自動お湯はりを始めたのに、いつまで経っても終わらない。
気づいたらリモコンに032や562と表示されて止まっていた。
これらは、機器が「お湯はりが正常に進んでいない」と判断して運転を打ち切った状態です。
ここで知っておくと理解が早くなることがあります。
石油給湯器は、浴槽に何リットル溜まったかを直接目で見ているわけではありません。
水位の変化や流れた量から、間接的にお湯はりの進み具合を判定しています。
だからこそ、栓が少し漏れているだけでも、給水がわずかに細いだけでも「終わらない」という結果になります。
この記事では、その判定の仕組みから032・562・E0の原因を解き、あわせて逆に「残り湯がある」ことを検知する002・P6・C0も整理します。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 給湯の可否 |
|---|---|---|
| 032 | 排水栓抜け・おゆはり時間超過の検知 | 運転停止 |
| 562 | お湯はり量が測定できない | 運転停止 |
| E0 | 機種により排水栓抜け・湯張り時間超過、または油切れ予告 | 表示により異なる |
| C1 | 浴槽排水栓抜けの検知 | 給湯は使用可能 |
| 002 | 設置後の初回お湯はり時のふろ残り湯検知 | 警告表示 |
| P6 | 機種によりふろ残り湯検知、またはリモコンの後つなぎ | 表示により異なる |
| C0 | 洗浄運転時の残り湯検知 | 給湯は使用可能 |
大きく2つのグループに分かれる
同じお湯はりに関するコードでも、機器が検知しているものは正反対です。
| グループ | 検知していること | 該当コード |
|---|---|---|
| 終わらない | 規定量・規定時間でお湯はりが完了しない | 032・562・E0・C1 |
| 残り湯がある | 空であるべきときに水が入っている | 002・P6・C0 |
前者は「増えるはずのものが増えない」、後者は「無いはずのものがある」という検知です。
対処もまったく違うため、まずどちらのグループかを確認してください。
なぜ「終わらない」と判定されるのか
自動お湯はりでは、機器は設定水位まで湯を送り、そこで停止します。
このとき参照しているのは、浴槽側の水位と、送り出した湯の量です。
したがって次の状況が起きると、機器は完了を判定できません。
- 湯は流れているのに水位が上がらない:排水栓から抜けている
- 規定時間を過ぎても終わらない:給水量が足りない、または浴槽が大きすぎる
- 流量そのものが測れない:給水が来ていない
「終わらない」という結果は同じでも、原因は浴槽側と給水側のどちらにもあり得ます。
032とE0は浴槽側、562は給水側に重心があると考えると整理しやすくなります。
032・E0の確認事項
長府は032について、次の3点を確認するよう案内しています。
E0(排水栓抜け・湯張り時間超過を意味する機種の場合)は、これに止水栓の閉止が加わります。
| 確認事項 | 見るところ |
|---|---|
| 排水栓抜け(閉め忘れ・漏れ) | 栓が閉まっているか、じわじわ漏れていないか |
| 浴槽選定ミス(容量過多) | 浴槽が大きすぎないか |
| 循環口取付位置不良 | 施工時の取り付け高さが適切か |
| 止水栓の閉止(給水量不足)※E0 | 給水側の栓が絞られていないか |
浴槽の容量には上限がある
見落とされやすいのが浴槽の容量です。
長府は「容量過多(400L以上不可)」を確認事項として明記しています。
取扱説明書の仕様表でも、基準浴そうは有効水量200〜300L、最大400Lまでと記載されています。
これを超える浴槽では、規定時間内にお湯はりが完了しない可能性があります。
浴室のリフォームで浴槽を大きくしたあとに032が出はじめたなら、この点が疑われます。
機器の故障ではなく、組み合わせの問題です。
循環口の取付位置
循環口の高さが適切でないと、水位の判定がずれます。
これは施工に起因するもので、利用者側で直せるものではありません。
設置直後やリフォーム直後から032が続いているなら、施工した業者に確認してもらってください。
排水栓の「漏れ」は気づきにくい
確認事項のなかで、もっとも実際に多いのが排水栓です。
閉め忘れは、湯が溜まらないのですぐ気づきます。
やっかいなのは、閉めているつもりで少しずつ漏れているケースです。
確認のしかた
- 浴槽に湯を張り、水面の位置を覚えておく
- そのまま30分から1時間ほど置く
- 水面が下がっていないか確認する
目に見えて下がるなら、栓の劣化または異物のかみ込みが起きています。
ゴムパッキンは経年で硬化し、密着しなくなります。
ワンプッシュ式や押しボタン式の排水栓では、内部機構の劣化で完全に閉まらなくなることもあります。
なお、排水栓の抜けを単独で検知するC1というコードもあります。
こちらは給湯は使用可能で、確認事項は排水栓の洩れです。
562は給水側を見る
562の確認事項は、032とはまったく違います。
長府が挙げているのは、断水・給水栓の閉止・ストレーナーのゴミ詰まりといった給水不良です。
つまり「お湯はり量が測定できない」というのは、浴槽の問題ではなく、そもそも十分な水が来ていないという意味になります。
確認すること
- 断水していないか:工事や事故で断水していなかったか
- 給水元栓が全開か:中途半端に開いていると流量が落ちます
- 水フィルタが詰まっていないか:ゴミが溜まるとお湯の出が悪くなります
水フィルタの掃除は、給水元栓を閉め、屋内の給湯栓を1か所開けてから外し、歯ブラシなどで行います。
なお一部の機種には水フィルタが搭載されていません。
流量が落ちる原因は他にもあります。
考え方はエコキュートの水圧が弱い原因と対処法とは?|シャワーを強くする5つの方法も参考になります。
002・P6・C0は「残り湯がある」ことの検知
こちらは逆の状況です。
設置後の初回は浴槽を空にする
長府は002について、初めてのふろ自動開始時におふろに水が入っている状態だと説明しています。
そして取扱説明書では、設置後最初に行うふろ自動は、おふろに水がない状態で行ってくださいと明記されています。
理由は、機器がそのときの動作をもとに基準を作るためです。
残り湯があると正しい基準が取れません。
解除の手順
- 浴槽の残り湯を全部捨てる
- 台所リモコンの運転スイッチをOFF/ONして警報を解除する
- ふろ試運転(ふろ自動)を再実行する
排水栓が閉まっていることも忘れずに確認してください。
P6は機種で意味が変わる
| 対象機種 | P6の意味 |
|---|---|
| KIB-382AJ、384EAG、384SAG | 浴室リモコンの後つなぎによる運転停止 |
| 上記以外 | 設置後の初回お湯はり時のふろ残り湯検知 |
後つなぎであれば、リモコンを接続した状態で電源コンセントを入れ直すことになります。
まったく別の対処になるため、機器前パネルの銘板で型名を確認してください。
C0は洗浄運転時
C0は、洗浄運転を行おうとしたときに浴槽の残り湯を検知したものです。
給湯は使用可能で、浴槽の残り湯を排水すれば解消します。
長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
故障ではないケース
エラーが出ていない場合、次は故障ではないと長府が案内しています。
- 冬はお湯はりに時間がかかる:お湯はり時間は給水温度によって変わり、夏は短く冬は長くなります
- 残り湯があると長くなる:お湯はりを中断するため、沸き上げ時間が延びることがあります
- シャワーを使うと中断する:お湯はり中にシャワーやじゃ口でお湯を使用すると、お湯はりを中断することがあります
- 入浴すると水位が変わる:お湯はり終了前に入浴すると、設定どおりの水位になりません
「最近お湯はりが遅い気がする」という感覚は、季節の影響であることが少なくありません。
症状の切り分けについてはオール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説の考え方も参考になります。
これは故障のサインです
ひとつだけ、様子を見てはいけない症状があります。
長府は、おふろに関する動作中以外でおふろの水位が上昇する場合、機器の故障が考えられるとしています。
そのうえで、リモコンの運転スイッチを「切」にし、電源プラグを抜いて販売店に連絡するよう求めています。
これは異常・故障時使用禁止の項目にも挙げられている内容です。
お湯はりも追いだきもしていないのに浴槽の水が増えていくなら、直ちに運転を止めてください。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 排水栓を閉め忘れていた | 閉めて再運転。自分で対処可能 |
| 湯を張って放置すると水位が下がる | 排水栓の劣化。部品交換を検討 |
| リフォームで浴槽を大きくした | 容量400L以上は対象外。業者に相談 |
| 設置直後から032が続く | 循環口の取付位置。施工業者に確認 |
| 断水や給水工事があった | 復旧後に再運転する |
| 給水元栓が全開でなかった | 全開にして再運転 |
| 水フィルタにゴミが詰まっていた | 掃除して再運転 |
| 設置後はじめてのふろ自動で002が出た | 残り湯を捨て、空の状態で再実行 |
| P6が出た | 銘板で型名を確認。残り湯か後つなぎかで対処が変わる |
| 動作していないのに水位が上がる | 直ちに運転を止め、販売店に連絡する |
よくある質問
Q1. 032が出ましたが、排水栓は閉めていました。なぜですか?
閉めていても、わずかに漏れている可能性があります。
ゴムパッキンは経年で硬化し、密着しなくなります。
浴槽に湯を張って30分から1時間ほど置き、水面が下がるかを確認してみてください。
下がるようであれば栓の劣化か異物のかみ込みです。
なお032の確認事項には、浴槽の容量過多や循環口の取付位置不良も挙げられているため、リフォームや設置の直後であればそちらも疑ってください。
Q2. 浴槽の大きさは関係ありますか?
関係します。
長府は032の確認事項として、浴槽選定ミス(容量過多400L以上不可)を挙げています。
取扱説明書の仕様表でも、基準浴そうは有効水量200〜300L、最大400Lまでと記載されています。
これを超える浴槽では、規定時間内にお湯はりが完了しない可能性があります。
浴室リフォームで浴槽を大きくしたあとに出はじめたなら、機器の故障ではなく組み合わせの問題です。
Q3. 032と562はどう違うのですか?
見ている場所が違います。
032は排水栓抜けや湯張り時間超過で、確認事項も排水栓・浴槽容量・循環口取付位置と浴槽側に集中しています。
一方の562はお湯はり量が測定できない状態で、確認事項は断水・給水栓の閉止・ストレーナーのゴミ詰まりといった給水不良です。
どちらも「お湯はりが終わらない」という結果になりますが、032は浴槽側、562は給水側から確認してください。
Q4. 設置したばかりで002が出ました。故障ですか?
故障ではありません。
002は、設置後はじめてのふろ自動を行う際に浴槽に水が入っていることを検知したものです。
長府は、設置後最初に行うふろ自動は浴槽に水がない状態で行うよう案内しています。
浴槽の残り湯を全部捨て、排水栓が閉まっていることを確認したうえで、運転スイッチをOFF/ONして警報を解除し、あらためてふろ自動を実行してください。
Q5. 冬になってお湯はりが遅くなりました。異常でしょうか?
異常ではない可能性が高いです。
長府は、お湯はり時間は給水温度の違いによって変わり、夏期は短く冬期は長くなると案内しています。
冬は水道水の温度が下がるため、同じ量を同じ温度にするのに時間がかかります。
また残り湯があるときや、お湯はり中にシャワーやじゃ口でお湯を使ったときも、お湯はりを中断するため時間が延びます。
エラーが表示されていなければ、まず季節の影響を疑ってください。
まとめ
032・562・E0・C1は、お湯はりが規定どおりに完了しないことを示します。
機器は水位と流量から進み具合を判定しているため、栓のわずかな漏れや給水量の不足でも「終わらない」という結果になります。
032とE0は浴槽側です。
排水栓の閉め忘れや漏れ、浴槽の容量過多、循環口の取付位置不良を確認してください。
浴槽は有効水量200〜300L、最大400Lまでが基準です。
562は給水側です。
断水、給水元栓の開き具合、水フィルタの詰まりを確認します。
002・P6・C0は逆に、空であるべきときに残り湯があることの検知です。
設置後はじめてのふろ自動は、浴槽を空にした状態で行う必要があります。
そして、お湯はりも追いだきもしていないのに水位が上昇する場合だけは別です。
機器の故障が考えられるため、直ちに運転を止めて販売店に連絡してください。

