅での注意点までを順に解説します。

目次

食洗機の取り付け方式は大きく3つ

食洗機の「取り付け」と一口に言っても、実際には次の3方式に分かれます。
まずは自分がどれを選ぶのかを決めるところから始めると、その後の準備が一気に整理されます。

方式給水のしかた取り付け作業向いている人
卓上型(分岐水栓式)キッチン水栓から分岐して自動給水分岐水栓の取り付けが必要毎日使う・持ち家・手間を減らしたい
卓上型(タンク式)本体のタンクに手で注水置いて電源を挿すだけ賃貸・工事を避けたい・使用頻度が中程度
ビルトイン型シンク下の給水管から直結専門業者による設置工事キッチンリフォーム時・省スペース重視

卓上型のなかでも、分岐水栓式とタンク式では準備の重さがまったく違います。
「工事なしで使いたい」ならタンク式、「毎回の注水が面倒」なら分岐水栓式、という分け方が最も分かりやすい判断軸です。

分岐水栓式が向くケース/向かないケース

分岐水栓式は、蛇口の途中に分岐用の金具を割り込ませ、そこから食洗機へホースで給水する方式です。
一度取り付けてしまえば、あとはボタンひとつで給水まで自動で行われます。
1日1〜2回以上動かす家庭では、この手間の差が使用頻度そのものを左右します。
反対に、週に数回しか使わない場合や、数年以内に引っ越す可能性がある場合は、部品代と工賃を回収しきれないこともあります。

タンク式が向くケース/向かないケース

タンク式は水道工事が一切不要で、コンセントに挿せばその日から使えます。
賃貸住宅で原状回復を気にしなくてよい点も大きな利点です。
ただし1回あたり数リットルを手で注ぐ必要があり、容量の関係で一度に洗える食器点数は分岐水栓式より少なめの機種が多くなります。
なお近年は、タンクからの給水と分岐水栓からの給水を切り替えられる「ハイブリッド型」も増えており、賃貸のうちはタンク式、持ち家に移ったら分岐接続、という使い方もできます。

取り付け前に必ず確認する4つのポイント

購入してから「置けなかった」「つながらなかった」となる失敗は、ほぼこの4点の確認漏れで起きています。

1. 設置スペース(幅・奥行き・高さ+開閉スペース)

本体の外寸だけを測って安心してしまうのが、最もよくある勘違いです。
食洗機はドアの開き方によって、前方または上方に追加のスペースが必要になります。

📎 出典:Panasonic|食洗機の取り付け方

確認するのは次の4点です。

  • 本体の幅・奥行き・高さ
  • ドアを開ききったときに必要な前面または上面のスペース
  • 背面の排気・放熱に必要な逃げ寸法(機種の据付説明書に記載)
  • 吊戸棚や換気扇との干渉の有無

とくに見落とされやすいのが3つ目です。
壁にぴったり寄せて設置すると、熱がこもって性能が落ちたり、変色の原因になったりすることがあります。

2. キッチン水栓の品番(分岐水栓式の場合)

分岐水栓は「食洗機用」であればどれでもよいわけではなく、いま付いている水栓の品番ごとに適合する部品が決まっています
メーカー各社が品番から適合品を検索できるページを用意しているため、購入前に必ずここで確認します。

📎 出典:Panasonic|分岐水栓ガイド

水栓の品番は、水栓の根元やレバーの下、ハンドルの裏側などにシールや刻印で記されていることが多い箇所です。
見つからない場合や、検索してもヒットしない場合は、分岐水栓メーカーの問い合わせ窓口で画像から特定してもらう方法もあります。

📎 出典:Panasonic FAQ|【卓上型】水栓に適合する食洗機用分岐水栓の調べ方は

なお、水栓によってはそもそも分岐水栓を取り付けられないタイプもあります。
その場合でも、シンク下の止水栓から分岐する、水栓ごと分岐口付きのものに交換する、タンク式に切り替える、といった選択肢が残ります。

3. 電源(アース付きコンセントかどうか)

食洗機は水を扱う電気製品のため、アース線の接続が必要です
キッチンにアース端子付きのコンセントがあるかを事前に確認してください。
アース端子がない場合、コンセントの増設や交換は電気工事士の資格が必要な作業となり、自分で行うことはできません。
また、延長コードやたこ足配線での使用は、消費電力の大きさから発熱の原因となるため避けてください。

4. 排水を流す場所

卓上型は、排水ホースの先をシンクに垂らして流すのが基本です。
ホースの先端がシンクの縁より高い位置で止まっていたり、途中で持ち上がって「谷」ができていたりすると、うまく排水されずエラーの原因になります。
ホースは常に下り勾配になるよう取り回します。

卓上型の取り付け手順

キッチンのシンク横に設置された卓上型食洗機に、食器やコップが収納されているイメージイラスト

タンク式であれば、置いて電源を挿し、排水ホースをシンクに垂らせば完了です。
ここでは手順の多い分岐水栓式について、流れを整理します。

  1. 水栓の品番を確認し、適合する分岐水栓を用意する
  2. シンク下の止水栓を閉め、水栓のレバーを開いて残圧を抜く
  3. 水栓の一部(カートリッジ押さえなど)を外し、分岐水栓を割り込ませる
  4. 分岐水栓を規定の向き・締め付けで固定する
  5. 止水栓を開け、接続部から漏れがないか数分間確認する
  6. 給水ホースを分岐水栓と本体につなぐ
  7. 本体を設置し、アース線を接続してから電源プラグを挿す
  8. 試運転し、給水・排水・接続部の状態を確認する

作業のなかで最も重要なのは、2番目の止水と5番目の漏水確認です。
止水せずに分解すると水が噴き出しますし、締め付け不足はその場では気づかず、数日後にシンク下が濡れて発覚するケースが少なくありません。

自分でやるか、業者に頼むかの判断基準

分岐水栓の取り付けは、条件がそろえば個人でも作業できます。
ただし、次のいずれかに当てはまる場合は、はじめから専門業者に依頼したほうが安全です。

状況判断
水栓の品番が特定できない/適合品が見つからない業者に相談
専用工具(カートリッジ外し等)が必要な水栓業者に依頼
集合住宅の2階以上、または階下に居室がある業者に依頼(漏水時の被害が大きい)
止水栓が固着して回らない業者に依頼
水栓自体の交換や、給水管からの分岐を伴う必ず業者

とくに最後の項目には法令上の理由があります。
給水管や給水用具に手を加える工事は「給水装置工事」にあたり、水道法に基づいて指定を受けた事業者でなければ施工できません。

📎 出典:大阪市水道局|給水装置の工事

蛇口の先端部品を替える程度の軽微な変更は対象外とされていますが、どこまでが軽微にあたるかは水道事業者ごとに扱いが異なります
判断に迷う場合は、お住まいの自治体の水道局に確認するのが確実です。

取り付け費用の目安

費用は方式によって大きく変わります。
下表は本体価格を除いた、取り付けに関わる費用の目安です。

内容費用の目安備考
タンク式の設置0円工事不要
分岐水栓(部品代)おおよそ7,000〜1万数千円水栓の品番により異なる
分岐水栓の取り付け工賃数千円〜1万円台業者・地域・水栓の状態による
水栓ごと交換数万円分岐不可の水栓の場合
ビルトイン設置工事数万円〜キャビネット加工の有無で変動

分岐水栓の部品代については、メーカーが希望小売価格を公開しており、7,000円台から9,000円前後の製品が中心となっています(取付工事費別)。

📎 出典:Panasonic|分岐水栓 寸法・価格一覧

工賃は水栓の状態や作業難度で変わるため、実際の金額は見積もりで確認してください。
なお、タンク式なら工事費がかからない分、本体価格の差を含めて総額で比較すると判断しやすくなります。

取り付け直後に起きやすいトラブルと確認箇所

設置が終わって最初の運転で不具合が出る場合、原因の多くは接続部の初歩的な見落としにあります。
故障を疑う前に、次の表の項目を先に確認してください。

症状確認するところ
給水されない・すぐ止まる分岐水栓のコックが開いているか、止水栓が閉まったままでないか
接続部から水がにじむパッキンの入れ忘れ・向き違い、締め付け不足
排水が残る・逆流する排水ホースが途中で持ち上がっていないか、先端がシンク内にあるか
運転中に本体が動く設置面の水平が出ているか、脚の高さ調整
洗い上がりが悪い給湯接続の有無、食器の入れすぎ、庫内の残さいフィルターの詰まり

とくに多いのがパッキンの入れ忘れと締め付け不足です。
締めた直後は問題がなくても、数日経ってからシンク下が湿っていて気づく、というケースがあります。
設置から1週間ほどは、接続部の下に乾いた雑巾やペーパーを敷いておくと、わずかな漏れを早い段階で発見できます。

また、洗い上がりについては「取り付けの失敗」と混同されがちですが、給水を水側から取っているか給湯側から取っているかで結果が変わることがあります。
分岐水栓には水側から分岐するものと、湯側から分岐できるものがあり、給湯接続にすると洗浄力が上がり運転時間も短くなる傾向があります。

賃貸住宅で食洗機を取り付けるときの注意点

卓上食洗機が置かれた賃貸住宅のキッチンで、蛇口に取り付ける分岐水栓を想像している人物のイラスト

賃貸で最も無難なのは、工事の発生しないタンク式です。
分岐水栓式を選ぶ場合も、退去時に元の水栓へ戻せるようにしておけば問題になりにくいのが一般的です。

押さえておきたいのは次の3点です。

  • 取り外した純正部品(カートリッジ押さえ、キャップ類)を必ず保管しておく
  • 作業前の状態を写真に残しておく
  • 水栓の分解を伴うため、事前に管理会社へ一報を入れておく

とくに1つ目は退去時に効いてきます。
小さな部品のため紛失しやすく、返却時に元に戻せず費用請求につながることがあります。

また、シンクの縁が狭いキッチンでは、食洗機本体を置くために専用ラックを使うケースもあります。

ビルトイン食洗機の取り付けについて

ビルトイン型は、シンク下のキャビネットに本体を組み込み、給水・排水・電源をすべて内部で接続します。
給水装置工事と電気工事の双方が絡むため、個人での設置はできません

新規に導入する場合は、キャビネットの一部を撤去して開口を作る必要があり、キッチンの構造によっては設置自体が難しいこともあります。
一方、すでにビルトイン食洗機が入っている場所への買い替えであれば、同じ幅(幅45cmまたは60cmが主流)の機種を選ぶことで工事は比較的短時間で済みます。
既存機からの入れ替えか、新規の後付けかで難易度が大きく変わる点は、見積もりを取る前に整理しておくとよいでしょう。

よくある質問

Q1. 分岐水栓の取り付けは自分でできますか?
水栓の品番に適合する分岐水栓が特定でき、専用工具が不要なタイプであれば、個人でも作業は可能です。
ただし止水栓を確実に閉めること、締め付け後に数分間かけて漏れを確認することが前提になります。
集合住宅の2階以上にお住まいの場合は、万一の漏水で階下に被害が及ぶため、業者に依頼するほうが安心です。
また、水栓そのものの交換や給水管からの分岐を伴う場合は、法令上、指定を受けた事業者による施工が必要です。

Q2. うちの水栓に分岐水栓が付けられるか、どうやって調べますか?
水栓本体の根元やレバー下、ハンドルの裏側に記載された品番を確認し、食洗機メーカーが公開している分岐水栓の検索ページに入力するのが確実です。
品番が読み取れない場合は、分岐水栓メーカーの問い合わせ窓口に水栓の写真を送って特定してもらう方法もあります。
検索して「取り付け不可」と表示された場合でも、止水栓からの分岐やタンク式への切り替えなど、別の選択肢が残っています。

Q3. 賃貸でも食洗機は使えますか?
使えます。
最も手軽なのは工事不要のタンク式で、置いてコンセントに挿すだけで使用できます。
分岐水栓式を選ぶ場合も、退去時に元の水栓へ復旧できれば問題にならないことが多いですが、水栓を分解する作業になるため、事前に管理会社へ相談しておくと安心です。
取り外した純正部品は退去まで必ず保管しておいてください。

Q4. アース線はつながないといけませんか?
食洗機は水を扱う電気製品のため、アース接続が必要です。
キッチンにアース端子付きのコンセントがない場合、コンセントの増設や交換は電気工事士の資格が必要な作業となり、自分で行うことはできません。
電気工事店や販売店に相談してください。
また、消費電力が大きいため、延長コードやたこ足配線での使用は避け、単独のコンセントから直接電源を取るようにしてください。

Q5. 引っ越し先でも同じ分岐水栓を使い回せますか?
使い回せるとは限りません。
分岐水栓は水栓の品番ごとに適合品が決まっているため、転居先の水栓が異なるタイプであれば、別の分岐水栓を用意し直す必要があります。
一方、給水ホース側の接続規格は国内メーカー間で共通化が進んでおり、食洗機本体を買い替えてもホースはそのまま使えるケースが多く見られます。
転居が決まっている場合は、この点でもタンク式のほうが持ち運びやすい選択肢といえます。

まとめ

食洗機の取り付けは、方式の選択でほぼ決まります。
工事を避けたいならタンク式毎日の手間を減らしたいなら分岐水栓式キッチンごと整えるならビルトイン型という整理になります。

購入前に確認すべきなのは、設置スペース(ドアの開閉分を含む)、水栓の品番、アース付きコンセントの有無、排水の取り回しの4点です。
このうちひとつでも不明なまま購入すると、届いてから設置できないという事態になりかねません。

分岐水栓の取り付けは条件がそろえば自分でも作業できますが、止水と漏水確認を確実に行うことが前提です。
水栓の交換や給水管からの分岐が必要になる場合は、法令上も専門業者の領域になります。
迷ったときは無理をせず、施工を依頼したうえで安心して使い始めることをおすすめします。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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