MENU

ファンヒーターに延長コードは使える?コンセントと消費電力の注意点

ファンヒーターと壁のコンセント、延長コードを描き、消費電力の注意点を伝えるイラスト。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

初めに結論を言いますと、ファンヒーターは、できるだけ壁のコンセントに直接つなぐのが基本です。
延長コードを使う場合は、定格容量に余裕のあるものを選び、ほかの機器と同じコンセントに接続せず、コードを束ねたまま使わないことが条件になります。
特に、電気のファンヒーターは消費電力が大きく、延長コードの使い方を誤ると、発熱や火災の原因になります。

この記事では、ファンヒーターに延長コードを使うときの条件と、消費電力の確認方法、やってはいけない使い方を整理します。
石油・ガス・電気ごとの考え方の違いも、あわせて書きます。

目次

結論:壁のコンセントに直接つなぎ、延長が必要なら定格容量を確かめる

延長コードの使い方の基本は、次のとおりです。

場面考え方
壁のコンセントに届く直接つなぐ。延長コードは使わない
届かず、延長が必要定格容量に余裕のある延長コードを、単独で使う
ほかの家電と同時に使いたい同じ延長コードにつながない
コードが余る束ねずに、伸ばして使う
電気ファンヒーター特に消費電力が大きいため、壁のコンセントに直接が原則

延長コードを使うこと自体が、すぐに危険というわけではありません。
ただし、消費電力が大きい機器につなぐと、条件を守らなければ、事故のリスクが一気に高まります。

延長コードで火災が起きる仕組み

延長コードやテーブルタップは、流せる電力に上限があります。
その上限を超えて使うと、コードや接続部が発熱します。

原因内容
定格容量を超える流れる電流が多すぎて、コードが発熱する
コードを束ねて使う熱がこもり、被覆の温度が上がる
プラグの接続がゆるい接触不良で、接続部が発熱する
ほこりと湿気プラグの間にたまり、トラッキング現象が起きる
コードの傷や断線内部で火花が出る

製品評価技術基盤機構(NITE)の資料でも、2007年に神奈川県で起きた火災の事例が紹介されています。
テーブルタップの定格容量を超えて、ファンヒーターと電気毛布2枚を接続し、さらにコードを束ねて使ったため、コードが過熱して発火しました。
住宅5棟が焼け、家人が重度のやけどを負っています。
NITE 製品の安全な使い方に、事例と注意点が書かれています。

この事例から分かるのは、「定格容量の超過」と「コードを束ねたまま使用」が重なると、重大な事故につながるということです。

ファンヒーターの消費電力を知る

延長コードを使うかどうかを考える前に、ファンヒーターの消費電力を知っておきます。

スクロールできます
種類消費電力の目安延長コードへの影響
石油ファンヒーター運転中は小さい。点火時は一時的に大きくなる点火時の電力を考慮する
ガスファンヒーター運転中は小さい電力の面では、余裕がある
電気(セラミック)ファンヒーター600W〜1,200W程度の機種が多い延長コードの定格容量に近づく

本体に貼られた銘板や、取扱説明書には、消費電力が表示されています。
石油ファンヒーターでは、点火時と運転時で、数値が分かれて書かれていることがあります。

電気のファンヒーターは、最大で1,200W程度の機種が多く、一般的な延長コードの定格容量である1,500Wに、近づく場合があります。
ほかの家電と同時に使うと、定格を超えやすくなります。

延長コードの定格容量を確認する

延長コードには、使える電力の上限(定格容量)が表示されています。

表示意味
15A 125V15アンペア、100V換算で合計1,500Wまで
1,500W合計1,500Wまで
各コンセントの定格差込口ごとの上限も示されることがある
合計の定格全部の差込口を合わせた上限

延長コードの定格容量が1,500Wの場合、つないだ機器の消費電力の合計が1,500Wを超えると、危険です。
NITEの資料にも、テーブルタップに表示された使用できる消費電力の合計を守るよう、示されています。

選ぶときは、定格容量が、使う機器の消費電力に対して、十分に余裕のあるものを選びます。
細いコードの安価な製品は、定格容量が小さいことがあるので、表示を確認してください。

延長コードを使うときの条件

延長コードを使わざるを得ない場合は、次の条件を守ってください。

条件内容
単独で使うファンヒーター以外の機器を、同じ延長コードにつながない
定格容量に余裕がある機器の消費電力より、十分に大きい
短いものを選ぶ必要な長さにとどめる
コードを伸ばす束ねたり、巻いたりした状態で使わない
差し込みを確実にプラグが奥まで入り、ぐらつかない
定期的に点検する熱くなっていないか、変色していないかを触って確かめる
ほこりを取るプラグと差込口のほこりを、乾いた布で拭く

ドラム式のコードリールは、コードを巻いたまま使うと、熱がこもって、定格容量が下がることがあります。
使うときは、コードをすべて引き出して使ってください。

やってはいけない使い方

次の使い方は、避けてください。

やってはいけないこと理由
タコ足配線複数の機器を一つのコンセントにつなぐと、定格を超える
コードを束ねたまま使う熱がこもり、被覆の温度が上がる
家具の下敷きにする芯線が傷んで断線し、発火のおそれがある
ドアに挟むコードが傷つき、断線する
ぬれた手で触る感電の危険がある
コードを引っ張って抜く接続部が傷み、接触不良や断線の原因になる
長期間差したままにするほこりと湿気で、トラッキング現象が起きる
傷んだコードを使い続ける発熱や、火災の原因になる

特に、タコ足配線は、気づかないうちに定格容量を超えやすい使い方です。
ファンヒーターを使う部屋で、ほかの暖房や、電気毛布、加湿器などを同じコンセントにつないでいないか、確認してください。

トラッキング現象とは

長く差したままにしているプラグには、ほこりと湿気がたまりやすくなります。
ほこりが湿気を含むと、プラグの刃と刃のあいだで、電気が流れ、火花が出ることがあります。
これを、トラッキング現象と呼びます。

対策内容
定期的な掃除乾いた布で、プラグとコンセントのほこりを拭く
使わないときは抜く長期間使わないときは、プラグを抜く
家具の裏に注意家具の裏のコンセントは、ほこりがたまりやすい
湿気の多い場所台所、洗面所、結露する窓際は、特に注意する

ファンヒーターのプラグも、シーズンの初めに、ほこりを取っておくことをおすすめします。
使い始めの点検の流れは、ファンヒーターはいつから使うかの記事で整理しています。

ブレーカーとの関係

同じ部屋の複数のコンセントは、同じ回路につながっていることがあります。
回路ごとに、使える電力の上限があり、超えるとブレーカーが落ちます。

状況起きること
同じ回路で複数の暖房を使う合計の電力が上限を超え、ブレーカーが落ちる
電気ファンヒーターと、電子レンジ、ドライヤーの同時使用大きな電力が重なり、ブレーカーが落ちる

ブレーカーが落ちるのは、安全のための働きです。
落ちたときは、同時に使っている機器を減らしてから、復旧してください。
ブレーカーが何度も落ちる場合は、使い方を見直すか、電気工事の専門家に相談してください。

電気ファンヒーターの電気代の考え方は、石油ファンヒーターの電気代の記事も、参考になります。

置き場所とコンセントの関係

延長コードが必要になる理由の多くは、置き場所と、コンセントの位置が合わないことです。
置き場所を見直すと、延長コードを使わずに済む場合があります。

工夫内容
コンセントの近くに置く壁のコンセントに、直接届く位置を選ぶ
置き場所の条件を満たす壁や家具から離れ、安全な位置を確認する
別のコンセントを使う部屋のほかのコンセントに、つなぎ替える
コンセントを増設する電気工事で、必要な位置に設ける

置き場所の基本は、石油ファンヒーターの置き場所の記事で整理しています。
コンセントが足りない場合は、増設を検討することも、選択肢です。

石油・ガスのファンヒーターと延長コード

石油ファンヒーターやガスファンヒーターは、運転中の消費電力が小さい機種が多く、電気ファンヒーターに比べると、延長コードの容量には余裕があります。
それでも、延長コードを使ってよいとは限りません。

理由内容
点火時の電力点火のときは、運転中より大きな電力が一時的に流れる
抜けやすい延長コードの差込口は、壁のコンセントよりゆるいことがある
振動で外れる運転中に差込口が外れると、突然消火して不完全燃焼につながるおそれがある
足を引っかける床を這うコードに足を引っかけると、本体が転倒する

特に、コードに足を引っかけて、本体が倒れる事故は、燃料を使う機種では重大です。
対震自動消火装置があっても、倒れる場面は避けたいところです。
コードは、通路を横切らない位置に、まとめずに這わせてください。

電源コードの長さが足りないときは、置き場所を変えて、コンセントの近くに寄せるほうが安全です。

買い替えや購入のときに確認したいこと

これから電気ファンヒーターを買う場合は、コードの長さと、消費電力を、購入前に確かめておくと安心です。

確認する点内容
コードの長さ置きたい場所から、コンセントまで届くか
消費電力最大何Wか。切り替えで下げられるか
転倒時の安全装置倒れたときに自動で止まるか
プラグの形3極か2極か。コンセントの形と合うか

消費電力を切り替えられる機種なら、ほかの機器と回路を分ける余裕がないときに、弱めの運転で使うことができます。

浴室や脱衣所で使いたい場合は、水まわりに延長コードを持ち込む危険があります。
浴室・脱衣所でファンヒーターを使う記事も、確認してください。

よくある質問

Q1. ファンヒーターに、延長コードを使ってもいいですか?

壁のコンセントに直接つなぐのが基本です。どうしても届かない場合は、定格容量に余裕のある延長コードを、ほかの機器と共用せずに使ってください。

Q2. 電気ファンヒーターと、ほかの家電を同じ延長コードにつないでもいいですか?

避けてください。合計の消費電力が定格容量を超え、発熱や火災の原因になります。

Q3. 延長コードは、どれくらいの定格容量を選べばいいですか?

つなぐ機器の消費電力に対して、十分に余裕のあるものを選びます。一般的には1,500Wのものが多いため、消費電力の大きい電気ファンヒーターには、単独で使ってください。

Q4. コードが余ったとき、巻いておいてもいいですか?

束ねたり、巻いたりした状態で使うのは、避けてください。熱がこもって、被覆の温度が上がる原因になります。

Q5. コードが温かくなっています。大丈夫ですか?

異常に熱い場合は、すぐに使用を中止してください。プラグを抜いて、コードやプラグの状態を確認し、必要に応じて交換してください。

まとめ

ファンヒーターは、壁のコンセントに直接つなぐのが基本で、延長コードを使うときは、定格容量と使い方の条件を守ります。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
基本壁のコンセントに直接つなぐ
延長コードの条件単独で使う、定格容量に余裕、束ねず伸ばして使う
事故の原因定格容量の超過、コードの束ね、ほこりと湿気
消費電力電気ファンヒーターは600〜1,200W程度で、特に注意
やってはいけないことタコ足配線、家具の下敷き、傷んだコードの使用
点検定期的にプラグのほこりを取り、熱を持っていないか確認する

まずは、いまファンヒーターをつないでいるコンセントに、ほかの機器が同時につながっていないかを、確認してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次