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2階でオイルサーバーを使う条件とは?|灯油の自動給油と配管の注意点

屋外の灯油タンクから2階のオイルサーバーへ灯油を送るイメージと、各階の暖房機を描いたイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

灯油ストーブを2階で使いたいけれど、灯油缶を持って階段を上がるのは大変。
そんなときに役立つのが、1階の灯油タンクから2階の暖房機へ、灯油を自動で送るオイルサーバーです。
ただし、2階で使うには、機種の性能と、設置の高さ、配管の形に条件があります。条件を満たさないと、灯油が届かなかったり、灯油が溢れたりするおそれがあります。
オイルサーバーの基本はオイルサーバーとは?仕組み・動かない時の確認・呼び油の必要性で解説しています。この記事では、2階で使うための条件に絞って解説します。

  • 2階へ灯油を送る仕組みと、押し出す機器ではないという点
  • 揚程や落差、配管の長さなどの目安
  • 戻り配管の重要性と、配管の分岐の注意点
目次

結論|「吸い上げる高さ」と「暖房機への落差」の両方を満たす

オイルサーバーは、灯油タンクから本体まで吸い上げ、本体から暖房機へは落差で送る機器です。本体は、暖房機より高い位置に設置する必要があります。

項目内容(サンポットの取扱説明書の例)
吸い上げ(揚程)油タンクの流出口から本体下面まで最高10m
暖房機との落差2m以下
配管全長油タンクから本体まで50m以下
本体の位置油タンクより下には取り付けない

2階へ灯油を送る仕組み

油タンクとオイルサーバー、燃焼機器をつなぐ配管図

オイルサーバーは、灯油タンクから灯油を吸い上げて、本体内の貯油槽に貯めます。
貯めた灯油は、暖房機との高さの差(落差)で、暖房機へ流れていきます。

📎 出典:サンポット|取扱説明書 オイルサーバー OS-302/OS-302U/OS-302UP

サンポットの取扱説明書では、オイルサーバーは、油タンクから灯油を自動で汲み上げ、本体内に貯めて、落差で燃焼機器へ供給する機器とされています。

📎 出典:ベストパーツ|灯油ストーブを2階で使いたい!2階でも自動給油できる『オイルサーバー』

また、2階での使用を解説した記事では、オイルサーバーは持ち上げた灯油を押し出す機能がないため、送油する機器より高い位置に設置する必要があると説明されています。

つまり、2階の暖房機に灯油を送るには、オイルサーバー本体を、暖房機より少し高い位置に取り付ける必要があります。
ただし、高ければ高いほど良いわけではなく、取扱説明書には、燃焼機器との落差は2m以下で使用すること、とされています。

高さと距離の目安

項目目安ポイント
揚程(油タンクの流出口から本体下面まで)最高10mできるだけ低く設置する
本体と暖房機の落差2m以下暖房機より高く、高すぎない位置
配管全長(油タンクから本体)50m以下長いほど、能力が落ちる
出口側の配管が長いとき片側15m以内本体を中間に設置する
2台以上を直列で使うできない10m以上の揚程を得ることはできない

2階建て住宅の場合、1階の灯油タンクから、2階の天井近くの壁に本体を取り付けるとしても、揚程は10mに収まることが多いですが、住宅の構造や、タンクの位置で変わります。
設置前に、必ず、現地で高さを測って確認してください。

戻り配管は欠かせない

2階へ給油する場合、特に大切なのが、戻り配管(戻り管)です。

項目内容
戻り配管の役割余った灯油を、灯油タンクに戻す
戻り配管の落差1.5m以上(サンポットの取扱説明書)
戻り口の位置油タンクが満タンでも、戻り口が灯油につからないようにする
落差が足りないとき太い配管(15A)を使う

前述のベストパーツの記事では、オイルサーバーにはあふれを防ぐ装置があるものの、故障して灯油があふれると、においが住宅に残るおそれがあるため、戻り配管は必須と説明されています。
また、一般的な油タンクには、戻り配管の受け口がない場合があるため、リターンアダプターなどの部品が必要になることがあります。

戻り配管は、万一の灯油のあふれを防ぐ大切な配管です。省略せず、必ず設置してください。

配管の形の注意点

2階への配管は、形を誤ると、灯油が流れなくなります。

配管注意点
入口側(タンクから本体)油タンクの底面より下で横引きし、継ぎ目をできるだけ作らない
入口側の部品逆止弁などを追加で付けない
出口側(本体から暖房機)途中で凸状にしない(空気だまりで灯油が流れなくなる)
戻り管落差1.5m以上、戻り口が満タンの灯油につからないように

取扱説明書では、入口側の配管は空気漏れが吸い上げ不良の原因になるため、継ぎ目をできるだけ作らないこととされています。
出口側の配管は、途中で盛り上がる形にすると、空気がたまって灯油が流れなくなるため、避けるよう示されています。
空気がたまったときの対処は、オイルサーバーのエア抜き方法|空気が入る場所と抜ける目安で解説しています。

1階と2階の両方に給油する場合の分岐

1つの灯油タンクから、1階と2階の両方の暖房機へ灯油を送りたい場合があります。

条件注意点
1階の暖房機へ自然落差で送る分岐は、油タンクの流出口の直下付近で行う
1階の暖房機へ送る配管の分岐暖房機の近くで分岐すると、1階側の灯油が不足し、燃焼トラブルの原因になる
1つのタンクから複数のオイルサーバー油タンクの底面より下で太い横引き配管を行い、各本体へ分岐させる

燃焼機器の近くで分岐すると、1階の暖房機への給油が不足して、燃焼のトラブルにつながることがあります。
分岐の位置は、設置前の計画で決める必要があるため、専門業者に任せましょう。

暖房機の台数と能力

2階に複数の暖房機を置く場合は、本体の吸い上げ能力にも注意が必要です。

項目内容
能力の目安取扱説明書では、燃焼機器の最大消費量の合計は、吸い上げ能力の3分の1を超えないようにする
機種による能力の違い能力の異なる機種があり、数値は機種で異なる
例(記事で紹介された機種)供給能力は15L/h、19L/h、30L/hなど、機種で異なる

暖房機を増やす予定がある場合は、将来を見据えて、能力に余裕のある機種を選ぶのも一つの方法です。

2階給油の設置の流れと依頼先

手順内容
1現地調査:タンクの位置、2階の暖房機の位置、配管経路、高さを確認する
2機種の選定:吸い上げ能力、屋内用か兼用かを決める
3配管計画:入口側、出口側、戻り配管、分岐の位置を決める
4施工:配管・本体・電源を設置する
5呼び油・試運転:呼び油を入れ、油漏れがないか確認する

2階給油は、高さと配管の条件が複雑です。経験のある専門業者に、現地調査から依頼してください。
費用の考え方は、オイルサーバーの取り付け費用|工事内容と金額が変わる条件で解説しています。

2階給油の試運転と、設置後の確認ポイント

設置が終わったら、実際に灯油が2階の暖房機まで届くかを、試運転で確認します。

確認項目見るポイント
汲み上げの完了呼び油のあと、10〜15分ほどでモーターが止まるか
流出弁フック「開」の位置になっているか
2階の暖房機への供給暖房機が点火し、燃焼を続けるか
油漏れ本体、継手、水抜き栓部、フィルターカバー部に灯油のにじみがないか
戻り配管戻り口の位置が、満タン時の灯油につからない高さか
運転音空気が抜けたあとに、静かになっているか

試運転では、暖房機が燃焼を続けられるかまで確認してください。点火できても、供給が足りず、途中で消えることがあります。
2階で暖房機を使い始めてから、点火しない、途中で消えるといった症状が出た場合は、灯油が届いていない可能性があります。
まず、灯油タンクの残量と元栓、流出弁フックの位置を確認し、それでも改善しない場合は、配管の形(凸状の部分)を設置業者に点検してもらってください。

よくある質問

Q1. 1階の灯油タンクから、2階のストーブへ灯油を送れますか?

送れます。オイルサーバーが、タンクの灯油を吸い上げ、2階へ送ります。ただし、機種の最高揚程の範囲内で、本体を暖房機より高い位置に設置する必要があります。サンポットの取扱説明書では、揚程は最高10m、暖房機との落差は2m以下とされています。

Q2. 2階にオイルサーバーを設置するとき、どこに取り付けますか?

2階の暖房機より高い位置の、堅固で垂直な壁や柱が基本です。中空の壁は、振動が伝わりやすいため避けます。また、押し入れ、天井裏、クローゼットには設置できません。寝室や書斎の近くは、運転音が気になるため避けましょう。

Q3. 戻り配管がなくても、使えますか?

戻り管は、取扱説明書では推奨とされていますが、2階給油の解説記事では、万一の灯油のあふれによるトラブルを避けるため、必須と説明されています。安全のために、設置してください。戻り配管の落差や、戻り口の位置にも、決まりがあります。

Q4. 2階の暖房機を増やしたいのですが、問題ありますか?

燃焼機器の最大消費量の合計は、吸い上げ能力の3分の1を超えないようにすることが、取扱説明書に示されています。暖房機を増やすと、この条件を超えることがあるため、業者に能力を確認してもらってください。必要に応じて、能力の高い機種への交換を検討します。

Q5. 2階で灯油が届かなくなりました。何を確認すればよいですか?

灯油タンクの残量と元栓、呼び油、配管の空気漏れ、出口側配管のエアロック(凸状の部分の空気だまり)、流出弁フックの位置を確認します。2階では、配管の形が原因のことも多いため、確認で直らない場合は、設置業者に点検を依頼してください。

まとめ

2階でオイルサーバーを使うには、機種の性能と、設置の高さ、配管の形の条件を満たすことが大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
仕組み吸い上げて貯めた灯油を、落差で暖房機へ送る。押し出す機能はない
高さの目安揚程は最高10m、暖房機との落差は2m以下
戻り配管万一のあふれ対策として欠かせない。落差1.5m以上
配管の注意入口側は継ぎ目を減らし、出口側は凸状にしない
分岐暖房機の近くで分岐せず、油タンクの流出口付近で行う

2階給油の条件は、専門的な判断が多いため、早めに専門業者に相談するのがおすすめです。
まずは、灯油タンクと2階の暖房機の位置関係が分かる写真を撮るところから始めてみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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