お湯が急に熱くなったりぬるくなったりして、リモコンにH56やH59、H87、H88といった表示が出ていませんか。
これらのコードは、タンクの高温のお湯と水を混ぜて設定温度を作る混合弁まわりの異常を示すものとして案内されています。
設定より高い温度のお湯が出るおそれがあるため、やけどに注意が必要な表示です。
この記事では、まず行うべき安全確認から、自分で確認できる原因、リセットの手順、点検を依頼する目安までを順に解説します。
まず安全の確認から
湯温の制御が乱れている状態では、蛇口やシャワーから想定より熱いお湯が出ることがあります。
表示に気づいたら、次の順で対応してください。
- 給湯温度の設定をいったん低め(40℃前後)にする
- お湯を使う前に、必ず手で温度を確かめる
- 小さな子どもや高齢の家族が、単独で入浴や洗い物をしないようにする
- 明らかに熱いお湯が出る場合は、その蛇口の使用を止める
湯温が安定しない状態でのシャワーの使用は避けてください。
体にかけている最中に急に温度が変わると、とっさに動けずやけどにつながります。
浴そうにお湯をためる場合も、入る前に手でかき混ぜて温度を確かめてから入ってください。
対象のコードが示している状態
| 表示 | 示している状態 |
|---|---|
| H56 | ふろへの注湯時に、設定より高い温度を検知した/ふろ側の混合弁が水側の位置を検出できない |
| H59 | 給湯時に、混合弁の動きと実際の温度が合わない/水側の位置を検出できない |
| H87 | 単独給湯時に、湯側や水側の位置に対して温度が想定から外れている |
| H88 | ふろへの注湯時に、設定より一定以上高い温度が続いた |
いずれも、混合弁の動きと、実際に測った温度が食い違っているという点で共通しています。
なお、表示の意味や条件は機種によって異なるため、お使いの機種の取扱説明書に記載がある場合はそちらが優先です。
エラーコード全体の分類を確認したい場合は、パナソニック エコキュート エラーコード一覧|原因と対処法を簡単解説もあわせてご覧ください。
混合弁は何をしている部品か
エコキュートのタンクには、高い温度のお湯が貯められています。
そのまま蛇口へ送るわけにはいかないため、水と混ぜて設定温度に整えてから送り出します。
その調整を担っているのが混合弁です。
つまり、水側が効かなくなると、高温のお湯がそのまま出てしまうことになります。
これらのコードでやけどへの注意が必要なのは、この仕組みによるものです。
「水が来ていない」ケースを先に確認する
部品の故障を疑う前に、確認しておきたいことがあります。
混合弁が正常でも、混ぜるための水が届いていなければ、同じように高温のお湯が出るからです。
- 断水していないか(台所や洗面所で水が出るかを確認する)
- 給水元栓や止水栓が閉まっていないか
- 冬季であれば、給水配管が凍結していないか
特に凍結は、寒い朝に突然この症状が出る背景としてよくあります。
日中に気温が上がれば自然に解けて復旧することが多いため、まずは時間を置いてください。
凍結した配管に熱湯をかけると、急激な温度変化で配管が破裂するおそれがあります。
急ぐ場合でも、タオルを巻いた上からぬるま湯をゆっくりかける方法にとどめてください。
リセットの手順
原因が断水や元栓の閉まりであれば、解消したうえで次の操作を行います。
- 給水元栓が「開」になっていることを確認する
- 貯湯ユニットの漏電しゃ断器を「切」にする
- 約1分待つ
- 漏電しゃ断器を「入」に戻す
- 給湯温度を低めに設定し、手で温度を確かめながら確認する
原因が残ったままリセットしても、使い始めた時点で同じ表示に戻ります。
貯湯ユニットのカバーを開けて、混合弁や配線に触れないでください。
内部には200Vの電圧がかかる部分があり、感電やショートのおそれがあります。
表示が消えない場合、取扱説明書では、給水元栓を閉め、配線用しゃ断器と貯湯ユニットの漏電しゃ断器を「切」にしたうえで販売店に連絡するよう案内されています。
ただし冬季は例外で、凍結のおそれがある時期はしゃ断器や凍結予防ヒーターを切らずに連絡してください。
部品側で疑われること
水が正常に来ているのに表示が続く場合は、機器内部に原因があります。
| 疑われる箇所 | 内容 |
|---|---|
| 混合弁の逆止弁 | ごみの噛み込みで、湯側や水側の流れが正しく止まらない |
| 混合弁本体 | 固着や駆動部の不良で、指示どおりの位置にならない |
| 給湯・ふろ給湯サーミスター | 温度の検知がずれ、制御が成り立たない |
| 配線・コネクタ | 抜けや接触不良 |
ごみの噛み込みは、断水の復旧直後や、水道工事のあとに起こることがあります。
一度でも表示が出た場合は、そのタイミングを覚えておくと点検の手がかりになります。
太陽熱の利用システムをつないでいる場合
太陽熱利用の給湯システムと接続している住宅では、その接続部分が原因になっていないかも確認の対象になります。
該当する場合は、点検の際にソーラーシステムと接続している旨を必ず伝えてください。
一般的な設置とは配管の構成が違うため、伝えていないと原因の切り分けに時間がかかります。
点検までの間の使い方
- 給湯温度の設定を低めにして、必ず手で確かめてから使う
- シャワーは避け、洗面器などでお湯をためて温度を確認してから使う
- 浴そうへは蛇口からためて、入る前にかき混ぜて温度を確かめる
- 追いだきや自動保温は控える
湯温が安定しないうえに湯量もおかしい、蛇口からお湯自体が出ないという場合は、原因が混合弁だけにとどまっていない可能性があります。
その切り分け方はオール電化でお湯が出ない原因は?故障かお湯切れかを切り分けて解説で整理しています。
業者に伝えること
- リモコンに表示されているコード(番号をそのまま)
- 熱いのか、ぬるいのか、どちらの症状か
- 症状が出るのは給湯側か、浴そうへの注湯時か
- 断水や水道工事、凍結など、直前の出来事
- 太陽熱利用システムの接続の有無
- 機器の品番と設置年
熱いのかぬるいのかという一言が、原因の絞り込みに直結します。
高温側に振れているのか、低温側なのかで、疑う弁の向きが変わるためです。
修理と交換の考え方
逆止弁のごみを取り除くだけで収まる場合と、混合弁のユニットごと交換する場合とでは、費用の規模が変わります。
サーミスターの交換が同時に必要になることもあり、点検を受けたうえで見積もりを確認してください。
設置から10年前後が経過している機器では、混合弁を交換しても他の部品の寿命が近いことが多く、本体交換と比較して判断するのが現実的です。
考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
よくある質問
Q1.お湯が熱すぎます。すぐに使用を止めるべきですか。
A.明らかに熱いお湯が出る場合は、その蛇口の使用を止めてください。設定温度どおりに調整できていない状態では、やけどの危険があります。給湯温度の設定を低めにしたうえで、手で温度を確かめながら使うか、点検が済むまで使用を控えるという判断をおすすめします。小さな子どもや高齢の家族がいる家庭では、特に注意が必要です。
Q2.断水のあとから症状が出ています。関係はありますか。
A.あります。断水や水道工事のあとは、配管内のごみが混合弁の逆止弁に噛み込むことがあります。この状態になると、水側が正しく閉じない、あるいは湯側が止まらないといった不具合が起こり、湯温が安定しなくなります。断水があった時期を覚えておき、点検の際に伝えてください。
Q3.冬の朝だけ熱いお湯が出ます。
A.給水配管が凍結し、混ぜるための水が届いていない可能性があります。日中に気温が上がって解ければ元に戻ることが多いため、まずは時間を置いて様子を見てください。熱湯をかけて解かそうとすると配管の破裂につながるため避けてください。毎年繰り返す場合は、配管の保温が不足しているサインです。
Q4.リセットで表示が消えました。修理は不要ですか。
A.原因が断水や元栓の閉まりであれば、それで解決していることが多いです。ただし、水が正常に来ている状態で表示が出たのであれば、部品側に原因が残っている可能性があります。消えたあとも湯温が不安定に感じる、再び表示が出るという場合は、点検を依頼してください。やけどに関わる部分なので、様子見は短めに切り上げるのが安全です。
Q5.湯温がぬるいだけでも故障ですか。
A.混合弁の不具合では、高温側だけでなく低温側に振れることもあります。設定温度どおりのお湯が出ない状態は、いずれにしても制御が正しく働いていないことを意味します。ただし、単純に湯切れが近い場合もぬるくなるため、残湯量表示もあわせて確認してください。残湯が十分あるのにぬるい場合は、点検の対象になります。
まとめ
H56・H59・H87・H88は、高温のお湯と水を混ぜて温度を作る混合弁まわりの異常を知らせる表示です。
設定より熱いお湯が出るおそれがあるため、まず給湯温度を低めにし、手で確かめてから使う運用に切り替えてください。
部品の故障を疑う前に、断水や給水元栓の閉まり、冬季の凍結といった「水が届いていない」原因を確認するのが順番です。
水が正常に来ているのに表示が続く場合は、逆止弁のごみや混合弁の不具合が考えられるため、症状が熱い側かぬるい側かを伝えたうえで点検を依頼してください。

