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ガスファンヒーターとは?仕組みとメリット・デメリット、選ぶ前の確認点

ガスファンヒーターの仕組み、メリット・デメリット、選ぶ前の確認点を紹介するサムネイル
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

ガスファンヒーターは、都市ガスまたはプロパンガス(LPガス)を燃やして温風を出す暖房機です。
灯油を入れるタンクがなく、ガス栓にガスコードをつないで使います。
給油の手間がなく、スイッチを入れるとすぐに温風が出る一方で、ガス栓の位置や換気に気をつける必要があります。

この記事では、ガスファンヒーターの仕組みと、灯油・電気との違い、メリットとデメリット、買う前に確認することを整理します。
暖房の値段や光熱費は、お住まいのガスの種類と料金プランで変わるため、金額ではなく、考え方と確認の順番を中心に書きます。

目次

結論:ガスファンヒーターは「ガス栓がある部屋」で、給油なしに使える暖房

ガスファンヒーターの基本は、次の三つです。
ガスで燃やす、ファンで温風を送る、室内の空気で燃やして排気も室内に出す、という作りです。
最後の点は、灯油の石油ファンヒーターと同じ「開放式」にあたります。

項目ガスファンヒーター
熱源都市ガスまたはLPガス
燃料の補給不要(ガス栓から供給される)
空気と排気室内の空気を使い、排気も室内に出す(開放式)
電源必要(ファンと点火に電気を使う)
置ける場所ガス栓とコンセントに、ガスコードと電源コードが届く範囲
向いている部屋ガス栓があるリビングや居間

灯油を買いに行く、運ぶ、給油するという作業がなくなるのが、ガスファンヒーターを選ぶ人の一番の理由です。
その代わり、ガス栓がない部屋では使えず、移動できる範囲もコードの長さで決まります。

ガスファンヒーターの仕組み

ガスファンヒーターの中では、次の順番で温風が作られます。

順番動き役割
1ガス栓からガスコードでガスが送られる燃料の供給
2電気の火花でバーナーに点火する点火
3バーナーでガスを燃やす熱を作る
4ファンが室内の空気を取り込み、熱で温めて吹き出す温風を送る
5燃えたあとのガスが室内に出る排気

石油ファンヒーターは、灯油を気化させてから燃やします。
ガスファンヒーターは、もともと気体のガスをそのまま燃やすので、燃料を気化させる工程がありません。
この違いが、点火から温風が出るまでの早さに表れます。
ガスファンヒーターは、灯油より立ち上がりが早い機種が多い傾向にあります。

また、ガスファンヒーターにも電気が必要です。
点火の火花を出す装置と、ファンを回すモーターが、電気で動くためです。
そのため、停電のときは使えません。
停電時の暖房の備えは、停電時の暖房の備えの記事で整理しています。

都市ガス用とLPガス用は、機種が分かれている

ガスファンヒーターを選ぶときに、いちばん注意したいのが、ガスの種類です。
ガスには、都市ガスとLPガス(プロパンガス)があり、それぞれ性質が違います。
同じ量を燃やしたときの熱の大きさや、燃やすために必要な空気の量が違うため、バーナーの設計も別になります。

ガスの種類主な供給のされ方機種
都市ガス地域の配管で供給される都市ガス用(12A・13Aなどの区分がある)
LPガスボンベ(容器)や供給設備から供給されるLPガス用

機種は、使うガスに合ったものを選びます。
本体のラベルや箱に、使えるガスの種類が書かれています。
都市ガス用の機種をLPガスで使うこと、またはその逆は、できません。
ガスの種類が合わないと、正常に燃えず、不完全燃焼や異常燃焼の原因になります。

引っ越しをするときは、新居のガスの種類が前の住まいと同じかどうかも確認してください。
都市ガスの地域からLPガスの地域へ引っ越す場合などは、今までのガスファンヒーターが使えなくなります。
ガスの種類は、検針票や契約書、ガス会社への問い合わせで確認できます。

ガスコードでつなぐ。ゴム管は使えない

ガスファンヒーターは、ガス栓と本体を、専用のガスコードでつないで使います。
ガスコードは、ガスの通り道になる部品なので、機器に合ったものを選ぶことが大切です。

ガスファンヒーターの接続には、ガスファンヒーター用に作られたガスコードやガスホースを使います。
ゴム管を直接つなぐ方法は、使えません。
接続部が合っていないと、ガスが漏れたり、外れたりするおそれがあります。
接続口の形に合った専用のコードを選び、しっかり差し込んで、ゆるみがないことを確認します。

確認すること内容
ガス栓の形ガスコードを差し込めるタイプか
コードの長さガス栓から置きたい場所まで足りるか。余裕がありすぎて足に引っかからないか
劣化ひび、硬くなっている、変色がないか
接続差し込みが奥まで入り、ゆるみがないか

ガスコードの選び方や外し方は、別の記事で詳しく整理していきます。
コードが古くなっているときは、ひびや傷がなくても、交換の時期を考えてください。

メリット:給油の手間とにおいの少なさ

ガスファンヒーターには、灯油にはない利点があります。

メリット理由
給油が不要ガス栓から燃料が届くので、運ぶ・入れる作業がない
灯油のにおいが少ない灯油の保管や給油のにおいが出ない
立ち上がりが早い傾向気体のガスをそのまま燃やすので、点火からの時間が短い
灯油の保管場所がいらないポリタンクを置く場所が不要
燃料切れがないガスが供給されている限り、途中で切れない

特に、灯油の運搬が負担になる高齢の家庭や、集合住宅でベランダに灯油を置きたくない家庭で、選ばれることが多い暖房です。
灯油の残りや処分に悩む心配がないのも、毎年の手間を減らします。

デメリット:ガス栓、換気、停電

反対に、ガスファンヒーターならではの弱点もあります。

デメリット理由と対策
ガス栓がない部屋では使えないガス栓の増設は、ガス事業者または有資格者に依頼する
移動範囲がコードの長さで決まる長すぎるコードは、足に引っかかるので避ける
換気が必要開放式で、室内の空気を使って燃やすため
停電のとき使えない点火とファンに電気を使うため
水蒸気が出るガスが燃えると水蒸気が出るため、窓に結露が出やすい
ガス代がかかる都市ガスかLPガスか、契約によって単価が違う

特に、換気は欠かせません。
開放式のガスファンヒーターは、室内の酸素を使って燃やし、燃えたあとのガスを室内に出します。
窓を閉め切って長時間使うと、酸素が減り、一酸化炭素が増えるおそれがあります。
換気の考え方は、石油ファンヒーターと共通していますので石油ファンヒーターの換気の記事も参考にしてください。

また就寝中や、長時間その場を離れるときは、必ず消火してください。
ガス栓の近くで、カーテンや衣類が本体に近づいていないかも、使用前に確認します。

石油・電気ファンヒーターとの違い

スクロールできます
項目ガスファンヒーター石油ファンヒーター電気ファンヒーター(セラミック)
燃料・電源ガスと電気灯油と電気電気のみ
補給の手間なし給油が必要なし
設置場所の条件ガス栓が必要電源があれば置けるコンセントがあれば置ける
換気必要必要燃焼がないので、燃焼のための換気は不要
停電時使えない使えない使えない
水蒸気出る出る出ない

どの暖房も、停電のときは使えません。
その中で、ガスファンヒーターは、燃料を運ぶ手間をなくしたい人に向いています。
石油ファンヒーターとの違いは、燃料の運搬と保管の手間と、設置場所の自由度にあります。
石油ファンヒーターを賃貸で使う場合の考え方も、あわせて知っておくと、暖房選びの比較に役立ちます。

ガス代の考え方

ガスファンヒーターのガス代は、機種のガス消費量と、お住まいのガス単価の掛け算で決まります。
1時間あたりのガス代は、機種のラベルやカタログに書かれたガス消費量と、検針票に書かれたガスの単価から計算できます。

調べること調べる場所
機種のガス消費量本体のラベル、カタログの仕様欄
ガスの単価ガスの検針票、料金表
運転時間自分の使い方(1日何時間か)

LPガスは、同じLPガスでも、供給する事業者によって料金が違います。
基本料金と従量単価の組み合わせが事業者ごとに決まっているためです。
気になる場合は、検針票の単価を確認し、電気や灯油と比べる前に、自分の契約の数字を知ることから始めてください。
ガスファンヒーター自体の寿命は、ガスファンヒーターの寿命の記事で整理しています。

使い方の基本と、機種に備わる安全機能

使い方の流れは、石油ファンヒーターよりも単純です。
給油がないぶん、点火前の確認がそのまま安全につながります。

順番することと、その理由
1本体のまわりに燃えやすい物がないか見る。温風と本体が熱くなるため
2ガスコードの差し込みとゆるみを確認する。ガス漏れを防ぐため
3電源プラグを差し、ガス栓を開ける。点火に電気とガスの両方が必要なため
4運転スイッチを入れる。自動で点火し、少し遅れて温風が出る
5使い終わったら運転を止め、ガス栓を閉める。ガスの出しっぱなしを防ぐため

ガスファンヒーターには、機種によって、次のような安全機能が備わっています。
炎が消えたときにガスを止める機能、転倒したときに止まる機能、室内の換気が足りないときに知らせる機能などです。
搭載している機能は機種ごとに違うので、買うときに取扱説明書やカタログで確認してください。
安全機能があっても、換気と消火の習慣は不要になりません。

ガスストーブ・ガスFF暖房機との名前の違い

ガスの暖房には、ガスファンヒーターのほかにも、似た名前の機械があります。
買うときに取り違えないよう、整理しておきます。

名前特徴置き方
ガスファンヒーター室内の空気で燃やし、室内に排気する開放式ガス栓にコードをつなぎ、置いて使う
ガスストーブガスで暖める暖房機の総称。ファンのないタイプもあるガス栓にコードをつなぐ
ガスFF暖房機屋外の空気で燃やし、排気も屋外へ出す密閉式壁に給排気筒を通す工事が必要

ガスFF暖房機は、石油のFF式と同じ考え方の機械です。
換気の手間を減らしたい人には向いていますが、工事が必要になります。
ガスファンヒーターは、置いて使う手軽さが特長で、換気は自分で行います。

選ぶ前のチェックリスト

チェック項目確認方法
使うガスの種類検針票・契約書・ガス会社
ガス栓の有無・形置きたい部屋の壁や床を確認
ガス栓から置き場所までの距離メジャーで測って、コードの長さを選ぶ
暖房の目安(畳数)木造・コンクリートの欄を、住まいの構造で確認
コンセントの位置電源コードが届くか
換気のしやすさ窓を開けやすい位置か
賃貸の場合ガス栓の増設の可否

よくある質問

Q1. ガスファンヒーターは、都市ガスとプロパンのどちらでも使えますか?

機種ごとに、使えるガスの種類が決まっています。
都市ガス用の機種はLPガスで使えず、LPガス用の機種は都市ガスで使えません。
購入前に、本体のラベルで使えるガスを確認してください。

Q2. ガスファンヒーターは換気が必要ですか?

必要です。
室内の空気を使って燃やし、排気も室内に出す開放式のためです。
窓を閉め切らず、定期的に換気してください。

Q3. ガスファンヒーターは停電でも使えますか?

使えません。
点火の火花とファンを動かすために、電気が必要です。

Q4. ガスコードの代わりにゴム管を使えますか?

使えません。
ガスファンヒーターは、専用のガスコードやガスホースで、ガス栓と接続します。
接続部が合っていないと、ガス漏れや外れの原因になります。

Q5. ガス栓がない部屋でも使えますか?

そのままでは使えません。
ガス栓を増やす工事が必要で、ガス事業者または有資格者に依頼します。
賃貸では、貸主や管理会社の許可が必要です。

まとめ

ガスファンヒーターは、ガス栓にガスコードをつなぎ、給油の手間なく温風を出す、開放式の暖房機です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
仕組みガスを燃やし、ファンで温風を送る。室内の空気を使う開放式
ガスの種類都市ガス用とLPガス用は別。互換性はない
接続専用のガスコード。ゴム管は使えない
メリット給油が不要。灯油のにおいが少ない。立ち上がりが早い傾向
デメリットガス栓が必要。換気が必要。停電時は使えない
費用の考え方ガス消費量と、検針票の単価で計算する

まずは、置きたい部屋にガス栓があるか、そのガスが都市ガスかLPガスかを確認してみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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