お湯を使っていないのにリモコンにエラーが出ている。
運転スイッチを入れた瞬間に止まってしまう。
そんな症状で721や722が表示されているとき、機器の中で起きているのは火がついていないのに「炎がある」と検知してしまっている状態です。
擬似炎検出という耳慣れない名前ですが、意味は「本物ではない炎を検出した」ということです。
そして機器は、この状態では動かないようにできています。
この記事では、なぜ誤検知が安全に関わるのか、どんな条件で起きやすいのか、そして似た番号との違いを整理します。
721・722は誤検知を知らせる番号
パーパスの公式エラー番号一覧では、次のように定義されています。
| 番号 | 内容 |
|---|---|
| 721 | 給湯側の擬似炎検出 |
| 722 | ふろ側の擬似炎検出 |
末尾の数字で部位が分かれる規則は他の番号と同じで、1が給湯側、2がふろ側です。
公式の処置はいずれも修理の依頼です。
なぜ誤検知が安全に関わるのか
給湯器には、炎があるかどうかを電気的に検知する仕組みがあります。
本来の役割は2つです。
- 点火操作をしたあと、ちゃんと火がついたかを確認する
- 燃焼中に火が消えていないかを見張る
火がついていないのにガスを出し続ければ、未燃のガスが機器内にたまります。
それを防ぐために、炎の有無を常に確認しているわけです。
ここで、火がないのに「ある」と誤って判断される状態は、この安全の仕組みが機能しないことを意味します。
消えていることに気づけないまま運転を続ける可能性があるためです。
だから機器は、運転を始める前の時点で炎を検知してしまった場合、その回の運転そのものを行いません。
721や722が出て動かないのは、故障というより安全側に倒した結果です。
症状の出方
この番号には、他のエラーと違う特徴があります。
- 誰もお湯を使っていないのに表示が出ている
- 運転スイッチを入れた直後に止まる
- 給湯栓を開けた瞬間にエラーになり、点火しない
- 電源を入れ直すといったん消えるが、しばらくすると再発する
「使っていないのにエラーが出る」という点が、この番号を見分ける手がかりになります。
多くのエラーは運転中や運転しようとしたときに出ますが、擬似炎検出は待機中でも表示されます。
起きやすい条件
誤検知の背景として考えられるのは、次のようなものです。
湿気や結露
炎の検知は微弱な電気の流れを見ているため、湿気があると本来流れないはずの経路に電気が通ってしまうことがあります。パーパスも、台風などの強風をともなう大雨では機器内のセンサー部が湿気を帯びて点火不良となるケースがあると案内しています。
電極まわりの汚れ
炎を検知する電極にすすや汚れが付着すると、電気の流れ方が変わります。燃焼状態が悪い期間が続いたあとに出やすくなります。
経年による絶縁の低下
配線の被覆や碍子部分が劣化すると、絶縁が保てなくなります。年数の経った機器で出やすい要因です。
基板側の誤作動
検知した信号を判断するのは基板です。基板側に不具合があれば、電極が正常でも誤検知になります。
391・392との違い
炎の検知に関わる番号は、もうひとつあります。
| 番号 | 内容 | 誤り方 |
|---|---|---|
| 391 | 給湯サーモカップル異常/燃焼改善フレームロッド異常 | 炎があるのに検知できない |
| 392 | ふろ側の同様の異常 | 同上 |
| 721・722 | 擬似炎検出 | 炎がないのに検知してしまう |
391は「見えない」、721は「見えないはずのものが見える」という関係です。
部品としては同じ検知系を使っていますが、誤りの方向が逆になります。
症状としても、391は点火しても止まってしまう、721は運転そのものが始まらない、という違いが出ます。
自分で確認できること
擬似炎検出は機器内部の検知に関わる番号なので、対処できる範囲はほとんどありません。
- 大雨や台風の直後であれば、雨が上がって乾いてから電源プラグを抜き、10秒以上待って差し直す
- 分電盤のブレーカーが落ちていないか確認する
- 表示が出るタイミング(待機中か、運転しようとしたときか)を控える
雨が降っている最中や、コンセント周辺が濡れている状態でのプラグの抜き差しは、感電のおそれがあるため避けてください。
本体のカバーを外して電極を確認する、汚れを落とすといった作業も行わないでください。
高電圧の回路とガスの経路が同じ空間にあり、感電やガス漏れの危険があります。
3番は修理時に役立ちます。
待機中から出ているのか、運転しようとしたときだけなのかで、原因の絞り込み方が変わります。
修理と交換の判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 大雨や台風の直後で、乾かして電源を入れ直したら復帰した | 経過を見る |
| 天候のたびに再発する | 湿気の侵入。設置環境を施工業者に相談 |
| 電源を入れ直すと動くが、数日で再発する | 劣化が進行中。点検を依頼 |
| リセットしても消えない | 修理を依頼する |
| 700番台の番号も同時に出ている | 基板側が疑われる。費用を確認 |
| 使用年数10年以上で繰り返す | 交換を検討 |
電極や配線の交換で済む場合と、基板の交換になる場合で費用が大きく変わります。
700番台の番号が併発しているなら基板側の可能性が高く、修理費用が上がりやすいと考えてください。
修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
なお、ガスそのものが届いていない場合は721ではなく別の番号が主因です。
点火系についてはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
他社での番号の位置づけはパロマ給湯器のエラーコード一覧も参考になります。
よくある質問
Q. お湯を使っていないのに721が出ます。故障でしょうか。
A. 待機中に表示されるのは、この番号の典型的な出方です。擬似炎検出は「火がないのに炎があると検知した」状態を示すため、運転していなくても成立します。機器は次の運転を安全のために止めているので、放置すればお湯が使えないままになります。大雨の直後であれば乾かして電源を入れ直すと復帰することがありますが、それ以外は修理の依頼が必要です。
Q. 電源を入れ直すと使えるようになりますが、また出ます。
A. 誤検知の原因が残っている状態です。湿気であれば乾けば消え、湿度が上がれば再発します。電極の汚れや絶縁の劣化であれば、条件が揃うたびに繰り返します。リセットで一時的に動くのは症状が進行している途中の典型的なパターンなので、数日おきに出るようであれば点検を依頼してください。放置していると、そのうちリセットでも動かなくなります。
Q. 721が出ている間、ガスは危険な状態ですか。
A. 危険な状態ではありません。むしろ機器が安全のために運転を止めている状態です。擬似炎検出は、炎の有無を正しく判断できない可能性があると機器が認識したことを示しており、その状態でガスを出さないようにしています。ただしガスのにおいがする場合は別の問題なので、その場合は窓を開けて換気し、ガス会社に連絡してください。
Q. 722が出ていますが、シャワーは使えます。
A. 722はふろ側の擬似炎検出なので、給湯側には影響しません。シャワーや台所のお湯が使えるのは自然な状態です。ただし追い焚きや自動湯はりは使えません。給湯が使えているうちに点検を手配してください。なお、しばらくすると給湯側の721も出てくることがあります。検知系や基板は共通している部分があるためです。
Q. 391と721、どちらも炎の検知に関わるとのことですが同時に出ますか。
A. 同時に出ることは多くありませんが、時期を前後して出ることはあります。391は炎があるのに検知できない状態、721は炎がないのに検知する状態で、誤りの方向は逆です。ただし原因となる部位は共通しているため、劣化が進むと両方の症状が現れることがあります。両方の番号を見た場合は、どちらもメモして修理時に伝えてください。原因の特定が早くなります。
まとめ
パーパスの721・722は擬似炎検出、つまり火がついていないのに炎があると検知してしまった状態です。
末尾が1なら給湯側、2ならふろ側を示します。
この番号の特徴は、使っていないときにも表示されることです。
炎の有無を正しく判断できない状態では安全を確保できないため、機器は運転そのものを行いません。
背景にあるのは湿気や結露、電極まわりの汚れ、絶縁の劣化、基板側の誤作動です。
大雨や台風の直後であれば、乾いてから電源プラグを入れ直すことで復帰する可能性があります。
ただし雨天時や濡れている状態での操作は感電のおそれがあるため避けてください。
繰り返す場合は原因が残っているので、修理を依頼してください。

