お湯が沸かず、リモコンに「U19」や「P16」と表示されている。
設置したばかりなのに一度もわき上げができていない、あるいは冬になってから急に出るようになった。
そんな状況で困っていませんか。
この3つのコードは、貯湯ユニットとヒートポンプユニットをつなぐ配管の中で、水が正しく循環できていない状態を示しています。
ただし、疑うべき原因は状況によってまったく変わります。
据付直後なのか、冬の朝なのか、何年も使ってきた機器なのか。
この記事では、その3方向の切り分けから、自分で確認できる範囲、連絡先の使い分けまでを整理します。
3つのコードが示していること
三菱電機の公式FAQでは、それぞれ次のように案内されています。
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| P16 | ヒートポンプ配管逆接続 |
| P36 | 熱源ポンプ異常、HP循環ポンプ異常 |
| U19 | ヒートポンプ配管循環不良 |
エコキュートは、貯湯ユニットのタンクから水を送り出し、屋外のヒートポンプユニットで温めて、再びタンクへ戻すという往復を繰り返しています。
この往復を担っているのがヒートポンプ配管と、水を押し出す熱源ポンプ(HP循環ポンプ)です。
配管が塞がっていても、ポンプが回らなくても、結果は同じです。
水が回らなければ熱を運べず、わき上げは成立しません。
まず「いつから出ているか」で切り分ける
原因の見当は、この一点でほぼ絞れます。
| 状況 | 疑わしい原因 |
|---|---|
| 設置・工事から日が浅い | エア抜き不足、配管の逆接続、配管サイズ、異物の混入 |
| 気温が氷点下になった朝 | ヒートポンプ配管の凍結 |
| 何年も問題なく使えていた | 配管のつまり、水漏れ、つぶれ、ポンプの劣化 |
同じ表示でも、据付直後と10年目では意味がまったく違います。
まずここを思い出してから、該当する項目を読んでください。
据付直後に出た場合
U19は、公式FAQで「初めてお使いになられるとき」のカテゴリーにも収録されています。
設置してから一度もわき上げができていない状態で出やすいコードということです。
公式に挙げられている確認点は次のとおりです。
- ヒートポンプ配管のエア抜きが不足していないか
- 配管が据付工事説明書に記載されたサイズであるか
- 配管に止水栓、水漏れ、つぶれ、つまり、逆接続がないか
- 工事中にシールパッキンや砂などが混入していないか
P16の「逆接続」は、配管の極性、つまり往きと戻りが入れ替わって接続されている状態を指します。
これは施工のやり直しが必要で、利用者側では直せません。
エア抜き運転について
初めて使うときのU19については、公式に手順が示されています。
貯湯ユニットの電源を切り、すべての蛇口(湯水混合栓)を閉めて機器を満水にし、満水後に電源を入れてエア抜き運転を実施する、という流れです。
ただし機器によって操作が異なると明記されています。
手順や操作方法は、取扱説明書の「使いはじめ(準備)」の項目で確認してください。
据付直後のエラーは、そもそも利用者が自力で解決すべきものというより、据付工事を行った販売店に連絡すべきサインです。
配管サイズや接続の向きは、工事の範囲だからです。
冬季に出た場合|配管の凍結
外気温が氷点下まで下がった朝に表示された場合、ヒートポンプ配管の凍結が疑われます。
配管内の水が凍れば、当然ながら循環できません。
対処は、気温が上がって自然に解凍するのを待つことです。
解凍後にエラー解除を行えば、そのまま使えるようになることがあります。
凍結した配管に熱湯をかけるのは避けてください。急激な温度変化で配管や継手が破損する恐れがあり、跳ね返った熱湯によるやけどの危険もあります。
毎年のように凍結でエラーが出る場合は、保温材の状態など設置状態そのものの見直しが必要なこともあります。
公式でも、凍結が心配される地域の方は販売店に凍結対策を相談するよう案内されています。
P36|熱源ポンプ(HP循環ポンプ)の異常
P36は、配管ではなく水を押し出すポンプ側の異常を示すコードです。
公式のエラー内容には、機種によってはおふろの保温・追いだきやわき上げもできない可能性があると記載されています。
影響が給湯だけにとどまらない点で、生活への負担が大きくなりやすいコードです。
対処方法は条件付きで分かれています。
| 条件 | 対処 |
|---|---|
| 使用開始後1週間以内 | エラー解除を試す |
| 解除しても再表示する | 点検を依頼する |
解除方法の例として、台所リモコンの「日時設定スイッチ」と「給湯温度▼スイッチ」を3秒以上同時に押す操作が示されています。
ただし解除方法は機種によって異なると明記されているため、この操作で解除できない場合は販売店に相談するか据付工事説明書を確認してください。
何年も使ってきた機器の場合、この解除手順の対象外です。
ポンプの経年劣化が疑われるため、点検の依頼に進んでください。
自分で確認できることとできないこと
利用者側でできるのは、目視の確認までです。
| できること | できないこと |
|---|---|
| 配管の保温材が破れて露出していないか見る | 配管内部のつまりの確認 |
| 配管の下や足元が濡れていないか見る | 接続の向き(極性)の確認 |
| 配管が踏まれて潰れていないか見る | 配管サイズの適否の判断 |
| 気温と発生日を記録する | ポンプやカバー内部の点検 |
ヒートポンプユニットのカバーを開けての確認は、感電と冷媒噴出の危険があるため行わないでください。
配管の状態に異常が見つかった場合も、自分で補修しようとせず販売店に連絡してください。
生活への影響
わき上げができない状態では、タンクに残っているお湯は使えますが、使った分は補充されません。
残湯量表示を見ながら、入浴や食器洗いなど必要な用途に優先的に回してください。
残湯が少なくなると水道水を混ぜる割合が増え、お湯の温度も勢いも不安定になります。
この症状を機器の別の不調と思い込んでしまうことがあるため、切り分けにはエコキュートの水圧が弱い原因と対処法とは?|シャワーを強くする5つの方法も参考になります。
点検を依頼するときに伝えること
- 表示されているコード(複数出ていればすべて)
- 設置してからどれくらい経っているか
- 最初に出た日と、その日の気温
- エラー解除を試したか、その結果どうだったか
- 貯湯ユニット正面の形名表示と製造年
公式の案内では、点検を依頼する際に給水配管専用止水栓を閉じるよう求められています。
連絡先は、据付直後であれば据付工事を行った販売店です。
配管サイズや接続の向きは工事の範囲なので、メーカーの修理窓口より先に工事店へ連絡するほうが話が早く進みます。
なお、同じ循環不良でも、センサーが検知した数値の異常としてCから始まるコードで表示されることがあります。
たとえば三菱エコキュート エラーC21の詳しい解説で扱っているC21は、循環できていない結果として温度の異常を検知したコードです。
表示が違っても、確認する場所は同じ配管まわりです。
修理と交換の判断
配管の補修やポンプの交換であれば、部品があれば1回の訪問で終わることが多い修理です。
判断が分かれるのは、設置からの年数です。
熱源ポンプは運転のたびに動き続ける部品なので、経年での劣化は避けられません。
設置から10年前後が経過していると、補修用部品の入手が難しくなるうえ、ほかの部位も同時期に寿命を迎えていることが多くなります。
修理費用と交換費用を並べて比較する考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングで整理していますので、見積もりが出たタイミングで参考にしてください。
よくある質問
Q1.設置したばかりで、一度もお湯が沸きません。
U19が表示されているなら、エア抜き不足や配管の接続に関わる可能性が高い状態です。
公式にも「初めてお使いになられるとき」の項目としてU19が収録されています。
取扱説明書の「使いはじめ(準備)」を確認したうえで、据付工事を行った販売店に連絡してください。
配管サイズや接続の向きは工事の範囲なので、工事店に見てもらうのが最短です。
Q2.エア抜き運転は自分でやってもいいですか。
公式に手順が示されているため、取扱説明書に従って行うこと自体は可能です。
ただし操作方法は機種によって異なり、満水にする手順や電源の入切も絡みます。
説明書が手元にない場合は、無理に進めず販売店に相談してください。
据付直後であれば、工事店に実施してもらうほうが確実です。
Q3.P16は必ず配管の逆接続が原因ですか。
コード名は「ヒートポンプ配管逆接続」ですが、公式のエラー内容には冬季の凍結やエア抜き不足の可能性も併記されています。
つまり、逆接続だけを指しているわけではありません。
長年問題なく使えていた機器に出た場合、配管の向きが途中で変わることはないため、凍結やつまりを先に疑うのが妥当です。
据付直後であれば、逆接続の可能性を工事店に確認してもらってください。
Q4.P36が出て、追いだきもできなくなりました。
公式のエラー内容にも、機種によっては保温・追いだきやわき上げもできない可能性があると記載されています。
熱源ポンプが止まると、お湯を循環させる動作全般に影響が及ぶためです。
使用開始から1週間以内でなければ解除の対象外なので、点検を依頼してください。
残湯があるうちに段取りを進めておくと、生活への影響を抑えられます。
Q5.毎年冬になると出ます。買い替えるしかないですか。
気温が上がると解消し、春から秋は問題なく使えているのであれば、部品の故障ではなく凍結が原因の可能性があります。
この場合、買い替えても設置環境が同じなら同じことが起きかねません。
保温材の状態や配管の取り回しを見直すことで改善する場合があるため、まずは販売店に凍結対策を相談してください。
毎冬お湯が使えない日が出るのは、生活面でも負担の大きい状態です。
まとめ
P16・P36・U19は、ヒートポンプ配管の中で水が循環できていない状態を示すコードです。
確認の順番は共通しています。
- 「いつから出ているか」で据付直後・冬季・経年の3方向に切り分ける
- 据付直後なら、エア抜き不足・逆接続・配管サイズ・異物の混入を疑う。連絡先は据付工事店
- 冬季なら解凍を待つ。熱湯はかけない
- P36は使用開始後1週間以内のみエラー解除が案内されている
- 配管の目視確認はできるが、カバーを開けての点検はしない
- 再表示するなら、給水配管専用止水栓を閉じて点検を依頼する
据付直後か、長く使ってきた機器か。
その一点で、連絡すべき相手まで変わります。

